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第百十九話前編 変わった日常
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リオの私への関心は一切なくなりました。
下級生の伯爵令嬢といつも楽しそうに過ごしています。
伯爵令嬢がリオの口にお菓子を食べさせている光景も見慣れました。廊下で立ったままお菓子を食べるという、はしたない行為…。
生前は無礼なルメラ様を咎める私をクロード様が止めていました。目の前のマナー違反を咎めれば、また同じことがおきますわよねぇ。
廊下で食事をするのはどうかと思いますが、最後の学園生活を満喫しハメを外しているんでしょう。
マナー違反だけでなく、やっぱりリオはたくさんの恋人を持つ非常識な人でした。私は遊ばれたようです。私だけと言うのは嘘でした。
私の知るリオ兄様もリオも女遊びはしませんでした。似ていても違う存在だと思い出し無意識に重ね、動揺して心を乱した自分を反省します。
フラン王国の文官貴族は騙し合いは日常茶飯事。騙されるほうが悪いという考えです。
公爵令嬢として甘い自分、取り返しがつかないことになる前に気付けて良かったですわ。最近はリオとよく一緒にいたので、傍にいないことに違和感がありましたが、そのうち慣れるでしょう。
政略結婚に愛など求めてません。
婚姻する時にしっかり愛人についての話し合いをすればいいでしょう。私財で養っていただき、子供にビアードと関係がないことを認識していただければ構いません。
「ビアード様、申しわけありません」
お菓子を食べているリオ達の前から立ち去るつもりでしたが声を掛けられたら立ち止まるしかありません。
関わりたくありませんが、教室に入るためには通らないといけない場所に二人はいます。
リオの腕を抱く赤茶色の髪を持つ令嬢の優越感の籠もった視線と笑顔には、申しわけなさは一欠片も感じません。
「構いませんわ。私は失礼します」
愛しそうな目で令嬢を見ているリオに何か言う気はありません。
心は自由ですし、学園内ですから。
隣にいるステラが冷たい空気を出していることだけが心配です。ステラの手を握って強引に立ち去ります。
「レティシア様、無礼です」
「平等の学園です。それに私は何も思いません。もともと政略ですもの」
リオ達へのステラの冷たい視線が怖いです。
名目上はリオは私の婚約者です。そして伯爵令嬢が公爵令嬢の私に不敬な態度を取るのも見過ごせないようです。
どうしてか私の教室の近くで会瀬を重ねることが多く目に入ってしまいます。
婚約者の前で堂々と恋人と過ごすのは非常識ですが、場所を変えてくださいとは言えません。
そして、悲しいことによくある光景です。
フィルは私がステラを宥めるのを見て笑っています。
どんな時でも楽しそうなフィルが羨ましい。
ステラには幸せな婚姻をしてほしいですわ。
フィルなら安心ですね。令嬢に人気がなく、誠実で優しく気が利きます。
なぜか私が伯爵令嬢に嫌がらせをしていると噂が立ってます。ほとんど関わってないんですけど…。一時は偶然お会いすることが多く、目の前で転ばれたり物を落とされたりしました。
リアナが下手な演技と笑っていたので慌てて遠ざけましたわ。
誤解をされると面倒なのでできるだけ避けることにしました。面倒なものは避けて関わらないことが一番です。もちろんロキにも近付かないように教えてあります。
「レティシア、もう少し傷心のフリをしたらいいのに」
ベリーが傍にいないとリアナの態度は素に戻ります。
最近は必要な時は礼儀正しく振る舞えるようになりました。ベリーの努力の成果に私は感動しました。私にリアナの教育は無理でしたので。
悪役令嬢ごっこはしましたが、今は必要ありません。
ただ無関心を貫くだけですわ。反応を間違えれば動き出しそうな令嬢達がいるので…。令嬢達は恐ろしい行動力を持っています。
「私は平穏に過ごしたいだけです。それに私達は政略ですから」
「あの女はレティシアにマール様と別れろって迫られてるって騒いでいるわ。一人のところを狙って絶対に仕掛けてくる。レティシアの無関心を悔しそうに見てるもの。きっとイライラしてる」
私は伯爵令嬢とリオを取り合う気も戦う気もありません。自分のことしか興味のなかったリアナが他人を気にかけられるようになったのは感慨深いですわ。
「リアナ成長しましたね」
「私は全然うまくいかなかったもの。次はもっとうまくやるわ」
前言撤回です。目をギラギラさせて闘志を燃やしているリアナにため息がこぼれます。
「やめてください。次は庇えません。エイベルに斬られますわ。彼女のことも放っておけばいいんです。洗脳されている様子もありません。幼い頃から慕ったマール様と過ごしたいだけですから介入する気はありません。幸せそうな二人を放っておきましょう。人気のある殿方を婚約者に持った宿命ですわ。エイベルには見つからないようにしてください」
「エイベル様は鈍いから大丈夫よ。ただマール様は」
リアナの握った拳に手を重ねて、ゆっくりと解きます。
「もし私のために動こうとする生徒がいるなら止めるので教えてください。それだけで十分です。面倒ですわ。どうして誰も私の願いを叶えてくれないのでしょう。両殿下のお幸せとビアードの発展と平穏に過ごすことしか願っていませんのに」
ただでさえ多忙な時期に余計なことをしないでほしいです。
厄介事が起きると仕事が増えてクロード殿下の機嫌が悪くなり嫌なことだらけですわ。
私のためなら放っておいてほしいです。殿下の不機嫌に慣れても、常に健やかに過ごしていただきたい気持ちはかわりませんわ。
生徒会も忙しく、ビアード領もルーンの治癒師がいなくなったため頻繁に視察に帰らないといけなくなりました。
「レティシア、やるよ」
フィルに口の中にクッキーをいれられました。ほのかに甘く幸せな味がして笑みがこぼれます。
「期間限定で食堂に蜂蜜料理が出るって」
なんとすばらしいことが。
夢でしょうか。頬をつねると痛いので現実です。頬が緩んでしまいます。
「ステラ、明日のお昼は食堂でいいですか?」
「はい。食堂に行くのは初めてですね」
「俺も行く。レティシアのメニュー選んでやるよ」
フィルは食堂が気に入っているのでメニューに詳しいでしょう。
「私の好みに仕上げてくれますか?」
「どうだろうな」
「自分で選びます」
「嘘だよ。ちゃんと気に入るものを選んでやるよ」
気分が浮上しました。明日の食事が楽しみになりました。フィルからもらったクッキーをステラとリアナにも分けて、幸せの時間を満喫することにしました。うちのクラスに堂々と入り、共に食事をするリアナの図太さがうらやましいです。クッキーのおかげでリアナもステラも笑顔になって良かったです。いつか蜂蜜は世界を救うかもしれません。
***
朝食を一緒に食べているエイベルに後輩に示しがつかないので一人での見回りは禁止とお説教を受けました。カーチス様と一緒に生徒会の見回りをしています。
リオは眼鏡をやめたのでさらに人気が出ました。
その所為かリオのファンの令嬢が伯爵令嬢と揉めてるんですが介入したほうがいいんでしょうか。私はリオとは関わらず平穏に過ごしたいので将来的には仮面夫婦で構いません。誰が相手でもリオのファンは揉めるんですね。エイベルのファンの令嬢は良識的な方が多くありがたいですわ。
「いい加減にしなさいよ。いくらリオ様が優しいからって」
「リオが私の傍にいたいって。」
「立場をわきまえなさい」
「ビアード様に言われたんですか?」
「ビアード様は関係ないわ。貴方とビアード様は立場が違うのよ」
「リオの心は私に向いてるわ」
睨み合う様子にため息をこぼします。
私のことを持ち出さないで下さい。
リオの気持ちに興味ありませんから。ビアードに婿入りするなら諫めたい行動は廊下でお菓子を食べることですよ。愛人は約束さえ守ってもらえれば気にしませんよ。ビアード公爵夫妻が許すかは怪しいですが…。
リオの気持ちよりも令嬢が声を荒げる行為のほうが許せません。この光景をクロード殿下が見られたら冷気がでますわね。殿下に令嬢の無礼の対処をさせるなど上位貴族として恥ずべきこと。務めを果たしましょう。
ゆっくりと近づきますが罵り合いが止まる様子はありません。
「どうされました」
「ビアード様、ひどいです!!いくら私が気に入らないからって」
潤んだ瞳の伯爵令嬢を見ても何も思いません。
残念ながらリアナのほうが泣きマネが上手く、ステラの方が可愛いです。そして気弱なフリをしたり、高慢な態度でリオの第二夫人にしてほしいと迫ってきたりします。矛盾のある場面展開と性格の設定の杜撰さはフィルが楽しむほどのもの。
観客として楽しめる立場が羨ましいですわ。私は伯爵令嬢個人に興味はなく、どうでもいいですが、貴族としてふさわしくない行動は気に入りません。
「お二人共、貴族として相応しい行いをお願いします。私達の婚約は当主の命令です。心の繋がりはありません。平等の学園とはいえ、家の名と家格を忘れないでください。今回は見逃します。ただ目に余るなら生徒会として動きます。失礼します」
二人の罵り合いは止まったので礼をして立ち去ります。
生家に相応しい振る舞いさえしていただければ、私からこれ以上言うことはありません。
「ビアード、怒ってるのか?」
「怒ってませんよ。厳しく言わないと伝わりません。生徒会役員でなければ素通りしましたわ」
怯えた視線を向けるカーチス様は気にせず、生徒会室に向かうことにしました。
平等の学園なので厳しく言いたくはないのですが、役員を引き受けたからには面倒でも声を掛けなければいけません。
役員でなければうちの派閥の令嬢が関わらなければ、私は放っておきます。平等の学園で自滅するのは自己責任です。また派閥の令嬢をしつけられない上位貴族令嬢達の責任です。
ルーン公爵家でも王太子の婚約者でもない私が全ての貴族令嬢の行動に責任を持つ必要はありません。ビアード公爵令嬢の私に求められているのは派閥と武門貴族の令嬢達の教育だけですもの。
生徒会室に入ったのは私達が最後でした。
会議は滞りなく終わり、書類を抱えて退室しました。そういえばリオの部屋の鍵は返したほうがいいですよね…。でも話しかけるとまた誤解を生みそうです。声を掛けられたら返しましょう。リオの部屋を訪ねて、お二人を邪魔をするのも避けたいです。私は一切関わりたくありません。
卒業したら部屋を譲ってくださる約束だけはどうなったか気になりますが…。エイベルの部屋があるからいいですわ。
下級生の伯爵令嬢といつも楽しそうに過ごしています。
伯爵令嬢がリオの口にお菓子を食べさせている光景も見慣れました。廊下で立ったままお菓子を食べるという、はしたない行為…。
生前は無礼なルメラ様を咎める私をクロード様が止めていました。目の前のマナー違反を咎めれば、また同じことがおきますわよねぇ。
廊下で食事をするのはどうかと思いますが、最後の学園生活を満喫しハメを外しているんでしょう。
マナー違反だけでなく、やっぱりリオはたくさんの恋人を持つ非常識な人でした。私は遊ばれたようです。私だけと言うのは嘘でした。
私の知るリオ兄様もリオも女遊びはしませんでした。似ていても違う存在だと思い出し無意識に重ね、動揺して心を乱した自分を反省します。
フラン王国の文官貴族は騙し合いは日常茶飯事。騙されるほうが悪いという考えです。
公爵令嬢として甘い自分、取り返しがつかないことになる前に気付けて良かったですわ。最近はリオとよく一緒にいたので、傍にいないことに違和感がありましたが、そのうち慣れるでしょう。
政略結婚に愛など求めてません。
婚姻する時にしっかり愛人についての話し合いをすればいいでしょう。私財で養っていただき、子供にビアードと関係がないことを認識していただければ構いません。
「ビアード様、申しわけありません」
お菓子を食べているリオ達の前から立ち去るつもりでしたが声を掛けられたら立ち止まるしかありません。
関わりたくありませんが、教室に入るためには通らないといけない場所に二人はいます。
リオの腕を抱く赤茶色の髪を持つ令嬢の優越感の籠もった視線と笑顔には、申しわけなさは一欠片も感じません。
「構いませんわ。私は失礼します」
愛しそうな目で令嬢を見ているリオに何か言う気はありません。
心は自由ですし、学園内ですから。
隣にいるステラが冷たい空気を出していることだけが心配です。ステラの手を握って強引に立ち去ります。
「レティシア様、無礼です」
「平等の学園です。それに私は何も思いません。もともと政略ですもの」
リオ達へのステラの冷たい視線が怖いです。
名目上はリオは私の婚約者です。そして伯爵令嬢が公爵令嬢の私に不敬な態度を取るのも見過ごせないようです。
どうしてか私の教室の近くで会瀬を重ねることが多く目に入ってしまいます。
婚約者の前で堂々と恋人と過ごすのは非常識ですが、場所を変えてくださいとは言えません。
そして、悲しいことによくある光景です。
フィルは私がステラを宥めるのを見て笑っています。
どんな時でも楽しそうなフィルが羨ましい。
ステラには幸せな婚姻をしてほしいですわ。
フィルなら安心ですね。令嬢に人気がなく、誠実で優しく気が利きます。
なぜか私が伯爵令嬢に嫌がらせをしていると噂が立ってます。ほとんど関わってないんですけど…。一時は偶然お会いすることが多く、目の前で転ばれたり物を落とされたりしました。
リアナが下手な演技と笑っていたので慌てて遠ざけましたわ。
誤解をされると面倒なのでできるだけ避けることにしました。面倒なものは避けて関わらないことが一番です。もちろんロキにも近付かないように教えてあります。
「レティシア、もう少し傷心のフリをしたらいいのに」
ベリーが傍にいないとリアナの態度は素に戻ります。
最近は必要な時は礼儀正しく振る舞えるようになりました。ベリーの努力の成果に私は感動しました。私にリアナの教育は無理でしたので。
悪役令嬢ごっこはしましたが、今は必要ありません。
ただ無関心を貫くだけですわ。反応を間違えれば動き出しそうな令嬢達がいるので…。令嬢達は恐ろしい行動力を持っています。
「私は平穏に過ごしたいだけです。それに私達は政略ですから」
「あの女はレティシアにマール様と別れろって迫られてるって騒いでいるわ。一人のところを狙って絶対に仕掛けてくる。レティシアの無関心を悔しそうに見てるもの。きっとイライラしてる」
私は伯爵令嬢とリオを取り合う気も戦う気もありません。自分のことしか興味のなかったリアナが他人を気にかけられるようになったのは感慨深いですわ。
「リアナ成長しましたね」
「私は全然うまくいかなかったもの。次はもっとうまくやるわ」
前言撤回です。目をギラギラさせて闘志を燃やしているリアナにため息がこぼれます。
「やめてください。次は庇えません。エイベルに斬られますわ。彼女のことも放っておけばいいんです。洗脳されている様子もありません。幼い頃から慕ったマール様と過ごしたいだけですから介入する気はありません。幸せそうな二人を放っておきましょう。人気のある殿方を婚約者に持った宿命ですわ。エイベルには見つからないようにしてください」
「エイベル様は鈍いから大丈夫よ。ただマール様は」
リアナの握った拳に手を重ねて、ゆっくりと解きます。
「もし私のために動こうとする生徒がいるなら止めるので教えてください。それだけで十分です。面倒ですわ。どうして誰も私の願いを叶えてくれないのでしょう。両殿下のお幸せとビアードの発展と平穏に過ごすことしか願っていませんのに」
ただでさえ多忙な時期に余計なことをしないでほしいです。
厄介事が起きると仕事が増えてクロード殿下の機嫌が悪くなり嫌なことだらけですわ。
私のためなら放っておいてほしいです。殿下の不機嫌に慣れても、常に健やかに過ごしていただきたい気持ちはかわりませんわ。
生徒会も忙しく、ビアード領もルーンの治癒師がいなくなったため頻繁に視察に帰らないといけなくなりました。
「レティシア、やるよ」
フィルに口の中にクッキーをいれられました。ほのかに甘く幸せな味がして笑みがこぼれます。
「期間限定で食堂に蜂蜜料理が出るって」
なんとすばらしいことが。
夢でしょうか。頬をつねると痛いので現実です。頬が緩んでしまいます。
「ステラ、明日のお昼は食堂でいいですか?」
「はい。食堂に行くのは初めてですね」
「俺も行く。レティシアのメニュー選んでやるよ」
フィルは食堂が気に入っているのでメニューに詳しいでしょう。
「私の好みに仕上げてくれますか?」
「どうだろうな」
「自分で選びます」
「嘘だよ。ちゃんと気に入るものを選んでやるよ」
気分が浮上しました。明日の食事が楽しみになりました。フィルからもらったクッキーをステラとリアナにも分けて、幸せの時間を満喫することにしました。うちのクラスに堂々と入り、共に食事をするリアナの図太さがうらやましいです。クッキーのおかげでリアナもステラも笑顔になって良かったです。いつか蜂蜜は世界を救うかもしれません。
***
朝食を一緒に食べているエイベルに後輩に示しがつかないので一人での見回りは禁止とお説教を受けました。カーチス様と一緒に生徒会の見回りをしています。
リオは眼鏡をやめたのでさらに人気が出ました。
その所為かリオのファンの令嬢が伯爵令嬢と揉めてるんですが介入したほうがいいんでしょうか。私はリオとは関わらず平穏に過ごしたいので将来的には仮面夫婦で構いません。誰が相手でもリオのファンは揉めるんですね。エイベルのファンの令嬢は良識的な方が多くありがたいですわ。
「いい加減にしなさいよ。いくらリオ様が優しいからって」
「リオが私の傍にいたいって。」
「立場をわきまえなさい」
「ビアード様に言われたんですか?」
「ビアード様は関係ないわ。貴方とビアード様は立場が違うのよ」
「リオの心は私に向いてるわ」
睨み合う様子にため息をこぼします。
私のことを持ち出さないで下さい。
リオの気持ちに興味ありませんから。ビアードに婿入りするなら諫めたい行動は廊下でお菓子を食べることですよ。愛人は約束さえ守ってもらえれば気にしませんよ。ビアード公爵夫妻が許すかは怪しいですが…。
リオの気持ちよりも令嬢が声を荒げる行為のほうが許せません。この光景をクロード殿下が見られたら冷気がでますわね。殿下に令嬢の無礼の対処をさせるなど上位貴族として恥ずべきこと。務めを果たしましょう。
ゆっくりと近づきますが罵り合いが止まる様子はありません。
「どうされました」
「ビアード様、ひどいです!!いくら私が気に入らないからって」
潤んだ瞳の伯爵令嬢を見ても何も思いません。
残念ながらリアナのほうが泣きマネが上手く、ステラの方が可愛いです。そして気弱なフリをしたり、高慢な態度でリオの第二夫人にしてほしいと迫ってきたりします。矛盾のある場面展開と性格の設定の杜撰さはフィルが楽しむほどのもの。
観客として楽しめる立場が羨ましいですわ。私は伯爵令嬢個人に興味はなく、どうでもいいですが、貴族としてふさわしくない行動は気に入りません。
「お二人共、貴族として相応しい行いをお願いします。私達の婚約は当主の命令です。心の繋がりはありません。平等の学園とはいえ、家の名と家格を忘れないでください。今回は見逃します。ただ目に余るなら生徒会として動きます。失礼します」
二人の罵り合いは止まったので礼をして立ち去ります。
生家に相応しい振る舞いさえしていただければ、私からこれ以上言うことはありません。
「ビアード、怒ってるのか?」
「怒ってませんよ。厳しく言わないと伝わりません。生徒会役員でなければ素通りしましたわ」
怯えた視線を向けるカーチス様は気にせず、生徒会室に向かうことにしました。
平等の学園なので厳しく言いたくはないのですが、役員を引き受けたからには面倒でも声を掛けなければいけません。
役員でなければうちの派閥の令嬢が関わらなければ、私は放っておきます。平等の学園で自滅するのは自己責任です。また派閥の令嬢をしつけられない上位貴族令嬢達の責任です。
ルーン公爵家でも王太子の婚約者でもない私が全ての貴族令嬢の行動に責任を持つ必要はありません。ビアード公爵令嬢の私に求められているのは派閥と武門貴族の令嬢達の教育だけですもの。
生徒会室に入ったのは私達が最後でした。
会議は滞りなく終わり、書類を抱えて退室しました。そういえばリオの部屋の鍵は返したほうがいいですよね…。でも話しかけるとまた誤解を生みそうです。声を掛けられたら返しましょう。リオの部屋を訪ねて、お二人を邪魔をするのも避けたいです。私は一切関わりたくありません。
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