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10 sideアズサ
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「あ、あなたは?」
行商人の父親がナオトに向かって聞いた。
その質問にナオトは少し困惑する。
「俺は……まあ名乗るほどのもんじゃないけど、強いて言えばそこのお転婆なお姫様のお守り役ってところかな」
「……そのお転婆な姫ってまさか私じゃないわよね?」
「お前以外に誰がいるんだよ。そんなボロボロになるまで戦って。大丈夫か?」
「問題ない……と言いたいところだけれど、もう立っているのもやっとね」
「いちいち強がり過ぎだ。少し休んでろ」
ナオトはアズサの体を優しく支えた。
「あ……ありがとう」
アズサは照れたように小声で言う。
「……ん?何か言ったか?」
「な、なんでもないわ!」
アズサは少しだけ顔を赤らめながら答えた。
アズサを近くの枯れ木にもたれかけさせると、ナオトはマウントゴリラの方に向き直る。
マウントゴリラも同じタイミングで起き上がり、ナオトと対面する。
先ほどのナオトの蹴りで背中から地面に落ちたと同時に、アズサによって背中に括り付けられていた枯れ木の氷も砕けていたため、今はもうマウントゴリラの背中と枯れ木が離れていた。
「わがままお姫様をボロボロにした借り、返してもらうぞ」
そう言うとナオトはすぐにマウントゴリラに向かって駆け出した。
「待ちなさいタチバナ君、その辺りにはまだ―――」
(えっ!?)
行商人の親は一瞬ナオトのタチバナという苗字に驚いた。
「えっ!」
アズサが落とし穴のことを説明する前に、ナオトはその穴に右足を取られ、体勢を前のめりに崩す。
その時を狙ってマウントゴリラはナオトに強烈なパンチを繰り出した。
「バカっ、それじゃ私と同じ―――」
「っ!」
しかし、ナオトは前のめりに崩れた体勢をいいことにそのまま上半身を倒し込みながら、自分の左足を背中側から後ろに振り上げて、マウントゴリラのパンチにぶつけて威力を相殺した。
(まさか! スコーピオンキック! あの一瞬で!!)
自分の体勢が崩れた力を利用して、そのまま攻撃に転じるナオトの機転にアズサは驚く。
「なんだこの窪み…もしかして!?……俺の脚力が凄すぎて地面が凹んだのか?」
ナオトは自らの足の筋力をまじまじと見つめる。
「……どう見ても落とし穴でしょう。あなたのつまらないギャグなんかにツッコミたくなかったけれど」
少し呆れ気味にアズサがツッコミを入れる。
「はは、お姫様のくせにツッコミなんていう平民の高度な会話技術まで知ってるんだな」
「人のことばかりおちょくってないで、もう少し真面目に戦いなさい! おそらく、まだこの辺りに何個かあるはず」
「はいはい、かしこまりましたお姫様。っていっても、まだトラップがあるなら迂闊には動けないな」
そう言ってナオトは一瞬辺りの地面を見回すが、もうすっかり日も沈んでいたため、その落とし穴がどこにあるか詳しくはわからなかった。
(もっと地面をじっくり見ないと落とし穴の位置がわからない。けど、そんなことしてる暇も当然ない)
ナオトはすぐさまマウントゴリラに再び目線を合わせると、マウントゴリラはナオトに向かって再度パンチを繰り出す。
ナオトはそのパンチを避け、そのまま、マウントゴリラの懐に向けて右手で強烈な一撃を放つ。
「ウホッ!」
マウントゴリラは少し後ろにのけぞったが、ナオトは追撃をかけなかった。しかし、実際はトラップを恐れて追撃をかけられなかっただけだった。
その状況をマウントゴリラが理解したのか、マウントゴリラはナオトの四方八方を動き回りナオトに向かってパンチを繰り出していった。
パンチを繰り出してはすぐに引き、再度パンチを繰り出してはすぐに引くようなヒットアンドアウェーを繰り返しナオトの反撃を受けないようにナオトに攻撃をくらわしていく。
ナオトは防戦一方だった。マウントゴリラの攻撃に対して、身をかがめながら両脇をしっかりと締めて防御の体勢を取っていた。
(今の状況じゃ、さすがにタチバナ君でも動けない。何か彼を助ける一手はないの!?)
アズサはナオトを助けようと考えていた。しかし、既に体力も魔力もほとんど無いアズサには何の手立ても思い浮かばなかった。
ところが、次の瞬間ナオトはマウントゴリラの懐に潜り込むため前に出た。そのまま、マウントゴリラの顔めがけて、拳を振るった。
マウントゴリラはよろめいた。その後もナオトはマウントゴリラに対して攻勢をかける。しかし、ナオトが落とし穴にかかる気配はまるでなかった。
(なぜ?彼はトラップに引っかからないの!?)
アズサには意味がわからなかったが、それでもナオトの攻撃は確実にマウントゴリラにヒットしマウントゴリラは確実に狼狽していたことだけはアズサにもわかった。
「まだ立つのか。さすが50万ベルだな」
「ウッ、ウホーウ?」
マウントゴリラは首を大きく傾げた。
「俺が落とし穴にかからないことが不思議か? 簡単だよ。さっきからずっと俺の周囲を動き回ってるだろ。それを見てただけだよ。お前が動き回れるってことはそこに落とし穴はない。さっき罠にかかったからわかるが、お前の足でも十分つまずきそうな穴のサイズだったしな」
再度アズサは驚く。確かにナオトの言っていることはその通りで言われてみればとても簡単なことだった。
しかし、だからこそそんな当たり前の事をこの命がけの状況下で冷静に見極められるナオトの強さにアズサは驚愕した。
事実、自分は落とし穴にはまり、何もできずにただ相手の攻撃をそのままもろにくらってしまってピンチに立たされていたのだから。
アズサは最初にナオトが落とし穴に引っかかった時のことも思い返した。その際もナオトは瞬時に最善な選択をした。結果落とし穴にかかってもピンチにすらならなかった。
そして今回も、冷静に状況を見極め、相手の罠を見破り、その後は躊躇いもなく前に出て攻勢をかけた。
(...これがタチバナ君の本当の実力。あらゆる局面で最適な判断を下し、いざ攻撃にでると迷いなくそれを実行する決断力。訓練ではなく、実戦を何度も重ねた者が体得する後天的なバトルセンス)
アズサは目を見張ってナオトを見た。自分と同程度の実力だと思っていた彼の本当の実力を垣間見て悔しさが胸の内から湧き上がった。
「次で決める」
ナオトはよろめきながらなんとか体勢を保っているマウントゴリラに助走をつけながら近づく。
「はぁぁぁ!蒼流・絶拳」
そして勢いよく右の拳をマウントゴリラの腹部に突き刺す。
ナオトの攻撃を受けたマウントゴリラは後ろに大きく吹き飛び、直線状にあった枯れ木に背中をぶつけて前のめりに倒れた。
ナオトはアズサたちの方に歩み寄って言った。
「終わったぞ」
「ええ、そう見たいね」
「ほら」
そう言ってナオトはアズサに向かって手を差し出す。しかし、アズサはその手を掴もうとはしなかった。
「あなたはどうやって、この場所が分かったの?」
「お前の氷が上空で砕け散ったのが見えたんだよ。一応、空も気にしながらの捜索をしてたからな」
「...そう、やっぱりあの時の」
アズサはマウントゴリラの空気砲で砕けた自分の技を思い出した。
「どうだった? 初めての実戦は?」
「どうもこうもないわ。惨憺たる結果よ。私はただの足手まといだった。あなたが言ったようにね」
アズサは俯きながら少し皮肉も交えて言った。しかし、ナオトはアズサに対してほんの少し笑った。
「……何がおかしいのよ」
「いや、お前って頭良さそうに見えてけっこう頭悪いよな」
「な!?」
ナオトの言葉にアズサは一瞬面食らった。そして意味もわからないまま、反射的にただその頭の悪いという単語にアズサが反論をしようとするも、それより先にナオトがアズサに向かって言う。
「今回のお前のどこが足手まといだったんだよ」
「どこがって...そんなの決まっているでしょう。あなたの話を聞かず無謀にも一人で突っ込み、結果今こうして立ち上がる事もやっとの人間を足手まといと言わずになんと言うのよ」
アズサはナオトから目をそらした。今回の一件で露呈した諸々の自分の弱さや甘さが悔しくて恥ずかしかった。
「そうだな。お前の言う通り実戦での的確な判断や行動はまだまだなのかもしれない。それでも、お前が居たからこそ救えた命もあるだろ」
そう言ってナオトはアズサの近くにいた商人を見た。そして、再びアズサの方に顔を戻して言う。
「俺だけだったら救えなかったかもしれない。お前が居たからこそ、こうしてみんな無事に生きて帰ることができる。だから、もし今回の戦いでお前のことを足手まといなんて言うやつがいたら俺が許さない。それがたとえお前自身だとしてもだ」
「...なによ、さっきのときとは全く逆じゃない」
アズサの声は震えていた。それは一時は死すらも予感させるほどの絶望的状況から解放された安心感とこんなにも自分の事を認めてくれる人間に出会ったことに対する嬉しさが混在して自分の感情がどうしようもないくらいに昂ってしまったからだった。
「あの時はあの時。今は今だ。それより早くあの親とさっきの子供を連れて帰ろう。もう日も落ちきったし、俺もさすがに疲れた」
そう言ってナオトたちは途中で行商人の娘と合流しつつゆっくりと街まで戻っていった。
行商人の父親がナオトに向かって聞いた。
その質問にナオトは少し困惑する。
「俺は……まあ名乗るほどのもんじゃないけど、強いて言えばそこのお転婆なお姫様のお守り役ってところかな」
「……そのお転婆な姫ってまさか私じゃないわよね?」
「お前以外に誰がいるんだよ。そんなボロボロになるまで戦って。大丈夫か?」
「問題ない……と言いたいところだけれど、もう立っているのもやっとね」
「いちいち強がり過ぎだ。少し休んでろ」
ナオトはアズサの体を優しく支えた。
「あ……ありがとう」
アズサは照れたように小声で言う。
「……ん?何か言ったか?」
「な、なんでもないわ!」
アズサは少しだけ顔を赤らめながら答えた。
アズサを近くの枯れ木にもたれかけさせると、ナオトはマウントゴリラの方に向き直る。
マウントゴリラも同じタイミングで起き上がり、ナオトと対面する。
先ほどのナオトの蹴りで背中から地面に落ちたと同時に、アズサによって背中に括り付けられていた枯れ木の氷も砕けていたため、今はもうマウントゴリラの背中と枯れ木が離れていた。
「わがままお姫様をボロボロにした借り、返してもらうぞ」
そう言うとナオトはすぐにマウントゴリラに向かって駆け出した。
「待ちなさいタチバナ君、その辺りにはまだ―――」
(えっ!?)
行商人の親は一瞬ナオトのタチバナという苗字に驚いた。
「えっ!」
アズサが落とし穴のことを説明する前に、ナオトはその穴に右足を取られ、体勢を前のめりに崩す。
その時を狙ってマウントゴリラはナオトに強烈なパンチを繰り出した。
「バカっ、それじゃ私と同じ―――」
「っ!」
しかし、ナオトは前のめりに崩れた体勢をいいことにそのまま上半身を倒し込みながら、自分の左足を背中側から後ろに振り上げて、マウントゴリラのパンチにぶつけて威力を相殺した。
(まさか! スコーピオンキック! あの一瞬で!!)
自分の体勢が崩れた力を利用して、そのまま攻撃に転じるナオトの機転にアズサは驚く。
「なんだこの窪み…もしかして!?……俺の脚力が凄すぎて地面が凹んだのか?」
ナオトは自らの足の筋力をまじまじと見つめる。
「……どう見ても落とし穴でしょう。あなたのつまらないギャグなんかにツッコミたくなかったけれど」
少し呆れ気味にアズサがツッコミを入れる。
「はは、お姫様のくせにツッコミなんていう平民の高度な会話技術まで知ってるんだな」
「人のことばかりおちょくってないで、もう少し真面目に戦いなさい! おそらく、まだこの辺りに何個かあるはず」
「はいはい、かしこまりましたお姫様。っていっても、まだトラップがあるなら迂闊には動けないな」
そう言ってナオトは一瞬辺りの地面を見回すが、もうすっかり日も沈んでいたため、その落とし穴がどこにあるか詳しくはわからなかった。
(もっと地面をじっくり見ないと落とし穴の位置がわからない。けど、そんなことしてる暇も当然ない)
ナオトはすぐさまマウントゴリラに再び目線を合わせると、マウントゴリラはナオトに向かって再度パンチを繰り出す。
ナオトはそのパンチを避け、そのまま、マウントゴリラの懐に向けて右手で強烈な一撃を放つ。
「ウホッ!」
マウントゴリラは少し後ろにのけぞったが、ナオトは追撃をかけなかった。しかし、実際はトラップを恐れて追撃をかけられなかっただけだった。
その状況をマウントゴリラが理解したのか、マウントゴリラはナオトの四方八方を動き回りナオトに向かってパンチを繰り出していった。
パンチを繰り出してはすぐに引き、再度パンチを繰り出してはすぐに引くようなヒットアンドアウェーを繰り返しナオトの反撃を受けないようにナオトに攻撃をくらわしていく。
ナオトは防戦一方だった。マウントゴリラの攻撃に対して、身をかがめながら両脇をしっかりと締めて防御の体勢を取っていた。
(今の状況じゃ、さすがにタチバナ君でも動けない。何か彼を助ける一手はないの!?)
アズサはナオトを助けようと考えていた。しかし、既に体力も魔力もほとんど無いアズサには何の手立ても思い浮かばなかった。
ところが、次の瞬間ナオトはマウントゴリラの懐に潜り込むため前に出た。そのまま、マウントゴリラの顔めがけて、拳を振るった。
マウントゴリラはよろめいた。その後もナオトはマウントゴリラに対して攻勢をかける。しかし、ナオトが落とし穴にかかる気配はまるでなかった。
(なぜ?彼はトラップに引っかからないの!?)
アズサには意味がわからなかったが、それでもナオトの攻撃は確実にマウントゴリラにヒットしマウントゴリラは確実に狼狽していたことだけはアズサにもわかった。
「まだ立つのか。さすが50万ベルだな」
「ウッ、ウホーウ?」
マウントゴリラは首を大きく傾げた。
「俺が落とし穴にかからないことが不思議か? 簡単だよ。さっきからずっと俺の周囲を動き回ってるだろ。それを見てただけだよ。お前が動き回れるってことはそこに落とし穴はない。さっき罠にかかったからわかるが、お前の足でも十分つまずきそうな穴のサイズだったしな」
再度アズサは驚く。確かにナオトの言っていることはその通りで言われてみればとても簡単なことだった。
しかし、だからこそそんな当たり前の事をこの命がけの状況下で冷静に見極められるナオトの強さにアズサは驚愕した。
事実、自分は落とし穴にはまり、何もできずにただ相手の攻撃をそのままもろにくらってしまってピンチに立たされていたのだから。
アズサは最初にナオトが落とし穴に引っかかった時のことも思い返した。その際もナオトは瞬時に最善な選択をした。結果落とし穴にかかってもピンチにすらならなかった。
そして今回も、冷静に状況を見極め、相手の罠を見破り、その後は躊躇いもなく前に出て攻勢をかけた。
(...これがタチバナ君の本当の実力。あらゆる局面で最適な判断を下し、いざ攻撃にでると迷いなくそれを実行する決断力。訓練ではなく、実戦を何度も重ねた者が体得する後天的なバトルセンス)
アズサは目を見張ってナオトを見た。自分と同程度の実力だと思っていた彼の本当の実力を垣間見て悔しさが胸の内から湧き上がった。
「次で決める」
ナオトはよろめきながらなんとか体勢を保っているマウントゴリラに助走をつけながら近づく。
「はぁぁぁ!蒼流・絶拳」
そして勢いよく右の拳をマウントゴリラの腹部に突き刺す。
ナオトの攻撃を受けたマウントゴリラは後ろに大きく吹き飛び、直線状にあった枯れ木に背中をぶつけて前のめりに倒れた。
ナオトはアズサたちの方に歩み寄って言った。
「終わったぞ」
「ええ、そう見たいね」
「ほら」
そう言ってナオトはアズサに向かって手を差し出す。しかし、アズサはその手を掴もうとはしなかった。
「あなたはどうやって、この場所が分かったの?」
「お前の氷が上空で砕け散ったのが見えたんだよ。一応、空も気にしながらの捜索をしてたからな」
「...そう、やっぱりあの時の」
アズサはマウントゴリラの空気砲で砕けた自分の技を思い出した。
「どうだった? 初めての実戦は?」
「どうもこうもないわ。惨憺たる結果よ。私はただの足手まといだった。あなたが言ったようにね」
アズサは俯きながら少し皮肉も交えて言った。しかし、ナオトはアズサに対してほんの少し笑った。
「……何がおかしいのよ」
「いや、お前って頭良さそうに見えてけっこう頭悪いよな」
「な!?」
ナオトの言葉にアズサは一瞬面食らった。そして意味もわからないまま、反射的にただその頭の悪いという単語にアズサが反論をしようとするも、それより先にナオトがアズサに向かって言う。
「今回のお前のどこが足手まといだったんだよ」
「どこがって...そんなの決まっているでしょう。あなたの話を聞かず無謀にも一人で突っ込み、結果今こうして立ち上がる事もやっとの人間を足手まといと言わずになんと言うのよ」
アズサはナオトから目をそらした。今回の一件で露呈した諸々の自分の弱さや甘さが悔しくて恥ずかしかった。
「そうだな。お前の言う通り実戦での的確な判断や行動はまだまだなのかもしれない。それでも、お前が居たからこそ救えた命もあるだろ」
そう言ってナオトはアズサの近くにいた商人を見た。そして、再びアズサの方に顔を戻して言う。
「俺だけだったら救えなかったかもしれない。お前が居たからこそ、こうしてみんな無事に生きて帰ることができる。だから、もし今回の戦いでお前のことを足手まといなんて言うやつがいたら俺が許さない。それがたとえお前自身だとしてもだ」
「...なによ、さっきのときとは全く逆じゃない」
アズサの声は震えていた。それは一時は死すらも予感させるほどの絶望的状況から解放された安心感とこんなにも自分の事を認めてくれる人間に出会ったことに対する嬉しさが混在して自分の感情がどうしようもないくらいに昂ってしまったからだった。
「あの時はあの時。今は今だ。それより早くあの親とさっきの子供を連れて帰ろう。もう日も落ちきったし、俺もさすがに疲れた」
そう言ってナオトたちは途中で行商人の娘と合流しつつゆっくりと街まで戻っていった。
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