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第二章

チャラ男が頭良いとギャップ萌えるらしい。

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まさかのセレナ様とメアリーとは同じクラスだった。
クラスは入学前のテストの学力で分けられてるようで、エリーザとソフィアとは違うクラスだ。

勉強は嫌いだったが、まだ何とか中等部はついていける。
高等部には違うクラスになっているだろうが。

「おっ隣、女の子だ、ラッキー。よろしくね。」

将来のチャラ男確定の声だな。
そう思って横を見るとオレンジの髪のタレ目の男の子が座ってきた。

「俺、ジューリオ=モルビデリ。気軽にジュリオって呼んでくれて構わないよ。」

「ジュリア=アルファーノです。」

「うわぁ、名前似てるね!何だか親近感湧くよね。よろしく、ジュリア。」

「はぁ、どうも……」

別に親近感は湧かないが、このチャラ男感は記憶にあるぞ。
確か、周りの女の子を全部振って来たとメアリーに告白したがフラれてたやつだ。

チャラ男が真剣になるのがありに思えるのかもだけど、私の好みではなかったなぁ。

「このクラス、レベル高いよなぁ。あの赤髪はシモネット公爵嬢だろ、金髪の子はマティーノ嬢、テストちゃんと受けて良かったなぁ。」

「詳しいんだね。」

「そりゃ、ね。君のことも実はよく知ってるよ。大変だったんだろ。」

「……」

「犯人、まだ捕まってないんだろ。」


何だこいつ。
同情する訳でもなく、馬鹿にする訳でもなく、探るような目で。

何が言いたいのか聞き返そうとしたところで、先生が入ってきて授業が始まってしまった。

ジュリオについてはチャラ男という事しか覚えていない。
学校に馴れていないメアリーに対してちょっかいを出したしさたりするイメージしかない。

いや、イメージに固執するのは危ないのかもしれない。
メアリーだって、何故か中等部から正式に入学してきている。

そういえば、メアリーは鉄道会社の娘と言われてたな。
私の知ってるメアリーは確か……両親を早くに亡くして、その見た目の美しさから、子が出来なかった貴族の養女になってたはず。

そうだ、それで余計に王子様が気に入った時に問題があったんだ。

何故、メアリーの両親は生きているのか。


『犯人、まだ捕まってないんだろ。』


本当は、メアリーの家族が襲われていたのではないか。


『あなたのせいよ……』

焦点のあっていない、リタ姉様の目……
いや、リタ姉様はもう喋らない。これは夢だ、いつの間にか眠ってしまったのだろう。

夢とわかってはいるが、疑問をぶつけてしまう。

『リタ姉様、何故あんな場所にいたの?何があったの?』

『あなたのせいよ……』


リタ姉様は、答えてくれない。
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