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エピソード5-1
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風呂上がりからそのまま、汐音が眠ってしまいそうだったこともあり、歯磨きをなんとか終わらせて子ども部屋に送り届けた。汐音は自分のベッドに潜り込むと今日はすぐに眠りについた。
ふと喉が乾いていることに気づいた。麦茶でも飲もう。
「あ…。」
嫌なことを思い出した。
眠そうだったから、お風呂を優先してしまってまだ洗い物がある。3人分。
夫は、せめて水につけていてくれただろうか。
そう思って、子ども部屋のドアを開けると、キッチンの方から音が聞こえた気がした。
そっと部屋を出てキッチンを覗くと、水切りラックにごそっと皿が重なっていrのが目に飛び込んだ。
たった今、洗い終わったらしくキッチンまわりは水滴が散っていた。
こういう時色んな情報が目から入ってきて、いろんな事を頭の中で整理している。
頭の中に自分が沢山いるようだ。
片付けてくれたことへの驚愕。
何か企んでいるのではという警戒。
中途半端な感じが否めないことへの懐疑。
待っていてくれたのかもという期待。
そんな思いがいっぺんに湧いて、会議をしている。
「話したいことがある。」
面と向かって夫からそう言われて、水を飲みに来たこととか色々と飛んでしまった。
久しぶりに夫と見つめ合ったのに、千草の中ではドキドキした気分が色んな感情と絡み合っていたのに。
内容はなんてことない業務連絡のようなことで、半強制的なイベントへの参加について。
すでに、会社には自分たちも参加すると伝えてしまっている以上、行きたくないとも言えない。
良い終えて、ホッとしている夫は、
「僕も風呂に入ろうかな。」
といってそそくさと出ていった。
去年は…思い出せないけど、なんか理由があって行けなかったから、今年は何もなければ参加しなければならない。
何回か参加した催しだから、大体のことはわかっている。
汐音は、きっと喜ぶだろう。千草の気持ちがどんな状態だろうとも。
初めて参加した時。
社外からの参加だというのに、夫の部署の人達はいい人ばかりで、優しく接してくれた。
ただ馴れ初めとかは、夫がすでに飲み会等で散々色んな人に聴取されたらしく、その答え合わせ的なことをチラホラと何かに付けて聞かれた。
千草は内面を打ち明けるのが苦手で、いくつかの質問を軽く受け流したすのがせいぜいだったけど。
あの頃の夫は近くにいる限りは、何度も助け舟をだしてくれたけれど、そうもいかないタイミングもあって、お気楽に参加するという感じじゃなく終わった印象だ。
ただ今回からは、子供が自分のように視野が狭くならないようにという優先事項があるから、汐音がいるからこそ不慣れなことも、率先していかなければと思っていたところだった。
「はい。」と簡単に応え、その足でカレンダーへと書き込む。書いている間、ソワソワした態度でいた夫に気づくことなく、千草は本来の目的だった水分補給をして、風呂場へと向かう夫を見送った。
ふうっとため息をついて、シンク周りを見る。
皿は確かに洗われている。
でもちょっと触ってみると、一部洗いが甘い。油汚れは、案外落ちにくいのだ。
そして、水切りへの重ねおき。すぐ拭かないならこんな風に重ねてたら乾くものも乾かない。
飛び散ったシンク周りの水滴、排水溝のゴミ受け。
ちょっとずつ足りない、残念な仕上がり。
もう一回、ふうっとため息をはいた。
義妹がいれば、呼び止めてでもなにか言ってたかもしれない。
(でも、一応洗ってはくれたんだ…。)
次の機会があったら…、次の機会に考えよう。
そう思いたち、夫が風呂から上る前に片付けを終わらせるべく急いて洗い直した。
ふと喉が乾いていることに気づいた。麦茶でも飲もう。
「あ…。」
嫌なことを思い出した。
眠そうだったから、お風呂を優先してしまってまだ洗い物がある。3人分。
夫は、せめて水につけていてくれただろうか。
そう思って、子ども部屋のドアを開けると、キッチンの方から音が聞こえた気がした。
そっと部屋を出てキッチンを覗くと、水切りラックにごそっと皿が重なっていrのが目に飛び込んだ。
たった今、洗い終わったらしくキッチンまわりは水滴が散っていた。
こういう時色んな情報が目から入ってきて、いろんな事を頭の中で整理している。
頭の中に自分が沢山いるようだ。
片付けてくれたことへの驚愕。
何か企んでいるのではという警戒。
中途半端な感じが否めないことへの懐疑。
待っていてくれたのかもという期待。
そんな思いがいっぺんに湧いて、会議をしている。
「話したいことがある。」
面と向かって夫からそう言われて、水を飲みに来たこととか色々と飛んでしまった。
久しぶりに夫と見つめ合ったのに、千草の中ではドキドキした気分が色んな感情と絡み合っていたのに。
内容はなんてことない業務連絡のようなことで、半強制的なイベントへの参加について。
すでに、会社には自分たちも参加すると伝えてしまっている以上、行きたくないとも言えない。
良い終えて、ホッとしている夫は、
「僕も風呂に入ろうかな。」
といってそそくさと出ていった。
去年は…思い出せないけど、なんか理由があって行けなかったから、今年は何もなければ参加しなければならない。
何回か参加した催しだから、大体のことはわかっている。
汐音は、きっと喜ぶだろう。千草の気持ちがどんな状態だろうとも。
初めて参加した時。
社外からの参加だというのに、夫の部署の人達はいい人ばかりで、優しく接してくれた。
ただ馴れ初めとかは、夫がすでに飲み会等で散々色んな人に聴取されたらしく、その答え合わせ的なことをチラホラと何かに付けて聞かれた。
千草は内面を打ち明けるのが苦手で、いくつかの質問を軽く受け流したすのがせいぜいだったけど。
あの頃の夫は近くにいる限りは、何度も助け舟をだしてくれたけれど、そうもいかないタイミングもあって、お気楽に参加するという感じじゃなく終わった印象だ。
ただ今回からは、子供が自分のように視野が狭くならないようにという優先事項があるから、汐音がいるからこそ不慣れなことも、率先していかなければと思っていたところだった。
「はい。」と簡単に応え、その足でカレンダーへと書き込む。書いている間、ソワソワした態度でいた夫に気づくことなく、千草は本来の目的だった水分補給をして、風呂場へと向かう夫を見送った。
ふうっとため息をついて、シンク周りを見る。
皿は確かに洗われている。
でもちょっと触ってみると、一部洗いが甘い。油汚れは、案外落ちにくいのだ。
そして、水切りへの重ねおき。すぐ拭かないならこんな風に重ねてたら乾くものも乾かない。
飛び散ったシンク周りの水滴、排水溝のゴミ受け。
ちょっとずつ足りない、残念な仕上がり。
もう一回、ふうっとため息をはいた。
義妹がいれば、呼び止めてでもなにか言ってたかもしれない。
(でも、一応洗ってはくれたんだ…。)
次の機会があったら…、次の機会に考えよう。
そう思いたち、夫が風呂から上る前に片付けを終わらせるべく急いて洗い直した。
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