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第6章 肝試し大会編
第百二十三話 「勝機」
しおりを挟む「ライム、体当たりだ!」
「キュルキュル!」
迫り来る猛虎を迎え撃つべく、ライムに命じる。
相棒はそれに応えて、眼前のオーランを目掛けて走り出した。
茶色と水色の影が交差する。
「オラァ!」
「キュルッ!」
ライムが体当たりを繰り出すより早く、オーランが皮ブーツを履いた足を振り上げた。
寸前でそれを回避した相棒は、すかさず地面から飛び上がる。
しかしオーランもライムに劣らずの反応速度で、体当たりを躱した。
スピードはほぼ互角だろうか。
当たり前のようにそう推測するが、これは恐ろしい事実でもある。
あのライムの速度に、人の身でありながら追いついているのだ。
これまで数々の強敵を相手にしてきて、ライムが速度で後れを取ったことはない。
それに並ばれた。
やはりこいつは異常だ。
「ちょこまかと跳ね回りやがって!」
ライムとオーランは、墓石や十字架が突き立つ広場で交戦していた。
獣のような男が毒づきながら蹴りを出すが、ライムはぴょんと跳ねて軽やかに避けていく。
反対にライムも負けじと体当たりを決行するが、速度が同じなため命中はしない。
男が暴れ、水色の影が周りを飛び跳ねる姿を前に、僕は眉を寄せた。
「従魔は戦わせないのか?」
「あっ? 必要ねえよ。使ってほしかったらそこまで俺を追い込んでみろ」
ライムと交戦中でありながら、オーランは僕の問いかけに対して答える。
ちらりと遠方を窺うと、彼の従魔である大型獣モンスターがじっとこちらを見据えていた。
推測だが、あのモンスターのランクはAかB。
そしてレベルはレベル30(マスターライン)に到達している可能性もある。
もしあの従魔が戦いに参加してきたら、勝機は限りなく薄れてしまう。
だが逆に、従魔を戦わせず主人が前に出てきている今が、最大の勝機。
ここで奴を仕留める。
そう意気込んで思考を巡らせていると、不意にオーランがライムを相手にしながら口を開いた。
「そういやてめえ、この前面白れぇこと言ってたよな」
「……?」
「『モンスターは道具じゃねえ』、だったか?」
ライムの体当たりを掻い潜り、ちらりとこちらに視線を振ってくる。
まだまだ余裕を見せる彼の姿にも驚かされるが、僕は別の意味で目を見張ってしまった。
……覚えていたのか。
初めて奴と会い、僕が突っかかった時に口にした文句だ。
今でもその言葉は間違いだとは思っていない。
という思いが見透かされたのか、奴はにやりと片頬を緩めて続けた。
「ならその言葉通り、この戦いで道具じゃねえってのを証明してくんねえかなぁ」
「……」
モンスターは道具じゃない。
それを証明しろということは、つまり自分のように従魔を戦わせず己の肉体のみで敵を倒せということだろうか。
しかし僕には、そんな力はない。
ゆえにオーランの言葉を聞いても、歯がゆい思いでライムと奴の戦いを見守ることしかできなかった。
すると突然――
「ラ……アァ!」
オーランが思い切り地面を蹴って、僕のもとへと接近してきた。
掴みかかってくるように右手を突き出している。
テイマー戦(この場合は正しい呼び方かはわからないが)においては、主人を狙うのが定石となっている。
そして主人はいかにして、従魔の邪魔にならず自由に戦わせてあげるかが重要となってくる。
先ほどから律儀にライムとばかり戦っていたオーランが、突然方針を変えてきた。
まったく予想していなかったわけではないが、あまりに唐突だったので反応がやや遅れる。
避けるか捌くか。
前者の行動を取ろうにも遅すぎるとわかった僕は、木剣を盾代わりにしようと正面に構えた。
その瞬間――
「キュルッ!」
真横から水色の影が飛び込んでくる。
突き出されたオーランの右腕を、下から体当たりで打ち上げて、鮮やかなパリィを決めてみせた。
すかさず僕は後方へ飛び退く。
同じくオーランもライムの追撃を恐れて後ろへ飛んだ。
奴は肩をすくめて僕を嘲笑う。
「はっ! 結局は従魔を前に出すだけで、てめえもモンスターを道具みてえに使ってるじゃねえか! 何が『モンスターは道具じゃねえ』だ。口先だけじゃなく自分の手で戦ってみろよ」
「……」
僕は奴の挑発に、何も言い返せず黙り込む。
確かに僕は弱い。それはこれまで色々と試行錯誤してきて、目を逸らそうとしても逸らせなかった純然たる結果だ。
いくら剣を振ろうが、モンスターを倒せるわけじゃない。
従魔のようにスキルや魔法が使えるわけでもない。
人間は弱っちい生き物。その枠組みの中に、僕は見事に当てはまってしまっている。
自分の手で戦えないから、何も言い返すことができない。
だから僕は、自分のその弱さを受け入れることにした。
僕にできることなんて限られている。
オーランのように人の身でありながらモンスターを倒すことはおろか、ライムのためにベストな『主の声』を掛けるのでも一苦労だ。
けど反対に、自分の相棒であるライムの強さを確信している。
――僕のスライムは世界最強。
最低ランクでありながら格上の相手を幾度となく打ち倒してきた相棒。
世界で一番強い相棒を勝たせてあげるのが、僕にとっての戦いだ。
「ライムッ!」
「キュルッ!」
僕の呼びかけに対して、相棒は打てば響く返事をする。
すかさず二人して走り出すと、ライムは敵の右、僕は左側面へと回り込んだ。
見事にタイミングの合った挟み撃ち。
さすがのオーランも余裕の笑みを薄める。
「お……っせえんだよォ!」
彼は先にライムを叩くことに決めたようだ。
体当たりを繰り出す相棒が、オーランに逆に蹴り飛ばされている光景を、彼の背中越しに見る。
その隙に僕は、両手で木剣を握りしめ、左下に構えた。
「せ……あぁ!」
「――ッ!」
右上へと振り抜くようにして、獰猛な男を切り付ける。
彼はすかさずこちらを振り向き、咄嗟に左腕を掲げた。
ガツッ! と振り上げた木剣が左腕にめり込み、剣と腕によるつばぜり合いに持ち込まれる。
間近まで迫ったオーラン・ガルドの顔を睨みつけながら、僕は言い放った。
「モンスターは……ライムは道具じゃない」
「……」
「僕たちは、一緒に並んで戦う……仲間なんだ!」
気勢を迸らせて、僕は木剣を右前方へと振り抜く。
全身全霊の一撃。
それはオーランの身を、僅かに後方へ押しやるだけにとどまった。
これが僕の精一杯。
全力を振り絞ってできたことが、敵の体勢を少し崩すことだけ。
前のめりになりすぎて、とても追撃できる体勢ではない。むしろこのまま行けば敵の反撃を受けることになる。
だから次は、相棒に任せる。
「ライム、【限界突破】!」
「キュルキュル!」
しぼり出すように『主の声』を発すると、敵の向こう側から相棒の声が聞こえた。
オーランは反射的に目を見張って、後方を振り向く。
彼の目には、体の色を水色から赤色に変えた、なんとも不思議なスライムが映っていることだろう。
それとほぼ同時に、周囲からどよめきが起きた。
スライムが亜人種のスキルを使っている。
『愛玩の条件』やオーランの前で見せるのはこれが初めてだ。驚きを隠せないのも無理はない。
いまだ未知なる特異なスキル【捕食】。
それによって得た多種多様なスキルこそが、ライムの切り札だ。
それを絶好のタイミングで切ることこそ、テイマーとしての僕の役目。
僕にできないことはライムに、ライムにできないことは僕に。
これが僕たちの戦い方だ。
【限界突破】によって体を強化したライムは、即座に地面から飛び上がり、オーランの背中を体当たりで強打した。
「ガッ――!」
ズゴッ! と鈍い音が響く。
そのままこちらによろめくオーランに、僕は無理な体勢から追撃を行なった。
「ら……あぁ!」
右前方に倒れ掛かっていた体を、左足を前に出すことで踏ん張りを利かせ、殺しきれなかった勢いのまま、くるりと体を回転させる。
再び左腰に木剣を構えると、隙だらけのオーランに向けて二撃目の斬撃を放った。
ズカッ! と今度は奴の右脇腹に木剣がめり込む。
まるで鋼でも叩いたような感触だった。
しかし同時に手応えも充分。オーランはライムと僕に痛烈な打撃を受けて、右方向へとよろめいた。
さらなる追撃を警戒してか、大きく後方へ飛び退くと、獣型従魔のすぐ近くまで戻っていく。
伏せていた顔を上げると、そこには余裕の笑みが蘇っていた。
「はっ! やりゃあできるじゃねえか。今のはちっとばっかし効いたぜ」
僕は赤いライムと並んで立ちながら、じっと奴を見据える。
オーランは僕たちの視線を受けながら、さらに嬉しそうに笑った。
「ハハッ! さっきの奴らよりは楽しめそうじゃねえかァ。いいぜ、少しぐらいならこいつを使ってやるよ」
彼はバシバシと自分の従魔の頭を叩く。
やはり従魔も戦わせることに決めたようだ。
今のライムとの連携で、かなりいい手応えを感じたから、奴も同じく危機感を覚えたのだろうか。
あいつの性格からしてそれはないにしても、できれば今の連撃で倒し切ってしまいたかった。
が、まあいい。
テイマーとして戦えるなら望むところだ。
――と、思っていたのだが……
「ゴルドレオ、【サンダーエンチャント】!」
「グ……オオオォォォ!」
奴は突然、従魔に向けて『主の声』を発した。
するとその瞬間、大型獣が茶色の鬣を逆立てながら咆哮し、エリア全体を激しく揺さぶる。
幾重にもからまった体毛の隙間から、バチッバチッと黄色の閃光が何度も垣間見えて、オーランを除いたこの場にいる全員が目を見開いていた。
刹那――
一層激しい閃光が僕らの目を灼き、ゴルドレオと呼ばれた従魔の体から、極太の雷撃が放たれた。
それは驚いたことに、主人のその身に降り注がれた。
「ガ……アアアァァァ!」
「な……にを……」
己の従魔の技で苦しむ男を見つめて、僕は枯れた声を漏らす。
こいつは、本当にいったい、何をやっているのだ。
薄暗かった広場を眩く照らすように、オーランの体はバチバチと閃光していた。
やがて、口に含んだ物を飲み込むように、暴れていた雷撃を体内に取り込むと、奴の鬣のような茶髪がジワリとその色を”黄金”に変えた。
「ハァ……キタキタキタキタキタァァァァァ!」
狂ったように笑う男を前に、僕たちは皆、総じて言葉を失う。
茶色から金色に変貌した鬣のような髪。
体の至る所で時折バチッと電気が迸っている。
心なしか奴の周囲には薄黄色のオーラが宿っているようにも見えて、思わず僕は息を呑んだ。
狂人は言う。
「さぁて、こっからが本番だァ。ビビッて逃げんじゃねえぞスライムテイマーァ!」
先刻の、猛虎を思わせる速さとは違い、今度はまるで雷光のような速度でオーラン・ガルドが迫ってきた。
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