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第四話「エトランゼ号の旅立ち」⑤
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「エルトラン……凄いです! 民間船なのに……エスクロンの最新鋭宇宙戦闘機とも、張り合えるくらいですっ!」
さすがのユリもびっくりなのです!
『お褒めに預かり恐縮です。ソフトウェア周りについては、最新のものを取り入れておりますし、システム改修も随時行っておりますので、今日日の若造AIの駆る宇宙戦闘機程度ならば、返り討ちに出来ますよ』
えーと……そこら辺は平和的に。
「……返り討ちって……エルトラン、あんま物騒なこと言わんでな……。と言うか、色々付いとったんやな……火器管制レーダーに、プラズマキャン?!」
「……ここの船……武装してたの?」
『おや、ご存知ではなかった? 本機はデブリ破壊、及び自衛用の最低限の火器を搭載しております。20mmプラズマキャノン……かつて本艦に搭載されていた127mmレーザーキャノンに比べたら、豆鉄砲ですね』
エルトランの言ってることは、宇宙じゃ半ば常識なんだけど……。
なんか、先輩方ドン引きって感じ……これは、フォローが必要かな?
「……宇宙……思ってる以上に、ゴミが多い……。民間船でも武装……当然」
うん、宇宙空間では武器=人殺しの道具って認識はちょっと違う。
如何に装甲化された艦艇でも、2cm程度のデブリなんかが当たるとタダでは済まない。
なので、少しでも直撃可能性があるなら、破壊するのが当然。
宇宙では、余計な回避行動ひとつで帰れなくなる……なんてこともザラに起こる。
なので、航路の掃除や事前のコース状況確認は欠かせないし、緊急時のデブリ迎撃行動も割と普通。
星系によっては、過去の戦闘で遺棄された宇宙機雷とか、誘導弾がなにかの拍子に目を覚ます……とかもあるし、治安の悪い星系では、宇宙海賊みたいなのも出る。
宇宙ってのは、地上の人が思ってる以上に危ないところなのです。
『宇宙の危険性や武装の必要性について、詳しくは宇宙開発史などをお調べいただくことをお勧めします……クオンは歴史が浅いので、過去戦場になったような経歴がないので、少し甘く考えている方が多いのですが、武器とは戦いの道具だと言う認識は誤っておりますよ』
「な、なるほど……けど、そんな話って聞いたことあるか? 」
「……クオンは割と航路がクリーンなので、あまりないみたいですけど、星系によってはアステロイドベルトとかの付近では、良くある話みたいですし、治安の悪い星系では海賊が出るって話もあるみたいですわ……」
『そうですなぁ……。この星系は平和なものですからね。この10年ほど、宇宙活動部の専属艦として、過ごして来ましたが。訓練射撃以外での発砲の機会はありませんでした。ですが、いつでも撃てるように、整備は万全にしてあります。ユリコ様、ターレットを少し動かしてみてはどうでしょうか?』
エルトランの言葉と共に、操縦ブロックの後方に半球状のターレットがせり出してくる。
無砲身タイプのレーザー照準単装式プラズマキャノン。
プラズマカートリッジ式で、弾数は120発分ほど装填されてる……撃とうと思えば、本当に撃てる状態。
操作レスポンスも良好。
いい感じで同期取れてる……このAI、いい仕事してるなぁ。
「グッドジョブ……です」
思わず、親指ビシッと立てて、その仕事ぶりを評価。
『ありがとうございます。どうでしょう? ……ドッグ内での調整と言っても、限度があります。幸い今の時間……宇宙港が空いているようで、フライトプランの仮申請が受理されました。燃料も満タンですし、酸素残量も十分です。あくまでよろしかったら……程度なのですが、少しばかり宇宙を飛んで見てはいかがでしょうか?』
エルトランに、すっごい期待されてるのが解る。
振り返って、二人の様子を見る。
「……え、もしかすると、今からいきなり飛べるんか?」
「プライトプランの仮申請って……いつの間に……けど、仮申請で通ったとなると、正式な申請に切り替えれば、OKって事ですわよね?」
『はい、管制AIや出港待ちの艦艇AIが色々と配慮頂いたようでして……。当艦に艦長が就任したと言う話も皆、早速聞きつけたようで、あちこちから祝辞が届いています』
……AIの世界では、その活動年数とティアレベルってのは、お互いの格……優先順位を決める重大な要素になる。
ティア2、60年選手のAIなんて、この星系だともうトップクラスの偉い人って、扱いになるような気がする。
通信量からみるに、どうもこの宇宙港のあらゆる艦艇や各種AIから、ひっきりなしにアクセスが届いてるらしい。
どうも、エルトラン……この宇宙港どころか、このクオン星系のAI社会で、相当名の知られたAIのようだった。
「エリー部長、アヤメ先輩、どう……?」
二人が嫌なら、今日の所は諦める。
実際、準備不足なのは否めない。
この調子だとコロニーの周り一周とかでも、満足はしてくれそうではあるし……。
……と言うか、ユリも宇宙を飛びたいのですっ!
「もうっ……ユリコさん、そんな目で見られたら、断れませんわ。わたくし達にとっても、これは待望の機会。行きましょう! 時には思い切ることも必要っ! ですわよっ!」
「せやな! そう言う事なら、あたしらの事は気にせんでええから、ユリちゃんの好きにせいや」
二人共快諾してくれた。
ユリも思わずニッコリ笑顔なのですっ!
「よかったら……どちらか、副操縦席……座りません?」
せっかくなので、誘ってみる。
「うーん、そこの副操縦士席って、座るとそんな風に固められちゃうんですよね?」
「せ、せやな……そこまでガッツリ、船と一体化みたいになるのは、ちょいと抵抗あるで……」
言われてみれば確かに。
今の私は、ミイラみたいに拘束ベルトでグルグル巻きにされた上で、棺桶みたいなシールドに覆われて、そこ顔だけ出してるような感じになってて、顔の前にも視覚遮断のシールド・バイザーが降りていて、何とも物々しい状態……。
けど、ダイレクトリンク操艦モードだと、自分の身体が動いちゃう事もよくあるので、安全性と安定性を考えると、こんな風に身体がガッツリ固定されて、更にシェル外装で覆われるってのは、戦闘艦だと普通だったりもするのです。
けど、確かに……民間船で、普通はここまでしないか。
『いえ、普通はシートベルト固定でも問題ありません。ユリコ様の場合、思念操艦にも対応しているので、むしろ身体を固定化しないと、かえって危険なのです。通常の操艦ではここまでする必要はありませんし、今回はフィッティングも兼ねているので、敢えてこの状態にまでしていただいているのですよ。もちろん、御本人から同意は頂いておりますよ』
「そ、そんなもんなんか……。けどまぁ、あたしらは後ろの席で構わんよ。これ、前向きにも出来るんやろ?」
「そうですわね。うん、後学のためにも、後ろで見学させていただきますの」
二人がいそいそとシートを前向きにして、腰掛けて四点式ベルトでロックする。
全乗員シート着座、ロック完了。
カバンとか荷物も乗り込んだ時に、居住区の固定ボックスに入れてきたから、問題なし。
「……二人共……準備は?」
「問題ないですわ。こっちの準備は出来ましたの! アヤメ、ワクワクしますね!」
「せやな……。なんちゅうか……ジェットコースターに乗った時みたいな気分やな!」
そう言えば、このコロニーにもあるんだっけ、遊園地。
けど、ユリはむしろ、ジェットコースターの方が乗ったこと無いのです。
もちろん、エスクロンにも遊園地くらいあったけど……ボッチなスペシャルオーダーズには縁がなかったのです……。
とにかく、二人共準備よし。
座席ロック、各種バイタルモニターも検出……接触状態からの推定値とのこと。
HR、BP、BT値……基礎値は生徒データベースから取り寄せ、いずれも、問題ない範囲内だと確認。
本来は、ナノプローブ注射とかでリアルタイム、かつ正確な数値が取りたいんだけど。
まぁ、そこまでしなくてもいいかな……と。
「では、エルトラン……皆、準備完了なのです!」
『了解しました。ほぅ、バイタルモニター値の調整までしていただけるとは、なかなか手慣れておりますな……お見事。それでは間もなく出発致します。まずは、管制誘導に従い射出台まで移送開始します……少々揺れますが、ご了承ください』
ガタンと揺れて、窓の外が赤いランプの明滅になる。
酸素濃度低下警報……宇宙港の航宙艦移送通路ともなると、生身の人間の存在なんて想定してないし、火災防止として、酸素濃度は17%程度になっている。
酸素濃度をそれ以下に下げないのは、16%以下の濃度の酸素は人間にとっては、毒ガスと変わりないので、通路での事故発生を想定して、そんな風にしてるらしい。
エトランゼ号専用ドックのエアロックが開き、エトランゼ号が移送レールに載った状態で、宇宙港の移送通路を移動していく。
通路は、アリの巣のようにカオスな繋がり方になっていて、常に変化し続ける。
まかり間違って生身で迷い込んだら、生きて帰るのは難しいだろう。
真っ暗なトンネル……所々に照明がある。
ちなみに、赤点滅より先は、酸素濃度が危険領域。
緑点滅は生存可能領域……航宙法で制定されてる通り、このクオン宇宙港もちゃんと銀河連合規格に基づいた設計になってる。
人間が入ってこないエリアだから、この手の警告ランプなんて、必要ないと思うのだけど、AI達は律儀なのでこの手の法規はきっちり守る。
エトランゼ号のドックに来るまでもそうだったけど、今回もやっぱり上に行ったり下に行ったり……グネグネ、ガタガタと複雑なルートを辿り、移送されていく。
やがて、大きく広い六角形の空間に出る。
どうやら……大型艦なども利用するかなり大きな発着ゲートに到着したようだった。
床に大きく「7」の数字が書かれており、クレーン車やタグボートの類が忙しく動き回っていた。
「……ここって、大型艦用のゲートですわよね? 確か一桁番台のゲートって、大型艦の発着ゲートだったような……」
『はい、よくご存知で。皆が私達への祝福ということで、第7ゲートを空けていただけましたので、その好意に預かることとしました』
……これ、絶対宇宙港の関係者側で大騒ぎになってそう。
宇宙港の管制なんて、ほとんどAIの自律制御だし、命令がなくとも自分達の裁量権を駆使して、これくらいのことはやってのける。
今頃、人知れず、フライトプランの大幅組み換えが行われてると思う。
でも、こんな待遇を受けられるなんて、エルトランってここのヌシみたいな扱いなのかも……。
さすがのユリもびっくりなのです!
『お褒めに預かり恐縮です。ソフトウェア周りについては、最新のものを取り入れておりますし、システム改修も随時行っておりますので、今日日の若造AIの駆る宇宙戦闘機程度ならば、返り討ちに出来ますよ』
えーと……そこら辺は平和的に。
「……返り討ちって……エルトラン、あんま物騒なこと言わんでな……。と言うか、色々付いとったんやな……火器管制レーダーに、プラズマキャン?!」
「……ここの船……武装してたの?」
『おや、ご存知ではなかった? 本機はデブリ破壊、及び自衛用の最低限の火器を搭載しております。20mmプラズマキャノン……かつて本艦に搭載されていた127mmレーザーキャノンに比べたら、豆鉄砲ですね』
エルトランの言ってることは、宇宙じゃ半ば常識なんだけど……。
なんか、先輩方ドン引きって感じ……これは、フォローが必要かな?
「……宇宙……思ってる以上に、ゴミが多い……。民間船でも武装……当然」
うん、宇宙空間では武器=人殺しの道具って認識はちょっと違う。
如何に装甲化された艦艇でも、2cm程度のデブリなんかが当たるとタダでは済まない。
なので、少しでも直撃可能性があるなら、破壊するのが当然。
宇宙では、余計な回避行動ひとつで帰れなくなる……なんてこともザラに起こる。
なので、航路の掃除や事前のコース状況確認は欠かせないし、緊急時のデブリ迎撃行動も割と普通。
星系によっては、過去の戦闘で遺棄された宇宙機雷とか、誘導弾がなにかの拍子に目を覚ます……とかもあるし、治安の悪い星系では、宇宙海賊みたいなのも出る。
宇宙ってのは、地上の人が思ってる以上に危ないところなのです。
『宇宙の危険性や武装の必要性について、詳しくは宇宙開発史などをお調べいただくことをお勧めします……クオンは歴史が浅いので、過去戦場になったような経歴がないので、少し甘く考えている方が多いのですが、武器とは戦いの道具だと言う認識は誤っておりますよ』
「な、なるほど……けど、そんな話って聞いたことあるか? 」
「……クオンは割と航路がクリーンなので、あまりないみたいですけど、星系によってはアステロイドベルトとかの付近では、良くある話みたいですし、治安の悪い星系では海賊が出るって話もあるみたいですわ……」
『そうですなぁ……。この星系は平和なものですからね。この10年ほど、宇宙活動部の専属艦として、過ごして来ましたが。訓練射撃以外での発砲の機会はありませんでした。ですが、いつでも撃てるように、整備は万全にしてあります。ユリコ様、ターレットを少し動かしてみてはどうでしょうか?』
エルトランの言葉と共に、操縦ブロックの後方に半球状のターレットがせり出してくる。
無砲身タイプのレーザー照準単装式プラズマキャノン。
プラズマカートリッジ式で、弾数は120発分ほど装填されてる……撃とうと思えば、本当に撃てる状態。
操作レスポンスも良好。
いい感じで同期取れてる……このAI、いい仕事してるなぁ。
「グッドジョブ……です」
思わず、親指ビシッと立てて、その仕事ぶりを評価。
『ありがとうございます。どうでしょう? ……ドッグ内での調整と言っても、限度があります。幸い今の時間……宇宙港が空いているようで、フライトプランの仮申請が受理されました。燃料も満タンですし、酸素残量も十分です。あくまでよろしかったら……程度なのですが、少しばかり宇宙を飛んで見てはいかがでしょうか?』
エルトランに、すっごい期待されてるのが解る。
振り返って、二人の様子を見る。
「……え、もしかすると、今からいきなり飛べるんか?」
「プライトプランの仮申請って……いつの間に……けど、仮申請で通ったとなると、正式な申請に切り替えれば、OKって事ですわよね?」
『はい、管制AIや出港待ちの艦艇AIが色々と配慮頂いたようでして……。当艦に艦長が就任したと言う話も皆、早速聞きつけたようで、あちこちから祝辞が届いています』
……AIの世界では、その活動年数とティアレベルってのは、お互いの格……優先順位を決める重大な要素になる。
ティア2、60年選手のAIなんて、この星系だともうトップクラスの偉い人って、扱いになるような気がする。
通信量からみるに、どうもこの宇宙港のあらゆる艦艇や各種AIから、ひっきりなしにアクセスが届いてるらしい。
どうも、エルトラン……この宇宙港どころか、このクオン星系のAI社会で、相当名の知られたAIのようだった。
「エリー部長、アヤメ先輩、どう……?」
二人が嫌なら、今日の所は諦める。
実際、準備不足なのは否めない。
この調子だとコロニーの周り一周とかでも、満足はしてくれそうではあるし……。
……と言うか、ユリも宇宙を飛びたいのですっ!
「もうっ……ユリコさん、そんな目で見られたら、断れませんわ。わたくし達にとっても、これは待望の機会。行きましょう! 時には思い切ることも必要っ! ですわよっ!」
「せやな! そう言う事なら、あたしらの事は気にせんでええから、ユリちゃんの好きにせいや」
二人共快諾してくれた。
ユリも思わずニッコリ笑顔なのですっ!
「よかったら……どちらか、副操縦席……座りません?」
せっかくなので、誘ってみる。
「うーん、そこの副操縦士席って、座るとそんな風に固められちゃうんですよね?」
「せ、せやな……そこまでガッツリ、船と一体化みたいになるのは、ちょいと抵抗あるで……」
言われてみれば確かに。
今の私は、ミイラみたいに拘束ベルトでグルグル巻きにされた上で、棺桶みたいなシールドに覆われて、そこ顔だけ出してるような感じになってて、顔の前にも視覚遮断のシールド・バイザーが降りていて、何とも物々しい状態……。
けど、ダイレクトリンク操艦モードだと、自分の身体が動いちゃう事もよくあるので、安全性と安定性を考えると、こんな風に身体がガッツリ固定されて、更にシェル外装で覆われるってのは、戦闘艦だと普通だったりもするのです。
けど、確かに……民間船で、普通はここまでしないか。
『いえ、普通はシートベルト固定でも問題ありません。ユリコ様の場合、思念操艦にも対応しているので、むしろ身体を固定化しないと、かえって危険なのです。通常の操艦ではここまでする必要はありませんし、今回はフィッティングも兼ねているので、敢えてこの状態にまでしていただいているのですよ。もちろん、御本人から同意は頂いておりますよ』
「そ、そんなもんなんか……。けどまぁ、あたしらは後ろの席で構わんよ。これ、前向きにも出来るんやろ?」
「そうですわね。うん、後学のためにも、後ろで見学させていただきますの」
二人がいそいそとシートを前向きにして、腰掛けて四点式ベルトでロックする。
全乗員シート着座、ロック完了。
カバンとか荷物も乗り込んだ時に、居住区の固定ボックスに入れてきたから、問題なし。
「……二人共……準備は?」
「問題ないですわ。こっちの準備は出来ましたの! アヤメ、ワクワクしますね!」
「せやな……。なんちゅうか……ジェットコースターに乗った時みたいな気分やな!」
そう言えば、このコロニーにもあるんだっけ、遊園地。
けど、ユリはむしろ、ジェットコースターの方が乗ったこと無いのです。
もちろん、エスクロンにも遊園地くらいあったけど……ボッチなスペシャルオーダーズには縁がなかったのです……。
とにかく、二人共準備よし。
座席ロック、各種バイタルモニターも検出……接触状態からの推定値とのこと。
HR、BP、BT値……基礎値は生徒データベースから取り寄せ、いずれも、問題ない範囲内だと確認。
本来は、ナノプローブ注射とかでリアルタイム、かつ正確な数値が取りたいんだけど。
まぁ、そこまでしなくてもいいかな……と。
「では、エルトラン……皆、準備完了なのです!」
『了解しました。ほぅ、バイタルモニター値の調整までしていただけるとは、なかなか手慣れておりますな……お見事。それでは間もなく出発致します。まずは、管制誘導に従い射出台まで移送開始します……少々揺れますが、ご了承ください』
ガタンと揺れて、窓の外が赤いランプの明滅になる。
酸素濃度低下警報……宇宙港の航宙艦移送通路ともなると、生身の人間の存在なんて想定してないし、火災防止として、酸素濃度は17%程度になっている。
酸素濃度をそれ以下に下げないのは、16%以下の濃度の酸素は人間にとっては、毒ガスと変わりないので、通路での事故発生を想定して、そんな風にしてるらしい。
エトランゼ号専用ドックのエアロックが開き、エトランゼ号が移送レールに載った状態で、宇宙港の移送通路を移動していく。
通路は、アリの巣のようにカオスな繋がり方になっていて、常に変化し続ける。
まかり間違って生身で迷い込んだら、生きて帰るのは難しいだろう。
真っ暗なトンネル……所々に照明がある。
ちなみに、赤点滅より先は、酸素濃度が危険領域。
緑点滅は生存可能領域……航宙法で制定されてる通り、このクオン宇宙港もちゃんと銀河連合規格に基づいた設計になってる。
人間が入ってこないエリアだから、この手の警告ランプなんて、必要ないと思うのだけど、AI達は律儀なのでこの手の法規はきっちり守る。
エトランゼ号のドックに来るまでもそうだったけど、今回もやっぱり上に行ったり下に行ったり……グネグネ、ガタガタと複雑なルートを辿り、移送されていく。
やがて、大きく広い六角形の空間に出る。
どうやら……大型艦なども利用するかなり大きな発着ゲートに到着したようだった。
床に大きく「7」の数字が書かれており、クレーン車やタグボートの類が忙しく動き回っていた。
「……ここって、大型艦用のゲートですわよね? 確か一桁番台のゲートって、大型艦の発着ゲートだったような……」
『はい、よくご存知で。皆が私達への祝福ということで、第7ゲートを空けていただけましたので、その好意に預かることとしました』
……これ、絶対宇宙港の関係者側で大騒ぎになってそう。
宇宙港の管制なんて、ほとんどAIの自律制御だし、命令がなくとも自分達の裁量権を駆使して、これくらいのことはやってのける。
今頃、人知れず、フライトプランの大幅組み換えが行われてると思う。
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