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第二章

そのままの文章って覚えれないよね。

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案内図を見ながら校内をブラブラと歩く。
みんな賑やかで楽しそうだ。

「これっといって見たいものがなぁ。」

お腹は空いているので、適当にご飯でも食べるかと思っていると、声をかけられた。

「ジュリア、こんな所にいたのか!館内放送でも頼もうかと思っていたんだぞ。」

「テューリ兄様?」

「どうせ一人だと思ってな。仕方ないから俺がエスコートしてやるよ。」

「ありがたいですけど、良いんですか?」

テューリ兄様は卒業したら伯爵家の名前を継ぐ。
その為早くから婚約者も決まっていたので、もうエスコートは出来ないと謝られたのは事件の次の年だったか。

学園祭とはいえ、放っといたらよくないだろう。
今からでも戻って貰おうとするとテューリ兄様は手を繋いで私を引っ張っていく。

「お前と同じ学園内にいられるのも今年が最初で最後だ。せっかくだし、あれだ、家族で過ごすのも良いかと思ってな。」

テューリ兄様は耳まで赤くなっていた。言葉も何が言いたいのか、支離滅裂だ。

「ふふっ、ありがとうございます。」

私はテューリ兄様の手を握り返して、学園祭を楽しむことにした。



楽しい学園祭も終わり、一気に楽しくない進級をかけたテストの時期がやってきた。

「セレナにメアリー、二人とクラスが離れるのは心苦しいよ。」

「それならもっと勉強しなさい。手伝ってあげてるのだから。」

「そうよ、ジュリアなら大丈夫よ。」

二人とも励ましながら一緒に勉強をしてくれるが、地頭の差なのか中々覚えれない。
テューリ兄様から過去の問題も貰ったりしてるが、ギリギリ進級出来る点数しか取れていない。

「クラスが離れても仲良くしてね。」

「絶対に許しませんからね、ほらここも覚えなさい。」

諦めモードの私だ。興味ないことは人間覚えれないものだ。
歴史や国語的なものは知らない知識だから何となく覚えれるが、その他の興味の無いことに関してはさっぱりだ。

「漫画みたいな感じで読めたらいいのになぁ。」

「まんが?」

「あっ、何というか……絵が書いてあって、その中で説明も書いてるみたいな……」

下手な絵で書いたキャラと吹き出して喋っている様子をノートに書いて、二人に説明する。

「あぁ、アルベルトが出してたやつね。」

「え、あるの?」

「授業のノートとか売ってたわよ。わかりやすくて評判って聞いたことがあるけど。」

メアリーの言葉を聞いて、私は急いでアルベルトの元へ向かう。そんな物があるなら早く知りたかった。

「アルベルト、ノートを売ってるって本当?」

「そうだけど、さっき売り切れたよ。」

「マジでか……もう一つどうにか書いてくれない……?」

「俺の勉強の時間がなくなるからむり。」

ですよね。これ以上食いつくわけにもいかず、諦めてセレナとメアリーの元に戻る。

とりあえず、来年と再来年は諦めて高等部には合流出来るようにしよう。

「何だこれ。」

廊下のど真ん中に紙が落ちてる。
拾ってみると、わかりやすくの授業の内容が漫画になっていた。テストに出そうなポイントなんかも書いてある。

「これってアルベルトのやつ?」

周りを見渡すも、落としたような人は見当たらない。
神様は二人と同じクラスになれと言うことなのかな?

その漫画のお陰で私はテストでもまずまずな成績を残せ、二人と同じクラスになることが出来た。

その後もアルベルトの漫画を早くから購入することで、無事中等部を二人と過ごし、あっという間に私が知っているはずの高等部へ進級する春がやってきた。
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