50 / 221
人間関係が広がるお年頃
帝都に行きたい
とある宮殿の昼下がり。俺は意気揚々と玉座の間に足を踏み入れていた。
「父上!帝都出陣の許可をください!」
「うむ。ひとまず挨拶からだ。元気そうで何よりだぞ、エルネスティ」
父上に帝都へ行く許可をもらいに来たら呆れられた。おっといけない気持ちが前のめりになり過ぎた失敬失敬。
「はい。父上もご健在のようで」
「お前が成長して大人しくなるまで手網を握っておかねばならぬからな。健康は気にかけている」
「多分一生来ません」
「だろうな。はあ……お前はもうすぐ学園に通うと言うのに、その調子で大丈夫か?」
父上は面白半分、心配半分で聞いてきた。そう言や俺ももう13歳か。皇族たるもの学園に通わないといけない年齢になってきたな。
……ん?「てめぇは10歳じゃねえのか?」って?ごめんごめん、あれから二年半時間が経っているんだよ。俺は立派な13歳!え?何も変わってないって?失礼な成長してちょっと男らしくなったはず!背はちょびっと伸びたし!まあまだまだ背は低くて小柄だし、未だ天使は健在だけどね。
「何処にいようが私は私です」
「……まあお前が今更大人しくなったら、それはそれで困るが。それで?出陣なんて仰々しい言葉を使ったが、要は帝都に行きたいのだろう?何故またそんなことを思った?」
父上は俺に大人しくさせるのを諦めた。人生諦めが大切だよ!だからね父上!「お前が言うな」って視線をこちらに向けないで!ホント父上読心術でもあるんじゃない!?
「庶民の生活を視察して、魔法陣の研究に役立てたいのです」
「……二重魔法陣は完成したのだろう?次は何を研究しているのだ?」
「魔導具作りです」
「……また突拍子のないものを」
父上は呆れながらも興味深々だ。確かに魔導具の有益性を考えれば、皇帝として無視は出来ないか。
あっ、そうそう。なんと先日ヴァイナモ用の二重魔法陣が完成しました!いや~研究に研究を重ねて、何度もヤルノが地獄を見て、なんとか丁度いい性能の二重魔法陣が出来た。あの時はヤルノとヴァイナモと3人で涙滲ませながら喜びあったな。サムエルはいつも通り歌い続けていたけど。彼は彼らしくマイペースでいて欲しい。
ああ!思い出しただけで興奮して来た!
出来上がった魔法陣は鈍感化するために歪められた線すら元々それが正解だったと言わんばかりに美しくそこに鎮座しており、魔力を流し込むとそれはもう何の抵抗もなく受け入れるのに魔法の効力は自分が決めると言わんばかりに丁度いい魔力量を保って魔法陣内を巡回させて、そして普段はそこにいないかの如く存在感を消しているのに持ち主が危機的状況に陥れば真っ先に危険を知らせて持ち主を護らんとするその姿は正に影から主人を護る守護者のようで気高く勇ましくそれでいて上品で」
「エルネスティ。二重魔法陣について熱く語るのは良いがそろそろ戻って来い」
「……声に出てました?」
「ああ、途中からな」
俺は思わず口を手で覆って目を丸くした。脳内で抑えきれない魔法陣への愛を語っていたつもりが、いつの間にか言葉として出していたようだ。いけないいけない。
「それで?二重魔法陣はもう良いのか?」
「もう良いと言いますか、二重魔法陣も活用しながら魔導具を開発するつもりです」
「……二重魔法陣は応用ではなく基礎だったのか」
「最終目標を考えるとそうですね」
よくよく考えたら確かに二重魔法陣って魔法陣の実用化においては基礎的なものだな。実用化するにはやっぱり色んな魔法を組み合わせる必要があるし。最終的には前世の電化製品もどきを作りたいから、二重どころか三重、四重と必要かもしれない。
まだまだ研究すべきことは山積みだ!やったねワクワクする!
「……先が長いと言うのに、楽しそうだな」
「当たり前ですよ!人間、何かに打ち込んでいる時が一番若々しいものですよ。逆に進むのを止めた人間は、死んだも同然です」
「……ははっ。13歳の口からその言葉が出てくるとはな」
父上は可笑しそうに、そして感心したように笑いを零した。この教訓は、前世のとある教師から教わった言葉だ。人生の半分が過ぎた方だったのに、下手したら前世の俺より若々しかった。元気かな。先に死んでしまって申し訳ないな。
「……それで?魔導具と帝都視察、どう結びつくのだ?」
「魔導具を作るにしても、使ってもらわないと意味がないではありませんか。ですが世界が宮殿内でまとまっている私では、的確に人々の需要に応えることが出来ません」
「……皇族や貴族だけでなく、一般の平民も使うような魔導具を作りたいのだな?」
「はい。大衆受けするものが作れるのが、魔法陣の利点ですから」
父上は納得するように相槌を打って、顎に手を添えて考え込んだ。俺はソワソワしながら父上の言葉を待つ。
すると父上は側に控えていた枢長を手招きした。枢長は顔を寄せて父上の話を聞く。ヒソヒソ話だから俺にまでは聞こえてこない。なんだ?何の話をしてるんだ?
枢長は真剣な表情で相槌を打ち、少し険しい表情を浮かべつつも何かに了承したかのように頷いた。そして足早にどこかへ向かう。俺はその後ろ姿を見送りつつ、父上に向き直った。
「お前の要望はわかった。ヴァイナモとサムエルとオリヴァを護衛につけることを条件に、帝都視察を許可しよう」
「……あの、枢長さんはどこへ……?」
「少し急用を思い出してな。遣いに出しただけだ」
いやっ!?絶対俺関係の話だよね!?全然誤魔化せてないから!父上ちょっとこっちを向こう?俺の目を見て言おう?
「まあお前が気にすることではない。そうだ、お前のその顔は目立つからな。サムエルに変装魔法をかけてもらえ」
「元よりそのつもりです」
「だろうな。念には念をと言うものだ」
父上はくつくつと笑う。俺の天使は健在だからね!この顔で帝都なんて出たら目立つし第四皇子を知ってる人に会ったら大騒ぎだし、下手したら人攫いに会うかもしれない。まあ誘拐犯は返り討ちどころか再起不能にまで懲らしめるけどね!
まあそれはそれとして。父上に許可も得たし、早速明日帝都に行こうかな?今日中にオリヴァに伝えておかないと。多分今は騎士団医務室で騎士団専属薬師の手伝いをしてるだろうし。
「いいか?エルネスティ。くれぐれも面倒事を起こすでないぞ」
「わかってますよ。これでも私は穏健派なので、何か起きても穏便にことを済ませて来ますよ」
「穏便に済ませられない事態を呼んで来るのがお前だ」
失礼な!俺は今まで穏便に、ことを荒げずに済ませてきたじゃないか!?父上って本当、いつまで経っても俺のこと信用出来ないのかよこんちくしょう!
* * * * * * * * *
2020/07/27
序盤『一年半』を『二年半』に修正しました。
「父上!帝都出陣の許可をください!」
「うむ。ひとまず挨拶からだ。元気そうで何よりだぞ、エルネスティ」
父上に帝都へ行く許可をもらいに来たら呆れられた。おっといけない気持ちが前のめりになり過ぎた失敬失敬。
「はい。父上もご健在のようで」
「お前が成長して大人しくなるまで手網を握っておかねばならぬからな。健康は気にかけている」
「多分一生来ません」
「だろうな。はあ……お前はもうすぐ学園に通うと言うのに、その調子で大丈夫か?」
父上は面白半分、心配半分で聞いてきた。そう言や俺ももう13歳か。皇族たるもの学園に通わないといけない年齢になってきたな。
……ん?「てめぇは10歳じゃねえのか?」って?ごめんごめん、あれから二年半時間が経っているんだよ。俺は立派な13歳!え?何も変わってないって?失礼な成長してちょっと男らしくなったはず!背はちょびっと伸びたし!まあまだまだ背は低くて小柄だし、未だ天使は健在だけどね。
「何処にいようが私は私です」
「……まあお前が今更大人しくなったら、それはそれで困るが。それで?出陣なんて仰々しい言葉を使ったが、要は帝都に行きたいのだろう?何故またそんなことを思った?」
父上は俺に大人しくさせるのを諦めた。人生諦めが大切だよ!だからね父上!「お前が言うな」って視線をこちらに向けないで!ホント父上読心術でもあるんじゃない!?
「庶民の生活を視察して、魔法陣の研究に役立てたいのです」
「……二重魔法陣は完成したのだろう?次は何を研究しているのだ?」
「魔導具作りです」
「……また突拍子のないものを」
父上は呆れながらも興味深々だ。確かに魔導具の有益性を考えれば、皇帝として無視は出来ないか。
あっ、そうそう。なんと先日ヴァイナモ用の二重魔法陣が完成しました!いや~研究に研究を重ねて、何度もヤルノが地獄を見て、なんとか丁度いい性能の二重魔法陣が出来た。あの時はヤルノとヴァイナモと3人で涙滲ませながら喜びあったな。サムエルはいつも通り歌い続けていたけど。彼は彼らしくマイペースでいて欲しい。
ああ!思い出しただけで興奮して来た!
出来上がった魔法陣は鈍感化するために歪められた線すら元々それが正解だったと言わんばかりに美しくそこに鎮座しており、魔力を流し込むとそれはもう何の抵抗もなく受け入れるのに魔法の効力は自分が決めると言わんばかりに丁度いい魔力量を保って魔法陣内を巡回させて、そして普段はそこにいないかの如く存在感を消しているのに持ち主が危機的状況に陥れば真っ先に危険を知らせて持ち主を護らんとするその姿は正に影から主人を護る守護者のようで気高く勇ましくそれでいて上品で」
「エルネスティ。二重魔法陣について熱く語るのは良いがそろそろ戻って来い」
「……声に出てました?」
「ああ、途中からな」
俺は思わず口を手で覆って目を丸くした。脳内で抑えきれない魔法陣への愛を語っていたつもりが、いつの間にか言葉として出していたようだ。いけないいけない。
「それで?二重魔法陣はもう良いのか?」
「もう良いと言いますか、二重魔法陣も活用しながら魔導具を開発するつもりです」
「……二重魔法陣は応用ではなく基礎だったのか」
「最終目標を考えるとそうですね」
よくよく考えたら確かに二重魔法陣って魔法陣の実用化においては基礎的なものだな。実用化するにはやっぱり色んな魔法を組み合わせる必要があるし。最終的には前世の電化製品もどきを作りたいから、二重どころか三重、四重と必要かもしれない。
まだまだ研究すべきことは山積みだ!やったねワクワクする!
「……先が長いと言うのに、楽しそうだな」
「当たり前ですよ!人間、何かに打ち込んでいる時が一番若々しいものですよ。逆に進むのを止めた人間は、死んだも同然です」
「……ははっ。13歳の口からその言葉が出てくるとはな」
父上は可笑しそうに、そして感心したように笑いを零した。この教訓は、前世のとある教師から教わった言葉だ。人生の半分が過ぎた方だったのに、下手したら前世の俺より若々しかった。元気かな。先に死んでしまって申し訳ないな。
「……それで?魔導具と帝都視察、どう結びつくのだ?」
「魔導具を作るにしても、使ってもらわないと意味がないではありませんか。ですが世界が宮殿内でまとまっている私では、的確に人々の需要に応えることが出来ません」
「……皇族や貴族だけでなく、一般の平民も使うような魔導具を作りたいのだな?」
「はい。大衆受けするものが作れるのが、魔法陣の利点ですから」
父上は納得するように相槌を打って、顎に手を添えて考え込んだ。俺はソワソワしながら父上の言葉を待つ。
すると父上は側に控えていた枢長を手招きした。枢長は顔を寄せて父上の話を聞く。ヒソヒソ話だから俺にまでは聞こえてこない。なんだ?何の話をしてるんだ?
枢長は真剣な表情で相槌を打ち、少し険しい表情を浮かべつつも何かに了承したかのように頷いた。そして足早にどこかへ向かう。俺はその後ろ姿を見送りつつ、父上に向き直った。
「お前の要望はわかった。ヴァイナモとサムエルとオリヴァを護衛につけることを条件に、帝都視察を許可しよう」
「……あの、枢長さんはどこへ……?」
「少し急用を思い出してな。遣いに出しただけだ」
いやっ!?絶対俺関係の話だよね!?全然誤魔化せてないから!父上ちょっとこっちを向こう?俺の目を見て言おう?
「まあお前が気にすることではない。そうだ、お前のその顔は目立つからな。サムエルに変装魔法をかけてもらえ」
「元よりそのつもりです」
「だろうな。念には念をと言うものだ」
父上はくつくつと笑う。俺の天使は健在だからね!この顔で帝都なんて出たら目立つし第四皇子を知ってる人に会ったら大騒ぎだし、下手したら人攫いに会うかもしれない。まあ誘拐犯は返り討ちどころか再起不能にまで懲らしめるけどね!
まあそれはそれとして。父上に許可も得たし、早速明日帝都に行こうかな?今日中にオリヴァに伝えておかないと。多分今は騎士団医務室で騎士団専属薬師の手伝いをしてるだろうし。
「いいか?エルネスティ。くれぐれも面倒事を起こすでないぞ」
「わかってますよ。これでも私は穏健派なので、何か起きても穏便にことを済ませて来ますよ」
「穏便に済ませられない事態を呼んで来るのがお前だ」
失礼な!俺は今まで穏便に、ことを荒げずに済ませてきたじゃないか!?父上って本当、いつまで経っても俺のこと信用出来ないのかよこんちくしょう!
* * * * * * * * *
2020/07/27
序盤『一年半』を『二年半』に修正しました。
あなたにおすすめの小説
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)
外れ伯爵家の三女、領地で無双する
森のカフェしっぽっぽ
ファンタジー
十三歳の少女アイリス・アルベールは、人生を決める「祝福の儀」で“ゴミスキル”と蔑まれる《アイテムボックス》を授かってしまう。戦えず、稼げず、価値もない――そう断じた家族は、彼女を役立たずとして家から追放する。さらに、優秀なスキルであれば貴族に売り渡すつもりだったという冷酷な真実まで明かされ、アイリスはすべてを失う。
だが絶望の中、彼女は気付く。この世界が、自分がかつてやり込んだVRMMORPG『メデア』そのものであることに。
そして思い出す――
《アイテムボックス》には、ある“致命的なバグ”が存在することを。
市場で偶然を装いながらアイテムを出し入れし、タイミングをずらすことで発生する“複製バグ”。それは、あらゆる物資を無限に増やす禁断の裏技だった。
食料も、装備も、資金も――すべてが無限。
最底辺から一転、誰にも真似できないチートを手にしたアイリスは、冒険者として歩み始める。だがその力はやがて、経済を歪め、権力者の目に留まり、そして世界の“仕様そのもの”に干渉していくことになる。
これは――
ゴミと呼ばれた少女が、“世界の裏側”を掌握する物語。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)
薄明 喰
BL
アーバスノイヤー公爵家の次男として生誕した僕、ルナイス・アーバスノイヤーは日本という異世界で生きていた記憶を持って生まれてきた。
アーバスノイヤー公爵家は表向きは代々王家に仕える近衛騎士として名を挙げている一族であるが、実は陰で王家に牙を向ける者達の処分や面倒ごとを片付ける暗躍一族なのだ。
そんな公爵家に生まれた僕も将来は家業を熟さないといけないのだけど…前世でなんの才もなくぼんやりと生きてきた僕には無理ですよ!!
え?
僕には暗躍一族としての才能に恵まれている!?
※すべてフィクションであり実在する物、人、言語とは異なることをご了承ください。
色んな国の言葉をMIXさせています。
本作は皆様の暖かな支援のおかげで第13回BL大賞にて学園BL賞を受賞いたしました!
心よりお礼申し上げます。
ただ今、感謝の番外編を少しずつ更新中です。
よければお時間のある時にお楽しみくださいませ
過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます
水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。
家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。
絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。
「大丈夫だ。俺がいる」
彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。
これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。
無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。