蛇の恩返し

如月 永

文字の大きさ
2 / 9

2.

引き寄せた神様にキスをすると舌を絡めてきて応えてくれた。
唇を離すと、今度は耳元で囁かれる。
低くて甘い声。
「これで全部清一は私のものだよ」
脳に直接響くような声で、ゾクゾクしてしまう。
俺は自分を深くまで犯している目の前のこの人が愛おしく見えて首筋を舐め上げた。
それから甘噛みしたり、ちゅっと吸ったり。
それに興奮したのか突き上げる腰の動きは激しくなった。
「おっ、お"っ、あっ、あ"っ、あんっ、おぐっ、しゅごいっ!」
「可愛い。雄子宮気持ち良いね。私も気持ち良いよ。清一の中、最高だ」
グッポグッポと抜き差しされ、俺の良いところをゴリゴリ引っ掻いて、何度も絶頂を迎える。
身体が痙攣して止まらない。
もう射精しなくてもイけるようになってしまったようだ。
俺がイっても動き続けるから、ずっとイキっぱなしの状態が続いている。
それでもまだ足りないと言わんばかりに貪欲に求められ、激しい抽挿の合間に乳首を摘まれて引っ張られる。もどかしい疼きにも感じてしまう。
俺が胸を突き出せば、男は嬉しそうに笑って更に激しく責め立てた。
グチュッグヂュッ、パンッパチュンッ、ジュプッ、グポォッ
淫らな水音と肌のぶつかる音と、俺の歓喜の叫び声が響く。
「ああぁぁぁー!ちくびだめぇっ!ケツ穴も掻き回さないでぇ!おかしくなるうぅ!!」
「ふふ、可愛いね。じゃあそろそろ一緒にイこうか?」
すると、抜けるギリギリまで引かれたと思ったら奥までガツンガツン突かれまくる。
「ひっ、ひぃぃっ、はげしっ、あ"っ、あ"っ、あ"っ、あ"~!」
身体がビクビクと震え出す。
射精感はあるのに、陰茎を握られているからなのか出せない。
射精を伴わない絶頂の終わりが無くて恐怖を覚えるが、それを上回る快楽に溺れていく。
もう自分が何を言っているのかもわからない。
ただひたすら気持ち良くて、もっと欲しい。
「出させてぇ!!出してぇ!!あへえぇっ!!!」
「いっぱい中に注いであげるね」
「ください!精液くださいぃ!!」
「いいよ、たくさん飲んでね」
「あ"あ"あ"ぁぁぁぁぁっ!!!」
熱い飛沫が奥の奥まで叩きつけられた。
「ひぎぃっ、イグゥッ!~ッアァァッッ!!!」
ブシャッ、ビュルルッ、ビュッビューッ
勢いよく潮を吹き出しながら盛大に達した。
最後の一滴までも注ぎ込もうと腰を押しつけられる。
その度にチンポがビクンビクンと跳ねて、それだけで追いイキしてしまう。
「やべてぇ!いまイッてる!イッてりゅからぁ!ゆるじでぇ!」
「大丈夫、そのままイキ続けてごらん」
「うしょぉ!むり!むいぃ!こわれちゃ!あ"あ"っ!!おっほーーーっ!!」
身体が壊れてしまいそうだ。
「ほら頑張って。また出るよ」
「んほぉぉぉぉぉぉ!!!」
結腸口が喜んで精液を飲み込み、もう出ないと思っていた陰茎からはまた潮が吹き出した。
「すごいね。清一、もうすっかり私のお嫁さんだよ」
「およめしゃ……?」
「そうだよ。清一は私だけのお嫁さんだ」
男の腰が揺らめく。
「清一は気持ち良いことが大好きだよね?だから、伴侶の私が清一のこと可愛がってあげないと」
「あ"あ"ぁぁっ!あ"っ、あ"ぁっ!」
「お嫁さんには、毎日ここに種付けしてあげる」
「ひぃぃぃぃっ!」
「ここにたっぷり出されると、すごく幸せになれるよ」
「しあわせ?」
「そう、幸せ」
両親も若い頃に亡くし、親戚とも疎遠で寂しい思いをした俺は幸せだと思えた記憶が少ない。
今だって日々淡々と生活しているから幸せだななんて感じることはほとんどないフラットな人生だ。
でもこんな俺に神様の言葉が染みた。
「おれ……しあわしぇ……なりたい……」
「うん、幸せになろう」
「なる……なりゅ……」
「愛してるよ、清一」
そう言って男は唇を重ねてきた。
俺はこの人のもの。
この神様だけがきっと自分を幸せにしてくれる。
だからもっと愛して欲しい。もっと犯されたい。
神様の首に腕を回した。
「まだまだ可愛がってあげるからね」
身動きが取れないくらい腕の中にぎゅうぎゅうと閉じ込められ、アナルがぺニスの形を覚えるくらい長い時間愛された。
蛇の交尾は24時間以上続く事もあるなんて知らないよ……。
チンポが抜かれた時には俺は失神していた。

  ◇◇◇
 
目が覚めると、部屋の中で洗濯物を干している人がいた。
「清一、おはよう」
「神様?」
容姿も服装も昨日と全く違うけれど、神様だと分かった。
気怠くて俺がボーっと見ていると、彼は苦笑しながら近付いてきた。
そして優しい手付きで頭を撫でてくれて、俺は目を細めた。
「神様」
「愛しい人。私を伊久巳と呼んで」
「いくみ……さま?」
俺が名前を呼ぶと、嬉しそうに微笑んだ。
「朝ごはん作るから、着替えておいで」
まだ夢うつつの俺は痛む腰をなだめながら着替えをした。
だが、ハッとして後を追う。
「神様!朝ごはんなら俺が作りますから!っていうか、洗濯もしなくていいですから!」
「伊久巳だと言っただろう」
「伊久巳様、俺がやりますから」
「うーん、硬いなぁ。呼び捨てか、せめて『様』じゃなくて『さん』にして。清一はお嫁さんなんだから」
セックスの合間の朦朧としていた中でそんな言葉を聞いたかもしれない。
「俺、今年で40ですよ。こんなおっさんを嫁にしてどうするんですか?」
「ハハハッ!年齢?私なんて400……いや待てよ。450歳くらいかなくらいかな」
神様にしては若いらしい。
何それ怖い。本当に人間じゃないのだと実感させられる。
せいぜい20歳半ばにしか見えない伊久巳だったが、神様なんだから長く生きていて当たり前だ。
年齢についてはもう何も言うまい。
伊久巳が冷蔵庫から卵とハムを出してきたので止める。
「俺、やりますので!」
「私は卵の焼き方にはうるさいから、自分でやるよ。あ、もしかして私の好みを覚えてくれるのかな?」
俺は追加で冷凍庫からほうれん草とコーンを出して切ったハムと一緒に炒めた。
生野菜の買い置きはないし、ハムと目玉焼きだけなんて神様に申し訳ない。
あとはカップスープとトースターで焼いたパンと、目玉焼き。
好みにうるさいと言うだけあって、伊久巳は俺がフライパンに卵を落とすのをじっと見ていた。
パチパチと端の方から白身が固まって来ると伊久巳が声を上げる。
「もういいよ!」
「え?!でもほぼ生……」
「それが良いの!あーもうっ、固まっちゃう!」
急かされてほぼ生の目玉焼きを伊久巳の皿に乗せた。
俺は黄身が半生くらいが良いからもう少し蒸し焼きにした。
先に食べててくださいと言ったから、俺が自分の皿を持って行った時には黄身で皿も汚さず卵だけ綺麗に無くなっていたので、どうやって食べたのだろうかとちょっと気になった。
パンなどは普通に食べていた。
「伊久巳さ…んは、生卵が好きなんですね。覚えておきます」
「大好物だよ」
ニコニコする顔は昨日の神がかった容姿ではなく、北欧のハーフなのかなくらいになっていた。
髪も目も色素は薄いけど茶色い。
服は……俺のだ。だからあんまり伊久巳には似合ってない。
「昨日と見た目が違うんですね。でもイケメンです」
「いけめんが何か分からないが、真っ白なままじゃ暮らしにくいだろう?」
「伊久巳さんは神様なんだから真っ白でも良いんじゃないですか?」
「私と外に出て注目されたくないだろう?」
「えっ?!外、出れるんですか?」
まだ力が安定してないから今すぐにというわけではないが、視認出来るこの姿ならば人間に紛れて生活出来ると話す。
「二人の暮らしが慣れてきたら、お出掛けしたいなと思ってるけれど」
「二人の暮らし?」
「そう。私の社、壊されちゃったし、清一と離れたくないからここに住むよ」
たとえ社が残っていたとしても、崇める者も居なくなった地に未練は無い。
今は自分を受け入れてくれた愛しい人と一緒にいたいと神様は言う。
しかしながら、二人で住むには手狭だ。
それに俺は普通のサラリーマンだし、貯金だって恥ずかしながらほとんど無いない。
俺が戸惑っていると伊久巳はお見通しらしくて笑った。
「清一。貯金はいくらある?」
「恥ずかしながら、数えるほどしか……」
「それならば今から全額使ってくじを引きに行きなさい」
「くじ?」
「なんか最近のくじは削ったりするんだろう?」
スクラッチタイプの宝くじのことだろう。
俺がキョトンとしていると、伊久巳は続ける。
「私を世話してくれる資金がなければ困るだろう?ここから西北西の場所が良い」
蛇神様は金運も上げてくれるらしい。
スマホの地図で現在地からの西北西を調べたら、商店街の中にある宝くじ売り場が一致した。
商店街ならATMも近くにあるしと、バタバタと家を出て行った。
クレジットの引き落としとかあったばかりで財布の中身と併せても3万円にしかならなかった。
1枚300円だからキリ良く100枚買えるから良いか。
配当金が一番高いスクラッチを選んでそれを集中的に買う。
試しにその場で1枚削ってみたら5万円が当たってしまった。
たった数分で3万円が5万円に増えて、びっくりして即座に換金して家に残りを持って帰った。
「いっ、伊久巳さん!当たった!5万当たりました!」
「え?たったそれだけ?」
「いや、まだ99枚削ってません」
削りカスで手を銀色しながら、腱鞘炎になりそうなほど削った。
伊久巳は、神様が直接手を出してしまうといろいろ問題があるから手伝えないと言って見ているだけだ。
結果は35,221,200円。
350万円超えだよ。
一等300万円含んで、二等~五等が満遍なく。
宝くじを当てたのも初めてだが、こんなに一気にお金が増えたことも初めてで、正直ビビっていた。
でも、これだけあればしばらく生活出来る。
一等は銀行で受け取らなければいけないらしいし、用意するのに一週間程度かかるらしい。
でも、その前に伊久巳に何かお礼をしなくては。
一等以外は今日換金してもらって豪華な夕飯にでもしようか。
その前に伊久巳さんの服も買って……なんて算段する。
伊久巳は俺が喜んでいるのが嬉しいのか、ニコニコしながら眺めている。
「あの~伊久巳さんのおかげで、当面の生活費が出来ました。ありがとうございます」
「ふむ。それで?」
「それで……ですか?」
何を求めているか分からない。あ、でも資金を得たのだから、お供えをしなければいけないのか!
「お供えですね!換金したらすぐに買ってきます!高級な卵で良いですか?調理後の卵でも良ければ、プリンとか美味しいの買ってきます!」
「高級卵は嬉しいし、プリンとやらは食べたことないけれど、清一が選んでくれるならば何でも嬉しい。けれど、それよりも!」
「それよりも?」
伊久巳が指差したのは、ほっぺただった。
「感謝する時はチュッとするのだろう?テレビでやってた」
たまたまテレビでやってたアニメの中の恋人同士が約束を守った相手に頬キスをしていたらしい。
削るのに夢中だった俺は気付いていなかった。
「感謝するからって、キスする人はほとんどいませんよ?」
「え?!そうなのか?でも私は清一に……してほしい」
ちょっと恥ずかしそうだ。
神様なのに可愛いと思ってしまった。
俺がそっと唇を寄せると、伊久巳は目を閉じた。
触れるだけの軽いキスをして、離れようとしたら伊久巳が首の後ろに腕を回して、ぐいーっと引き寄せられてまた唇が重なる。
今度はもっと深く、舌まで入ってきた。
思わず腰を引いてしまうと、伊久巳はようやく離れて笑った。
「もうっ、伊久巳さんってば!」
真っ赤になった俺を見て、満足そうに笑った。
感想 2

あなたにおすすめの小説

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科 空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する 高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体 それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった 至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する 意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク” 消える教師 山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

甘々彼氏

すずかけあおい
BL
15歳の年の差のせいか、敦朗さんは俺をやたら甘やかす。 攻めに甘やかされる受けの話です。 〔攻め〕敦朗(あつろう)34歳・社会人 〔受け〕多希(たき)19歳・大学一年

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

魔性の男

久野字
BL
俺はとにかくモテる。学生の頃から、社会人になった今でも、異性問わずにモテてしまう。 最近、さえない同性の先輩に好意を持たれている。いつものことだろう。いい人だから、傷つけたくはないな。 そう、思っていた。