コーヒー挽きのテディ 第1巻

ぼくのりんご

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第8話 海賊たちの秘密

第8話 海賊たちの秘密

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かくしごとをしては、いけないと大人おとなたちはよくいますが、だれにだってかくしごとの1つひとつや2ふたつは、あるもの。

とく大人おとなになれば、なるほど。

今日きょうは、マスターに急用きゅうようができて、喫茶店きっさてん臨時休業りんじきゅうぎょうすることに。


おおきなこえではえないけれど、テディはこころなかで“やったー!”とさけびました。

(だってテディは、ココアのつぎにおやすみが大好だいすきなのですから。)


「何漢字ルビしようかな?」

テディは、ねむいをこすりながら、まどこうに、ひろがる、あおうみそらながめます。

あさあたたかいざしがテディの部屋へやいっぱいに、みました。
(なんて、いお天気てんきなんだろう。)

「こんなは、おうちで じっとしていたら もったいない!そとかけよう!」
テディは、バターとはちみつを、たっぷりったトーストを肩手かたてに、#喫茶店__きっさてん_#をしました。

「おっと、こんなはやくからどこへくんだい?」

喫茶店きってんまえとおりかかった、しま住人じゅうにんがテディにこえをかけます。
「ちょっとそこまで!」
テディは、そううとそのまますごいいきおいではしっていきました。

正直しょうじきなところ、さきなんてまっていなかったのです。
テディは、この青空あおぞらしたおもいっきりはしってみたかっただけなのでした。
テディは、海岸かいがんまではしってき、白浜しらはまうえで、ゴロンと寝転ねころんで青空あおぞら見上みあげました。

-マカロンベアたちにも、この景色けしきせてあげたいな-

まだ、このしまたばかりのテディは、ったことのないところばかりで、どこにこうかとかんがえただけで、ワクワクしました。
「そうだ! 洞窟どうくつこう!」

テディは、はじめてこのしまにたどりついたときに、しまのふもとに洞窟どうくつがあるのをつけたのです。


洞窟どうくつあなは、たかなみが、るとかくれてしまうほどちいさなあなで、しまひとたちも洞窟どうくつがあることに、がついていないんじゃないかとおもいました。


テディは、きると今度こんどは、洞窟どうくつあなむかいました。

しまひとたちさえ、らない洞窟どうくつ
そうおもっただけで、テディのむねは、高鳴たかなりました。
洞窟どうくつなかには、一体いったいなにがあるんだろう。)

早歩はやあるきだったテディのあしは、がつくと、かけあしになっていました。
洞窟どうくつまえに、たどりいたテディ。
息切いきぎれがむのをちきれず、洞窟どうくつなかに、はいろうとしますが、なにしろなみるたびに洞窟どうくつあなが、ふさがってしまうものですから、なかなか洞窟どうくつなかはいれません。

テディが、洞窟どうくつまえで、ちすくんでいると、洞窟どうくつなかから木箱きばこった親子連おやこづれのねこが、ました。


木箱きばこ船代ふねがわりにして、この洞窟どうくつなかしているのです。



「なるほど!」
テディは、ポン!と#手_て__#をちました。

テディは、親子連おやこづれのねこ洞窟どうくつからはなれてくのを見送みおくると、だれていないかあたりをキョロキョロと見渡みわたすと、木箱きばこうみうえかせ、つぎなみ木箱きばこながそうとしたとき「えい!」

と、ながれにまかせて木箱きばこり、そのまま洞窟どうくつなかへとはいってきました。

洞窟どうくつけてみると、そこには金銀財宝きんぎんざいほうがたくさん…

という、分けではなく、ただただ真っ暗まっくら空洞どうくつつづいているだけでした。 

“なぁんだ…”                                                                                                                      
テディが、がっかりしていると、洞窟どうくつおくほうで、ピシャンピシャンとなんだか、不気味ぶきみ足音あしおとこえてきました。

ぞぞぞー

テディの背筋せすじ寒気さむけはしりました。いつものテディなら、しているのですが、今日きょうのテディはちがいました。


“せっかく洞窟どうくつまでたんだ。ここでかえったら格好かっこうがつかないってもんだ。”
テディは、#意気込いきご__んで、その不気味ぶきみ足音あしおとのするほうしのってきます。足音あしおとのするほうに、くとそこには、ひげもじゃの大男おおおとこがいました。
その大男おぽおとこは、洞窟どうくつかべをつかむと、ちからいっぱい、そのかべほうへとずらしはじめました。

ギギギギギー

洞窟中どうくつじゅうおおきなおとひびわたりました。なんといわかべせかけたとびらになっていたのです。

大男おおおとこがずらしたいわ隙間すきまから、かるいひかりが、んでました。

“まぶしい!”
テディは、おもわずこえしそうになりましたが、なんとかころし、そのいわ隙間すきまからこうがわひかりほうのぞみました。

そこには、テディがいままでにたこともない、金銀財宝きんぎんざいほうやまほどげられていました。

そうです。この大男おおおとこ正体しょうたいは、海賊かいぞくだったのです。

そして、この金銀財宝きんぎんざいほうやまは、海賊かいぞくたちがななつのうみわたって強盗ごうとうかえしてあつめたたからやまだったのです。
テディが、あっけにられているあいだに、そのいわとびらふたたおおきなおとを#立__た_#てて、まってしまいました。
テディは、しばらく呆然あぜんいわとびら見上みあげたあとに、ふとわれかえり、「た た た 大変だー!」
そうって、テディは、木箱きばこって、洞窟どうくつからげるようにしてきました。
“このしま海賊かいぞくがいる。このしま海賊かいぞくがいる。”
テディは、こころなか何度なんどもそうさけびながら砂浜すなはまはしりました。
ようやく喫茶店きっさてんまでかえってたテディ。
喫茶店きっさてんまえで、しま住人じゅうにんたちが数名集すうめいあつまって、はなしをしていました。
「あら、ここの喫茶店きっさてん今日きょう臨時休業りんじきゅうぎょうなのね。どうしたのかしら。」
近頃ちかごろここのマスター、様子ようすがおかしいとおもわない?」
「そうそうそう。なんだかヒソヒソかくごおtをしているみたいで、様子ようすがおかしいの。」
「いえ。こんなことをってはいけないのかもれまんけどね、最近さいきんうちのいえのものがよくなくなるのよ。ねこ置物ものおきに、ルビーの指輪ゆびわ高級こうきゅうなお紅茶こうちゃのセットまで…」

「あら、うちもよ。ダイヤのように綺麗きれいにカットされたグラス、特注とくちゅうのじゅうたん、玄関げんかんのシャンデリアまで!

もちろん警察けいさつ被害届ひがいとどけしましたが、警察けいさつもなんのがかりもつかめないって。

あやしい人物じんぶつかけなかったかとかれたけど、どうもここのマスターの様子ようすがおかしいんじゃないかしら…」


「こんなことっちゃ、アレですけど、わたしもマスターがあやしいとおもいますの。どうも、ここのマスター、まえからきになれなくて…」


(マスターは泥棒どろぼうなんかじゃない!それは全部ぜんぶ海賊かいぞくのせいだ!テディは、大声おおごえでそうってやりたかったのですが、海賊かいぞくがやったという証拠しょうこなんて、どこにもありません。

そして、実際じっさいに、海賊かいぞくったところをテディ自身じしん目撃もくげきしたわけではもなかったのです。

そのよる-
テディは、いつものようにおやすみのココアをみながらかんがえました。

たしかに、ぼくもマスターのことは、あまりきになれない。だけど泥棒どろぼうをするようなわるひとにはおもえない。

このまえだって、あんなにおいしい特製とくせいバターをけてくれたし…

しまひとたちの宝物たからものぬすんだのはきっと、あの洞窟どうくつ海賊かいぞくたちだ”テディは、おもいました。“

テディは、もう一度いちどあの海賊かいぞくたちの洞窟どうくつって、海賊かいぞくたちがぬすんだという証拠しょうこをつかもうとめました。

けれど、テディが海賊かいぞくたちのかくしのんで、つかってしまったら大変たいへん
どこにでもあるうごけないテディベアのりをしたところで、いきなりたからやまに、昨日きのうまでなかったテディベアがもれているとあやしまれてしまいます。

“どうしたらいいんだろう…”
テディは、かんがみました。

“そうだ!”

テディは、そううと、ひとばんかけて、ごそごそと、またなにかをつくはじめました。
つぎ夕暮ゆうぐれ、やはりマスターは、みせけて、こっそりどこかへかけてってしまいました。

テディは、マスターの#行____#きさき横目よこめに、みせじまいをませると、昨日作きのうつくった、“手作てづくりのあるもの”をごそごそとして、海賊かいぞくのいる洞窟どうくつへとかけました。


"洞窟どうくつちかくにとき洞窟どうくつほうから人影ひとかげえました“海賊かいぞくがこっちへるのかな?“

テディは、岩陰いわかげかくれて、近寄ちかよってくる人影ひとかげらしました。
はっきりえたとき、テディは言葉ことばうしないました。

なんと、洞窟どうくつほうからあるいてた、そのひとは、マスターだったのです。
テディは、洞窟どうくつ海賊かいぞくときよりもおどろきました。

洞窟どうくつほうからあるいてたってことは、まさか、マスターも海賊かいぞく仲間なかま!?”


「そんなこと、あるはずがない!」

テディは、余計よけいかんがえをはらうかのようにあたま左右さゆうおおきくるいました。

テディは、とっさにそばにあった岩陰漢字ルビに自分漢字ルビの身漢字ルビを隠漢字ルビし、マスターが通漢字ルビり過漢字ルビぎるまで待漢字ルビちました。

マスターが喫茶店きっさてんほうかえってくのを見届みとどけると
“マスターが海賊かいぞくなわけない!!しまひとたちの宝物たからものぬすむわけなんかいんだ!”と
テディは、ますます真相しんそうたしかめなければいけないと、洞窟どうくつほうへと足早あしばやすすんでいビきました。
洞窟どうくつよこには、あのねこ親子おやこ木箱きばこなか満足まんぞくそうに、づくろいをしていました。

テディは、っている昨日きのうつくったものと、親子連おやこづれのねこをマジマシと見比みくらべて

「うんうん。これはだれても、見分みわけがつかない。」

そうって、テディは、その“手作てづくりのあるもの”をはじめました。
手作てづくりのあるもの”とは、このねこたちをマネてつくったねこぐるみだったのです。

テディは、この親子連おやこづれのねこ家族かぞく一員いちいんとなって、海賊かいぞくたちのかくしのむつもりなのです。


日頃ひごろから洞窟どうくつ出入でいりしているねこたちが、海賊かいぞくたちのかくまよんでも、なにもあやしまれない。

テディは、そうかんがえたのでした。

「ちょっと失礼しつれいするよ!」
そうって、テディは、親子連おやこづれのねこたちの返事へんじたずに木箱きばこり、ねこたちと一緒いっしょ洞窟どうくつなかへとはいってったのでした。



洞窟どうくつなかはいったテディは、あのおおきないわとびらまえで、海賊かぞくふたたとびらけるのをいきをひそめてちました。

どのくらいの時間じかんがっったでしょう。
"親子連おやこづれのねこは、勝手かってれてられて、そのままふてくされてねむってしまいました。
そして、テディのおなかが、グーっとったとき、もっとおおきなおと洞窟中どうくつちゅうひびわたりました。"

ギギギギギー
ついに、あのおおきないわとびらひらいたのです。

なかから1人ひとり海賊かいぞくました。テディは、すかさず、その海賊かいぞくとすれちがうように、とびらこうへとんでいきました。

海賊かいぞくたちに、つからないよう、テーブルのしたかくれます。テーブルのしたで、いけをひそめていると、海賊かいぞくたちの話声はなしごえこえました。

「この1カ月間いっかげつ我々われわれはこのしま詮索せんさくしてきた。そして、詮索せんさくした結果けっか、どこのいえにどんなおたからがあるのか調しらべがついた。
そして、7日後なのかごよる我々われわれはいよいよこのしま強盗ごうとうする。」

「ひぇぇぇ!!」
テディは、強盗ごうとういておもわず悲鳴ひめいをあげてしまいました。

だれだ!」
海賊かいぞくたちが、あたりをキョロキョロ見渡みまわします。

「にゃにゃおー」

テディは、必死ひっしねこごえをマネます。テディは、必死ひっしねこなきごえをマネます。

海賊かいぞく1人ひとりが、テーブルのしたのぞむと、ぐるみをたテディのうし姿すがたえました。

「なんだ。ねこか。」

テディのきマネを本物ほんものねこごえだとおもった海賊かいぞくたちは、また強盗ごうとうをする計画けいかくについてはなしはじめました。

テディは、ほっとむねをなでおろしました。

どうやら、海賊かいぞくたちは、よるしま詮索せんさくをしているときに、ついでに、しま住人じゅうにんから宝物たからものぬすんでいたようなのです。

(やっぱり…)  

テディは、これで、海賊かいぞくたちが島人しまびとたちの宝物たからものぬすんでいたと確信かくしんしました。

テディは、海賊かいぞくたちに気付きづかれないように、そっと村人むらびとたちの宝物たからものかえそうと、テーブルのしたから宝物たからものほうへと、そろりそろりとあるはじめました。もうすこしで宝物たからものとどきそうになったそのとき、テディは宝物たからものられて、自分じぶん右足みぎあし左足ひだりあしんずけてました。

そして、そのいきおいで、ぐるみからしてころんでしまいました。ゴツン!!

「ん? なんだ?」
海賊かいぞくたちは、テディのほうました。テディは、あわててはなせない普通ふつうのテディベアのふりりをしました。


「なんだ? この茶色ちゃいろねこ置物おきものは。」


テディは「ねこじゃない!!」とかえしたい気持きもちをグッとおささえました。
「テディベアっていうんです。船長せんちょう。」
テディのわりに、海賊かいぞく一味いちみこたえました。
「こんなものあったっけかな。 テディベアなんてなに使つかうんだ。こんなものれるのか?」と、船長せんちょう不機嫌ふきげんそうなかおをしてテディを片手かたてでヒョイとつかみげました。

「こんなかんじで、手足てあしひもでもつけてあやつ人形にんぎょうにでもしてあそぶんじゃないですか?」

海賊かいぞく1人ひとりが、テディの手足てあしにロープをくくりつけて、あやつ人形にんぎょうのようにテディにダンスをさせました。
“は ずかしいよー”
テディは、いままでこんなへん格好かっこうをしたことがなくて、身体からだじゅうがあつくなるほど真っ赤まっかになりました。



「ふん! くだらない!! 
こんなもの、どっかにててこい!!」
そうって船長せんちょうは、テディをふたたびつかみげると、ポイとテディをゆかほうげました。
いたいよー!!」
テディは、おもわずおおきなこえをあげてしまいました。

「しまった!」

テディは、そううと、そうとおおきないわとびらほうへとはししました。

「なんだ! あのテディベア! はなせるじゃないか!」
「しかも、自分じぶんうごまわれるぞ!」
「あれはたかれるぞ!!」

つかまえろー!!!」
海賊かいぞくたちは、一斉いっせいにテディにかりました。
「ひやぁぁ! たすけてー!!!」

テディは、海賊かいぞくたちをはらうように、ロープがついたままの手足てあし無我夢中むがむちゅうで、まわしながらかくなかはしまわりました。


しばらくすると、うしろのほうから

「うううー」
と、海賊かいぞくたちのうなりごえきここえてきました。テディが、おそおそうしろをくと、そこにはロープでグルグルきになってまわしてすわんでいる海賊かいぞくたちがいるではありませんか!



テディが手足てあしまわしているうちに、手足てあしについていたロープがほどけ、海賊かいぞくたちにからみついたのでした。

「や やった! ぼく、海賊かいぞくたちをたおしたんだ!!」

テディが、大喜おおよろこびしていると

ギギギギー

ふたたおおきなおとてて、あのいわとびらひらきました。
さきほど、テディとすれちがいでった海賊かいぞくもどってたのです。
テディは、あわててまわしてすわんでいる海賊かいぞくたちのうしろかくれました。
もどってた、海賊かいぞくが、まわしてすわんでいる海賊かいぞくたちをいました。

「おい!みんなどうしたんだ? たおれこんで!? ませよ!! …でも、てよ。みんながたおれこんだってことは、この金銀財宝きんぎんざいほうは、すべてこの俺様おれさまのもの… 

やったー!! さぁ、いますぐ出航しゅっこう準備じゅんびだ! この洞窟どうくつじゅうのおたからすべてふねんで、俺様1人おれさまひとり出航しゅっこうするんだ!」
そううと、とびらを開けっぱなしにして、出航しゅっこう準備じゅんびをしにふたたび、とびらそとしてきました。
“今だ”
テディが、住人じゅうにんたちの宝物たからものにして、こっそりとまわした海賊かいぞくたちのまえとおぎようとしたとき
                
「おい! どこへくんだ。」

ひくこえが、テディをめました。テディが、おそるおそるかえると、まわしていたはずの海賊かいぞく1人ひとりが、ましていたのです。

ました海賊かいぞくは、からだをねじって、体中からだじゅういたロープをりほどこうとしますが、なかなか上手じょうずくいかずジタバタしています。

テディは、海賊かいぞくがジタバタしているあいだに、そうと大急おおいそぎでとびらほうかいます。

おぼえてろよ! かならずおまえをとっつかまえて、たか売っ払うっぱらってやるからな!」

すテディの背中せなかに、海賊かいぞく大声おおごえで#投__な_#げかけます。

テディは、全身ぜんしん恐怖きょうふふるがり住人じゅうにんたちの宝物たからものほうり出__だ__#して、大急おおいそぎで、洞窟どうくつそとへとしてきました。

そして、そのまま大急おおいそぎで、喫茶店きっさてんまでかえってきました。

喫茶店きっさてんまえまで、くとまたしま住人じゅうにんたちがはなしをしていました。

「ねぇ。おくさん、じつ私見わたしみたのよ。ここのみせのマスターが、なにかをってこそこそとかけてくところを。」

「あら。ほんとに? きっと、わたしたちからぬすんだ宝物たからものを、どこかにかくしにったのよ。」

「きっと、そうね。警察けいさつってつかまえてもらいましょう。」
テディは、昨日きのうのように、マスターは泥棒どろぼうなんかじゃない!と自信じしんってえませんでした。
だって、マスターが海賊かいぞくたちのいる洞窟どうくつほうから、あるいてるのをてしまったのですから。
テディは、しま住人じゅうにんたちや警察けいさつたちと一緒いっしょに、マスターの様子ようすをのぞいてみることにしました。

平和へいわだったしまが、きゅうにぶっそうになってしまったなぁ”
テディは、心配しんぱいごとをかかえながらあさねむりにつきました。

翌朝よくあさ、テディは、とっても目覚めざめのわるい、あさむかえました。

いつものように、喫茶店きっさてんで、モーニングセットをおきゃくさんたちにして、いそがしいのが一段落着いちだんらくついたとき、マスターはまた、よそよそしくそとへとかけてきました。

テディはマスターうたがってごめんなさい。”と、こころなかあやまりながらも、マスターのうしろをつけてきました。
喫茶店きっさてんそとてみると、しま住人じゅうにんたちや警察けいさつもマスターがてくるのをせしていました。
みんなで、マスターのあとをつけてくと、やっぱりマスターは、洞窟どうくつほうかっていくのです。
“どうかマスターが海賊かいぞく仲間なかまじゃありませんように”
テディは、いのるような気持きもちでマスターのあとをつけてきました。
マスターが、洞窟どうくつのすぐちかくまでくと、こうのほうからねこ親子おやこあらわれて、マスターのほうへとってました。
マスターは、あたりをキョロキョロと見渡みわたすと、ねこ親子おやこにおさらしました。
ねこ親子おやこは、おさらほう一目散いちもくさんっていき、おさらなかのものをペロペロとはじめました。
さらなかにはどうやらミルクがはいっているようです。

テディたちは、マスターがねこ親子おやこにミルクをませる姿すがたてあっけにとられていました。
ミルクをわった#子猫こねこたちは、マスターの足元あしもとにスリスリとなついていました。

「マスターは、海賊漢字ルビなんかじゃなかった!!」
うれしさのあまり、テディが大声おおごえで、そうさけぶと、マスターもしま住人じゅうにんたちも、警察けいさつもみんな、一斉いっせいにテディのほうました。
「ワシが海賊かいぞくだと?」
マスターは、不機嫌ふきげんそうに眉間みけんにシワをせました。
「なんだ。マスターが泥棒どろぼうしてたわけじゃなかったのね!」
「ワシが泥棒どろぼうだって?」
マスターは、みんなにかこまれてなにがなんだかさっぱりかりませんでした。
警察けいさつがマスターに、いままでのいきさつをはなすと、マスターは「とんでもない! イヤ。 数日前すうじつまえに、洞窟どうくつまえでたまたま、このねこたちをつけたんだよ。おなかかせてるみたいだったから、仕方しかたなくミルクをあげていただけなんだよ。」といました。
ねこにミルクをあげるだけだったら、なにもひそひそとしなくてもいいのではありませんか?」
警察けいさつがマスターにいかけました。
「いや。なに、このしまで、ワシは頑固がんこおやじのマスターで、とおってるだろ? だから、ねこにミルクをやってるなんてられたらみんなのわらものにされるんじゃないかとおもってさ…」と、ずかしそうにマスターがあたまをかきました。
「じゃあ一体いったいだれわたしたちの宝物たからものぬすんだというの?」

しま住人じゅうにんたちは、まだマスターをうたがっているようでした。
「ぼく、ってます! 海賊かいぞくです!」
テディは、おおきなこえこたえました。
海賊かいぞく?」
みんなは、怪訝けげんそうなかおをしておたがいにかお見合みあわせました。
テディは、自信満々じしんまんまんにうなずきました。そして、テディに案内あんないされ、みんながたどりいたのは、あの洞窟どうくつなかとびらまえです。
おおきないわとびらは、ひらいていて、かくなかをおそるおそるのぞいてみると、そこには、ロープでぐるぐるきになった海賊かいぞくたちと、おたからひとめしようと1人ひとり必死ひっし出航しゅっこう準備じゅんびをしている海賊かいぞくがいました。
そんな海賊かいぞくたちの様子ようすて、テディたちは、おたがいにかお見合みあわせ、うんとうなずいたかとおもうと、一斉いっせい海賊かいぞくたちのかくへと突入とつにゅうしてきました。
「うわぁぁ! なんだぁ!!」
きゅう突入とつにゅうに、海賊かいぞくたちもおもわず面食めんくらってしまいました。
「おい! あいつは昨日きのう、ここにしのんでた、テディベアじゃないか!? あいつがここのかくをみんなにバラしたんだな!

ただじゃおかんぞ! ここからとおはなれた、さむさむこおりくに王様おおさまに、おまえたか値段ねだんばしてやるからな! 
2度にどとここへはもどってれんぞ! 覚悟かくごしておけよ!」
テディは、海賊かいぞくのそのあまりの剣幕けんまくに、テディは一瞬いっしゅんたじろぎましたが、けまいとなおして、「さぁ! みんなで、まずはあの海賊かいぞくつかまえるんだ!」
さけび、まず、宝物たからものひとりめしようとしている海賊かいぞくつかまえて、ほか海賊かいぞくたちと一緒いっしょに、ロープでぐるぐるきにしてしまいました。
そして、ひとまとめにしばげた海賊かいぞくたちを、れて洞窟どうくつそとへとれてきました。
つぎあさしまじゅうの住人じゅうにんたちがあつまるなか裁判さいばんひらかれました。
海賊かいぞくたちに、どんな刑罰けいばつくだそうかという重大じゅうだい裁判さいばんです。しまじゅうのひとたちは、口々くちぐちさけびました。
「うちくびだ!」「あぶりだ!」
「うちくびに あぶりだって!? そんなの あまりにもひどすぎる!!!」
テディは 誰よりも大きな声でさけびました。
裁判官さいばんかんは、おおきなをギョロリとギラつかせてテディのほうながらいました。「ほう。そこの子猫こねこビくん、たしきみが、この海賊かいぞくたちのかくつけしたんだったかね。
この勇敢ゆうかん子猫こねこくんの意見いけん是非ぜひとも、いてみようじゃないか。それで、子猫こねこくん、きみ一体いったいどんなばつがこの海賊かいぞくたちにふさわしいとおもうのかね?」
「ぼくの意見いけんですか!? そ そ そ そうだな…」
テディは、いままでだれかにばつなんてあたえたことがなかったのでいアイデアがおもいつかず もじもじしていました。
海賊かいぞくたちのほうると 海賊かいぞくたちはいのるようなでテディのほうていました。
「どうか。たすけてください! ほしいものなんでもげます!」
そんな#海賊__かいぞく_#たちをてテディは、あることをおもいつきました。
「そうだ! この海賊かいぞくたちに、おどりをおどってもらいましょう!」
おどり?」
しま住人じゅうにんたちは、くびをかしげました。
「はい。 こちらの海賊かいぞくみなさんは、ダンスがとっても得意とくいなんですよ!」テディが、そういううと今度こんど海賊かいぞくたちがくびをかしげました。
今日きょうよる。 みんなで、おいしいものちよってたのしいパーティをひらくんです! そこでこの海賊かいぞくたちは、みなさんをたのしませるとびっきりのダンスを披露ひろうしてくれますよ! ね?」
そううとテディは、あやつ人形にんぎょうのように手足てあしをバタバタさせたり、海賊かいぞくたちにかって、おしりをフリフリしてみせました。
テディのその仕草しぐさて、海賊かいぞくたちはかお真っ青まっさおにしながら、おたがいに#目__め_#をわせました。
昨日きのうかくなかでテディに、ロープをけてあやつ人形にんぎょうのようにおどらせたことをおもしたのです。
その日漢字ルビの夜漢字ルビ
しま住人じゅうにんたちは おいしい食事しょくじやおさけちよってあつまりました。
そして、ついに海賊かいぞくたちのたのしいダンスがはじまりました。
手足てあしにロープをけられた海賊かいぞくたちは、逆立さかだちをしたり おしりをふりふりしたり。
テディは、かお真っ赤まっかにしておど海賊かいぞくたちの姿すがたて、海賊かいぞくたちだけに、おどらせるのは、可哀かわいそうだとおもい、海賊かいぞくたちと一緒いっしょになっておどりました。

しま住人じゅうにんたちはたたいたり おなかかかえて大笑おおわらいしました。

「は、ずかし~!」

海賊かいぞくたちは全身ぜんしんは、まっっかです。



「わぁー! ずかしくて2度にどとこのしまにはもどってられないよー」
「おねがいだから、もうゆるしてくれー」
「もう2度にどひとものぬすんだりしないとちかうか?」
テディは、裁判官さいばんかん口調くちょうをマネていました。

かった。かった。もう2度にどぬすんだりしないからゆるしてくれ!」

「もう2度にどと、ぼくのことをばすなんてこと、わないか?」テディは、そうつづけました。
「#分__わ_#かった!かりましたー!! だから…」
海賊かいぞくたちがそううと、テディは、満足まんぞくそうにおおきくうなずきました。
そしてテディと海賊かいぞくたちはおたがいに
「このしまでぼくとったことは、だれにもうんじゃないぞ!」
「このしまおれたちにったことは、だれにもうんじゃないぞ!」といました。
海賊かいぞくたちは、さんざん、しま住人じゅうにんたちのわらものにされたあとかお真っ赤まっかにしてしましてきました。
このしま2度にどもどってなかったのは、もちろんのこと、このしまに、テディという、はなすことができるテディベアがいるということも、だれにもいわれることはありませんでした。

こうしてテディと海賊かいぞくたちの秘密ひみつは、まもられたのでした。
このあと、テディがみんなのまえ表彰状ひょうしょうじょうをもらったということはうまでもありません。


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 網浜ナオは勉強もスポーツも中の下で無難にこなす平凡な少年だ。今年はいよいよ最高学年になったのだが過去5年間で100点を取ったことも運動会で1等を取ったこともない。もちろん習字や美術で賞をもらったこともなかった。  しかしそんなナオでも一つだけ特技を持っていた。それは編み物、それもあみぐるみを作らせたらおそらく学校で一番、もちろん家庭科の先生よりもうまく作れることだった。友達がいないわけではないが、人に合わせるのが苦手なナオにとっては一人でできる趣味としてもいい気晴らしになっていた。  そんなナオがあみぐるみのメイキング動画を動画サイトへ投稿したり動画配信を始めたりしているうちに奇妙な場所へ迷い込んだ夢を見る。それは現実とは思えないが夢と言うには不思議な感覚で、沢山のぬいぐるみが暮らす『もふもふの国』という場所だった。  そのもふもふの国で、元同級生の丸川亜矢と出会いもふもふの国が滅亡の危機にあると聞かされる。実はその国の王女だと言う亜美の願いにより、もふもふの国を救うべく、ナオは立ち上がった。

かぐや

山碕田鶴
児童書・童話
山あいの小さな村に住む老夫婦の坂木さん。タケノコ掘りに行った竹林で、光り輝く筒に入った赤ちゃんを拾いました。 現代版「竹取物語」です。 (表紙写真/山碕田鶴)

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

おとうさんのオムライス

こぐまじゅんこ
児童書・童話
きょうは、にちようび。 おとうさんのしごとも、やすみです。

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