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第一章

テンプレがしみついてる。

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テューリ兄様にエスコートして貰って、生誕祭の行われるお城へと到着した。

この国自体どんだけ広いんだという広さがあり、きっちり身分で住む場所がわかれている。

1層の城下町ですら公爵家にお呼ばれする時にしか入れない。貴族の中でも上位の方々が住んでいる。

私達の伯爵家は2層に屋敷があるが、自称「古くに王族から頂いた由緒あるお屋敷」らしい。
取り巻きも含め、大体の貴族がここに住んでいる。

3層はまだ行ったことがないが平民や騎士の方々が住んでいて、将来通う学校もここにあるらしい。


しっかし、テーマパークのお城しか見たことがない私には衝撃的なお城の大きさだ。
ホールと庭園には入れるらしいのだが、それですらこの生誕祭の間では満足に見て回れないだろう。

あぁ、西洋のお屋敷とかお金払って見学してた気持ちがすごくわかる。お城の見学ツアーとかやれば流行るんじゃないかな。


「あらあら、どこの田舎者かと思ったらジュリアではありませんの。」

このテンプレのような嫌味を言うのは1人しかいない、私の姉のリタ姉様だ。

「お父様がせめてジュリアにはドレスを……と仰ったけれど、私より仕立ての良いドレスを着るなんてやっぱり勿体ないわね。」

確かにリタ姉様もサラサラ茶髪に小顔で美人、7歳年上でなければ王子様との婚約だって夢じゃなかったのかもしれない。

「いえいえ、お姉様だって美人ですし王子様を狙えますわよ。私のいた世界では7歳差なんてざらにありましたから!」

なーんて、言い返す事はしないよ。
悲しいかな、7歳年上でも精神年齢は私より全然若いんだよリタお姉様。大人ですからね。 


「リタ姉様、もう良いだろ。」

とテューリ兄様がやっと入ってくれた。
テューリ兄様の方が将来的には伯爵家を継ぐのだが、まだリタ姉様には少し弱気だ。

「テューリも可哀想にね、こんな子のエスコートをさせられて。婚約者と間違えられでもしたら、テューリだけでなく、アルファーノ伯爵家の評判にも関わりますわ。」

「確かに、テューリお兄様には悪いことをしましたわ。だって私がテューリお兄様の婚約者と勘違いされたら申し訳ありまさんもの。リタお姉様の仰る通りね、流石ですわ。次回からは気を付けますわね!」

「ジュリア……?」

いかん、大人の対応はどうした私。2人とリタ姉様をエスコートしたのであろう男の子が固まっている。

次回ってなんだよ、社会人のテンプレで返しちゃったよ。

「あー、私、セレナ様と約束していますので一旦失礼致しますわ!」

これは事実だし、セレナ様と王子様の出会いの方が大切だし。



逃げるようにその場を離れてセレナ様を探すが、人も多くて中々見つけれない。

諦めて適当なご飯でも食べようかと思った所で声をかけられた。

「ジュリア!探したのよ、噴水の前で待ち合わせと言ってたでしょう?」

おぉ、モブA、ありがとう。お茶会の時に約束してたのかな、あの時は夢と思って適当に話てたんだよ。許してくれ。


モブAに連れられて噴水の前に行くとセレナ様達が既に集まっていた。

「今日も素敵なドレスねジュリア、特にこの刺繍が素敵!」

「いえいえ、セレナ様の方が赤髪にこの薄い紫と銀糸があいまってお美しいですわ!」

本当に、セレナ様は可愛い。悪役令嬢になるのが不思議な位に性格もほんわかしてる気がするし。

「王子様は必ず庭園にも顔を出されるはずですから、下手にホールで埋もれるよりもこの噴水で勝負ですわね。」

「セレナ様はどこにいても輝いてますけど、より目立たないといけませんからね!」

モブ達が頑張って考えた作戦に水を差すようだけど、セレナ様は出会えるよ、こればっかりは決まってるからね。
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