夢を持つには遅すぎて、諦めるには若すぎた

ともみさ

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こんにちは、新環境・前夜(大嘘

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「いっけなーい遅刻しちゃう!!」
今、私は5歳年上の兄の車で揺られていた。

私の名前は、二階堂文乃。
今日から桜宮高校に通うことになる。
今しかめっ面で運転をしている兄は幸一。
一番の幸福という両親の願いは届かず、現在社畜まっしぐら。
ただ、イケメンである。兄の友達もイケメンだ。
つまりあれだ。眼福である。

くだらないことを考えているうちに、徐々に高校が近づいてくる。

中学校の時の記憶が鮮明に浮かぶ。
推しの笑顔を思い浮かべるが、冷や汗も浮かぶ。
脚が躍り、心臓も踊る。お祭りだ。

「力がっ、抑えられないっ!!私に眠る真の力が!!」

迫真の演技は行き場をなくして霧散する。
兄は清々しいほど無視である。
無視?中学…頭が痛い。



ついに学校に到着した。
吹き抜ける爽やかな風。
私の不安と冷や汗を、吹き飛ばしてくれればいいのに。


「青春、取り返せたらいいな」
兄は、はにかみながらそう言った。
私を小馬鹿にしたのか心配してくれたのか、それとも鼓舞してくれたのかはわからない。


「おい、イケメン。お前を私の犬にしてやってもいいぞ」
強い語調で言うつもりが声が震え裏返る。

「もう俺、会社の犬だから。」
そんな様子を気にすることなくケラケラと笑う兄。

今度は優しくいい無視だ。

少し震えが止まった足で進む。しかし、どうにも視界が霞む。足の次は、眼鏡の機嫌がよくないようだ。

「ハンカ」
「いらない」

兄の言葉を遮り進む。


私の兄はイケメンなのでは…











初書きなので色々至らない点があるかと思います。
誤字脱字、言葉の使い方などありましたら。教えてください。

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