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エピソード13-2
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自分で思い立ったはずなのに、たった家からここまでの間で、気持ちが萎えそうだった。
そして結局スーパーまでやってきて他の利用者との程よい距離をあけ、ただ囲われただけの名ばかりの喫煙所の壁に寄りかかってタバコに火をつけた。
妻や子どもの気持ちは分からなくても、滅多に来ない店の喫煙所の場所はなんとなくわかってしまうのが悲しい。
そのイライラは社交辞令を知らない愚かな後輩のやり取りを思い出していた。
あれは昼休みだった。
高橋はタバコを吸わないのだが、何かどうしても話があると混んでいない限り喫煙所のスペースに入ってくる。
会社の喫煙スペースは名ばかりじゃなく、開閉部があり清浄機と換気設備が整っているので通路にはほぼ、タバコの匂いも漏れない仕組みになっている。
「ですから、今度よろしかったらうちにいらしてくださいって、奥さん言ってましたよ。」
妻が言ったのは『社交辞令』のつもりだったはずだ。
妻じゃなくても、きっと同じように言うし、そうだと捉える内容だ。
なにかに誘われて
「行けたら行きます。」
というのと同じレベルの。
そういうことに気が付かない若者が腹ただしい。
まてよ、僕が高橋のOJT担当者だ、僕にも責任があるのだろうか…。
こう空気が読めないと、今後仕事に差し障る。
マニュアルの見直しも検討かな…。
などと方向違いのことまで考えてしまう。
更に衝撃だったのが、
「あ、まあ元々は森さんがね、佐々木さんのお子さん、汐音ちゃんでしたっけ、意気投合しちゃって。」
片付け部隊だったからその場を離れなくてはならなくなった際、ちょっと汐音がぐずりだしたらしい。
人見知りで、数日空いたら僕に対して気負ってしまう素振りをするのに、初対面の相手にそんなに気を許すなんて。
そういえば、上司が言っていたっけ。
「子どもでもキレイだとかカッコいいだとかって好みがあって、小さいくせに目で追ってるんだから、末恐ろしいよ。」
とかなんとか。
そういうことで簡単に警戒心を解いてしまうとか、妻は認識しているのだろうか。
無防備すぎやしないか。
「で、そこで森さんが『じゃあ、今度また遊びましょうね。』って言って、汐音ちゃんも納得して、『じゃ、お姉さんウチに遊びに来て』ってなって。」
そこまで言うと高橋は、こっちが困っているのが楽しいと言わんばかりに、ニヤニヤしながら味噌汁をすすっている。
普通なら、平穏な家庭なら、千草たちとの間に見えない壁が無いのなら、「ふーん、そうか。」で終わる内容だが、今の僕には受けきれない突風で、頭も回らなくて返事にすら苦慮している。
急に、親らしい心配で頭の中が占められていく。
幸か不幸か、いつもは数人屯っている喫煙スペースが高橋と二人きりなのに、声が届かなくなりつつある。
そして結局スーパーまでやってきて他の利用者との程よい距離をあけ、ただ囲われただけの名ばかりの喫煙所の壁に寄りかかってタバコに火をつけた。
妻や子どもの気持ちは分からなくても、滅多に来ない店の喫煙所の場所はなんとなくわかってしまうのが悲しい。
そのイライラは社交辞令を知らない愚かな後輩のやり取りを思い出していた。
あれは昼休みだった。
高橋はタバコを吸わないのだが、何かどうしても話があると混んでいない限り喫煙所のスペースに入ってくる。
会社の喫煙スペースは名ばかりじゃなく、開閉部があり清浄機と換気設備が整っているので通路にはほぼ、タバコの匂いも漏れない仕組みになっている。
「ですから、今度よろしかったらうちにいらしてくださいって、奥さん言ってましたよ。」
妻が言ったのは『社交辞令』のつもりだったはずだ。
妻じゃなくても、きっと同じように言うし、そうだと捉える内容だ。
なにかに誘われて
「行けたら行きます。」
というのと同じレベルの。
そういうことに気が付かない若者が腹ただしい。
まてよ、僕が高橋のOJT担当者だ、僕にも責任があるのだろうか…。
こう空気が読めないと、今後仕事に差し障る。
マニュアルの見直しも検討かな…。
などと方向違いのことまで考えてしまう。
更に衝撃だったのが、
「あ、まあ元々は森さんがね、佐々木さんのお子さん、汐音ちゃんでしたっけ、意気投合しちゃって。」
片付け部隊だったからその場を離れなくてはならなくなった際、ちょっと汐音がぐずりだしたらしい。
人見知りで、数日空いたら僕に対して気負ってしまう素振りをするのに、初対面の相手にそんなに気を許すなんて。
そういえば、上司が言っていたっけ。
「子どもでもキレイだとかカッコいいだとかって好みがあって、小さいくせに目で追ってるんだから、末恐ろしいよ。」
とかなんとか。
そういうことで簡単に警戒心を解いてしまうとか、妻は認識しているのだろうか。
無防備すぎやしないか。
「で、そこで森さんが『じゃあ、今度また遊びましょうね。』って言って、汐音ちゃんも納得して、『じゃ、お姉さんウチに遊びに来て』ってなって。」
そこまで言うと高橋は、こっちが困っているのが楽しいと言わんばかりに、ニヤニヤしながら味噌汁をすすっている。
普通なら、平穏な家庭なら、千草たちとの間に見えない壁が無いのなら、「ふーん、そうか。」で終わる内容だが、今の僕には受けきれない突風で、頭も回らなくて返事にすら苦慮している。
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幸か不幸か、いつもは数人屯っている喫煙スペースが高橋と二人きりなのに、声が届かなくなりつつある。
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