元カレに囲まれて

一条咲穂(花宮守から改名)

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第2章 元カレ、また元カレ

第1話

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 会社だし、責任あるし。大変なことが多いだろうって、予想も覚悟も、ある程度はしてた。だけど、違うの。こういうんじゃないの、私が覚悟してたのは!
「お、香原。来たなー。よろしくっ」
「真……」
 元カレ二人目。順番的にも二人目。南條真、高校の同級生。先生と別れて傷心の私を支えてくれた。高校の終わりから、大学一年まで付き合った。
 従業員入口を入ってすぐのところで待ち構えていた真は、当たり前のように私を案内した。私よりほんのちょっと背が高い。先生よりも顔の位置が近いわけ。

 大きな会議室での入社式の間、高校卒業前後のことを次から次へと思い出さずにはいられなかった。

 卒業式の日、真とは、あとで合流しようねっていうことになって、仲のよかった女の子たちと賑やかに校門を出た。すぐ就職する子もいるし、遠くの大学に行く子もいる。今までみたいには会えなくなるから、今日は時間を忘れておしゃべりしようね、って。
 今までみたいには、会えなくなるから――。
 振り返ると、教室の窓辺に、あの人の姿があった。大切にしてくれたのに、私が子供すぎて自分から別れを告げてしまった人。その後も、先生としては変わらず優しくて、恋人ではなくなったけどお兄さんみたいな距離でいてくれた。
 もう、会えない……。
「ごめん、忘れ物しちゃった。先行ってて!」
「そうなの? 待ってようか?」
「うぅん、いつものあそこでしょ? 大丈夫だよ」
「じゃあ、場所変える場合はメッセージ入れるから」
「うん!」
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