煙の向こうに揺れる言葉

らぽしな

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エピソード6-5

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そんなこんなでBBQ会場に着いていた。
家を出るころは薄曇りで少し肌寒いかもと思っていたのに、現地ではいい天気になっていてこのままだと少し日焼けしそうなほどだ。

太陽が出てきたから、汐音が一番喜んでいる。
一生懸命てるてる坊主を作ったかいがあったようだ。帰ったら、思い出BOXに入れておこう。

一番到着する人が多い時間に自分たちも着いてしまい、最寄り駅から挨拶合戦が始まっている。
まあ、それでも社内で一緒に働いている人なら何となく遠くからでも、頭を下げたりしてその場しのぎにできるのだが、めったに合わないその人達のご家族から、先にあいさつされてしまうと、名字すら名乗られないとどの立ち位置で挨拶すればいいのかわからないのが少し苦しい。

仕方がないので、会場までのピストン輸送バスを2回ほど見送ってから自分たちも乗ることにした。
それだけで、せっかく機嫌がよかった汐音は少しグズってきている。

妻に抱っことせがむのも時間の問題だが、気疲れしている妻にできるだけ負担をかけたくない。
本当はまっすぐ、少し涼しい川べりに向かおうとおもっていたのだが、ちょっと寄り道していくことにした。

実行委員側なので、場所の把握はしている。
目的地は、テントだった。受付となっているが、今は出欠のアプリなんかがあるので紙ベースでは行わない。
ここは、子どもとペットの一時預かりで用意した場所だ。

そして、子どもを預かれるようにしてあるので、お菓子が沢山用意されている。
グズついた汐音を宥めるために、連れてきたのだ。

割と知らない場所では人見知りを発揮すると妻が言っていたので、ここを利用するとすればお菓子だけだろうと思っていたのに、予想外なことが起きた。

幼稚園から小学校低学年まで幅広く遊べるようにとしてあったので、そこには数人汐音よりも年上の子が先に座っていた。その子の前にはゲージに入っている可愛い小型犬。

偶然にも妻はともかく、実家も友人宅も偶然ペットを飼っていないので、身近な動物は近所の地域猫くらいで交流がない。
聞けば、テント番をしている他部署の部長の家の仔らしく、とてもおとなしいらしい。
先に来ていた子も、その小型犬と初めて会ったそうだが、犬側が人馴れしているようで、触られるほうが好きなのかずっと嬉しそうにシッポを振っていた。

それに汐音が食いついてしまった。
ここから動きたくないと言い出した。

妻が困っている。
猫はいいそうだが、犬はあまり得意じゃないと昔言っていたのを思い出した。

引き剥がして無理やり連れて行こうと思ったときに、部長夫人が手を差し伸べてくれた。
子どもも預かる場所を作ったのだから、せっかくだしちょっとの時間二人で楽しんできたらどうかという提案だった。

関係者の家族の中に保育士の経験者も来てもらっているし、現役の看護師をしている人も来てくれているから大丈夫だと背中を押された。

あとで気づいたら、泣かれるかもしれないがここは行為に甘えて預けようと、妻を説得してテントを離れた。


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