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エピソード8-2
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付き合いたてのころの言葉に未だ甘えて、『夫』という職業になっても滅多に流し台までいかないから、気づきもしない。
そう、そうやって距離が少しずつ、少しずつ遠くなっていくことを、僕を含めて、一体何人の『夫』と呼ばれている人たちは、気がついているのだろうか。
いつかまた、子どもが家庭を持ってこの家を出ていってしまって、その先で妻と二人きりになってもこのまま変われないとしたら…、巷で流行りの熟年離婚とかになりかねない。
新人の頃にいた上司もよくそんな愚痴をこぼしていることを思い出した。
「誰がメシ食わせてやってるんだとおもってるんだ…。」
いかにも昭和的な考えだが、子どもの頃の祖父がそんなことを言っていたし、父も若干そんな気質を持っている気がする。
家族ってそんなものなのかもとも思っている典型的な先輩方の話を聞いていると、そう洗脳されてしまいそうだが僕がそこの考えに落ちてしまわなかったのは母の努力だ。
追われるように定時ダッシュのようにして帰ったせいか、まだ明るさが若干残っている時間。急いだから、上着が暑い。GW明けにようやくうちの会社はクールビズ対象月になるのが待ち遠しい。
そんな早い時間の帰宅のおかげで、まだ汐音が食べている最中だった。
ちょっと前まで、持ち方のサポート付きのスプーンで食べていた気がしたのに、可愛い絵柄はついているが普通にスプーンを使って上手に食べている。
皿はもう、僕らが普段使うようなサイズの皿だ。
あまり僕には甘えてくれないが、それでも成長している姿をみるのは嬉しい。
荷物を置いたりして、くつろげる服装に着替えた。いつもはもう少し遅いから、食べるまで着替えないのだがカレーということもありワイシャツを脱ぐついでに下も着替えたのだ。
自分の席の前と、妻も食べるらしく2人分新しく用意されている。僕がいないうちに妹か母が来たのかわからないけれど母の得意料理も皿に盛られていた。
汐音の食べっぷりを見ているとカレー好きな汐音はやっぱり僕の子どもなのだろうと、そういうところでホッとしている。
おかわりを所望して妻を驚かせていた。
汐音のおかわりをとりに行っている間、何気なく汐音に聞いてみた。
高橋が言うには、汐音の許可を取ったと主張していたからだ。
「この前のバーベキュー、楽しかったかい?」
汐音はびっくりしたようにこっちを見て、ちょっと考えてから静かに頷いた。
「そっか、この前のお兄ちゃんとお姉ちゃんが今度遊びに来たいって言ってたけど、汐音がお願いしたの?」
優しく聞いたつもりだったが、ものすごい顔でこっちを見てきた。
そして、何も言わずに下を向いて黙り込んでしまった。
そこに妻が戻ってきて、カレーのおかわりを汐音に差し出したが、少しだけ手を付けたところで、席を立って殆ど食べずに行ってしまった。
そんな顛末を知らない妻は、不思議そうな眼差しを汐音の行った先に向けていたが、すぐに何事もなかったようにその残された皿を自分のもとに引き寄せた。
まだ妻自信の分が残っているのだが、さも当たり前のように汐音の残りも食べるらしい。
思わぬタイミングで、二人っきりになってしまった。
そう、そうやって距離が少しずつ、少しずつ遠くなっていくことを、僕を含めて、一体何人の『夫』と呼ばれている人たちは、気がついているのだろうか。
いつかまた、子どもが家庭を持ってこの家を出ていってしまって、その先で妻と二人きりになってもこのまま変われないとしたら…、巷で流行りの熟年離婚とかになりかねない。
新人の頃にいた上司もよくそんな愚痴をこぼしていることを思い出した。
「誰がメシ食わせてやってるんだとおもってるんだ…。」
いかにも昭和的な考えだが、子どもの頃の祖父がそんなことを言っていたし、父も若干そんな気質を持っている気がする。
家族ってそんなものなのかもとも思っている典型的な先輩方の話を聞いていると、そう洗脳されてしまいそうだが僕がそこの考えに落ちてしまわなかったのは母の努力だ。
追われるように定時ダッシュのようにして帰ったせいか、まだ明るさが若干残っている時間。急いだから、上着が暑い。GW明けにようやくうちの会社はクールビズ対象月になるのが待ち遠しい。
そんな早い時間の帰宅のおかげで、まだ汐音が食べている最中だった。
ちょっと前まで、持ち方のサポート付きのスプーンで食べていた気がしたのに、可愛い絵柄はついているが普通にスプーンを使って上手に食べている。
皿はもう、僕らが普段使うようなサイズの皿だ。
あまり僕には甘えてくれないが、それでも成長している姿をみるのは嬉しい。
荷物を置いたりして、くつろげる服装に着替えた。いつもはもう少し遅いから、食べるまで着替えないのだがカレーということもありワイシャツを脱ぐついでに下も着替えたのだ。
自分の席の前と、妻も食べるらしく2人分新しく用意されている。僕がいないうちに妹か母が来たのかわからないけれど母の得意料理も皿に盛られていた。
汐音の食べっぷりを見ているとカレー好きな汐音はやっぱり僕の子どもなのだろうと、そういうところでホッとしている。
おかわりを所望して妻を驚かせていた。
汐音のおかわりをとりに行っている間、何気なく汐音に聞いてみた。
高橋が言うには、汐音の許可を取ったと主張していたからだ。
「この前のバーベキュー、楽しかったかい?」
汐音はびっくりしたようにこっちを見て、ちょっと考えてから静かに頷いた。
「そっか、この前のお兄ちゃんとお姉ちゃんが今度遊びに来たいって言ってたけど、汐音がお願いしたの?」
優しく聞いたつもりだったが、ものすごい顔でこっちを見てきた。
そして、何も言わずに下を向いて黙り込んでしまった。
そこに妻が戻ってきて、カレーのおかわりを汐音に差し出したが、少しだけ手を付けたところで、席を立って殆ど食べずに行ってしまった。
そんな顛末を知らない妻は、不思議そうな眼差しを汐音の行った先に向けていたが、すぐに何事もなかったようにその残された皿を自分のもとに引き寄せた。
まだ妻自信の分が残っているのだが、さも当たり前のように汐音の残りも食べるらしい。
思わぬタイミングで、二人っきりになってしまった。
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