禅師白隠の教え

ロコ

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新興宗教

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道元禅師。
彰裕は、碧眼録を、読み込んでいる。
彰裕は、その要諦にいち早く気付いた。
道元禅師は説く。
三十七菩提分法、これ仏の耳目なり。
の、一行文に。

はて、聞かぬ修行だが!

よくよく、観ていくと。

其れは、
四念処観法、四正断法、四神足法、五根法、五力法、
七覚肢法、八正道。

であり、この修行をする者は、成仏する。
彰裕は、考える。
成仏すると、言う事は衆生の供養を、受けて徳として、返すと言う事。此れを言う、道元禅師こそ成仏したに違いない。
と、言う事は今此れに気づいた自分も、成仏できるかも知れない、と言う事。
これは、彰裕にしてみたら福音である。
仏教に対して懐疑心を抱き出した時であった。
彰裕は、四念処観を主に、修行を始めた。

野を駆け、山を走り、川を渡る。
一日中身体を鍛える。
何故なら、成仏法は体力第一だからだ。
そんな、修行中、ふっ、と過去の自分を振り返る。

随分と健康になったものだ!

脳手術を待つばかりの、心身障害者がいま、真の成仏法を修行している。感慨もひとしおである。
白隠禅師に邂逅して始まった此れは、換言すると、

人間改造の原理と方法

と、言ってよい。
正に、釈迦牟尼仏は、人をして、仏にせしむ
成仏陀法
を、教えていたのだ。
山中、深夜、瞑想中観た。
日本の仏教は間違っている。
三十七菩提分法の説くところのお経を記した物だけが、釈迦牟尼直説のお経だ、と。
釈尊を、神格化、礼賛の絶対仏として、拝むだけの仏教は、誤っている。
釈尊は、人をして、成仏。涅槃に入る方法を、懇切丁寧に教えているのである。それは、何に記してあるか?お答えしよう。

阿含経

である。
そう、五時教判では、最低の経に位置付けられている。
何故、阿含経が初学のお経と、されるのか?
そこには、大天才に依る教相判尺が立ちはだかる。
中国天台宗第三祖、智ぎ。
彼の誤ちは、日本仏教界の誤ちに直結している。
何故なら、日本仏教界は、智ぎ、の仏教を手本にしているからである。

さぁ、其れに気づいた彰裕は、興奮して何日も眠れなかった。
一心に、阿含経を修行する彰裕。
彰裕は、白隠禅師に鍛え上げられたのが、功を奏していきなり、上根の成仏法を修行している。

瞑想観法

四念処観法は、そのもの、ずばり。
なんその法が、活きた。なんその法は、瞑想観法の真髄である。一日中走り回り、陽が暮れる時瞑想観法に、入る。

数息観法

禅宗のオーソドックスな、瞑想観法から、入り、進んで行く。吸って、吐いて、吸う。一呼吸に、二分。
とうとう、アーラーラ、カーラーマの、瞑想観法に、到達した。件の、街中での瞑想観法も、深かった。
しかし、今度は、成仏法の瞑想観法である。
徳になる修行。徳にならない修行。
がある。
仏の加護を、受けないそれは、全くのエクササイズでしかない。
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