異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~

兎森りんこ

文字の大きさ
100 / 107

やっと二人きり……※エイシオ視点

しおりを挟む
 父上の復帰にフレイグルス兄さんの婚約、イヨンの留学……ロードリア家は大忙しだ。
 僕も今までの事を償おうと、今日のパーティでは沢山の来客に挨拶し今後の事を頼む。
 
 皆に今までの冒険譚を聞かれたり、サインを子どもに求められたり……。
 大いにパーティーは盛り上がっている。
 僕は皆と笑顔で話しながら、一人の人を遠目からチラチラと見つめていた。

 アユム。僕の恋人。

 アユムは家族騒動のあとは、みんながアユムを大好きになった。
 調理場のみんなにも人気で、僕が嫉妬しちゃうくらい。
 でも家に帰ったら僕に作りたいって料理を聞いてるって……可愛すぎて悶絶してしまう。

「アユムは……かわいい……」
 
「エイシオ様? どうかされました?」

 あ、隣の男性に聞かれてしまった。

「し、失礼」

 僕の心はアユムでいっぱいだ。
 それで遠くから見ていると、ロードリア家のみんながそれぞれ話しかけて……。

「ウルシュ兄さんっ!?」

「エイシオ様!? どうされました!?」

 また、声に出てた。

「し、失礼……」

 ウルシュ兄さん、絶対アユムを狙ってる。
 近い! 近い!
 あ、ラミリアが間に入った!
 ラミリアグッジョブ!
 それからイヨンにシャルロットにソフィア様。
 みんな何を話しているんだろう。

 すごく気になって気になって仕方がなかったけど、とりあえず来客達への対応を済ませることに努めた。

 そしてやっと!!
 やっと君の傍へ行けるよ!!

「アユム! 大丈夫かい?」

「エイシオさん」
 
 僕は急いで駆け寄ると、アユムは微笑んでくれる。
 少し酔ったのだろうか?
 頬がほんのりピンク色だ。
 可愛い。

「一人にさせて、ごめんよ」

「いえ、皆さんと色々お話できて楽しんでました」

「そ、そうか。良かった」

「ちょっと寂しかったですけど、でも此処からカッコいいエイシオさんを見てました」
 
「アユム」

 心にジーンと染みるアユムの可愛い言葉。

「さっきソフィア様が、ザピクロス様を連れて行ったのが見えたけど……」

「はい。今晩はお泊りしてくるそうです」

「不安もあるけど、大丈夫か……。と、いうことはつまり……!!」

 アユムと二人っきりの夜……!
 恋人になって、なぜなぜどうしてあのアライグマに間に挟まれて一ヶ月以上……二人きりの夜が過ごせないでいた!
 しかし……今日!
 今日こそ二人きりの夜……!!

 僕はまるで、恋を覚えたての少年のようにドキドキする。

 うわ! 尻尾パタパタしまくってた!
 期待してるのがバレバレだ。

「今夜は二人でゆっくり眠れそうですね」

 僕の耳と尻尾を見て、アユムが優しく目を細めた。

 もうすぐ獣人化の時期も終わるだろう……獣人の時の方がきっとアユムは喜ぶよね……。

 この前の風呂場での続きを……あの時のアライグマは本当にムカついたな。
 いや、アライグマのことはもういい、もう今夜は思い出したくない。

 今日はアユムと二人きり……。
 あんな……こんな……。
 僕としたことが、相当な妄想をしてしまった。
 
 パーティーは皆が笑顔のまま終わり、来客の帰りを見送り……両親に挨拶をして二人で部屋に戻った。
 アユムはなんだかんだ、ずっと僕の部屋。

 アライグマがいないって、なんて静かで良いムードなんだろう。

 ノーアライグマ・ビューティフルライフ

「エイシオさん……」

「アユム、愛しているよ」

「俺もです……」
 
 僕達はキスを交わし抱き合って触れ合って……最高に幸せな夜を過ごして小鳥がさえずる朝を迎えたのだった。
 
 
 
 
しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

異世界で王子様な先輩に溺愛されちゃってます

野良猫のらん
BL
手違いで異世界に召喚されてしまったマコトは、元の世界に戻ることもできず異世界で就職した。 得た職は冒険者ギルドの職員だった。 金髪翠眼でチャラい先輩フェリックスに苦手意識を抱くが、元の世界でマコトを散々に扱ったブラック企業の上司とは違い、彼は優しく接してくれた。 マコトはフェリックスを先輩と呼び慕うようになり、お昼を食べるにも何をするにも一緒に行動するようになった。 夜はオススメの飲食店を紹介してもらって一緒に食べにいき、お祭りにも一緒にいき、秋になったらハイキングを……ってあれ、これデートじゃない!? しかもしかも先輩は、実は王子様で……。 以前投稿した『冒険者ギルドで働いてたら親切な先輩に恋しちゃいました』の長編バージョンです。

【本編完結】最強S級冒険者が俺にだけ過保護すぎる!

天宮叶
BL
前世の世界で亡くなった主人公は、突然知らない世界で知らない人物、クリスの身体へと転生してしまう。クリスが眠っていた屋敷の主であるダリウスに、思い切って事情を説明した主人公。しかし事情を聞いたダリウスは突然「結婚しようか」と主人公に求婚してくる。 なんとかその求婚を断り、ダリウスと共に屋敷の外へと出た主人公は、自分が転生した世界が魔法やモンスターの存在するファンタジー世界だと気がつき冒険者を目指すことにするが____ 過保護すぎる大型犬系最強S級冒険者攻めに振り回されていると思いきや、自由奔放で強気な性格を発揮して無自覚に振り回し返す元気な受けのドタバタオメガバースラブコメディの予定 要所要所シリアスが入ります。

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。

神様の手違いで死んだ俺、チート能力を授かり異世界転生してスローライフを送りたかったのに想像の斜め上をいく展開になりました。

篠崎笙
BL
保育園の調理師だった凛太郎は、ある日事故死する。しかしそれは神界のアクシデントだった。神様がお詫びに好きな加護を与えた上で異世界に転生させてくれるというので、定年後にやってみたいと憧れていたスローライフを送ることを願ったが……。  2026/01/09 加筆修正終了

前世が飼い猫だったので、今世もちゃんと飼って下さい

夜鳥すぱり
BL
黒猫のニャリスは、騎士のラクロア(20)の家の飼い猫。とってもとっても、飼い主のラクロアのことが大好きで、いつも一緒に過ごしていました。ある寒い日、メイドが何か怪しげな液体をラクロアが飲むワインへ入れています。ニャリスは、ラクロアに飲まないように訴えるが…… ◆いつもハート、エール、しおりをありがとうございます。冒頭暗いのに耐えて読んでくれてありがとうございました。いつもながら感謝です。 ◆お友達の花々緒さんが、表紙絵描いて下さりました。可愛いニャリスと、悩ましげなラクロア様。 ◆これもいつか続きを書きたいです、猫の日にちょっとだけ続きを書いたのだけど、また直して投稿します。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

処理中です...