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第一章

一応、作戦会議をしてみたよ。

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まずはこの世界について覚えてる事を紙に書いてみた。
だいたいのこういう話は覚えてる事を上手く回避することでハッピーエンドに繋げてたはずだ。


・高校生くらいの学校が中心、主人公のメアリーが王子様に気に入られて溺愛される。
・王子様の婚約者のセレナがメアリーを虐める
・王子様気づいてセレナをギャフンして処刑


「いや、定番かよ。」

定番が好きだったんだよ、でもどうせ転生するなら魔法が使える世界が良かった。それならきっと私は、最強!とかいう展開もあったかもしれない。


「それにしたって、もっと他に思い出せないのか私。」

自分の記憶力に絶望的しつつ、私の動くべき方向性を考えてみた。


①このままのんびり行く

「これはないわね。セレナ様処刑されちゃうし。」

周りはワッショイしてたけど、まだ悪女らしく思えない。
というか、精神的に私の方がかなり大人だから全部可愛く見えるのもあるのだろうけど。

②メアリーと王子の出会いを邪魔してみる

「私の記憶力で対応出来るのか謎すぎ。」

よくこんな話で「あ、このシーンは!?」とかあるけど、セレナのフルネームすら覚えてなかった位だ。厳しい道のりな気がする。

③セレナがメアリーを虐めないようにする

「これが建設的かなぁ。」

本編ではなくその前の時間から入っているのだから、セレナを悪役令嬢じゃなくしたらいいのかもしれない。

メアリーも王子が嫉妬するようないい感じの雰囲気になる男の子も何人かいたはずだから、そっちとくっついてくれれば問題なし。

逆に私が王子様と結婚も考えたが、マナーや教養を考えても向いてない。

それなら適当なイケメンとくっつきたい限りだ。
まぁまずストーリーが変えれるのかはわからないけど。


こんなモブ顔でも結構細々続いてるアルファーノ伯爵家の次女だった。
なので、現実と違い努力せずとも出会い自体は豊富な……はず。きっと。



「さて、じゃあ③で進めてくとして、セレナ様と王子様が会うのはきっと来月の生誕祭よね。」

お茶会の時に取り巻きAが

「セレナ様は来月の生誕祭、どのようなドレスで来られるのですか?」

「私は紫のドレスに少し銀の糸をかけたドレスにしようと思ってるの。」

「まぁ素敵なお姿が目に浮かぶようですわ。王子様もきっとセレナ様にお声かけしますわね。」

と会話してた。ドレスは色が被らないようにだろうけど、これを小学生の子達が話してるなんておませさんにしか見えない。
お嬢様ごっこしてるみたいで面白いなぁと思いながら聞いていた。
私のドレスの色も聞かれた時は焦ったけど、だって知らないし。

ここで王子様が気に入るか何かして婚約者になるのだろうと思う。セレナと王子は幼馴染みの設定だったのは覚えてる。

これに関しては特に何もしなくても上手くいくだろう。


「うーん、考えてみたものの、学校に行くまでは特にすることがないのかもしれない。」

それまではのんびりライフを楽しんでも良いのかも。

何ならスマホもゲームもない世界だし、適当に桃太郎とか覚えてる絵本を書いて売ったら売れるかもとか思ったけど、下手にモブが目立ってストーリーが変わるパターンも考えられる。

だいたいの話の主人公はこういう時は努力して、とかあるけどそんな心意気は残念ながら私にはない。第一モブだしね。
異世界成り上がりライフは無事に卒業してから楽しむことにしよう。
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