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兄の苦労日記 23
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妹は武術の授業の野外訓練のため会議は不在。
「ビアード、大丈夫なのか?あの森って蛇が出るだろう」
マールは昔、大蛇を見て発狂した妹のことを覚えているのか。
「大丈夫だ。蛇を克服するために蛇狩りしてたし」
フィルと一緒に蛇を克服するために、狩りに出向いていた。狩った大量の蛇は捌いて領民に振舞い、蛇の皮は孤児院に寄付していた。危険な蛇を大量に狩った妹達は感謝を捧げられて、この出来事から蛇祭りが年に1度開催されることになった。
領民の希望で騎士を派遣して蛇狩りをさせ、大量の駆除した蛇を使って祭りを催す。そこでは蛇の肉や装飾品が振舞われる。
妹は領民の祭りに楽しそうに参加をするのにこの祭りだけは、引きつった笑みを浮かべて参加していたらしい。領民は妹が蛇を好きと勘違いして祭りを盛り上げ蛇料理を振舞ったせいか帰ってきた妹は寝込んだ。父上が蛇に魘されている妹の話を聞いて、蛇祭りの視察は妹を出さないと決めた。おかげで俺は毎年蛇狩りに参加して、蛇祭りに顔を出さなくていけなくなった。
結局妹の蛇嫌いは克服できなかったが取り乱すことはもうない。嫌そうな顔で捌き絶対に口にしないけど。
「蛇狩り?」
「あのバカの所為で年に一度蛇祭りが始まった。フィルもいるし、心配いらない」
呆れた視線を向けられてるけど、気にしない。妹は森での過ごし方は熟知している。領民の子供にも安全な森での過ごし方を指導しているくらいだ。
ビアードで一番危険な森さえ幼い頃から妹とフィルにとって遊び場だから、授業で行く安全な森など心配するだけ無駄だ。
「クロード様!!」
またルメラが生徒会室に現れた。入室許可もなく入ってくるところは何度注意しても直らない。
「何か?」
「ご相談があるんですが、ここでは」
「生徒会には話を外に漏らすような者はいない」
クロード殿下の穏やかな顔をうるんだ瞳で見つめている。それは殿下には効かないから無駄とは口に出さない。ルメラが泣き出した。
「私、レティシア様に・・・・・」
生徒会室にはルメラの泣き声だけが聞こえている。殿下に手を伸ばさないように間に入るか。
「レティシアがどうしたんだ?」
「呼び出されて、近づくなって言われたんです」
妹の予定がルメラに知られないように手を回している。近づけたくないから。
「なら近づかなければいい。授業で関わることもないし、支障はないだろう」
ルメラに睨まれているが気にしない。
これ以上無駄な時間を使うわけにはいかないので生徒会室から追い出し、侍従に命じて寮まで送らせた。
「エイベル、来月留学生が来るが、レティシアは接待役から外したほうがいいだろうか。ラル王国語を話せる令嬢が1、2年生に少ない」
「本人に聞いてください。今の状況では控えたほうがよろしいかと」
ルメラが妹の悪評を広めている。手は回しているが、もしも留学生が巻き込まれたら面倒だ。
「平等の学園とはいえ目に余るな。彼女の事情なら仕方ないか・・。卒業までに学べばいい」
元ルメラ男爵の愛人の子。
男爵夫人が亡くなったあとにルメラ男爵家に迎え入れられた。
当主が弟に交代しても養女として育てられることになった。平民に近い下位貴族には殿下は期待していない。最低限のモラルさえ守ればいいという考えだ。その最低限を教えるのが学園と生家と同派閥の貴族達だが、うちには関係ない。
会議が始まり留学生を迎えるための準備について役割がふられ、生徒会ではルメラに構っている時間はなかった。
***
妹が野外訓練から帰り部屋に訪ねてきた。
笑顔で袋の中から取り出したのは熊の毛皮と干し肉。
「お土産です。遠征に行くときに使ってください」
熊を倒したのか・・・。
持ち出していいんだったか・・?野外訓練でこんなに土産を持って帰る生徒の話は聞いたことがない。
頭を叩くと驚いた顔をしているが当然だ。
「持ってくるなよ。授業の一貫だ」
きょとんとして首を傾げた。
「返してきたほうがいいですか?」
「次からは気をつけろ。熊かよ・・・」
「瞬殺でしたわ」
干し肉と熊の毛皮は父上に贈るか。今の俺には必要ない。きっと父上が有効活用するだろう。楽しそうに話す妹にとってはやはり余裕な授業だったらしい。
久しぶりにゆっくり休めたと能天気に笑っているから蛇には会わなかったようだ。
フィルが隠れて処理したかもしれないが。なんだかんだでフィルも妹に甘い。いつの間にか訪ねてきたレオ様と楽しそうに話している。
レオ様にもお土産があるのか。お前、どれだけ持って帰ってきたんだよ!!
今回だけは勝手に持ち帰ったことを見逃してやるか。野外訓練での持ち帰りについて取り決めをした方がいいだろうか?
久々にスミス公爵家から合同訓練の誘いの手紙が来た。
了承の返事を出し、日程を調整するか。
久々に盛大な狩り大会が始まるな。スミス家門は火属性の騎士が多いが森で火事を起こしても雨を操る妹がいるから問題はない。
俺の手紙を覗いて嬉しそうに部屋を飛び出した妹はフィルを探しに行ったか。
小柄な妹の弓の腕に唖然とするスミスの騎士がどれだけ出るか楽しみだ。手合わせで俺は負けっぱなしだが狩り大会はいつもビアードの勝利。
休養日に帰るために目の前の課題を片付けるか・・。
「ビアード、大丈夫なのか?あの森って蛇が出るだろう」
マールは昔、大蛇を見て発狂した妹のことを覚えているのか。
「大丈夫だ。蛇を克服するために蛇狩りしてたし」
フィルと一緒に蛇を克服するために、狩りに出向いていた。狩った大量の蛇は捌いて領民に振舞い、蛇の皮は孤児院に寄付していた。危険な蛇を大量に狩った妹達は感謝を捧げられて、この出来事から蛇祭りが年に1度開催されることになった。
領民の希望で騎士を派遣して蛇狩りをさせ、大量の駆除した蛇を使って祭りを催す。そこでは蛇の肉や装飾品が振舞われる。
妹は領民の祭りに楽しそうに参加をするのにこの祭りだけは、引きつった笑みを浮かべて参加していたらしい。領民は妹が蛇を好きと勘違いして祭りを盛り上げ蛇料理を振舞ったせいか帰ってきた妹は寝込んだ。父上が蛇に魘されている妹の話を聞いて、蛇祭りの視察は妹を出さないと決めた。おかげで俺は毎年蛇狩りに参加して、蛇祭りに顔を出さなくていけなくなった。
結局妹の蛇嫌いは克服できなかったが取り乱すことはもうない。嫌そうな顔で捌き絶対に口にしないけど。
「蛇狩り?」
「あのバカの所為で年に一度蛇祭りが始まった。フィルもいるし、心配いらない」
呆れた視線を向けられてるけど、気にしない。妹は森での過ごし方は熟知している。領民の子供にも安全な森での過ごし方を指導しているくらいだ。
ビアードで一番危険な森さえ幼い頃から妹とフィルにとって遊び場だから、授業で行く安全な森など心配するだけ無駄だ。
「クロード様!!」
またルメラが生徒会室に現れた。入室許可もなく入ってくるところは何度注意しても直らない。
「何か?」
「ご相談があるんですが、ここでは」
「生徒会には話を外に漏らすような者はいない」
クロード殿下の穏やかな顔をうるんだ瞳で見つめている。それは殿下には効かないから無駄とは口に出さない。ルメラが泣き出した。
「私、レティシア様に・・・・・」
生徒会室にはルメラの泣き声だけが聞こえている。殿下に手を伸ばさないように間に入るか。
「レティシアがどうしたんだ?」
「呼び出されて、近づくなって言われたんです」
妹の予定がルメラに知られないように手を回している。近づけたくないから。
「なら近づかなければいい。授業で関わることもないし、支障はないだろう」
ルメラに睨まれているが気にしない。
これ以上無駄な時間を使うわけにはいかないので生徒会室から追い出し、侍従に命じて寮まで送らせた。
「エイベル、来月留学生が来るが、レティシアは接待役から外したほうがいいだろうか。ラル王国語を話せる令嬢が1、2年生に少ない」
「本人に聞いてください。今の状況では控えたほうがよろしいかと」
ルメラが妹の悪評を広めている。手は回しているが、もしも留学生が巻き込まれたら面倒だ。
「平等の学園とはいえ目に余るな。彼女の事情なら仕方ないか・・。卒業までに学べばいい」
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男爵夫人が亡くなったあとにルメラ男爵家に迎え入れられた。
当主が弟に交代しても養女として育てられることになった。平民に近い下位貴族には殿下は期待していない。最低限のモラルさえ守ればいいという考えだ。その最低限を教えるのが学園と生家と同派閥の貴族達だが、うちには関係ない。
会議が始まり留学生を迎えるための準備について役割がふられ、生徒会ではルメラに構っている時間はなかった。
***
妹が野外訓練から帰り部屋に訪ねてきた。
笑顔で袋の中から取り出したのは熊の毛皮と干し肉。
「お土産です。遠征に行くときに使ってください」
熊を倒したのか・・・。
持ち出していいんだったか・・?野外訓練でこんなに土産を持って帰る生徒の話は聞いたことがない。
頭を叩くと驚いた顔をしているが当然だ。
「持ってくるなよ。授業の一貫だ」
きょとんとして首を傾げた。
「返してきたほうがいいですか?」
「次からは気をつけろ。熊かよ・・・」
「瞬殺でしたわ」
干し肉と熊の毛皮は父上に贈るか。今の俺には必要ない。きっと父上が有効活用するだろう。楽しそうに話す妹にとってはやはり余裕な授業だったらしい。
久しぶりにゆっくり休めたと能天気に笑っているから蛇には会わなかったようだ。
フィルが隠れて処理したかもしれないが。なんだかんだでフィルも妹に甘い。いつの間にか訪ねてきたレオ様と楽しそうに話している。
レオ様にもお土産があるのか。お前、どれだけ持って帰ってきたんだよ!!
今回だけは勝手に持ち帰ったことを見逃してやるか。野外訓練での持ち帰りについて取り決めをした方がいいだろうか?
久々にスミス公爵家から合同訓練の誘いの手紙が来た。
了承の返事を出し、日程を調整するか。
久々に盛大な狩り大会が始まるな。スミス家門は火属性の騎士が多いが森で火事を起こしても雨を操る妹がいるから問題はない。
俺の手紙を覗いて嬉しそうに部屋を飛び出した妹はフィルを探しに行ったか。
小柄な妹の弓の腕に唖然とするスミスの騎士がどれだけ出るか楽しみだ。手合わせで俺は負けっぱなしだが狩り大会はいつもビアードの勝利。
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