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29 誓いを胸に
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慧吾はドランス帝国の王都にいた。前に一度来たことがあり、転移で来れたのだ。
今朝早く、子どもたちが起きる前にベイリーには話をしてきた。結界石のこと、シロトラのこと、出ていくこと。
ベイリーはまだいたらどうかと言ってくれたが、それを断ると少なからずほっとしていた。慎ましく暮らしている田舎の農夫には荷が勝ちすぎたようだ。すっかり挙動不審になってしまっていた。
いくら病気を治してくれたとしても、聖獣が満足するもてなし方なんて知らないし、自分ひとりの腹に納めるには大きな秘密だ。
慧吾は重ねて助けてくれた礼を言い、みんなが出かけてからこの家をあとにした。子どもたちの見送りをするときはやっぱり少しさびしく思った。
その後風のうわさに、腹のふくふくとした大きな白ウサギと遊ぶナナの姿があったとかなかったとか。
ともかく慧吾は王都で宿をとった。そして二時間ほど仮眠をし、昼食を取ってギルドに向かった。まだ一ヶ月以上夏休みはあるから構わないだろうと人型になっている。
ギルドに入ってまず二階の資料室で資料を読む。だがめぼしい収穫はなく、情報収集のために階下に降りた。
ふと依頼ボードが目に入って一番上から見ようと顔を上げる。こんなところに来ることはもうないだろうと思い、フードはしていないので視界は良好だ。中でも赤で書かれたひときわ目立つ依頼が気になった。
『至急!! 上位魔獣の捕獲 金貨五十枚 できるだけ傷をつけないこと』
(ふうん、シロトラのことかな。ま、大丈夫だろうけど。あんなにかわいい見た目なのに、かなり上位だよね)
金貨五十枚とはだいたい五百万円くらいだ。周囲の依頼を確認しにきた冒険者たちもそれを読んで色めきたっている。
ほかに興味を引くものがなかった慧吾はカウンターに行って職員に話しかけた。
「あのすみません、魔石を買いたいのですが」
「いらっしゃいませ。魔石ですか?」
「はい、ギルドで買えますか?」
「ええ、いつもは置いてあるのですが、今日はあいにく在庫を切らしておりまして……」
慧吾はがっかりした。自分で取りに行くのは時間がかかるし、手っ取り早く買いたかったのだ。結界石に使いすぎてしまい、残りが心許ない。それにもっと実験もしてみたかった。
「ここから出て少し行った先の店で買うこともできますが、ご自分で行かれるのもいいと思いますよ。埋もれていた古いダンジョンが発掘されて人気になっています」
「うーん……」
興味はあれど、早く帰りたいのも確かだ。
(うん、やめよう。ほかで買えばいいんだ。ダンジョンだってあとでくればいいし。さっさと帰ろう)
そう思って礼を言って出ようとすると、急に出てきた手に小突かれてヨロヨロとよろめいてしまった。
「早くどけよ。おまえみたいなひょろっちいの、ダンジョンなんか行けるわけねーんだよ!」
ムッとして振りかえると、体格のいい、赤毛のチャラチャラした粗野な感じの男がニヤニヤしていた。後ろにもパーティなのか似たようなメンツがだるそうに立っている。
赤毛男が体勢を整えた慧吾をもう一度突きとばそうと手を伸ばしてきた。
「正当防衛だからね」
慧吾は小突かれて腹が立ち、珍しく厳しい声を出して赤毛男の手首を素早く掴み、氷魔法で腕を薄く覆った。
「冷てえ! ィデデデデ!!」
「俺、それ溶かせないから。火であぶればいいんじゃない」
腕を凍らされて慌てる赤毛男とパーティメンバーたちを尻目に、慧吾はギルトをとっとと出た。
ところがギルドを出たとたん、なぜか慧吾は衛兵に囲まれてしまった。
「え、どういうこと? 俺悪くないじゃん」
「いいから来い」
問答無用で衛兵の詰め所に連れていかれ、窓のない部屋に詰めこまれてしまった。転移のできる慧吾はそこまで困っていない。
が、もやもやして納得がいかず、理由を知ろうとおとなしく椅子に座っていた。いざとなれば逃げてしまえばいいのだ。
そこに仕立ての良い服を着た上級貴族らしき男性と騎士たちが、ガチャリとドアを開けて中に入ってきた。
貴族男性が指輪をゴテゴテはめた手で、慧吾の顎をぐいっと掴んで無理に顔を上げさせた。
「こっちを見ろ。……そうだ。ふむ」
慧吾の目を覗きこみ、何かに感心している。慧吾は顔を無理やり背けた。
「お前、その目……加護持ちだな?」
「さあね。知らないけど」
貴族男性は殴りたいのを我慢しているかのように、その手を握ったり開いたりしている。そして口の端だけをもち上げ、どうにか笑顔らしきものを作った。
「最近何か動物や魔獣のようなものに会わなかったかね?」
慧吾は首をひねった。横柄な態度を取られて気分が悪い。こちらも適当に応対する。
「さあ?」
貴族男性はニセの笑顔をかなぐり捨て、慧吾の座った椅子を蹴りとばした。大きな音がして、慧吾は倒れた椅子に座ったままで横にドンと倒れた。
「いってぇ……」
ぶつけた右肩をかばいながら慧吾は立ちあがった。
「コイツを囮にすれば出てくるかもしれん。縛りあげて目立つところに吊るせ」
「は」
貴族男性は落ちつくためか大きな息を吐き出してから騎士に命じた。
「ちょ、ちょっと! わけがわからないのにちゃんと答えられるわけがないだろ! 訳を話せよ!」
「貴様! 口のきき方に気をつけろ!」
騎士が慧吾の足を蹴りつけ、慧吾はたまらずズササッと床に倒れた。慧吾は騎士を見あげて睨みつけた。……顔は覚えた。貴族男性は慧吾の前にかがみ、髪を掴んで慧吾の頭を持ちあげた。
「おまえのその瞳の色……この国に昔、アングレア王国の王子が聖獣を連れてきた。その聖獣が最初に加護を与えた初代王の瞳の色は紫色だったそうだ」
そこで貴族男性は言葉を切り、慧吾の瞳をジロジロと嫌な感じで見た。
「その後聖獣は何度も現れては消えている。しかしそれが同じ個体かどうかは不明だ。複数存在する可能性もある。我々は国運を賭け聖獣を召喚したのだ。途中までは確かに手応えがあった……。だが……」
男性はまだ慧吾の髪を掴んでいたのに気づいて慧吾を乱暴に放った。
「いてて。それが俺になんの関係があるわけ?」
「聖獣は召喚陣に現れなかったのだ。くっ……。私が完全に失敗したとは思えない。どこかこのあたりにいるはずなのだ」
(おまえ~~~~!! おまえかーーッ!!)
この貴族男性のせいで慧吾は瀕死になったのだ。血祭りにあげてやろうか、と慧吾は紫の瞳をギラギラと光らせた。ただまあ、そのおかげでいくらもたたないうちに帰ってこれたわけだ。半殺しくらいにしておいてもいい。
「聖獣さえ手に入れば、ドランスの偉大なる威信が戻るのだ。うまく懐かせさえすれば……」
貴族男性は酷薄な印象の目をうっとりと細めている。
「そんな都合よくいくわけないじゃん」
思わず慧吾はツッコんだ。聖獣が知能が高いのを知らないのだろう。だから犬や馬のように調教でいうことを聞くと思っている。
うっかりツッコんでしまい、また殴られるのかと身構えたが、彼は夢の国にいて聞いていなかったようだ。
旅にでた貴族男性は放っておき、先ほどの命令を遂行しようと騎士が近づいてきて、テキパキと慧吾の手足を縛った。それから肩に担いでどこかへ連れていくようだ。
縛られたのは構わないが、担がれては腹が痛いし頭に血が上る。少ししたら降ろされて、ほっとしていたらまたもや担がれ、それから馬上に引きあげられた。前に騎士が乗り、縄で身体を騎士と固定される。
(なんかヤダー!)
知らないゴツい男とピッタリくっついてタンデムなんてものすごく嫌だ。
(もう帰ってもいいかな。んー、次はどこまで飛べるかな?)
ここで慧吾がいなくなっても、ギルドにもこの連中にも名乗りもしていない。瞳が紫色だということしかわからないし、この国に知りあいもいない。慧吾の情報はいっさいないのだ。国を離れれば簡単に追いつけないに違いない。
知りたいことは聞いたので、最後までつき合ってやる義理もないだろう。
聖獣シスイに変態する光のエフェクトを利用して、慧吾は転移した。
いつか仕返ししてヤルー! と誓いながら。
今朝早く、子どもたちが起きる前にベイリーには話をしてきた。結界石のこと、シロトラのこと、出ていくこと。
ベイリーはまだいたらどうかと言ってくれたが、それを断ると少なからずほっとしていた。慎ましく暮らしている田舎の農夫には荷が勝ちすぎたようだ。すっかり挙動不審になってしまっていた。
いくら病気を治してくれたとしても、聖獣が満足するもてなし方なんて知らないし、自分ひとりの腹に納めるには大きな秘密だ。
慧吾は重ねて助けてくれた礼を言い、みんなが出かけてからこの家をあとにした。子どもたちの見送りをするときはやっぱり少しさびしく思った。
その後風のうわさに、腹のふくふくとした大きな白ウサギと遊ぶナナの姿があったとかなかったとか。
ともかく慧吾は王都で宿をとった。そして二時間ほど仮眠をし、昼食を取ってギルドに向かった。まだ一ヶ月以上夏休みはあるから構わないだろうと人型になっている。
ギルドに入ってまず二階の資料室で資料を読む。だがめぼしい収穫はなく、情報収集のために階下に降りた。
ふと依頼ボードが目に入って一番上から見ようと顔を上げる。こんなところに来ることはもうないだろうと思い、フードはしていないので視界は良好だ。中でも赤で書かれたひときわ目立つ依頼が気になった。
『至急!! 上位魔獣の捕獲 金貨五十枚 できるだけ傷をつけないこと』
(ふうん、シロトラのことかな。ま、大丈夫だろうけど。あんなにかわいい見た目なのに、かなり上位だよね)
金貨五十枚とはだいたい五百万円くらいだ。周囲の依頼を確認しにきた冒険者たちもそれを読んで色めきたっている。
ほかに興味を引くものがなかった慧吾はカウンターに行って職員に話しかけた。
「あのすみません、魔石を買いたいのですが」
「いらっしゃいませ。魔石ですか?」
「はい、ギルドで買えますか?」
「ええ、いつもは置いてあるのですが、今日はあいにく在庫を切らしておりまして……」
慧吾はがっかりした。自分で取りに行くのは時間がかかるし、手っ取り早く買いたかったのだ。結界石に使いすぎてしまい、残りが心許ない。それにもっと実験もしてみたかった。
「ここから出て少し行った先の店で買うこともできますが、ご自分で行かれるのもいいと思いますよ。埋もれていた古いダンジョンが発掘されて人気になっています」
「うーん……」
興味はあれど、早く帰りたいのも確かだ。
(うん、やめよう。ほかで買えばいいんだ。ダンジョンだってあとでくればいいし。さっさと帰ろう)
そう思って礼を言って出ようとすると、急に出てきた手に小突かれてヨロヨロとよろめいてしまった。
「早くどけよ。おまえみたいなひょろっちいの、ダンジョンなんか行けるわけねーんだよ!」
ムッとして振りかえると、体格のいい、赤毛のチャラチャラした粗野な感じの男がニヤニヤしていた。後ろにもパーティなのか似たようなメンツがだるそうに立っている。
赤毛男が体勢を整えた慧吾をもう一度突きとばそうと手を伸ばしてきた。
「正当防衛だからね」
慧吾は小突かれて腹が立ち、珍しく厳しい声を出して赤毛男の手首を素早く掴み、氷魔法で腕を薄く覆った。
「冷てえ! ィデデデデ!!」
「俺、それ溶かせないから。火であぶればいいんじゃない」
腕を凍らされて慌てる赤毛男とパーティメンバーたちを尻目に、慧吾はギルトをとっとと出た。
ところがギルドを出たとたん、なぜか慧吾は衛兵に囲まれてしまった。
「え、どういうこと? 俺悪くないじゃん」
「いいから来い」
問答無用で衛兵の詰め所に連れていかれ、窓のない部屋に詰めこまれてしまった。転移のできる慧吾はそこまで困っていない。
が、もやもやして納得がいかず、理由を知ろうとおとなしく椅子に座っていた。いざとなれば逃げてしまえばいいのだ。
そこに仕立ての良い服を着た上級貴族らしき男性と騎士たちが、ガチャリとドアを開けて中に入ってきた。
貴族男性が指輪をゴテゴテはめた手で、慧吾の顎をぐいっと掴んで無理に顔を上げさせた。
「こっちを見ろ。……そうだ。ふむ」
慧吾の目を覗きこみ、何かに感心している。慧吾は顔を無理やり背けた。
「お前、その目……加護持ちだな?」
「さあね。知らないけど」
貴族男性は殴りたいのを我慢しているかのように、その手を握ったり開いたりしている。そして口の端だけをもち上げ、どうにか笑顔らしきものを作った。
「最近何か動物や魔獣のようなものに会わなかったかね?」
慧吾は首をひねった。横柄な態度を取られて気分が悪い。こちらも適当に応対する。
「さあ?」
貴族男性はニセの笑顔をかなぐり捨て、慧吾の座った椅子を蹴りとばした。大きな音がして、慧吾は倒れた椅子に座ったままで横にドンと倒れた。
「いってぇ……」
ぶつけた右肩をかばいながら慧吾は立ちあがった。
「コイツを囮にすれば出てくるかもしれん。縛りあげて目立つところに吊るせ」
「は」
貴族男性は落ちつくためか大きな息を吐き出してから騎士に命じた。
「ちょ、ちょっと! わけがわからないのにちゃんと答えられるわけがないだろ! 訳を話せよ!」
「貴様! 口のきき方に気をつけろ!」
騎士が慧吾の足を蹴りつけ、慧吾はたまらずズササッと床に倒れた。慧吾は騎士を見あげて睨みつけた。……顔は覚えた。貴族男性は慧吾の前にかがみ、髪を掴んで慧吾の頭を持ちあげた。
「おまえのその瞳の色……この国に昔、アングレア王国の王子が聖獣を連れてきた。その聖獣が最初に加護を与えた初代王の瞳の色は紫色だったそうだ」
そこで貴族男性は言葉を切り、慧吾の瞳をジロジロと嫌な感じで見た。
「その後聖獣は何度も現れては消えている。しかしそれが同じ個体かどうかは不明だ。複数存在する可能性もある。我々は国運を賭け聖獣を召喚したのだ。途中までは確かに手応えがあった……。だが……」
男性はまだ慧吾の髪を掴んでいたのに気づいて慧吾を乱暴に放った。
「いてて。それが俺になんの関係があるわけ?」
「聖獣は召喚陣に現れなかったのだ。くっ……。私が完全に失敗したとは思えない。どこかこのあたりにいるはずなのだ」
(おまえ~~~~!! おまえかーーッ!!)
この貴族男性のせいで慧吾は瀕死になったのだ。血祭りにあげてやろうか、と慧吾は紫の瞳をギラギラと光らせた。ただまあ、そのおかげでいくらもたたないうちに帰ってこれたわけだ。半殺しくらいにしておいてもいい。
「聖獣さえ手に入れば、ドランスの偉大なる威信が戻るのだ。うまく懐かせさえすれば……」
貴族男性は酷薄な印象の目をうっとりと細めている。
「そんな都合よくいくわけないじゃん」
思わず慧吾はツッコんだ。聖獣が知能が高いのを知らないのだろう。だから犬や馬のように調教でいうことを聞くと思っている。
うっかりツッコんでしまい、また殴られるのかと身構えたが、彼は夢の国にいて聞いていなかったようだ。
旅にでた貴族男性は放っておき、先ほどの命令を遂行しようと騎士が近づいてきて、テキパキと慧吾の手足を縛った。それから肩に担いでどこかへ連れていくようだ。
縛られたのは構わないが、担がれては腹が痛いし頭に血が上る。少ししたら降ろされて、ほっとしていたらまたもや担がれ、それから馬上に引きあげられた。前に騎士が乗り、縄で身体を騎士と固定される。
(なんかヤダー!)
知らないゴツい男とピッタリくっついてタンデムなんてものすごく嫌だ。
(もう帰ってもいいかな。んー、次はどこまで飛べるかな?)
ここで慧吾がいなくなっても、ギルドにもこの連中にも名乗りもしていない。瞳が紫色だということしかわからないし、この国に知りあいもいない。慧吾の情報はいっさいないのだ。国を離れれば簡単に追いつけないに違いない。
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