英雄の弾丸

葉泉 大和

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2-01 旅の意味~旅立った理由~(前篇)

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「――?」

 多くの人が地に倒れ込む中、ある一つの問いが、クルム・アーレントに投げかけられた。
 その問いに対する答えを考えるためか、はたまた目の前の現実から目を背けるためか、暫しの間クルムは目を閉じた。しかし、目を閉じようとも、クルムを襲う冷酷な殺気は身を潜めてはくれない。

 目の前にいる人間――クルムに質問を投げかけた初老の人間によって、クルムの首元には人の背ほどある聖剣の切っ先が突き付けるように向けられていた。
 初老の眼光は、クルム・アーレントという人間を見極めようと、鋭く尖っていた。その眼光は、素人が出せるものでは全くなく、幾千もの死線を掻い潜って来たことが痛いほど伝わってくる。

 クルムの後ろにいるリッカ・ヴェントやシンク・エルピスも言葉を出せないまま、不安そうに二人の行方を見守っていた。この場を占める空気は、部外者が口を出すことを容易に赦すものではなく、二人には大人しく見守ることしか出来なかった。

 そんな状況の中、クルムはまだ目を閉じていた。
 恐らく、言葉一つ表現一つでも間違うものならば、クルムの首はそのまま刎ねられてしまうだろう。
 だから、クルムは慎重に初老の問いに答えなければならない。

「シエル教団、最高指揮官ペテル・コンヴィクト――」

 クルムは目の前にいる初老の名前――ペテル・コンヴィクトの名を呼ぶと、希望の未来を彷彿とさせる黄色い双眸をゆっくりと開かせた。

 その刹那、ペテルの持つ聖剣がほんの僅かに震えた。

 自分の命が危険な状況にも関わらず、クルムはいつもと変わらない笑みを向けると――、

「僕は――」

 全てを受け入れるような、そんな声音で語り始めた。

 ***

「ッ!」

 グリーネ大国にあるビオス平原に、一人の人物の声にもならない叫びが響き渡った。

「ほら、我が儘言わないの!」

 そして、それに続くように、もう一人の声が響く。その声は柔らかく、透き通るような声質を持っているが、今は若干疲れを帯びているようだった。

「一度くらい休憩を挟んでもいいじゃないか! リッカの鬼!」
「何言ってるの! 一時間前に休憩したこと忘れたの? 早く次の町に行、く、よ!」
「いー、やー、だ!」

 鬼と呼ばれたリッカ・ヴェントは、地べたに座り込んで全く動こうとしないシンク・エルピスを引っ張るのに必死だった。シンクは全体重を乗せて、絶対に動くまいと全力を尽くしている。
 しかし、子供であるシンクに比べ、リッカの方が若干力が勝っていたため、シンクは確実に前へ前へと引っ張られていた。

 馬を使ってビオス平原を渡っている人々は、何事かという目で二人の様子を見ながら、通り過ぎていった。その眼差しは、稀有なものを見るそれと同じだ。

 だが、二人はそんな視線を受けていることも知らず、更に白熱していく。

「嫌だぁぁ! 俺は一歩も歩けないほど疲れてるんだ!」
「大声出す元気があるなら歩けます!」
「せめて水! 座ってゆっくり水が飲みたい!」
「さっきの休憩で全部飲み干したこと忘れ――」
「はい、どうぞ」

 穏やかな言葉と共に、突如、一つの水筒がリッカとシンクの間を割って入った。

 その急な出来事に、リッカはシンクの手首から手を離し、シンクは全身の力を解いて、水筒の出所に目を向ける。
 すると、そこにはこれまで会話に参加して来なかったクルム・アーレントがいた。どこか微笑ましいものを見るような表情をしている。

「おお! さすがクルム。サンキュー」

 自身に向けて水筒が差し伸べられていることに一拍置いて気が付いたシンクは、クルムから水筒を受け取ると、嬉しそうに勢いよく中身を飲んだ。よほど喉が渇いていたのだろう、ごくごくと喉を鳴らしながら飲み込んでいる。

 シンクが水にがぶり付く姿を見ながら、リッカは思わずこめかみを押さえた。そして、溜め息を吐くと、横にいるクルムに視線を向け――、

「本当にクルムは甘いんだから」

 と口を尖らせながら、呟いた。クルムは申し訳なさそうな、それでいてどこか誇らしげな表情を浮かべている。
 そのクルムらしい姿に、リッカは再び溜め息を吐いた。

 リッカの隣にいるクルム・アーレントは、このダオレイスという世界を旅しながら何でも屋をしている青年だ。
 理由は単純明快――、クルムは人のことが好きで、世話をするのも好きなのだ。だから、人の力になるのに一番手っ取り早い何でも屋という職業を選んだ。

 クルムは人を助けるためなら、自分を犠牲にするのも暇ない。
 それは、ただ訪れただけのオリエンスという町を救うために、自身が倒れるまで行動をしたことを見れば明らかだった。しかも、それだけではなく、クルムは敵であった者にも自身の手を差し伸べた。

 クルム・アーレントは、接する人全てに全身全霊でぶつかり、受け入れる――そんな慈愛に満ちた人間だ。

 ――それが、リッカがクルムに抱く印象である。

 しかし一方で、クルムには多くの謎があった。その中で、リッカが特に気になっている点が二つある。

 一つは、クルムが悪魔と呼ばれる存在と対峙したことだ。

 このダオレイスに住む人々の間では、悪魔という存在は空想上の生き物として認識されている。また、何か非科学的な事象が起きた時、恐怖の対象として恐れられるために使われている名称でもある。
 つまり、ダオレイスで悪魔が現実に存在してはならないのだ。

 それなのに、クルムはオリエンスを貶めた悪人カペル・リューグの行ないを悪魔のせいだと言い、カペルを悪魔から救おうとした。最初は悪魔の存在を疑っていたリッカがだったが、カペルの姿を見たら、悪魔の存在を信じていないリッカでもクルムの言葉が妄言だということは、容易に否定することは出来なかった。
 そして、クルムに弾丸を撃たれた直後――、カペルの表情は、憑き物が落ちたことが分かるほどすっきりとした表情を浮かべていた。
 まさに、悪魔から救われたと表現するにふさわしかった。

 そのことから、クルムの言葉通り、悪魔という異質な存在をリッカは認めざるを得なかった。しかし、認めたからといって全てを受け入れることが出来たわけではない。むしろ、認めた分、疑問は募っていくばかりだ。

 もう一つは、クルムの名前が罪人として挙がっていることだ。

 罪人クルム・アーレントは、ダオレイスに存在した伝説の英雄シエル・クヴントの名前を悪用し、世界中の人々を攪乱しようとしたのだ。

 その目的や理由は、世界政府に所属しているリッカにも詳しくは分からなかった。しかし、リッカはその情報から、クルムを極悪人として認識し、捕まえようとした。

 けれど、情報によって出来上がったイメージと目の前に実際にいるクルムの姿は、あまりにもかけ離れていた。
 少なくとも、クルムはリッカの目の前で、一度も悪行を犯さなかった。

 リッカは、クルムに対してどちらの立場に立って接すればいいのか、分からなくなってしまった。その中途半端な状況が、正しいと思ったことに突き進むリッカにとって、ひどく不快で、違和感でしかなかった。

 だから、この目でクルム・アーレントという人間を見極めようと、世界政府という立場や事前に得た情報など小難しいことは一度置いて、クルムとクルムを慕うシンク・エルピスと共に旅をすることにした。

 ――自分の耳で聞き、自分の目で見たことを信じようと、そう心に決めた。

 クルムのことを知るためには長い時間を要するだろうと覚悟して、クルムとシンクと共に、リッカはオリエンスの門をくぐった。

 そのはずだったのに――。

「ぷはーっ。生き返ったぁ!」

 ふと、水を飲み終わったのか、シンクは水筒を口から離し、満足気な声を出した。その言葉通り、シンクは先ほどとは全く違う生き生きとした表情を浮かべている。

「もうなくなったみたいだけど、本当によかったの? クルムだって貴重な水分でしょ?」

 先のことを考えずにいるシンクに対してリッカは嘆息を吐きながら、クルムに質問を投げかけた。話題の中心となっている当の本人は、最後の一滴でも飲み切らないと気が済まないと言わんばかりに、空になった水筒の中身を見つめている。

 しかし、わざわざ問いかけたものの、リッカはクルムがどのように答えるのかはある程度予想出来ていた。

 クルムは一度シンクのことを見つめると、優しく微笑み、

「僕の分は、次の町で備えれば大丈夫ですよ」

 と、はっきりと答えた。そのクルムの答えは、リッカが予想していたものとやはり全く同じだった。
 自分のことより人のことを優先してしまう、クルムらしい回答だった。

「その次の町にいつ着けるのか……」

 リッカは小さくそう呟くと、その目を遥か遠くに向けた。周りを見ても、何も遮るものもない青い空が広がっているだけで、次の町にいつ着くのか到底分からない。
 ビオス平原は、終わりなどないのではないかと錯覚してしまうほど果てしなく広かった。

 グリーネ大国のビオス平原とは、そういう場所だ。
 フラウム王国を出たすぐ、グリーネ大国の国境付近にあるビオス平原は、見渡す限り広く、端の方に行かない限り、ずっと同じ景色が続く。周りには建物は一切なく、ただただ一面に自然が広がっているだけだ。

 オリエンスの一件を解決したクルム達は、トレゾール大陸で最も栄えている都市シンギルに向かうため、ビオス平原を渡っている最中だった。

「シンク。このビオス平原は辛いですか?」

 クルムはシンクの隣まで近づくと、シンクが座っているようにビオス平原に身を委ねた。

「……まぁな。俺、こんなに長くて、先の分からない道歩いたことないから」

 シンクは空になった水筒を眺めながら、小さく答えた。シンクの目にはどこか不安が交えられている。

 このビオス平原は、ダオレイスの中でも上から数えた方が早いほどに広大な平原として有名だ。大の人間が何の装備もしないまま、端から端へ行こうとするならば、三日は余裕で掛かってしまうだろう。そのあまりの広大さに、気を狂わせてしまう人も少なくはない。

 そのため、大抵の人はビオス平原を渡るために足を用意する。車や馬、とにかく人間が楽に、早く移動することが出来る足を準備するのだ。単独で突き進もうとする者など、よほど自分に自信があるか、無謀な考えなししかいない。

 しかし、そんなビオス平原を渡ろうというのに、クルム達は必要最低限の準備しかしないまま、生身の体一つでオリエンスを旅立った。その結果、一日中自らの足で歩き続けたシンクは、体力の限界を迎えてしまったのだ。
 だから、シンクが弱気になるのも当然だと言えるだろう。

 そんなシンクを一度だけ見ると、クルムは何も言わずに空を見上げた。一日中ずっと見続けた世界が広がっている。
 風が吹くと、クルムは目を閉じて全身で風を感じた。爽やかな気持ちにさせてくれる、穏やかな風だった。

 クルムは風が止まない内に、

「僕もビオス平原は初めてですよ」

 とシンクに語り掛けた。

 そのクルムの言葉に、反射的にシンクは顔を水筒からクルムに向けた。クルムは初めてビオス平原を渡っているとは思えないほど、疲れを一切感じさせない余裕の表情を浮かべていた。風によってなびくクルムの黒い髪が、更に平然を演出させる。
 続けて、シンクは前にいるリッカにゆっくりと視線を送った。リッカは平気そうな佇まいをしているが、その顔は疲れを隠しきれておらず、無理をしている印象を与えてくる。

 シンクは眉を寄せながら、再びクルムを見つめた。

「……嘘だ。初めてだったら、そんな余裕ぶっていられるわけないだろ」
「本当ですよ。このビオス平原は、ダオレイスの中でも数少ない広い平原です。世界中を旅していても、こんな大きい平原はなかなか見ることが出来ません」

 クルムは目を細めながら、シンクの問いに答えた。
 この広く広い、果ての分からないビオス平原を見つめるクルムの表情は、希望に満ちているものだった。

 クルムのことを見つめていたシンクだったが、その顔はやがて下に向かい、地に生える草に焦点が留まった。意識しなければ焦点が当たることのない草は、このビオス平原を渡る幾多の人に踏まれたために、泥だらけで萎れていた。

「……怖く……ないのか?」

 シンクはようやく絞り出したような声で、クルムに訊ねた。

 クルム達は、一日中ひたすらビオス平原を歩いている。シンクも足手まといにならないよう、生まれて初めてと断言できるほど長い距離と時間を歩き続けた。

 しかし、それにも関わらず、景色は変わることなく、次の町も見える様子は全くなかった。

 先を進んでも進んでもどこにも辿り着かないことに、シンクは気付かない内に疲れも不安も積もらせていた。その不安が今言葉となって、そして、言葉にしたことにより、実際の体にも影響が及び始めた。
 シンクの体は、僅かに震えてしまった。

 クルムはシンクの体が震えているのを見逃すことはなかった。

「怖くありません」

 だから、クルムは堂々と答える。自分が迷いを見せることで、シンクに下手な動揺を与えることがないように。

 予想していなかった力強い言葉に、シンクは下に向けていた顔を上に上げた。そこには、同じように不意打ちを喰らったような表情を浮かべているリッカと、真っ直ぐにシンクのことを見つめているクルムがいた。

 シンクと視線が交わったクルムは口角を上げると、視線をシンクの遥か先、前方へと向けた。その視線をシンクもリッカも追っていく。
 そこには、先ほどと変わることのない、広い緑の平原に、高く青い空が広がっていた。

「この旅の目的が何なのか――それを、僕は分かっているから、この道も怖くありません」
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