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1日目

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ジリリリリ……

目覚ましの音が鳴り響き、青葉健一は目を覚ました。

「あー、ねっむ。」

モソモソと布団から出て着替えようとすると、変な文字が空中に浮かんでいるのに気づいた。


『青葉健一(18) 身長174㎝ 体重63kg 中の上 2』


「なんだ、これ。」

触ってみると、手が突き抜ける。


誰かのイタズラか?と思っていると文章が変わった。

『母さんに呼ばれたので、朝食を食べる。』

「健一、ご飯よー。」

文字が出るのと同時に母さんの声が聞こえた。

健一は不思議に思いながらも、制服に着替えてリビングに向かった。


「なぁ、母さん。これ見える?」

「これって何?健一のトサカみたいな頭?」

「違うよ……」

どうやら健一以外の人にはこの画面は見えないらしい。


「未来予知の能力にでも目覚めたのか?」


『学校に向かった。』

玄関を出る数秒前にまた文字が変わる。


「これはどういうことだ?こんなの出たってなんの意味もねぇし。」

むしろ目の前に邪魔だなと思いながらもいつも通り学校に向かうことにした。


学校に向かう曲がり角で、また文字が変わった。


『右に曲がる→女の人にぶつかり、
       運命的な出会いを迎える

 左に曲がる→幼馴染みの智文と合流する』


「何だよこれ……」

今までの起こる出来事ではなく、分岐が出てきたことに健一は戸惑う。

「いや、そりゃ右一択だろ。」

右に曲がろうとするが、何故か足が進まない。
何だか嫌な予感がするのだ。

「まぁ、本当なのかわかんねぇし、智文でいいか。」

左に曲がると文字の通り、幼馴染みの智文がいた。

『荻野智文(18) 身長182㎝ 体重68kg 子犬系男子』

「おまっ、身長伸びすぎだろ!この前まで俺より小さかったクセに!」

「えぇ、今さら何いってんの?ほら、学校行くよ。」


右の曲がり角を曲がった先では、包丁を持った女の人が通行人を襲っていた。


学校に着くと、また文字が変わった。
文字が出るのにも慣れてきたようだった。

不思議な事に名前や情報もすれ違った人全員に出るわけじゃないらしい。

「そういえば、母さんには出なかったしな。」

次は何かと文字を見ると、また選択肢のようだった。


『眠いので保健室に行く→好感度アップイベント
 教室に行く→智文の好感度アップイベント』

「あぁ?んだよ、これ?」

「どうしたの健一、早く行かないとチャイム鳴るよ?」

智文の好感度上げたところでだしな……と思い、

「悪い、ちょっと頭痛くて保健室行くわ。」

「えぇ、大丈夫?無理しないようにね。」

智文と別れて保健室に向かう。
誰の好感度とは書いてなかったが、健一は胸に期待を膨らませていた。


「失礼しまーす。」

「んん、青葉か。どうした朝っぱらから、またサボりか?」

『星野巧(29) 身長178㎝ 体重61kg 俺様』

「うわ、先生俺様なのかよ。やっぱ女の子は俺様がいいのか。」

あ、でも智文は子犬男子だったがあいつもモテてるな。

「何だ急に、俺のモテ話が聞きたくてきたのか?」

「え、教えてくれるの?」

もしかしたらこの話を聞くことで、女子の好感度がアップするのかと思い健一はベッドに座り話を聞くことにした。

「ふむ、まずは正面より隣に座ることだ。左右どっちかは諸説あるが、あまり関係ないのが俺の持論だ。」

そう話ながら星野は健一の隣に座る。

「ふんふん、それで?」

「そして斜め下から顔を覗き込んで……」

星野は健一の優しく頬を触り、自分の方へ向けキスをした。

「んっ……ちょ、先生、何すんだよ!」

「いきなりすると、こうやって抵抗されるから……」

星野は今度は強く健一を引き寄せると、深くキスをした。

「んっ……ふぅ……くっ、はぁ……はぁ……」

「気持ち良かっただろ?これでイチコロだ。」

「ふっざけんな!男同士で何してくれてんだよ、あんた教師だろ!」

「お前が教えてくれと言ったんだろ。」

激しく怒る健一に対して、星野は特に気にした様子はない。

『星野の好感度が5上がりました。』

「うるせーよ!お前の好感度なんてどうでも良いんだよ!」

表示に対しても怒鳴り、保健室を飛び出した。


『教室に戻る』

「こんな状態で戻れるか!」

健一は教室に戻らず、そのまま学校の外へ出た。

起こった出来事にイライラしながら信号を待っていると、居眠り運転なのか、トラックが健一に向かい突っ込んできた。
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