士農工商

島抜け

将太は、じっと脱獄のタイミングを見ていた。
粘土質の獄中床。
掘れる！
厚さは、関係ない。
床に爪を立てると、粘土質がこびり付く。
ガリガリ掘れる。
防の角を崩し始めた。
面白い様に、削れる。
せっせ、せっせと掘る。
布地で隠しながら。
毎日毎日。やがて、塀の外へ出た。
ボコっ！
海の香りがする。
よし！
海亀の出産の如く出た。

さぁ、逃げろ！
港を探している。
とりあえず走った。海岸線を。
そして、見つけた、舟一艘。
飛び込み、オールで漕ぐ。
よいしょ、よいしょ。
岸から、離れて行く。
よいしょ、よいしょ。
かなりの距離を来た。島全影が見える。
脱獄成功した。
さぁ、どうする？
どっちが、江戸か？
、、、、、、、
、、、、、、、
北斗七星をたよって？？？
しかしながら、そんな知識は無い。
なる様にしか、ならない。
オールを仕舞うと、ゴロンと、寝た。海流を計算して置いて。
ねながら、親潮は、千葉外房を洗う。
外れたら、太平洋のど真ん中だ。
さぁ、運があるか無いかだ！