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第一章
興味ないことは覚えれないよね。
しおりを挟むその後、叔父さんと名乗る渋いイケオジに連れられて、私とテューリ兄様は郊外のマナーハウスにやってきた。
引っ越しやらお葬式であっという間に時間が過ぎていった。
犯人は捕まっていない。
生き残ったのは、私とテューリ兄様だけだった。
何故2人だけ助かったのかわからない。
アルファーノ伯爵家を潰すつもりなら、兄様を残したのも不可解だ。
シリアスなんて趣味じゃないんだけどなぁと考えていると、ドアがノックされた。この世界にきて初めてノックを聞いた気がするぞ。
「失礼致します。シモネット公爵令嬢がお見えです。」
「ありがとうございます。お通ししてください。」
サラよりも少し若い、叔父様が連れてきてくれたメイドさんだ。真面目な雰囲気で、何もしてないが怒られそうな気がしてしまう。
やってきたセレナ様は勢いよく私に抱きついてきてくれた。
「あぁ、可哀想なジュリア。大変でしたでしょう。」
「ありがとうございます。こんな郊外までわざわざ来て頂いて……」
セレナ様は涙目で慰めてくれた。
気を紛らわせてくれようと、貴族同士の小話もしてくれた。
「あとね、噂で聞くかもしれないから先に言っておくわ……私……レミジオ殿下と婚約することになったの。お父様がね、勝手に話を持ってていたみたいで……」
「おおおぉ、良かったじゃないですか!おめでとうございます。本当に良かった。ここ数日で一番テンションあがりました!」
「怒らないの?私、てっきりジュリアもレミジオ殿下の事を……」
「いや、確かに顔はドストライクですけど、セレナ様と婚約して欲しかったので、一つ肩の荷が下りましたよ。」
「どすとら……?」
あぁ、しまった。テンション上がりすぎて言葉がおかしくなってる。
「ふう、いえ、とにかくおめでとうございます。今後も心から応援しているということです。」
「そういって貰えて嬉しいわ、本当にありがとう。」
セレナ様を満開の笑顔で見送った。
色々な事が起こりすぎて予定調和と簡単には思えないが、
まずはジュリアとして生きていくためにこの国の知識をちゃんと勉強しようと思った。
こんな優しいセレナ様がいなくなるのはやはり止めたい。
出来る限りのことはしなければ。
幸い本を読むのは嫌いじゃない。この国の事を知るにはちょうど良いだろう。
興味のないことは覚えれない私だが、まずは取り巻きのモブの名前から覚えてあげよう。
それから大きな事件もなく5年の月日がたち、私は学校に通うことになった。
まだ私の知っている高等部ではないが、メアリーは転入生として入ってくるはずなので中等部では他の私の記憶にある人達がいるはずだ。
5年前に読んだ話なので記憶はより曖昧になってきているが、当時覚えてることはメモしたので正解はわからないが、私が正解と思う道を進もうと思った。
応援ありがとうございます!
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