指先で描く恋模様

三神 凜緒

文字の大きさ
60 / 88
第二章

愛玩動物を可愛がってみよう♪

しおりを挟む
猫について知りたいね…ボクにそんな事を言われても…家の母親の方がもっと詳しく説明できると思うけど~それでいいんだね?

勿論を首を縦に振りながら、彼女の話に耳を傾けていた…
ズズズウッ…!と牛乳パックのストローを啜る音が何か横から聞こえているが、そんな事はどうでも良かった。目の前にいる彼女は真剣な表情で腕を組み悩みながら口を開く。

「猫ってのは、とっても小さい」
「そりゃそうだ…! いやそんな事じゃなくてさ…」
「意外と忘れる人が多いから言ってるの…つまり、生き物ってのは筋肉量に比例して、パワーが得られるのは分かるよね? つまり猫の筋肉量ってのはそれこそ…人間の赤ん坊と同じか…それより少し上位みたい。丁度健康的な猫の体重が3~5キロで、生まれたばかりの赤ん坊もそれと同じぐらいだからね」

改めて言われなくても…それが何だと言うのか…首をかしげていると‥隣からは続けて、ベリベリ!とサンドイッチの包みを破く音が聞こえてきた…

「つまり~猫を抱いたり撫でたりする時は‥赤ん坊をあやす時のような優しい手つきでしなさいって事…これを感情にまかせて強く撫でたり、抱き上げる時に無理やり引っ張ったりすると…猫が辛い思いをするの」
「なるほど…つまり~虎や熊に撫でられる人間みたいになるってこと?」
「~~~ん~~そう…だね…すごく分かりやすく言うとそうだね」

…………
何も音を立てずに、上品なしぐさで手の中のサンドイッチを食べ終えると…残った牛乳パックを飲み干し…葵は小さな声でごちそうさまと…音もたてずにゴミ箱に歩き戻ってきた。
樹はそんな葵の様子には気づかず…持っていたフォークで手作りのミートボールを突き刺し…そっと葵の口元にさりげなく持ってきた。

「ありがと…」
「ん…♪」
「こういう事をさらっとするから……モテるのかね…」
「にゃ? 何か言った~」
「…………なんでもない」

やはり、売店で買ったサンドイッチだけでは、心もお腹も満たされなかったのか…嬉しそうに頬張る葵の無表情だが…どこか嬉しそうな姿に感化され…アタイもそっと、自作した
お弁当から、竜田揚げや、卵焼きを差し出すと…それも全て嬉しそうに頬張っていた。

「なるほど…これが愛玩動物を可愛がると言う感覚か…ふむふむ…」
「あっはっは…うん…否定はしないよ~」
「……? (ニコニコ)」
しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

友達婚~5年もあいつに片想い~

日下奈緒
恋愛
求人サイトの作成の仕事をしている梨衣は 同僚の大樹に5年も片想いしている 5年前にした 「お互い30歳になっても独身だったら結婚するか」 梨衣は今30歳 その約束を大樹は覚えているのか

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

貴方の側にずっと

麻実
恋愛
夫の不倫をきっかけに、妻は自分の気持ちと向き合うことになる。 本当に好きな人に逢えた時・・・

暴君幼なじみは逃がしてくれない~囚われ愛は深く濃く

なかな悠桃
恋愛
暴君な溺愛幼なじみに振り回される女の子のお話。 ※誤字脱字はご了承くださいm(__)m

【完結】これはきっと運命の赤い糸

夏目若葉
恋愛
大手商社㈱オッティモで受付の仕事をしている浅木美桜(あさぎ みお)。 医師の三雲や、経産省のエリート官僚である仁科から付き合ってもいないのに何故かプロポーズを受け、引いてしまう。 自社の創立30周年記念パーティーで、同じビルの大企業・㈱志田ケミカルプロダクツの青砥桔平(あおと きっぺい)と出会う。 一目惚れに近い形で、自然と互いに惹かれ合うふたりだったが、川井という探偵から「あの男は辞めておけ」と忠告が入る。 桔平は志田ケミカルの会長の孫で、御曹司だった。 志田ケミカルの会社の内情を調べていた川井から、青砥家のお家事情を聞いてしまう。 会長の娘婿である桔平の父・一馬は、地盤固めのために銀行頭取の娘との見合い話を桔平に勧めているらしいと聞いて、美桜はショックを受ける。 その上、自分の母が青砥家と因縁があると知り…… ━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ 大手商社・㈱オッティモの受付で働く 浅木 美桜(あさぎ みお) 24歳    × 大手化粧品メーカー・㈱志田ケミカルプロダクツの若き常務 青砥 桔平(あおと きっぺい) 30歳    × オフィスビル内を探っている探偵 川井 智親(かわい ともちか) 32歳

幼馴染み同士で婚約した私達は、何があっても結婚すると思っていた。

喜楽直人
恋愛
領地が隣の田舎貴族同士で爵位も釣り合うからと親が決めた婚約者レオン。 学園を卒業したら幼馴染みでもある彼と結婚するのだとローラは素直に受け入れていた。 しかし、ふたりで王都の学園に通うようになったある日、『王都に居られるのは学生の間だけだ。その間だけでも、お互い自由に、世界を広げておくべきだと思う』と距離を置かれてしまう。 挙句、学園内のパーティの席で、彼の隣にはローラではない令嬢が立ち、エスコートをする始末。 パーティの度に次々とエスコートする令嬢を替え、浮名を流すようになっていく婚約者に、ローラはひとり胸を痛める。 そうしてついに恐れていた事態が起きた。 レオンは、いつも同じ令嬢を連れて歩くようになったのだ。

私の存在

戒月冷音
恋愛
私は、一生懸命生きてきた。 何故か相手にされない親は、放置し姉に顎で使われてきた。 しかし15の時、小学生の事故現場に遭遇した結果、私の生が終わった。 しかし、別の世界で目覚め、前世の知識を元に私は生まれ変わる…

処理中です...