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1-04 世界政府であることはすごいこと
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***
このダオレイスという世界は、大きく分けて六つ――いや、七つの大陸で成り立っているとされている。
安定した成長を遂げているサルバシオン大陸。
技術と娯楽が、他の大陸よりも栄えているトレゾール大陸。
そのトレゾール大陸の東に属しているものの、貧富の差からトレゾール大陸として認められていないエンハンブル大陸。
突出した特徴がない大陸、ヴァニタス大陸。
六つの大陸の中、唯一、全土で争いが収まらず、また他の大陸や国とも交易を取らないアンファング大陸。
世界最大の無人島であり、十数年前から世界政府が厳重に管理するようになったカダベル大陸。
そして、人々の間で存在すると噂され、シエル・クヴントの伝説にも登場する幻の大陸、エテルノ大陸だ。
しかし、公式的には、ダオレイスはエテルノ大陸を除いた六つの大陸で成り立っている。その理由は、エテルノ大陸は衛星映像にも映ることはなく、どの世界地図を見てもエテルノ大陸が表記されているものはないからだ。
さらに極め付けの理由として、世界政府がエテルノ大陸があるとされる場所へ探索隊を送った時、大陸を発見できなかったことで、その存在は否定された。
このような大陸で構成されているダオレイスの中で世界三大勢力の内の一つと言われる世界政府は、主にダオレイスの治安維持、行政、人民の保護、調査などを執り行なっている機関で、それを大きくはダオレイス全体から、小さくは町単位で、部署に分けて執行している。これも、世界政府に多くの人が所属しているから可能なことだ。
その部署に配属される方法も、能力によって決められる。能力や人望に長けている者はダオレイス全体を任されるようになり、その人数も少ない。それから順に、それぞれの大陸ごとの支部に分けられ、国単位で分けられ、各地区に区分され、その地区から町ごとに配置されるようになる。その任される範囲が小さくなるほどに、割り当てられる人員も多くなる。
こうすることによって、ダオレイス全体に目が届くようになり、世界政府の手が届く範囲は多くなる。ダオレイスの平和は、彼らが守っているといっても過言ではないほどに活躍の幅は広いのだ。
現に、ダオレイスの中で世界政府の存在を知らない者はおらず、その世界地図と旗が描かれたマークを見れば百人に百人が世界政府だと答えるほど認知されている。
それゆえ、世界政府に憧れを抱く者も多く、入隊を希望する者も後を絶たない。
しかし、世界政府に入るのは、それなりの能力と条件が必要だ。誰しもが願っているからといって、簡単に仲間に加わることは出来ない。実際、多くの人が世界政府の試験に落ちて、夢を失っている。
だから、若い年で世界政府に入っていて、尚且つ、大陸支部に配属されていることはすごいことだ。
――そう、すごいことのはずなのだ。
クルムは座り心地のよい椅子に座って、目を瞑っていた。
目を瞑っているからといって、特に何かを考えているわけではない。今、目の前で起こっている信じがたい現象から、ただ目を背けたかっただけだ。
「わっ! また割っちゃった!」
クルムがいる部屋から少し離れた場所で、盛大に食器が割れる音が再び響き、同時に女性も声を上げた。かれこれ、何回目だろうか。この建物の内装からするに、恐らく高価な食器が何度も悲鳴を上げているのだと想像するのは容易い。その度に、クルムはさらに目を瞑り、頭まで抱えているのだ。
今、クルムがいる場所は、世界政府が所有する建物で、オリエンス支部として使われているものだ。
この場所にいる理由を説明するのなら、少し時間を戻す必要がある。
先ほど、リッカ・ヴェントという女性の正体が政府の人間だということが分かると、「立ち話もなんだから、中で話そっか」とリッカが切り出し、他の建物より一回り大きいサイズのため路地裏からでもよく見える一つの建物――世界政府が所有するオリエンスで活動するための拠点を指差し、案内してもらった。
ちなみに、クルムが倒れているタイミングでリッカが路地裏にやって来たのは、まさに拠点に帰る途中だったからだそうだ。
そして、クルムとリッカがオリエンス支部の扉を開けて中に入ると、まず目に飛び込んできたのは大きな世界政府の旗だった。さらに視線を移すと、質の良さそうな絨毯、動物の形を模した彫像、頑丈そうな鎧などが視界に入る。塵一つ落ちていないのも印象的だ。
クルムは初めて訪れる世界政府の拠点に驚きを隠せず、思わずキョロキョロと辺りを見渡していた。
そんなクルムとは逆に、隣にいるリッカは落ち着いた態度だった。立ち止まっているクルムに対して、リッカは小さく微笑み、クルムの肩を軽く叩いた。クルムはそのことに気付くと、定まらなかった焦点をリッカ一人に留めた。
リッカはクルムより一歩先を歩いており、行くべき部屋を指さしていた。木製で作られた部屋の扉には、客間というプレートが貼られている。
前を歩くリッカは、まるで慣れた自分の家を歩くように堂々としており、やはり世界政府の人間なのだとクルムは感心した。
客間に着くと、真ん中に机とそれを囲むように四つの椅子があった。机と椅子の下には、高級そうな絨毯が敷かれており、見栄えが良くなっている。また、部屋の周りには本棚が並んでおり、最近の事件をまとめたものや過去の歴史書などが、所狭しとぎっちり収納されていた。客人が待っている間、退屈せずに時間を潰せるようにと用意されているものだろう。
クルムはリッカに案内され、椅子に座った。座ってみると、椅子はふかふかで、座り心地がとても良かった。それと同時に、机にも手を触れてみたが、世間で普及している材木とは違う感触がし、きっと珍しい素材で作られている机なのだと想像がついた。
オリエンス支部でさえ、このような設備が整っている。それはつまり、世界政府がどれほどの財と権力を持っているのか、その片鱗を垣間見させるものだった。
「少し待ってて。今、お茶を用意するから」
クルムが席に座って世界政府の大きさを改めて認識していると、リッカはそう言って、客間から出ていった。心なしか、扉の閉まる音は飛び跳ねているかのように軽やかに聞こえた。
ここで、問題なくお茶が出てくれば、リッカ・ヴェントという人物を素直に、純粋に認めることが出来たのかもしれない。
しかし、結果は――。
「きゃああ」
「だ、大丈夫ですか!?」
客間にリッカの叫び声と何かが割れる音が響いた。クルムは反射的に椅子から立ち上がり、リッカを案ずる声を出していた。
お茶を用意すると言って客間を出ていったので、リッカはキッチンにいるはずだ。そして、リッカの声がクルムのいるところまで聞こえたということは、客間からキッチンまでの距離はそう遠くない。
クルムは居ても立っても居られず、リッカがいるところまで向かおうとした。
「だ、大丈夫、大丈夫。驚かしてごめんね」
その時、リッカの声が聞こえた。先ほどの叫び声とは違い、落ち着いた声だった。そのリッカの声を聞き、ひとまず無事だったことにクルムは胸を撫で下ろした。
「よかった。もし手伝うことがあれば、手伝いますが……」
客としてすることではないが、それでも無事にお茶が出てくる方が良いだろうと思い、クルムはリッカに手伝いを申し出した。
「ありがとう。でも、平気だよ。クルムはゆっくり休んでて」
しかし、リッカはそのクルムの提案を断った。耳を澄ませば、クルムのいる客間でも食器と食器が触れ合う音が聞こえる。
その音を聞き、何事もなく準備が始まったことを確認すると、クルムは息を吐いてから椅子に座った。
さっきのは偶然だったと、クルムはそう思うことにした。
けれど、その思いは虚しく、すかさず――
「ひゃあ」
リッカの叫び声と食器が割れる音が再び響き渡った。
「リッカさん!?」
先ほどと同様、クルムは席を立ちあがって、リッカを懸念する声を出した。
「心配しないで。たまたま手が滑っただけだから」
リッカの声色は毅然としていたが、クルムはその声を容易に受け入れることが出来なかった。瞬く間に、同じことが二回も起こっているのだ。これをたまたまで片づけていいだろうか。
いや、偶然ではない。
クルムの頭には、一つの疑念が思い浮かんでいた。
「リッカさん。リッカさんは、もしかして――」
そして、クルムは頭に渦巻く疑問を言葉に出そうとした。
「本当にだいじょ――わっ」
最後まで聞かずにクルムの言葉を断ち切ったリッカだったが、そう言っている間にも、食器を盛大に割り、またしても声を上げている。
クルムはへたっと、糸の切れた人形みたいに椅子に座りこんだ。椅子に座ると、クルムは目を瞑った。
――大丈夫、大丈夫。彼女を信じよう。
そう考えることで、クルムは自分の心を落ち着かせ、悲惨な現実から目を背けようとしたのだ。そうしないと、クルムは何度も何度も立ち上がって、リッカに声を掛けてしまうだろう。
しかし現実は、クルムがそう考えている間も、絶えず食器の悲鳴は止むことはなかった。クルムはその度、反射的に立ち上がろうとするのを堪え、リッカに声を掛けないよう自分に言い聞かせた。
そう。客人の立場であるはずのクルムに、平安は存在しなかった。
そして、時は冒頭の場面に戻る。
このダオレイスという世界は、大きく分けて六つ――いや、七つの大陸で成り立っているとされている。
安定した成長を遂げているサルバシオン大陸。
技術と娯楽が、他の大陸よりも栄えているトレゾール大陸。
そのトレゾール大陸の東に属しているものの、貧富の差からトレゾール大陸として認められていないエンハンブル大陸。
突出した特徴がない大陸、ヴァニタス大陸。
六つの大陸の中、唯一、全土で争いが収まらず、また他の大陸や国とも交易を取らないアンファング大陸。
世界最大の無人島であり、十数年前から世界政府が厳重に管理するようになったカダベル大陸。
そして、人々の間で存在すると噂され、シエル・クヴントの伝説にも登場する幻の大陸、エテルノ大陸だ。
しかし、公式的には、ダオレイスはエテルノ大陸を除いた六つの大陸で成り立っている。その理由は、エテルノ大陸は衛星映像にも映ることはなく、どの世界地図を見てもエテルノ大陸が表記されているものはないからだ。
さらに極め付けの理由として、世界政府がエテルノ大陸があるとされる場所へ探索隊を送った時、大陸を発見できなかったことで、その存在は否定された。
このような大陸で構成されているダオレイスの中で世界三大勢力の内の一つと言われる世界政府は、主にダオレイスの治安維持、行政、人民の保護、調査などを執り行なっている機関で、それを大きくはダオレイス全体から、小さくは町単位で、部署に分けて執行している。これも、世界政府に多くの人が所属しているから可能なことだ。
その部署に配属される方法も、能力によって決められる。能力や人望に長けている者はダオレイス全体を任されるようになり、その人数も少ない。それから順に、それぞれの大陸ごとの支部に分けられ、国単位で分けられ、各地区に区分され、その地区から町ごとに配置されるようになる。その任される範囲が小さくなるほどに、割り当てられる人員も多くなる。
こうすることによって、ダオレイス全体に目が届くようになり、世界政府の手が届く範囲は多くなる。ダオレイスの平和は、彼らが守っているといっても過言ではないほどに活躍の幅は広いのだ。
現に、ダオレイスの中で世界政府の存在を知らない者はおらず、その世界地図と旗が描かれたマークを見れば百人に百人が世界政府だと答えるほど認知されている。
それゆえ、世界政府に憧れを抱く者も多く、入隊を希望する者も後を絶たない。
しかし、世界政府に入るのは、それなりの能力と条件が必要だ。誰しもが願っているからといって、簡単に仲間に加わることは出来ない。実際、多くの人が世界政府の試験に落ちて、夢を失っている。
だから、若い年で世界政府に入っていて、尚且つ、大陸支部に配属されていることはすごいことだ。
――そう、すごいことのはずなのだ。
クルムは座り心地のよい椅子に座って、目を瞑っていた。
目を瞑っているからといって、特に何かを考えているわけではない。今、目の前で起こっている信じがたい現象から、ただ目を背けたかっただけだ。
「わっ! また割っちゃった!」
クルムがいる部屋から少し離れた場所で、盛大に食器が割れる音が再び響き、同時に女性も声を上げた。かれこれ、何回目だろうか。この建物の内装からするに、恐らく高価な食器が何度も悲鳴を上げているのだと想像するのは容易い。その度に、クルムはさらに目を瞑り、頭まで抱えているのだ。
今、クルムがいる場所は、世界政府が所有する建物で、オリエンス支部として使われているものだ。
この場所にいる理由を説明するのなら、少し時間を戻す必要がある。
先ほど、リッカ・ヴェントという女性の正体が政府の人間だということが分かると、「立ち話もなんだから、中で話そっか」とリッカが切り出し、他の建物より一回り大きいサイズのため路地裏からでもよく見える一つの建物――世界政府が所有するオリエンスで活動するための拠点を指差し、案内してもらった。
ちなみに、クルムが倒れているタイミングでリッカが路地裏にやって来たのは、まさに拠点に帰る途中だったからだそうだ。
そして、クルムとリッカがオリエンス支部の扉を開けて中に入ると、まず目に飛び込んできたのは大きな世界政府の旗だった。さらに視線を移すと、質の良さそうな絨毯、動物の形を模した彫像、頑丈そうな鎧などが視界に入る。塵一つ落ちていないのも印象的だ。
クルムは初めて訪れる世界政府の拠点に驚きを隠せず、思わずキョロキョロと辺りを見渡していた。
そんなクルムとは逆に、隣にいるリッカは落ち着いた態度だった。立ち止まっているクルムに対して、リッカは小さく微笑み、クルムの肩を軽く叩いた。クルムはそのことに気付くと、定まらなかった焦点をリッカ一人に留めた。
リッカはクルムより一歩先を歩いており、行くべき部屋を指さしていた。木製で作られた部屋の扉には、客間というプレートが貼られている。
前を歩くリッカは、まるで慣れた自分の家を歩くように堂々としており、やはり世界政府の人間なのだとクルムは感心した。
客間に着くと、真ん中に机とそれを囲むように四つの椅子があった。机と椅子の下には、高級そうな絨毯が敷かれており、見栄えが良くなっている。また、部屋の周りには本棚が並んでおり、最近の事件をまとめたものや過去の歴史書などが、所狭しとぎっちり収納されていた。客人が待っている間、退屈せずに時間を潰せるようにと用意されているものだろう。
クルムはリッカに案内され、椅子に座った。座ってみると、椅子はふかふかで、座り心地がとても良かった。それと同時に、机にも手を触れてみたが、世間で普及している材木とは違う感触がし、きっと珍しい素材で作られている机なのだと想像がついた。
オリエンス支部でさえ、このような設備が整っている。それはつまり、世界政府がどれほどの財と権力を持っているのか、その片鱗を垣間見させるものだった。
「少し待ってて。今、お茶を用意するから」
クルムが席に座って世界政府の大きさを改めて認識していると、リッカはそう言って、客間から出ていった。心なしか、扉の閉まる音は飛び跳ねているかのように軽やかに聞こえた。
ここで、問題なくお茶が出てくれば、リッカ・ヴェントという人物を素直に、純粋に認めることが出来たのかもしれない。
しかし、結果は――。
「きゃああ」
「だ、大丈夫ですか!?」
客間にリッカの叫び声と何かが割れる音が響いた。クルムは反射的に椅子から立ち上がり、リッカを案ずる声を出していた。
お茶を用意すると言って客間を出ていったので、リッカはキッチンにいるはずだ。そして、リッカの声がクルムのいるところまで聞こえたということは、客間からキッチンまでの距離はそう遠くない。
クルムは居ても立っても居られず、リッカがいるところまで向かおうとした。
「だ、大丈夫、大丈夫。驚かしてごめんね」
その時、リッカの声が聞こえた。先ほどの叫び声とは違い、落ち着いた声だった。そのリッカの声を聞き、ひとまず無事だったことにクルムは胸を撫で下ろした。
「よかった。もし手伝うことがあれば、手伝いますが……」
客としてすることではないが、それでも無事にお茶が出てくる方が良いだろうと思い、クルムはリッカに手伝いを申し出した。
「ありがとう。でも、平気だよ。クルムはゆっくり休んでて」
しかし、リッカはそのクルムの提案を断った。耳を澄ませば、クルムのいる客間でも食器と食器が触れ合う音が聞こえる。
その音を聞き、何事もなく準備が始まったことを確認すると、クルムは息を吐いてから椅子に座った。
さっきのは偶然だったと、クルムはそう思うことにした。
けれど、その思いは虚しく、すかさず――
「ひゃあ」
リッカの叫び声と食器が割れる音が再び響き渡った。
「リッカさん!?」
先ほどと同様、クルムは席を立ちあがって、リッカを懸念する声を出した。
「心配しないで。たまたま手が滑っただけだから」
リッカの声色は毅然としていたが、クルムはその声を容易に受け入れることが出来なかった。瞬く間に、同じことが二回も起こっているのだ。これをたまたまで片づけていいだろうか。
いや、偶然ではない。
クルムの頭には、一つの疑念が思い浮かんでいた。
「リッカさん。リッカさんは、もしかして――」
そして、クルムは頭に渦巻く疑問を言葉に出そうとした。
「本当にだいじょ――わっ」
最後まで聞かずにクルムの言葉を断ち切ったリッカだったが、そう言っている間にも、食器を盛大に割り、またしても声を上げている。
クルムはへたっと、糸の切れた人形みたいに椅子に座りこんだ。椅子に座ると、クルムは目を瞑った。
――大丈夫、大丈夫。彼女を信じよう。
そう考えることで、クルムは自分の心を落ち着かせ、悲惨な現実から目を背けようとしたのだ。そうしないと、クルムは何度も何度も立ち上がって、リッカに声を掛けてしまうだろう。
しかし現実は、クルムがそう考えている間も、絶えず食器の悲鳴は止むことはなかった。クルムはその度、反射的に立ち上がろうとするのを堪え、リッカに声を掛けないよう自分に言い聞かせた。
そう。客人の立場であるはずのクルムに、平安は存在しなかった。
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