死にかけ勇者

藁。

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勇者危機へと向かう

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フェルはトボトボとギルドを後にする。あの後ベネッサに散々叱られ、今度からクエストはベネッサが決めることになってしまった。重度のめんどくさいことの嫌いなフェルにとってそれは致命傷だった。出されてくるクエストはキノコの採取などの納品クエスト畑を耕すクエストなどもあった。

これじゃクエストじゃなくて雑用だよ。

フェルは深いため息を吐く。

今日からギルドハンターだというのに、モンスターを狩れないなんて…ダークザウルスのクエスト受けたかったなぁ。

ベネッサには明日行くと伝えたのだが、正直あまり行く気はない。しかし、行かないと金もないし飯も食えなくなってしまう。フェルは頭を抱える。外で考えるのもあれなので、フェルは一度家へと向かう。



家に帰るとフェルは小さい脳味噌で早く階級を上げることを考える。

ちまちまクエストをこなすのも嫌だし、かといってベネッサが許してくれるはずがないし…



ちまちまクエストこなせよ。

………

おっとすまないナレーターは突っ込んだらいけないんだったな。いやぁすまないすまない。それじゃあ話に戻ろう。



ここで街に甲高い警報が鳴り響く。

「東からベリービックキャットが接近中!直ちに避難して下さい!繰り返します!直ちに避難して下さい!」

警報からは避難を要求する内容が鳴っている。しかし、この男は警報の要求を受け入れなかった。

フェルはニヤリと口角を上げる。

ビックチャンス到来。俺はベビーなんとかを狩りに行く!

そう決意したフェルは家から飛び出し、日で焼けた地面を蹴って街の東側へと向かうのだった。

だからちまちまクエストこなせよ…
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