14 / 19
14
しおりを挟む
「ねぇ、タチバナ君。一つ聞いてもいい?」
店を出た後それぞれの帰路に進むための別れ道に到着した時ユウナが質問する。
「なに?」
「タチバナ・ソウイチロウのことは嫌い?」
ユウナのその質問にナオトは一瞬黙りこくった。
「俺は昔ソウイチロウに会ったことがある」
「えっ、そう...なの!?」
「ほんの少しの時間だったけどな。きっとあの人の家族や友人たちが過ごした時間と比べらたら、取るに足らない一瞬の出会いだと思う。でも、俺にとってはその一瞬の出会いが今でも忘れられないほどに大切な思い出だ」
そう言ってナオトはソウイチロウ出会った当初を思い出す。
~~~
『なんだそりゃ。そんなのは名前じゃねーよ』
『それでもそう呼ばれている』
『だったら俺が新しい名前をつけてやる。そうだな、んー。よし、お前の名前は………………思いつかん!』
『はっ?』
『だから思いつかないんだって。人の名前なんてそう簡単に思いつかないだろ』
『………なら、今まで通りでいい』
『そりゃあダメだ。とりあえずお前は名無しの権兵衛のゴンちゃんだ』
『………あまり、いい名前ではない気がする』
『とりあえずって言ったろ。それにお前が今まで名乗ってた名前より100倍マシだ』
ソウイチロウのその言葉で会話は一旦途切れた。しかし、すぐにその沈黙をナオトは破る。
『………どうして、助けた。俺はあなたを殺そうとした』
『………バカかお前。子供助けるのに理由なんかいるのかよ』
『俺はあなたの敵だ』
『あっそ』
『あなたには俺を殺す権利がある』
『はぁ、本当バカだねお前。人が人を殺す権利なんて誰にもねーよ。それにそもそも俺たちがいま戦ってんのもお前らみたいな子供が不自由なく暮らせる未来を作るためだ。敵だからっていう理由だけで誰かれかまわず殺すわけねーだろ』
~~~
「………タチバナ君?」
どこか物悲しいようでいて楽しそうな表情を浮かべたナオト。そんなナオトにユウナは様子を伺いたてた。
「ああ、悪い………だから俺はあの人の事を嫌いにはなれない。この国の全ての人があの人を悪人だと非難しても」
「そっか、世紀の大罪人タチバナ・ソウイチロウにもまだ味方はいたんだ」
「あまり周りにばらさないてまくれると助かるかな。今でさえあまり他人からいい目で見られていない上にタチバナ・ソウイチロウの支持者なんて噂が立ったら最悪だからな」
「ふふっ、しないよそんなこと」
「それはありがたいな。嘘じゃないことを祈るよ」
「信じてない?」
「一応は信じてる」
「しないよ。だって私もタチバナ・ソウイチロウのことそこまで嫌いじゃないし」
「そうか…変わり者なんだな、イズミは」
「タチバナ君程じゃないと思うけどね」
ユウナはニッコリと笑い、お互い別れの挨拶をすましそれぞれの岐路についた。
店を出た後それぞれの帰路に進むための別れ道に到着した時ユウナが質問する。
「なに?」
「タチバナ・ソウイチロウのことは嫌い?」
ユウナのその質問にナオトは一瞬黙りこくった。
「俺は昔ソウイチロウに会ったことがある」
「えっ、そう...なの!?」
「ほんの少しの時間だったけどな。きっとあの人の家族や友人たちが過ごした時間と比べらたら、取るに足らない一瞬の出会いだと思う。でも、俺にとってはその一瞬の出会いが今でも忘れられないほどに大切な思い出だ」
そう言ってナオトはソウイチロウ出会った当初を思い出す。
~~~
『なんだそりゃ。そんなのは名前じゃねーよ』
『それでもそう呼ばれている』
『だったら俺が新しい名前をつけてやる。そうだな、んー。よし、お前の名前は………………思いつかん!』
『はっ?』
『だから思いつかないんだって。人の名前なんてそう簡単に思いつかないだろ』
『………なら、今まで通りでいい』
『そりゃあダメだ。とりあえずお前は名無しの権兵衛のゴンちゃんだ』
『………あまり、いい名前ではない気がする』
『とりあえずって言ったろ。それにお前が今まで名乗ってた名前より100倍マシだ』
ソウイチロウのその言葉で会話は一旦途切れた。しかし、すぐにその沈黙をナオトは破る。
『………どうして、助けた。俺はあなたを殺そうとした』
『………バカかお前。子供助けるのに理由なんかいるのかよ』
『俺はあなたの敵だ』
『あっそ』
『あなたには俺を殺す権利がある』
『はぁ、本当バカだねお前。人が人を殺す権利なんて誰にもねーよ。それにそもそも俺たちがいま戦ってんのもお前らみたいな子供が不自由なく暮らせる未来を作るためだ。敵だからっていう理由だけで誰かれかまわず殺すわけねーだろ』
~~~
「………タチバナ君?」
どこか物悲しいようでいて楽しそうな表情を浮かべたナオト。そんなナオトにユウナは様子を伺いたてた。
「ああ、悪い………だから俺はあの人の事を嫌いにはなれない。この国の全ての人があの人を悪人だと非難しても」
「そっか、世紀の大罪人タチバナ・ソウイチロウにもまだ味方はいたんだ」
「あまり周りにばらさないてまくれると助かるかな。今でさえあまり他人からいい目で見られていない上にタチバナ・ソウイチロウの支持者なんて噂が立ったら最悪だからな」
「ふふっ、しないよそんなこと」
「それはありがたいな。嘘じゃないことを祈るよ」
「信じてない?」
「一応は信じてる」
「しないよ。だって私もタチバナ・ソウイチロウのことそこまで嫌いじゃないし」
「そうか…変わり者なんだな、イズミは」
「タチバナ君程じゃないと思うけどね」
ユウナはニッコリと笑い、お互い別れの挨拶をすましそれぞれの岐路についた。
0
あなたにおすすめの小説
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
無自覚に世界最強だった俺、追放後にチートがバレて全員ざまぁされる件
fuwamofu
ファンタジー
冒険者団から「役立たず」と追放された青年リオ。
実は彼のスキル《創造》は、世界の理を作り替える最強の能力だった。
追放後、孤独な旅に出るリオは、自身の無自覚な力で人々を救い、国を救い、やがて世界の中心に立つ。
そんな彼の元には、かつて彼を見下していた美少女たちが次々と跪いていく──。
これは、無自覚に世界を変えてしまう青年の、ざまぁと覇道の物語。
醜悪令息レオンの婚約
オータム
ファンタジー
醜悪な外見ゆえに誰からも恐れられ、避けられてきたレオン。
ある日、彼は自分が前世で遊んでいたシミュレーションRPGの世界に転生しており、
しかも“破滅が確定している悪役令嬢の弟”として生きていることに気付く。
このままでは、姉が理不尽な運命に呑まれてしまう。
怪しまれ、言葉を信じてもらえなくとも、レオンはただ一人、未来を変えるために立ち上がる――。
※「小説家になろう」「カクヨム」にも投稿しています。
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
短編)どうぞ、勝手に滅んでください。
黑野羊
恋愛
二度も捨てられた聖女です。真実の愛を見つけたので、国は救いません。
あらすじ)
大陸中央にあるルオーゴ王国で、国を守る結界を維持してきた聖女ロザリア。
政略のため王太子と婚約していた彼女は、突如『真の聖女』が現れたとして婚約を破棄され、聖女の座を追われてしまう。さらに、代わりに婚姻しろと命じられた聖騎士からも拒絶され、実家にも見捨てられたロザリアは、『最果ての修道院』へと追放された。
けれど彼女はそこで、地位や栄光、贅沢などとはほど遠い、無条件に寄り添ってくれる『真実の愛』と穏やかな日々を手にいれる。
やがて聖女を失った王国は、崩壊へ向かっていき――。
ーーー
※カクヨム、なろうにも掲載しています
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる