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エピソード11-3
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妻が色々と模索しているなんてつゆ知らず、匡尋は久しぶりに出先からの直帰している。自分の受け持ちの中で、会社に戻るよりも家に戻るほうが近いからだ。
いつもその取引先に行くたびに、午後の遅い時間ならそのまま直帰できるのにと考えていても、どうしても都合は相手次第なので、匡尋の思い通りにできるのは年に数回ぐらいで、たいてい午前かせいぜい昼過ぎ。
そうなると、会社に戻らざるを得ないことが多いのだ。
その取引先との打ち合わせが久しぶりに午後の遅い時間に組まれたので、現地で同行した者と別れ直帰したのだった。
駅からの帰り道。街の花屋には紫陽花やら向日葵やら季節を先取りする花と一緒に、色んなタイプのカーネーションが並んでいる。もうそんな時期だ。
毎年、母からいつもありがとうとメッセージが戻ってくる。僕は時間がなかなかないしそもそもセンスがないと自覚しているから、妻が黙って欠かさずに準備してくれている。
そのうち、汐音が妻にプレゼント知る日が来るのかと思うと感慨深い。菓子屋も洋品店も小物屋に至るまで全面に母の日を彩っている。
まあ、ここで汐音のかわりに用意しようと気が回らないのが僕なのだけれど。
少しずつ陽が伸びてきた。
そのせいもあってか、最近はこのくらいの時期でもかなり暑くなる。
だからなのか、いつもより人出が多いように感じる。そこまで考えたときにハッとした。
人出が多いのは、金曜だからだ。そして気分が一気に下るのがわかる。そうだ。
明日、とうとう明日あの二人がやってきてしまうんだった。
あの二人に顔を合わせると週末のことを嫌でも思い出してげんなりしてしまうからいつも以上に集中して仕事に励んでいたから、この数日間はかなりピリピリしていたに違いない。
そういえば、ここ数日は高橋も話し掛けても来なかった。あいつにさえも気づかれるとは。
そのまま、キャンセルを申し出てくれる方がありがたかったのに。
手土産がどうのこうのと言われたので、いらないとは言っておいたのだがまあ高橋はともかく森さんが何か用意してくれそうな気がする。夕方少し前とか言っていたっけ。
午前中のうちに汐音を沢山遊ばせておけば、寝る時間とかなんとか言って早く帰せるかもしれないとかいろんな事を考えながら歩く。
門を曲がると自宅マンションが見えてきた。
端の方が一部階段状になった作り。
その端側のところが我が家で、低階層だがうちの真上には部屋がないことと、ベランダとバルコニーと両面あるのが気にいってここに入居を決めた。
エレベーターもあるが我が家は低階層の方なのでここに住むようになって、運動がてら何もなければ階段を利用している。
そうでもしないと、中年という世代に進んでいる体は体力も見た目もほんの少しさぼるだけで見た目を変化させるのだ。
だが、今日は足取り重く感じる。繁忙期の残業続きの日々よりも。
でもこの気持ちを引きずったまま帰れば、辛さがますので玄関ドアの前で2~3回深呼吸し気持ちを切り替えた。
いつもその取引先に行くたびに、午後の遅い時間ならそのまま直帰できるのにと考えていても、どうしても都合は相手次第なので、匡尋の思い通りにできるのは年に数回ぐらいで、たいてい午前かせいぜい昼過ぎ。
そうなると、会社に戻らざるを得ないことが多いのだ。
その取引先との打ち合わせが久しぶりに午後の遅い時間に組まれたので、現地で同行した者と別れ直帰したのだった。
駅からの帰り道。街の花屋には紫陽花やら向日葵やら季節を先取りする花と一緒に、色んなタイプのカーネーションが並んでいる。もうそんな時期だ。
毎年、母からいつもありがとうとメッセージが戻ってくる。僕は時間がなかなかないしそもそもセンスがないと自覚しているから、妻が黙って欠かさずに準備してくれている。
そのうち、汐音が妻にプレゼント知る日が来るのかと思うと感慨深い。菓子屋も洋品店も小物屋に至るまで全面に母の日を彩っている。
まあ、ここで汐音のかわりに用意しようと気が回らないのが僕なのだけれど。
少しずつ陽が伸びてきた。
そのせいもあってか、最近はこのくらいの時期でもかなり暑くなる。
だからなのか、いつもより人出が多いように感じる。そこまで考えたときにハッとした。
人出が多いのは、金曜だからだ。そして気分が一気に下るのがわかる。そうだ。
明日、とうとう明日あの二人がやってきてしまうんだった。
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そういえば、ここ数日は高橋も話し掛けても来なかった。あいつにさえも気づかれるとは。
そのまま、キャンセルを申し出てくれる方がありがたかったのに。
手土産がどうのこうのと言われたので、いらないとは言っておいたのだがまあ高橋はともかく森さんが何か用意してくれそうな気がする。夕方少し前とか言っていたっけ。
午前中のうちに汐音を沢山遊ばせておけば、寝る時間とかなんとか言って早く帰せるかもしれないとかいろんな事を考えながら歩く。
門を曲がると自宅マンションが見えてきた。
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