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さん
しおりを挟む「あーッ、あ、あ、あー、ああ!」
言葉を忘れて、下半身から伝わってくる振動に声帯が震えるまま声を発するしかない。
「はは、挿れただけでイッたか」
「いったぁ、いきましたぁ、うー、いい、ふとい、すきぃ」
───やばい、きもちいい。
いくら誘惑されても男相手じゃ勃起しないから無理だと突き放すつもりだったのに、ナカからローションを垂れ流してくぱくぱする孔を見たら、我慢出来なかった。理性なんて脆いもので、隼太の制止になんて応じてくれない。男で、親友の弟なのに、勃起した凶器を突き刺していた。
奥底が痙攣し、その振動で奥へ奥へと招き入れようとしてくる。隼太の陰茎は長い。女性相手でさえ全て納めようとすると嫌がられるくらい長い。今まで一度も全て突っ込んだことはない。
「お前になら全部挿れてもいいよな?お前は俺専用の孔なんだもんな?」
耳元で囁いてやる。涙で濡れた目、紅潮した容貌がコクコクと繰り返し頷いた。
「はやたさんの、あなです」
「そうだよなぁ」
行き止まりを先端で突く。実際は行き止まりではなく、最奥へと続く入口だ。隼太は舐めずりして抽挿を繰り返し、何度も何度も先端でそこを叩く。
「そこ、いたい、いたいです」
「痛くない処女喪失なんてねぇだろ」
「うぅ、」
入り口付近ギリギリまで一気に引き抜くと、留めようと必死に締め付けてくる。そこから一気に奥まで穿つ。ゴリゴリと中を削り、壁を叩く。
「ふぎ───ッ」
ビクンビクンと全身を痙攣させる祥司は最早体勢を保てず、四肢を投げ出し、されるがまま。
「トぶなよ」
「うぎゃ!も…、ばかになるぅぅぅ」
「なれよ。壊れちまえ」
ごちゅんごちゅんと貫かれる度に細かい絶頂を繰り返し、半ば白目を向いて、口を開きっぱなしのまま、それでも肩越しに隼太を確認しては幸せそうに頬を綻ばせる。
「お前、可愛いな」
従順で。欲望に素直で。
「おれ、かわいい?」
「ああ、可愛いよ」
「ふへ…、───んああああああっ!」
表情と共に最奥が緩んだ隙を逃さず、ずぶりと亀頭を潜り込ませる。くぽ、と抜ける感触の先でちゅーちゅー吸われて、今までになく気持ち良い。隼太は唸り声を上げながら、祥司の腰を掴んでいた手に力を込める。全て納めるべく、グリグリと捩じ込ませれば、歓迎するかのように中が無遠慮に締め付けてきた。
「んぐ、ひぎぃ♡」
「ふぐ…っ」
耐えきれずに射精をぶちまけてから、スキンを付けずにナマでしていたことを思い出した。さすがに不味いことをしたなと隼太は舌打ちして、申し訳なさから眉尻を下げる。
「あーあ、お前のちんこ、壊れちまったな?汁、ダダ漏れになってんぞ。こりゃもう女は抱けねぇな」
気持ち良くしてくれたお礼にと祥司の股間に手を差し入れるが、そこは酷い有様だった。失禁したのか、射精したのか、分からないがビショビショである。
「ふ、へ?へへ…?」
何を言われているか分からないらしく、笑って誤魔化してきた。
「く、笑うな、響く。いま抜くから待て」
「ひぃっ、や、さみしいよぉ」
「分かった、分かった。次は顔見てヤろうな。良い子にはキスしてやる。そのうち乳首も口の中も余すところなく開発してやるから楽しみにしてろ」
「うん?」
ぽやんとしたまま、祥司はされるがまま。嬉しそうに身体を差し出す。
「悪い、お前の弟、喰った」
家まで弟の祥司をおぶってきた親友に、一祥は頭を抱えた。眼鏡の度が合わない時のような頭痛を覚える。
「昔、男に興味無いって理由で僕の事をフらなかったか?」
「興味はねぇよ。ただ、コイツがあまりにバ───健気で、つい絆されちまった」
玄関前に立たせたままにするわけにも行かない。嘆息して招き入れる。
「祥司の部屋、分かるか?」
「おー」
背負われたままの祥司から脱がせた下足を玄関に下ろしつつ、ついでに隼太が脱ぎ捨てた靴を揃える。
モテない一祥とは異なり、彼女には困らない弟だったが、所詮似た兄弟だったということだろう。自分より強い男に蹂躙されたいという嗜好は一緒だったわけだ。
一祥が隼太を好きだったのは学生時代の話なので特に思うことは無いが───
「あー、たぶん、アイツ、熱出すと思う」
「…熱?」
「だいぶ盛り上がって、一晩寝ずにヤってたし、結構中出ししちまったし───」
「へぇ?僕の可愛い弟に、手を出しただけではなく、無体を強いた、と?」
一祥は文系だ。筋肉もない、ひ弱な文系だ。しかし男である。喧嘩などしたことはないが、今殴らずにいつ殴るんだとばかりに拳を握る。怒りで顔が引き攣るのを止められない。
「合意!合意の上です!義兄さん!!」
「お前に義兄さんと呼ばれる筋合いは無い!!」
「責任!責任はとらせて頂きますから!!」
「当たり前だろ!コレで遊びだったら海に沈めるからな!!とにかく一発殴らせろ!!」
近い将来、隼太と祥司が同棲する際の壁となる予定の兄であった。
[完]
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