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火曜日・二人の未来・その1
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仕事終わり、駅前。
どれだけこの道の往復を繰り返してきたか。
でも、今日はいつもと違う。
「利佳子~~っ!」
「りゅう」
利佳子を見つけると走ってくる隆太朗。
大型犬がわふわふ走ってくる様子のようだ。
抱き締められる勢いで、間近で止まる。
「お疲れ様ーーー!」
「貴方もお疲れ様。お迎えありがとう。……道は覚えてるんだから、家で待っててくれて良かったのよ」
「1秒も無駄にしたくないもん」
ぎゅっと手を握られる。
そして離してもらえない……。
「えへへ」
ニコニコ笑顔で見つめられて、利佳子は頬が熱くなるのを自覚して下を向いた。
「あっ重いのよ」
「いいから」
自然に利佳子のお泊りの荷物を隆太朗は持って、手を繋いで歩きだす。
ちらほらと行き交う人が隆太朗を見て何か話をしている。
女の子二人が指をさしてヒソヒソ話す。
「ねぇ、何か見られてる……?」
「あ、さっきテレビ見たって言われた」
「ええ! 有名人じゃない! じゃあ早く離れた方がいいわ」
「やーだっ! 俺は有名人なんかじゃないし、絶対離さないよ」
「りゅう……」
「だって……そんな事で離すことないもん。今日は特別な日だし……今から、いっぱいいちゃつきます!」
「な、なんの宣言なの」
「イチャイチャ宣言!」
また耳をパタパタさせるような笑顔。
誰でも可愛いと思う笑顔だ。
そう、今日はゆっくり二人で過ごせる特別な日。
そして、最後の日。
でもそれは顔には出さず、利佳子は笑顔で手を繋いで歩いた。
温かい部屋に入ると、すでに用意がしてあった。
テーブルの上の鍋……これは。
「まぁ、すき焼きね」
「また、お肉でごめんね」
「お肉大好きよ。すき焼きが一番好きだし、ビーフシチューも……あ」
「えへへ知ってた」
モリモリ働くためには肉が一番!
なんて、隆太朗の前でも話した事があった。
「……自分だって、私の好きなもの覚えててくれてるじゃない……」
「当然だよ。好きな女の子のことだもん」
照れたように、でもダイレクトに伝わる好意。
どれだけこの道の往復を繰り返してきたか。
でも、今日はいつもと違う。
「利佳子~~っ!」
「りゅう」
利佳子を見つけると走ってくる隆太朗。
大型犬がわふわふ走ってくる様子のようだ。
抱き締められる勢いで、間近で止まる。
「お疲れ様ーーー!」
「貴方もお疲れ様。お迎えありがとう。……道は覚えてるんだから、家で待っててくれて良かったのよ」
「1秒も無駄にしたくないもん」
ぎゅっと手を握られる。
そして離してもらえない……。
「えへへ」
ニコニコ笑顔で見つめられて、利佳子は頬が熱くなるのを自覚して下を向いた。
「あっ重いのよ」
「いいから」
自然に利佳子のお泊りの荷物を隆太朗は持って、手を繋いで歩きだす。
ちらほらと行き交う人が隆太朗を見て何か話をしている。
女の子二人が指をさしてヒソヒソ話す。
「ねぇ、何か見られてる……?」
「あ、さっきテレビ見たって言われた」
「ええ! 有名人じゃない! じゃあ早く離れた方がいいわ」
「やーだっ! 俺は有名人なんかじゃないし、絶対離さないよ」
「りゅう……」
「だって……そんな事で離すことないもん。今日は特別な日だし……今から、いっぱいいちゃつきます!」
「な、なんの宣言なの」
「イチャイチャ宣言!」
また耳をパタパタさせるような笑顔。
誰でも可愛いと思う笑顔だ。
そう、今日はゆっくり二人で過ごせる特別な日。
そして、最後の日。
でもそれは顔には出さず、利佳子は笑顔で手を繋いで歩いた。
温かい部屋に入ると、すでに用意がしてあった。
テーブルの上の鍋……これは。
「まぁ、すき焼きね」
「また、お肉でごめんね」
「お肉大好きよ。すき焼きが一番好きだし、ビーフシチューも……あ」
「えへへ知ってた」
モリモリ働くためには肉が一番!
なんて、隆太朗の前でも話した事があった。
「……自分だって、私の好きなもの覚えててくれてるじゃない……」
「当然だよ。好きな女の子のことだもん」
照れたように、でもダイレクトに伝わる好意。
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