160 / 221
学園生活をエンジョイする
閑話:或男爵令嬢の独白【後編】
しおりを挟む
人目を避けて家具作りに没頭する。そんな生活を繰り返していたが、ついにこの時がやって来てしまった。
帝都学園入学である。
私は嫌だった。同い年の令嬢には、自分の趣味を馬鹿にされた記憶しか残ってなかったからだ。あの時は幼かったから、もう私の趣味を覚えている人なんていないだろうとはわかっていたけど、もし覚えていて馬鹿にされて、それが家族の耳に入ってしまったら。そう考えるだけで身の毛がよだつ思いだった。
お父さんには「同級生には第四皇子殿下がおられるから、絶対に寵愛を受けて来るのだぞ」と言われた。そんな無茶ぶりな、とは思ったけど勿論口にはしない。私は黙って頷いた。
まあ私は自分で言うのもアレだけど、人と比べれば顔は良い方だ。巷では身分の低い少女が高貴な方に愛される恋愛小説が流行ってるし、私もワンチャン出来るかも、と言う変な期待もあった。高貴な方から愛されてこの家から抜け出せたなら、なんて考えるくらいには私の中にも乙女心があったのだ。
だけどそんな夢は入学初日で崩れ去る。
エルネスティ殿下が神聖すぎたのだ。
イケメンとか顔が良いとかみんな言ってたけど、そんな言葉じゃ表せられないオーラがエルネスティ殿下にはあった。あの方の隣に立てるのは、相当の美形じゃないと釣り合わない。私みたいな平凡に毛が生えた程度の顔じゃ見劣りしてしまう。てか私なんかが隣に立つなんて、私自身が許せない。切腹する。
そんなことを考えている中耳にした、エルネスティ殿下には彼氏がいる、と言う噂。ああ、初めから女なんて恋愛対象じゃないんだ、と諦めがついた。お父さん、寵愛を受けるのは不可能だから、交友関係を広げるのに専念するね。私は心の中でそうお父さんに伝えて、クラスの令嬢たちとの交流に勤しんだ。
幸い私はとあるグループに属することが出来たけど、そのグループの他の子は皆、私のトラウマの中に出てくるような典型的なお嬢様だった。『令嬢の嗜み』を重んじて、それから逸脱する子を蔑む。彼女たちは同じクラスの男勝りな公爵令嬢のことでさえ、陰で悪口を言っているのだ。私のこの趣味がバレたら、ハブられてしまう。私は器用貧乏を武器になんとか彼女たちの話に合わせていった。
本当の自分は隠さないといけない。私はその一心で自分の趣味をひた隠して来た。
でも心のどこかで『自分を認めて欲しい』ってずっと思ってた。
誰か気づいて。本当の私を。私の、本当の価値を。
自己顕示欲とトラウマが葛藤して、私の頭の中はぐちゃぐちゃだった。
だけど、最終的には自己顕示欲が少しだけ勝った。だから図書室と言う人の目に止まるような場所で設計図なんかを描いていた。これは大きな賭けだった。本当の私を最初に見つけてくれるのは、私の望むような人間か、それとも私の嫌う人間か。
エルネスティ殿下に見つかった時は、本気で社会的死を覚悟した。いくら何でも影響力が大きすぎた。私はもっと身分の近い、語り合える同士が欲しかったのに。もし彼に自分の趣味を否定されては、もう学園では生活出来ない。中退すれば家名に傷がつく。そうすれば家族からなんて言われるか。考えただけでゾッとする。
だけど私のその不安は杞憂に終わった。
『好きなことならやらないと損だし、上手ならそれは誇って良いことだ』
エルネスティ殿下は私の趣味を否定するどころか、肯定して私に依頼までしてくれた。私は嬉しかった。工房の職人たち以外で、認められたのは初めてだった。
本当は、その場ですぐにエルネスティ殿下の依頼を受けたかった。でも私は臨時とは言えテラスト工房の職人だ。工房を介さず勝手に依頼は受けられない。
私は高揚感が収まらないうちに工房へと向かい、工房長に依頼注文の依頼を受ける許可をお願いした。工房長は初めは渋ったが、私の覚悟を決めた表情に最終的には折れてくれた。
では早速、と私がエルネスティ殿下の名前を出すと、工房長は瞠目して考え込む素振りを見せた。そして私に、エルネスティ殿下の依頼を受ける前に、一度断ったアウッティ商会からの依頼を受けてくれ、と言った。
私としては今すぐにでもエルネスティ殿下の依頼を受けたかったけど、工房長がわざわざそう言うのだから何か深い事情があるのだろうと察した。それに初っ端から我が国の第四皇子の依頼を受けるのは不安が残るため、少しでも慣れるためにも良いかもしれないと思い、私は工房長の提案を了承した。
その時の私には『家族にバレるかも』と言う心配はどこにもなかった。気持ちが高揚しすぎてそこまで考えが至らなかったのだ。今考えると凄く危ないことだったけど、結果オーライだから気にしない。
でも、てっきり商会の家具部門からの依頼だと思ってたらまさか商会長のご子息からの個人的な依頼で、しかもそのご子息は仲介人であって依頼主は別にいる、と知った時には流石に依頼を受けたことを少し後悔した。しかもあれよこれよと連れて来られたのは、なんと宮殿。つまり依頼主は皇族かそれに近い尊い方だと言うこと。いきなりそんな重大な仕事を任されてしまい、心臓が縮むかと思った。
私は緊張の面持ちで応接室に入り、
そしてそこでエルネスティ殿下と再会することとなる。
そこからはトントン拍子で話は進み、途中無自覚に期待をかけられたりしながらも、誓約書を書いて正式に依頼を受けることとなった。
エルネスティ殿下からの依頼は『れいぞうこ』と言うものの設計だ。クローゼットみたいな形で、中は魔法陣で冷やすから密閉して冷気が漏れないように。でも食料を入れるから完全に空気の流れが止まってしまっても困る。更には庶民向けの製品の予定だから、材料費は出来るだけ抑えるように。との指示を受けた。
それを聞いた私が思ったことはひとつだった。
『初めての依頼注文で受けるような内容じゃねえ』
難易度が高すぎた。工房長ですら頭を抱えるレベルだ。しかもエルネスティ殿下は平気で「貴女ならこれくらい作れるでしょ?」って空気を出して来る。やめて欲しい。私は今まで、趣味から片足はみ出したぐらいのものしか作ったことなかったのに。
でも、だから燃えてしまうのが、職人の性ってものじゃない?
それにやっと踏み出した第一歩を、第四皇子の依頼の完遂で飾るのも悪くない。
やってやろうじゃない。
折角エルネスティ殿下の後見があるから、家族や友人の目を気にせず自由に出来るんだ。とびきり最高なものを作ってやる。
そうして私の、設計図案に頭を悩ませる日々が始まった。
* * * * * * * * *
○お知らせ○
いつも本作品をご愛読いただき、ありがとうございます。
私事で申し訳ございませんが、次(3日後)の投稿はお休みさせていただきます。すみません。
1月21日からも元通りの投稿が出来るか不明ですが、時間を調節してなんとか3日に1度の投稿は続けていきたいと思いますので、これからも本作品をよろしくお願いします。
2022/03/16
誤字修正しました。
帝都学園入学である。
私は嫌だった。同い年の令嬢には、自分の趣味を馬鹿にされた記憶しか残ってなかったからだ。あの時は幼かったから、もう私の趣味を覚えている人なんていないだろうとはわかっていたけど、もし覚えていて馬鹿にされて、それが家族の耳に入ってしまったら。そう考えるだけで身の毛がよだつ思いだった。
お父さんには「同級生には第四皇子殿下がおられるから、絶対に寵愛を受けて来るのだぞ」と言われた。そんな無茶ぶりな、とは思ったけど勿論口にはしない。私は黙って頷いた。
まあ私は自分で言うのもアレだけど、人と比べれば顔は良い方だ。巷では身分の低い少女が高貴な方に愛される恋愛小説が流行ってるし、私もワンチャン出来るかも、と言う変な期待もあった。高貴な方から愛されてこの家から抜け出せたなら、なんて考えるくらいには私の中にも乙女心があったのだ。
だけどそんな夢は入学初日で崩れ去る。
エルネスティ殿下が神聖すぎたのだ。
イケメンとか顔が良いとかみんな言ってたけど、そんな言葉じゃ表せられないオーラがエルネスティ殿下にはあった。あの方の隣に立てるのは、相当の美形じゃないと釣り合わない。私みたいな平凡に毛が生えた程度の顔じゃ見劣りしてしまう。てか私なんかが隣に立つなんて、私自身が許せない。切腹する。
そんなことを考えている中耳にした、エルネスティ殿下には彼氏がいる、と言う噂。ああ、初めから女なんて恋愛対象じゃないんだ、と諦めがついた。お父さん、寵愛を受けるのは不可能だから、交友関係を広げるのに専念するね。私は心の中でそうお父さんに伝えて、クラスの令嬢たちとの交流に勤しんだ。
幸い私はとあるグループに属することが出来たけど、そのグループの他の子は皆、私のトラウマの中に出てくるような典型的なお嬢様だった。『令嬢の嗜み』を重んじて、それから逸脱する子を蔑む。彼女たちは同じクラスの男勝りな公爵令嬢のことでさえ、陰で悪口を言っているのだ。私のこの趣味がバレたら、ハブられてしまう。私は器用貧乏を武器になんとか彼女たちの話に合わせていった。
本当の自分は隠さないといけない。私はその一心で自分の趣味をひた隠して来た。
でも心のどこかで『自分を認めて欲しい』ってずっと思ってた。
誰か気づいて。本当の私を。私の、本当の価値を。
自己顕示欲とトラウマが葛藤して、私の頭の中はぐちゃぐちゃだった。
だけど、最終的には自己顕示欲が少しだけ勝った。だから図書室と言う人の目に止まるような場所で設計図なんかを描いていた。これは大きな賭けだった。本当の私を最初に見つけてくれるのは、私の望むような人間か、それとも私の嫌う人間か。
エルネスティ殿下に見つかった時は、本気で社会的死を覚悟した。いくら何でも影響力が大きすぎた。私はもっと身分の近い、語り合える同士が欲しかったのに。もし彼に自分の趣味を否定されては、もう学園では生活出来ない。中退すれば家名に傷がつく。そうすれば家族からなんて言われるか。考えただけでゾッとする。
だけど私のその不安は杞憂に終わった。
『好きなことならやらないと損だし、上手ならそれは誇って良いことだ』
エルネスティ殿下は私の趣味を否定するどころか、肯定して私に依頼までしてくれた。私は嬉しかった。工房の職人たち以外で、認められたのは初めてだった。
本当は、その場ですぐにエルネスティ殿下の依頼を受けたかった。でも私は臨時とは言えテラスト工房の職人だ。工房を介さず勝手に依頼は受けられない。
私は高揚感が収まらないうちに工房へと向かい、工房長に依頼注文の依頼を受ける許可をお願いした。工房長は初めは渋ったが、私の覚悟を決めた表情に最終的には折れてくれた。
では早速、と私がエルネスティ殿下の名前を出すと、工房長は瞠目して考え込む素振りを見せた。そして私に、エルネスティ殿下の依頼を受ける前に、一度断ったアウッティ商会からの依頼を受けてくれ、と言った。
私としては今すぐにでもエルネスティ殿下の依頼を受けたかったけど、工房長がわざわざそう言うのだから何か深い事情があるのだろうと察した。それに初っ端から我が国の第四皇子の依頼を受けるのは不安が残るため、少しでも慣れるためにも良いかもしれないと思い、私は工房長の提案を了承した。
その時の私には『家族にバレるかも』と言う心配はどこにもなかった。気持ちが高揚しすぎてそこまで考えが至らなかったのだ。今考えると凄く危ないことだったけど、結果オーライだから気にしない。
でも、てっきり商会の家具部門からの依頼だと思ってたらまさか商会長のご子息からの個人的な依頼で、しかもそのご子息は仲介人であって依頼主は別にいる、と知った時には流石に依頼を受けたことを少し後悔した。しかもあれよこれよと連れて来られたのは、なんと宮殿。つまり依頼主は皇族かそれに近い尊い方だと言うこと。いきなりそんな重大な仕事を任されてしまい、心臓が縮むかと思った。
私は緊張の面持ちで応接室に入り、
そしてそこでエルネスティ殿下と再会することとなる。
そこからはトントン拍子で話は進み、途中無自覚に期待をかけられたりしながらも、誓約書を書いて正式に依頼を受けることとなった。
エルネスティ殿下からの依頼は『れいぞうこ』と言うものの設計だ。クローゼットみたいな形で、中は魔法陣で冷やすから密閉して冷気が漏れないように。でも食料を入れるから完全に空気の流れが止まってしまっても困る。更には庶民向けの製品の予定だから、材料費は出来るだけ抑えるように。との指示を受けた。
それを聞いた私が思ったことはひとつだった。
『初めての依頼注文で受けるような内容じゃねえ』
難易度が高すぎた。工房長ですら頭を抱えるレベルだ。しかもエルネスティ殿下は平気で「貴女ならこれくらい作れるでしょ?」って空気を出して来る。やめて欲しい。私は今まで、趣味から片足はみ出したぐらいのものしか作ったことなかったのに。
でも、だから燃えてしまうのが、職人の性ってものじゃない?
それにやっと踏み出した第一歩を、第四皇子の依頼の完遂で飾るのも悪くない。
やってやろうじゃない。
折角エルネスティ殿下の後見があるから、家族や友人の目を気にせず自由に出来るんだ。とびきり最高なものを作ってやる。
そうして私の、設計図案に頭を悩ませる日々が始まった。
* * * * * * * * *
○お知らせ○
いつも本作品をご愛読いただき、ありがとうございます。
私事で申し訳ございませんが、次(3日後)の投稿はお休みさせていただきます。すみません。
1月21日からも元通りの投稿が出来るか不明ですが、時間を調節してなんとか3日に1度の投稿は続けていきたいと思いますので、これからも本作品をよろしくお願いします。
2022/03/16
誤字修正しました。
230
あなたにおすすめの小説
悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました
水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。
原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。
「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」
破滅フラグを回避するため、俺は決意した。
主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。
しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。
「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」
いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!?
全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ!
小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼不定期連載となりました。
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!
ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。
その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。
しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。
何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。
聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)
【土壌改良】スキルで追放された俺、辺境で奇跡の野菜を作ってたら、聖剣の呪いに苦しむ伝説の英雄がやってきて胃袋と心を掴んでしまった
水凪しおん
BL
戦闘にも魔法にも役立たない【土壌改良】スキルを授かった伯爵家三男のフィンは、実家から追放され、痩せ果てた辺境の地へと送られる。しかし、彼は全くめげていなかった。「美味しい野菜が育てばそれでいいや」と、のんびり畑を耕し始める。
そんな彼の作る野菜は、文献にしか存在しない幻の品種だったり、食べた者の体調を回復させたりと、とんでもない奇跡の作物だった。
ある嵐の夜、フィンは一人の男と出会う。彼の名はアッシュ。魔王を倒した伝説の英雄だが、聖剣の呪いに蝕まれ、死を待つ身だった。
フィンの作る野菜スープを口にし、初めて呪いの痛みから解放されたアッシュは、フィンに宣言する。「君の作る野菜が毎日食べたい。……夫もできる」と。
ハズレスキルだと思っていた力は、実は世界を浄化する『創生の力』だった!?
無自覚な追放貴族と、彼に胃袋と心を掴まれた最強の元英雄。二人の甘くて美味しい辺境開拓スローライフが、今、始まる。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる