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しおりを挟む名取能目、既婚者と密会か!
やられた!
能目はニコニコと笑顔でタブレットを向けてくる鶯を睨みつけた。
芸能ニュースで既婚者女性と夜な夜なデートを繰り返していたことがすっぱ抜かれた。かなり気をつけていたがそれでもこの男には敵わない。どうせコイツが僕が早々に隠居しようとしていることが気に入らなくて仕掛けてきたのだ。
タブレットを奪い取り読み進めるとあの女はなんと財政界の大物の奥方で尚且つ麻薬売買をしていたという。今朝警視庁に摘発されたらしい。
これは困った
そろそろ僕のところにも警察がやってくるだろう。麻薬に関しては今は清廉潔白だがイメージは確実に悪くなる。
確実に広告やドラマからは降ろされて現在契約中のCM会社数社から莫大な違反金を払わされることになる。そうなれば隠居どころじゃなくなる。
僕は「はぁ~」と深いため息をついた。
これは僕が鶯を信用しすぎたために起こったミスだ。奴ならこれくらいちょいちょいと何かの片手間で起こせるような出来事だ。これの収束だって奴に頼めばすぐにしてくれるだろう。
かなりの代償を払わされるだろうけど
鶯は楽しそうにピューピューと下手くそな口笛を吹いている。
ピーンポーン
呼び鈴が鳴った
鶯は「俺が出るよ」浮き足立って玄関へと向かった。奴は刺激的な日常が大好物だ。
奴にとっては警察の訪問は大のサプライズになる。
ドタドタと騒がしく警察が入ってきた。
「マトリじゃないから薬物銃器対策課なの?」
僕が一番前にいる男に聞くと
「いや~違うよ。この人たちは警察庁の人さっ」
心底楽しそうに鶯はまたまた厄介そうな名を口にした。
「は?なんで警察庁なの?どう考えてもあの女は麻薬を捌いてたのだから麻薬系の人が来るはずじゃん」
「いや、能目違うよ。あの女は日本の情報を他国に流してたのさ。つまりスパイだったって訳だよ。」
僕の範疇から遠く離れた出来事に足元が揺らついた。
「名取能目、俺たちは残念ながら警察庁という名を語りながら警察ではない。便利だからこれを名乗っているだけだ。お前は一ミリたりとてこの件に関与していないことは知っているが利用させてもらう。」
そう言って警察(仮)は態とらしくマンションの中央出口から僕を警察車両に乗せて連れ出した。
パシャパシャフラッシュとマイクが大量に突き出される。僕はそれらに対して軽く左手を上げてヒラヒラと揺らして警察官たち(仮)のエスコートで車に乗り込んだ。
もうどうにでもなっちまえ
平穏な日常がまた崩れていくのを感じた
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