55 / 64
エピソード13-3
しおりを挟む
「佐々木さん、聞いてます?」
「…あ、ああ、まあ、なるほど。で、どうぞっていったの、うちの奥さん?」
すっかりタバコの火が根本近くまで進んでいたことに気づく。急いでもみ消し、2本めに火をつけた。
「そういえば、佐々木さんってタバコ吸うピッチ早いですよね。」
とその行動をみてすぐさま突っ込む。
「そうか?」
とりあえず、気持ちを平常心に戻してくれそうな無いようなので、相槌を打っておく。
「あ、そうそう、年間でタバコ代っていくらかかるか知ってますか?」
急に話が飛んだが、話題がそれたことに安堵し、あとに続く。
「いや、そういえばそういう風には考えたことないな。」
「そうですよね、普通考えませんよね。でも、この前、僕の妹がねテレビ見たらしくて自慢気に教えてくれたんですよ。」
「へえ。」
上の空で聞くが、妹あたりには聞かせたく内容のように直感で思っている。
「佐々木さん、いくらだと思います?」
「もったいぶるなよ、いくらだよ。」
「1日二箱として、年間でざっと、30万。」
指で3と0を表して見せる。
「は?そ、そんなに?」
予想以上の金額で一瞬驚いた。
「ね、びっくりでしょ。」
「まあ、ちょっと驚いたけれど、今はそんな事よりも、森さんがウチに来るっていう方が僕的にはびっくりだよ。」
と、灰を落とす。
今は、年額の計算なんて僕的にはどうでもいい。
不景気だが、タバコは税金が高い分、世の中を回している…はずだ。つまり、タバコを吸うことで僕は、少しだけでも地域貢献しているとも言える。
タバコ代は小遣いの範囲と捉えていし、他になにかに使うこともないから。
まあ妻がこの件を言ってきたら真剣に考えよう。
高橋がどこかで聞いたくらいだ、妹の耳にいずれ入るし、そうすれば喫煙反対派の妹はここぞとばかりに妻をそそのかし、僕からタバコを取り上げるために画策するに違いない。
そんなことを匡尋が思っているよりも前に、妻が行動を起こしていたなんて知りもしないのだけれど。
「まったく、そういうところ淡白だな佐々木さんは。訪問の件は、その時の奥さんもびっくりしてたようですけどね、汐音ちゃんにせがまれて渋々って感じでしたけど、まあ最後にはしょうがないわねって。だから、便乗して、僕もお願いしますって言いました。」
「お前な、そこは適当に流せよ。そういう事が伝わらないのが一番の驚きだよ。」
やっとの思いで言いたいことを、迷惑そうに言い放った。
だが、その機転の良さは彼の良さでもある。
仕事でそういう機敏さは、必要な武器なのである。
だがこの場合は…。
「森さんだけだと、話も詰まるかと思って便乗しちゃいました。佐々木さんも困るでしょ、森さんだけだと。」
と言いながら、若干ニヤついている。
「何が困るんだよ、何が。何もやましい事もない。堂々としていれば怪しさなんてない。悪い事は何一つしてない。むしろ、良い事をした。」
はずだった。
唯一、自分のやましさを除けば。
「…あ、ああ、まあ、なるほど。で、どうぞっていったの、うちの奥さん?」
すっかりタバコの火が根本近くまで進んでいたことに気づく。急いでもみ消し、2本めに火をつけた。
「そういえば、佐々木さんってタバコ吸うピッチ早いですよね。」
とその行動をみてすぐさま突っ込む。
「そうか?」
とりあえず、気持ちを平常心に戻してくれそうな無いようなので、相槌を打っておく。
「あ、そうそう、年間でタバコ代っていくらかかるか知ってますか?」
急に話が飛んだが、話題がそれたことに安堵し、あとに続く。
「いや、そういえばそういう風には考えたことないな。」
「そうですよね、普通考えませんよね。でも、この前、僕の妹がねテレビ見たらしくて自慢気に教えてくれたんですよ。」
「へえ。」
上の空で聞くが、妹あたりには聞かせたく内容のように直感で思っている。
「佐々木さん、いくらだと思います?」
「もったいぶるなよ、いくらだよ。」
「1日二箱として、年間でざっと、30万。」
指で3と0を表して見せる。
「は?そ、そんなに?」
予想以上の金額で一瞬驚いた。
「ね、びっくりでしょ。」
「まあ、ちょっと驚いたけれど、今はそんな事よりも、森さんがウチに来るっていう方が僕的にはびっくりだよ。」
と、灰を落とす。
今は、年額の計算なんて僕的にはどうでもいい。
不景気だが、タバコは税金が高い分、世の中を回している…はずだ。つまり、タバコを吸うことで僕は、少しだけでも地域貢献しているとも言える。
タバコ代は小遣いの範囲と捉えていし、他になにかに使うこともないから。
まあ妻がこの件を言ってきたら真剣に考えよう。
高橋がどこかで聞いたくらいだ、妹の耳にいずれ入るし、そうすれば喫煙反対派の妹はここぞとばかりに妻をそそのかし、僕からタバコを取り上げるために画策するに違いない。
そんなことを匡尋が思っているよりも前に、妻が行動を起こしていたなんて知りもしないのだけれど。
「まったく、そういうところ淡白だな佐々木さんは。訪問の件は、その時の奥さんもびっくりしてたようですけどね、汐音ちゃんにせがまれて渋々って感じでしたけど、まあ最後にはしょうがないわねって。だから、便乗して、僕もお願いしますって言いました。」
「お前な、そこは適当に流せよ。そういう事が伝わらないのが一番の驚きだよ。」
やっとの思いで言いたいことを、迷惑そうに言い放った。
だが、その機転の良さは彼の良さでもある。
仕事でそういう機敏さは、必要な武器なのである。
だがこの場合は…。
「森さんだけだと、話も詰まるかと思って便乗しちゃいました。佐々木さんも困るでしょ、森さんだけだと。」
と言いながら、若干ニヤついている。
「何が困るんだよ、何が。何もやましい事もない。堂々としていれば怪しさなんてない。悪い事は何一つしてない。むしろ、良い事をした。」
はずだった。
唯一、自分のやましさを除けば。
0
あなたにおすすめの小説
別れし夫婦の御定書(おさだめがき)
佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。
離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。
月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。
おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。
されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて——
※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
愛のかたち
凛子
恋愛
プライドが邪魔をして素直になれない夫(白藤翔)。しかし夫の気持ちはちゃんと妻(彩華)に伝わっていた。そんな夫婦に訪れた突然の別れ。
ある人物の粋な計らいによって再会を果たした二人は……
情けない男の不器用な愛。
Husband's secret (夫の秘密)
設楽理沙
ライト文芸
果たして・・
秘密などあったのだろうか!
むちゃくちゃ、1回投稿文が短いです。(^^ゞ💦アセアセ
10秒~30秒?
何気ない隠し事が、とんでもないことに繋がっていくこともあるんですね。
❦ イラストはAI生成画像 自作
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる