煙の向こうに揺れる言葉

らぽしな

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エピソード4ー6

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晩ごはんは大好きなそぼろご飯だった。

家ではあまり馴染みがなかったが、初めて食べたのは給食だったと思う。
どちらかと言うと、運動好きな活発系だったから御飯の上にダイレクトに肉というのがただただ嬉しいというのが隙になったきっかけだと思う。

久しぶりに食べたのは、大学の学食だった。おしゃれな食事が食べられるところもおおいけれど、自分の学部があるところは、「THEおばちゃん」が仕切るような学食で、選べるメニューも1日で5つだけ。
A~C定食、カレー、麺類。

いつだったかそのことを父に言ったら、社食のようだなと言われた。
まあそういうのもあって、一応頑張った感じのメニューも出ることもあるのだが、そのせいもあってか家庭飯のようなもののほうが美味しい感じだった。

ある日、なにかの定食が3色丼だった。
子どもの頃の思い出はデフォルメされているから、美味しいはずと思って躊躇することなく選んだのを覚えている。
でも、なぜかあの頃よりは感動が薄かった。

そこからしばらく、そぼろから遠ざかっていた。
何回か妻以外にも付き合った彼女がいたけれど、僕から食べたいと言って作ってもらったものはほぼない。
今ほど忙しくなくても、なんだかんだとが手料理にありつくことが少なかったように思う。

妻に一目惚れしてからは、なぜか手料理を多く食べている気がする。
仕事の量が増え、仕事の後にデートと言う時間も取れにくくなり、結果妻が当時住んでいたアパートに行って過ごすということが多かったからかもしれない。

最初は、パスタとか作っていたが本当はこういうもののほうが得意なんだと作ってくれたものの一つが2色丼だった。そぼろと炒り卵。

もちろん、給食よりも学食よりも美味しかった。
僕好みの甘めの味。
それ以来また大好きになったメニューの一つ。

もう眠そうだったからなのか、先に汐音は晩ごはんを食べ始めたようでそれに伴って、妻も食べ始めていた。子どものいる家庭あるあるだ。大昔のように、父親と揃って食べるとかいうのはあまりないのだろうし、僕も気にならない。

まあそれを結果的には家族で食べている事実。この上ない幸せなことだ。

以前と変わったのは結婚してから、3色以上になったことだ。
今日のは、そぼろが2つの味だった。甘めのものと、少し薬味系が効いたもの。
途中で味変して面白かった。飽きさせないように工夫しているのが嬉しい。

今日のも美味しいということを伝える間もなく、汐音が食べ終わりなんとか宥めて風呂場へと向かった。
僕とも入るのだが、僕はまだ食べ始めたばかりだし、ああいう時は妻のほうが向いている。
次回、まだまだ活発なときにでも一緒に入れば良い。

風呂場でヤンヤヤンヤ言う声が聞こえる。
ウトウトしていたから、頭を洗うのに苦労しているようだ。

ああいう声も幸せを実感できる。
妹ができて、母と3人でお風呂に入ってた頃のことを思い出していた。

ふと(あ、BBQの件まだ伝えきれてないんだった…。)
と思い出した。

なんだかんだと、10数分は経過しているからそろそろ上がる時間だ。

ホントは食べ終わってすぐに、もう一本吸いたいと思ったが、吸っている間に寝る準備をされてしまうと話すタイミングが無くなってしまう。

そんなことを思い、キッチンに食べ終えた皿を持っていくと慌てて風呂に行ったからだろう、まだ水桶にだけつけられた皿が残っていたので、たまには洗ってあげようと急に思いたちそこにあるものを洗いはじめた。

案の定、風呂場から音が聞こえてきて、しばらくするとその音が子ども部屋へと遠ざかる。
寝かしつけに行ったのだろう。

数分後、キッチンに戻ってきた妻が驚いていた。
最近、なかなか手伝えるタイミングがなかったから。

「ありがとうございます。」
と言ってくれた。

お礼への返事はそこそこに、
「ちょっと、話があるんだけど…。」
と切り出した。

事前にBBQの件を伝えてはいたが、妻は自分も参加しなければならないことを認識していなかったようで、服装のこととかを急に気にしだした。


まあ、とりあえず一緒に会社行事に参加する件を了承してくれたので、安堵した。
その答えに満足し、僕も風呂に入ることにした。

見送りがてら、おやすみなさいと言われたので僕を待たずに妻は寝てしまうのだろう。主婦は忙しい。

のんびり風呂に浸かっている僕をよそに、洗い終わったはずののもをチェックして、生ゴミとかの処理をし洗い場の水気とかもきれいにしているなんて、夢にも思わなかった。

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