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44.旅行二日目~三日目①(貸し別荘)
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◇◇◇◇
朝早く目が覚めた僕たちは、大浴場で風呂に入り、湯冷ましに庭園を歩いてから朝食に間に合うように戻ってきた。
旅館の朝食って朝からどうしてあんなにボリューミーなんだろうか。
おかずだけでも種類が多くて、お米も美味しかったからおかわりまでしちゃったせいかもしれないけど。
もう宿から出なければならないのが名残惜しい。
でも今日は別荘で父さんと二人きりで、何されちゃうんだろうかと考えるだけで顔が緩む。
温泉宿を後にして、途中でバーベキュー用の食材だったり必要なものを買ってから貸し別荘へやって来た。
山の中にぽつんとあるような一軒家で、庭も綺麗に整えられていて、バーベキューなどがしやすそうだ。
手持ち花火も買ってきたので時間を見てやろうと思っている。
過去には旅行をしたとしても、外でバーベキューが出来るような場所に行くことは無かったので僕はウキウキしていた。
父さんと一緒にあれこれ買い物をしていたらあっという間に時間が過ぎ、ランチを済ませてから向かったから3時過ぎくらいの到着だった。
それから肉を付け込んだり、準備したりしていたら、ちょうど日が沈むくらいの時間になった。
「父さん、こっちももういいみたい」
イカのホイル焼きを開いて確認した僕は父さんを呼ぶ。
キッチンのオーブンを見に行っていた父さんは甘いマーマレードが薫る香ばしく焼けたスペアリブを皿に盛りつけて戻って来る。
キッチンに繋がるリビングから直接庭のウッドデッキに出れるので、キッチンから料理を運ぶのも楽だ。
ウッドデッキにある木製のテーブルへこれから焼く食材も運び、焼き始める。
外で調理しながら食事をするってだけでいつもより美味しく感じるし、軽めのランチにしたおかげでどんどん僕の腹に入っていく。
昼間の暑さも和らいでいてとても気持ちがいい。
父さんは地元で仕込まれた赤ワインを買ってきていて、僕みたいにがっつり食事というよりつまみにグラスを傾けている。
当然僕はアルコール禁止だから、炭酸ジュース片手に焼けたものをどんどん食べていった。
「もうお腹いっぱい!食べ過ぎた~!父さん、お肉は?もうちょっと焼く?」
「肉はもう終わりでいいかな。冷蔵庫にチーズが入ってるから持ってきてくれるかい」
僕は空いた皿をキッチンの流しに下げつつ、冷蔵庫から父さんの好きなブルーチーズやカマンベールチーズ等を数種類盛ってある皿を持って戻る。
「お待たせ~。はいどうぞ」
「おぉ、ありがとう」
父さんはテーブルに皿を置く僕の腰に腕を回すとぎゅっと抱き寄せ、髪にキスをしてくる。
「ん~!今日もお前は可愛いなぁ」
「父さん、酔ってるの?」
グラスを傾ける父さんを見上げて尋ねる。
ボトルは半分以上減っているようだ。
「まさか。まだこんなもので酔うもんか」
「でも、顔はちょっと赤いよ?ほどほどにね」
「分かってるよ。お前はこれから花火するんだろう?ちゃんとバケツに水を用意してからやるんだぞ」
「はぁい」
花火は僕がしたくて買ってもらったのだ。手持ち花火と置き花火のセットだ。
掃除用のバケツに水を張って、準備していたロウソクとチャッカマンで庭に設置する。
父さんは見ているだけで良いって言っていたから、置き花火を多くしたんだ。
でもまずは手持ち花火からやろうか。
こんな歳になって花火にウキウキしているなんて子供っぽいけれど、もうこんな思う存分花火が出来る機会があるか分からないんだから楽しまなきゃ。
ロウソクの火に先端を翳して着火する。
シュッという音とともに、火薬が燃える匂いが辺りに漂った。
夏の夜の匂いって感じだ。
細く小さな火花が散っていく様子は美しいの一言だ。
赤や青、緑、黄色といった鮮やかな色に変化するものもあるし、最後に鳥籠になるよう変わり種もある。
僕は手持ち花火を一通り楽しんだ後、置き花火にも挑戦した。
僕は早速花火の置き型に火を付けふと、様々な色の火花が吹き出すように放射状に放出された。
キラキラした輝きや動き回る光に目を奪われる。
「ねぇ!父さん、見て!これ凄いよ!」
僕が興奮して伝えると父さんは柔らかく微笑んで相槌を打ってくれた。
続けていくつかの種類を楽しんだ後、余らせても仕方ないので最後は残り横一列に全部並べて一斉に火を付けた。
それから父さんの横に駆け寄って二人で眺めた。
「うわぁぁ!凄い、綺麗!」
「ああ。綺麗だな」
赤や黄色に輝く火花は咲いては散ってを繰り返し、数分かけてその輝きは消えた。
花火が消えれば、後に残るのは静寂のみだ。
先程まで賑やかだった空間が急に静かになったせいで、ちょっと寂しく思えてしまう。
父さんもそんな気持ちだったのか、僕の背後から腕を回してぎゅっと抱き締めてきた。
僕はその腕にそっと手を添え、はにかんで見せる。
「へへっ、楽しかった。片付けて来るね。待ってて」
「バケツに入れるだけで良いよ。明日私が処分するから、早く戻って来なさい」
離れがたいと言わんがばかりの父さんはチュッとキスをしてくれて、僕にそう告げた。
だから僕は花火の燃えカスをバケツに投げ込んでから、父さんの所へ直ぐさに戻った。
だが、僕の足が止まる。
「どうした?」
「どうしたって……」
父さんが寂しそうな顔をしていたからだって言えなかった。
なんでもないと言って、僕は父さんに抱き着いた。
父さんは僕の背中をポンポンと叩いてあやしてくれる。
胸が締め付けられて、抱き着く腕に力が篭ったのを父さんは勘違いする。
「甘えん坊だな」
「悪い?」
「今度は怒りん坊さんかい?」
無言になった僕の背中を父さんは黙って撫でてくれた。
自然の音しかしない。
聞こえるのは虫の声、そして風で木々の葉が擦れ合う音だ。
僕たちは暫く無言で抱き締め合っていたけれど、ぽつりと父さんが呟いた。
「もっと家族で思い出作っておけば良かったな……」
やっぱり母さんのことを思い出していたんだ。
僕は父さんの首筋に顔を埋めたまま、奥歯を噛み締めた。ちょっと泣きそうになってしまったからだ。
さっきの顔は母さんの写真を眺める時の寂しそうな表情と一緒だった。
今でこそ少なくなったが、母さんが亡くなってしばらくはよく見かける表情で、だけど子供だった僕は何をしてあげれば良いのか解らずも無力だった。
でももう僕は子供じゃない。
父さんと向き合って言う。
「思い出だったら、家族の僕がもっと沢山作ってあげるから、悲しまないで」
「そうだな。ごめんな。やっぱり少し飲み過ぎたかな。歳を取るとダメだな。すぐに感傷的になる」
僕は父さんを元気付けたくて、誤魔化すように笑う。
「そうだよ。飲み過ぎだよ」
「楽しかったから飲み過ぎた」
「楽しかったって、父さんは花火しないでお酒飲んでただけじゃないか」
「お前が楽しそうにしているのを見てるのが楽しかったんだよ」
そう言うと父さんは笑いながらまた僕を抱き寄せて頭に顎を乗せてぐりぐりしてくる。
少し痛いけれど、甘えられているようで嬉しい。
だから僕も、じゃれあうように頭を父さんの肩に擦りつけた。
僕も母さんともっと思い出作りたかったよ。
「ねぇ、母さんとは他のどんな所に旅行したの?」
「お前が生まれるまでは割と色々行ったよ。母さんは食べるのが好きでね。あれ食べたいこれ食べたいって付き合わされたよ」
「そうなんだ」
「あぁ。お前と同じで食いしん坊だったからな」
母さんのことを話す父さんは楽しそうで、僕の知らない母さんの話を聞くのはちょびっとだけ嫉妬するけど嫌いじゃない。
「今夜は母さんのこと、いっぱい聞かせて。それで……明日はいっぱい僕のこと愛して」
父さんは僕の提案に驚いたように目を丸くした後、優しい眼差しを向けてくれた。
そして僕の唇を啄ばみ、下唇を食んでくる。
僕はその甘い感覚に酔いしれながら、父さんの首に腕を回して自分からも唇を寄せたのだった。
◇◇◇
朝起きて、父さんは謝ってくれた。
弱い所を見せたのが恥ずかしかったようで、罰の悪い顔をしている。
「どうして謝るの?酔っ払ってる父さん、キスはお酒臭かったけど可愛かったよ?」
「こら。からかうな」
「からかってないよ。また父さんが酔っ払ったらギュッってして、ヨシヨシしてあげるね」
僕が言うと父さんは目を丸くした後、くしゃりと笑うと僕の頬をムニッと摘んだ。
「生意気な奴だ」
「えへへっ、じゃあお仕置きされちゃう?」
「そうだな。一昨日の件もあるし、躾し直すか」
「躾って何されちゃうんだろ?あはっ、楽しみ」
「はぁ……、まったくこの子は。仕置きでも躾でも喜んでしまうんだから困ったものだ。まぁ楽しみにしてなさい」
僕は嬉しくて、父さんの首に両腕を回して顔中にチュッチュとキスを繰り返したのだった。
1時間ほど後、呼ばれて部屋から出てきた僕はリビングのテーブルの上にこれから使われるだろうアダルトグッズが並べられているのを見て期待を妄想に変換する。
あれで躾されちゃうんだと思うと鼓動が早くなる。
旅行鞄の他にもう一つバッグがあるなと思ったがまさかあの中にアダルトグッズを用意していたなんて。
きっと別荘に来る予定を立てていた時点で計画されていたのだろう。
「跪きなさい」
「はい」
僕はチラ見していたテーブルから父さんに視線を戻してから、床に正座をして再度父さんを見上げてしっかり目線を合わせる。
もう躾は始まっているのだ。
「一昨日宿で、私の言うことを聞けなくて怒られのは覚えているね?」
「はい。お酒でエッチな気分になってダメと言われたのに父さんのおちんぽを欲しがりました」
「今日は私の命令を守れるように躾をするよ?お願いしますは?」
僕は首を垂れる。
「言うことを聞けなかったダメな奴隷に躾をしてください。お願いします」
「口答えする口があるからいけないんだよね。従順に飼い主の言うことを聞く忠犬になれるかな?」
犬になればいいの?
嬉しい。父さんの犬になるの好き。
尻尾は無いけど僕に尻尾があったらバッサバサと左右に振られていただろう。
僕は顔を上げて返事をする。
「ワン!」
「可愛いね。今からワンちゃんにしてあげるから、相応しい格好をしなさい」
今の世の中、犬が服を着る時代だけど、雌犬には服は必要ないよね。
僕が服を脱いでいる間に父さんは首輪を手にしていた。
全裸になるとしゃがんだ足を左右に開いたがに股で軽く握った手を顎の下に添えるチンチンのポーズをして父さんの準備が終るまで待つ。
これが正解でしょ?ちゃんと解ってるよ、父さん。
「いい子に『待て』が出来たね」
頭を撫でられて僕は嬉しくて目を細めた。
そんな僕はうっとりとしたまま、父さんに首輪を嵌められた。
いつものお気に入りの首輪ではなく、無骨な太めの首輪だ。
それからまだ完勃ちしていないおちんちんに尿道プラグの付いた貞操帯を付けられる。
ちょっと勃起してしまったせいでプラグが痛くて、逆にそれで萎えてしまったからケースの中に収まった。陰嚢の付け根もギュッと締められて射精なんて出来そうに無い。
だからこそまたすぐに興奮してしまい、貞操帯の中のちんぽが膨らんで窮屈になった。
「勃起したら自分が辛いだけだよ」
「うぅっ……」
苦しむ様子を楽しんでいる。
それからもプレイの準備が進んだ。
両手には指の無いミトン型の革の手袋を付けられ、脚は膝で折り畳まれて左右それぞれ太股の真ん中と脛、そして脚の付け根と足首をベルトで縛られた。それから膝に膝当てパットを付けられる。
そして最後に尻尾だ。ドーベルマンみたいなピンと上を向く細くて短い尻尾で、根本にはアナルプラグが付いている。
挿入すると花弁のように開いて抜けにくくなるタイプだ。
ローションで濡らしていても引っ張らない限り抜け落ちることは無い。
「初めてで人犬にしたら筋を痛めるかもしれないから、今日は脚だけね」
人犬が何か分からなかったけれど、後日ネットで調べたら腕も脚同様に拘束されて肘と膝だけ地面につくようにされることで、専用の拘束具も販売されているらしい。
そんなことも知らない僕は比較的動きやすい拘束で済ませてもらえた。
「何処かに痛みや痺れが出た時には隠さずに言いなさい。それ以外は犬として鳴くことしか許さないよ」
分かりましたの返事の代わりに「ワン」と鳴く。
「いい子だ。口枷とマスクも後で付けてあげるけど、朝ごはんがまだだからいい子でおすわりしててね」
父さんは僕の頭を撫でてから、キッチンへ向かう。
程なくして父さんが皿を持って戻って来た。
深めの皿にはコーンフレークに牛乳がかけられている。
床にコトリと音を立てて置かれた。
床に置くだけでドックフードぽく思える。
僕のちょうど正面にある1人掛けのソファに座る父さんを目で追うと、父さんはゆったりと脚を組んで僕の様子を観察しているようだ。
僕は両手を床に着いて、お尻を上げて待つ。
「よし。食べていいよ」
それほど時間を開けず父さんは許可をしてくれたので土下座をするように頭を下げて、少しふやけ始めたコーンフレークを食べた。
絵面は悪いけど、味は普通。食べ辛いけど。
咀嚼している様子を見られてぞくぞくする。
最後は残った牛乳を啜った。こんな惨めさにも興奮する僕ってあさましい。
皿が空になると父さんはミックスフルーツの缶詰にヨーグルトをよそって持ってきてくれた。ちょっと物足りないと思ってたから嬉しい。
コーンフレークより食べやすいが、口の回りを汚さずに食べるのは難しく、食べ終わてから舌を伸ばして舐め取るしかなかった。
とはいえ、鼻の頭までは舌が届かず、変な顔になっていたと思う。
大人であれば食事で顔を汚すことなんて無いから恥ずかしい。
僕のそんな気持ちとは裏腹に、父さんは機嫌が良さそうだ。
「ふふっ、こんなに汚して。可愛いね」
僕の口の周りを拭ってくれる。
それからマスクをするとしばらく飲み物も飲めないため、冷たいお茶を大きめのグラスで飲まされた。
グローブをしていても両手で支えればグラスも持てたので、犬飲みじゃなくて普通にグラスから飲ませてもらった。
「ごちそうさまかい?」
「ワン」
「今から口枷とマスクを付けてあげるからね」
骨の形をした細めの口枷を噛まされて、ドッグフェイスのマスクを被せられた。
見た目を例えるならばマズルの短いドーベルマンっぽい。
マスクと言っても、額から頭部にかけてはベルトのようになっているので全部覆われているわけではない。
しかし顔の前面は犬の顔を模したマズル、頭のベルトにはピンと立った耳が付いており、目の部分も開いているので視野は確保されていた。
「ほら、出来上がりだ」
「おふっ」
ワンと言っているつもりだが口枷のせいでくぐもった鳴き方になる。
「いい子。部屋の中ならば好きに過ごして良いよ」
そう言われてもどうしたら良いか分からず父さんを見上げた。
「私もご飯を食べて、お昼の下拵えをしておきたいから。大人しくいい子にしているんだよ」
そう言って父さんはダイニングテーブルへ向かい、朝食を取り始めた。
朝早く目が覚めた僕たちは、大浴場で風呂に入り、湯冷ましに庭園を歩いてから朝食に間に合うように戻ってきた。
旅館の朝食って朝からどうしてあんなにボリューミーなんだろうか。
おかずだけでも種類が多くて、お米も美味しかったからおかわりまでしちゃったせいかもしれないけど。
もう宿から出なければならないのが名残惜しい。
でも今日は別荘で父さんと二人きりで、何されちゃうんだろうかと考えるだけで顔が緩む。
温泉宿を後にして、途中でバーベキュー用の食材だったり必要なものを買ってから貸し別荘へやって来た。
山の中にぽつんとあるような一軒家で、庭も綺麗に整えられていて、バーベキューなどがしやすそうだ。
手持ち花火も買ってきたので時間を見てやろうと思っている。
過去には旅行をしたとしても、外でバーベキューが出来るような場所に行くことは無かったので僕はウキウキしていた。
父さんと一緒にあれこれ買い物をしていたらあっという間に時間が過ぎ、ランチを済ませてから向かったから3時過ぎくらいの到着だった。
それから肉を付け込んだり、準備したりしていたら、ちょうど日が沈むくらいの時間になった。
「父さん、こっちももういいみたい」
イカのホイル焼きを開いて確認した僕は父さんを呼ぶ。
キッチンのオーブンを見に行っていた父さんは甘いマーマレードが薫る香ばしく焼けたスペアリブを皿に盛りつけて戻って来る。
キッチンに繋がるリビングから直接庭のウッドデッキに出れるので、キッチンから料理を運ぶのも楽だ。
ウッドデッキにある木製のテーブルへこれから焼く食材も運び、焼き始める。
外で調理しながら食事をするってだけでいつもより美味しく感じるし、軽めのランチにしたおかげでどんどん僕の腹に入っていく。
昼間の暑さも和らいでいてとても気持ちがいい。
父さんは地元で仕込まれた赤ワインを買ってきていて、僕みたいにがっつり食事というよりつまみにグラスを傾けている。
当然僕はアルコール禁止だから、炭酸ジュース片手に焼けたものをどんどん食べていった。
「もうお腹いっぱい!食べ過ぎた~!父さん、お肉は?もうちょっと焼く?」
「肉はもう終わりでいいかな。冷蔵庫にチーズが入ってるから持ってきてくれるかい」
僕は空いた皿をキッチンの流しに下げつつ、冷蔵庫から父さんの好きなブルーチーズやカマンベールチーズ等を数種類盛ってある皿を持って戻る。
「お待たせ~。はいどうぞ」
「おぉ、ありがとう」
父さんはテーブルに皿を置く僕の腰に腕を回すとぎゅっと抱き寄せ、髪にキスをしてくる。
「ん~!今日もお前は可愛いなぁ」
「父さん、酔ってるの?」
グラスを傾ける父さんを見上げて尋ねる。
ボトルは半分以上減っているようだ。
「まさか。まだこんなもので酔うもんか」
「でも、顔はちょっと赤いよ?ほどほどにね」
「分かってるよ。お前はこれから花火するんだろう?ちゃんとバケツに水を用意してからやるんだぞ」
「はぁい」
花火は僕がしたくて買ってもらったのだ。手持ち花火と置き花火のセットだ。
掃除用のバケツに水を張って、準備していたロウソクとチャッカマンで庭に設置する。
父さんは見ているだけで良いって言っていたから、置き花火を多くしたんだ。
でもまずは手持ち花火からやろうか。
こんな歳になって花火にウキウキしているなんて子供っぽいけれど、もうこんな思う存分花火が出来る機会があるか分からないんだから楽しまなきゃ。
ロウソクの火に先端を翳して着火する。
シュッという音とともに、火薬が燃える匂いが辺りに漂った。
夏の夜の匂いって感じだ。
細く小さな火花が散っていく様子は美しいの一言だ。
赤や青、緑、黄色といった鮮やかな色に変化するものもあるし、最後に鳥籠になるよう変わり種もある。
僕は手持ち花火を一通り楽しんだ後、置き花火にも挑戦した。
僕は早速花火の置き型に火を付けふと、様々な色の火花が吹き出すように放射状に放出された。
キラキラした輝きや動き回る光に目を奪われる。
「ねぇ!父さん、見て!これ凄いよ!」
僕が興奮して伝えると父さんは柔らかく微笑んで相槌を打ってくれた。
続けていくつかの種類を楽しんだ後、余らせても仕方ないので最後は残り横一列に全部並べて一斉に火を付けた。
それから父さんの横に駆け寄って二人で眺めた。
「うわぁぁ!凄い、綺麗!」
「ああ。綺麗だな」
赤や黄色に輝く火花は咲いては散ってを繰り返し、数分かけてその輝きは消えた。
花火が消えれば、後に残るのは静寂のみだ。
先程まで賑やかだった空間が急に静かになったせいで、ちょっと寂しく思えてしまう。
父さんもそんな気持ちだったのか、僕の背後から腕を回してぎゅっと抱き締めてきた。
僕はその腕にそっと手を添え、はにかんで見せる。
「へへっ、楽しかった。片付けて来るね。待ってて」
「バケツに入れるだけで良いよ。明日私が処分するから、早く戻って来なさい」
離れがたいと言わんがばかりの父さんはチュッとキスをしてくれて、僕にそう告げた。
だから僕は花火の燃えカスをバケツに投げ込んでから、父さんの所へ直ぐさに戻った。
だが、僕の足が止まる。
「どうした?」
「どうしたって……」
父さんが寂しそうな顔をしていたからだって言えなかった。
なんでもないと言って、僕は父さんに抱き着いた。
父さんは僕の背中をポンポンと叩いてあやしてくれる。
胸が締め付けられて、抱き着く腕に力が篭ったのを父さんは勘違いする。
「甘えん坊だな」
「悪い?」
「今度は怒りん坊さんかい?」
無言になった僕の背中を父さんは黙って撫でてくれた。
自然の音しかしない。
聞こえるのは虫の声、そして風で木々の葉が擦れ合う音だ。
僕たちは暫く無言で抱き締め合っていたけれど、ぽつりと父さんが呟いた。
「もっと家族で思い出作っておけば良かったな……」
やっぱり母さんのことを思い出していたんだ。
僕は父さんの首筋に顔を埋めたまま、奥歯を噛み締めた。ちょっと泣きそうになってしまったからだ。
さっきの顔は母さんの写真を眺める時の寂しそうな表情と一緒だった。
今でこそ少なくなったが、母さんが亡くなってしばらくはよく見かける表情で、だけど子供だった僕は何をしてあげれば良いのか解らずも無力だった。
でももう僕は子供じゃない。
父さんと向き合って言う。
「思い出だったら、家族の僕がもっと沢山作ってあげるから、悲しまないで」
「そうだな。ごめんな。やっぱり少し飲み過ぎたかな。歳を取るとダメだな。すぐに感傷的になる」
僕は父さんを元気付けたくて、誤魔化すように笑う。
「そうだよ。飲み過ぎだよ」
「楽しかったから飲み過ぎた」
「楽しかったって、父さんは花火しないでお酒飲んでただけじゃないか」
「お前が楽しそうにしているのを見てるのが楽しかったんだよ」
そう言うと父さんは笑いながらまた僕を抱き寄せて頭に顎を乗せてぐりぐりしてくる。
少し痛いけれど、甘えられているようで嬉しい。
だから僕も、じゃれあうように頭を父さんの肩に擦りつけた。
僕も母さんともっと思い出作りたかったよ。
「ねぇ、母さんとは他のどんな所に旅行したの?」
「お前が生まれるまでは割と色々行ったよ。母さんは食べるのが好きでね。あれ食べたいこれ食べたいって付き合わされたよ」
「そうなんだ」
「あぁ。お前と同じで食いしん坊だったからな」
母さんのことを話す父さんは楽しそうで、僕の知らない母さんの話を聞くのはちょびっとだけ嫉妬するけど嫌いじゃない。
「今夜は母さんのこと、いっぱい聞かせて。それで……明日はいっぱい僕のこと愛して」
父さんは僕の提案に驚いたように目を丸くした後、優しい眼差しを向けてくれた。
そして僕の唇を啄ばみ、下唇を食んでくる。
僕はその甘い感覚に酔いしれながら、父さんの首に腕を回して自分からも唇を寄せたのだった。
◇◇◇
朝起きて、父さんは謝ってくれた。
弱い所を見せたのが恥ずかしかったようで、罰の悪い顔をしている。
「どうして謝るの?酔っ払ってる父さん、キスはお酒臭かったけど可愛かったよ?」
「こら。からかうな」
「からかってないよ。また父さんが酔っ払ったらギュッってして、ヨシヨシしてあげるね」
僕が言うと父さんは目を丸くした後、くしゃりと笑うと僕の頬をムニッと摘んだ。
「生意気な奴だ」
「えへへっ、じゃあお仕置きされちゃう?」
「そうだな。一昨日の件もあるし、躾し直すか」
「躾って何されちゃうんだろ?あはっ、楽しみ」
「はぁ……、まったくこの子は。仕置きでも躾でも喜んでしまうんだから困ったものだ。まぁ楽しみにしてなさい」
僕は嬉しくて、父さんの首に両腕を回して顔中にチュッチュとキスを繰り返したのだった。
1時間ほど後、呼ばれて部屋から出てきた僕はリビングのテーブルの上にこれから使われるだろうアダルトグッズが並べられているのを見て期待を妄想に変換する。
あれで躾されちゃうんだと思うと鼓動が早くなる。
旅行鞄の他にもう一つバッグがあるなと思ったがまさかあの中にアダルトグッズを用意していたなんて。
きっと別荘に来る予定を立てていた時点で計画されていたのだろう。
「跪きなさい」
「はい」
僕はチラ見していたテーブルから父さんに視線を戻してから、床に正座をして再度父さんを見上げてしっかり目線を合わせる。
もう躾は始まっているのだ。
「一昨日宿で、私の言うことを聞けなくて怒られのは覚えているね?」
「はい。お酒でエッチな気分になってダメと言われたのに父さんのおちんぽを欲しがりました」
「今日は私の命令を守れるように躾をするよ?お願いしますは?」
僕は首を垂れる。
「言うことを聞けなかったダメな奴隷に躾をしてください。お願いします」
「口答えする口があるからいけないんだよね。従順に飼い主の言うことを聞く忠犬になれるかな?」
犬になればいいの?
嬉しい。父さんの犬になるの好き。
尻尾は無いけど僕に尻尾があったらバッサバサと左右に振られていただろう。
僕は顔を上げて返事をする。
「ワン!」
「可愛いね。今からワンちゃんにしてあげるから、相応しい格好をしなさい」
今の世の中、犬が服を着る時代だけど、雌犬には服は必要ないよね。
僕が服を脱いでいる間に父さんは首輪を手にしていた。
全裸になるとしゃがんだ足を左右に開いたがに股で軽く握った手を顎の下に添えるチンチンのポーズをして父さんの準備が終るまで待つ。
これが正解でしょ?ちゃんと解ってるよ、父さん。
「いい子に『待て』が出来たね」
頭を撫でられて僕は嬉しくて目を細めた。
そんな僕はうっとりとしたまま、父さんに首輪を嵌められた。
いつものお気に入りの首輪ではなく、無骨な太めの首輪だ。
それからまだ完勃ちしていないおちんちんに尿道プラグの付いた貞操帯を付けられる。
ちょっと勃起してしまったせいでプラグが痛くて、逆にそれで萎えてしまったからケースの中に収まった。陰嚢の付け根もギュッと締められて射精なんて出来そうに無い。
だからこそまたすぐに興奮してしまい、貞操帯の中のちんぽが膨らんで窮屈になった。
「勃起したら自分が辛いだけだよ」
「うぅっ……」
苦しむ様子を楽しんでいる。
それからもプレイの準備が進んだ。
両手には指の無いミトン型の革の手袋を付けられ、脚は膝で折り畳まれて左右それぞれ太股の真ん中と脛、そして脚の付け根と足首をベルトで縛られた。それから膝に膝当てパットを付けられる。
そして最後に尻尾だ。ドーベルマンみたいなピンと上を向く細くて短い尻尾で、根本にはアナルプラグが付いている。
挿入すると花弁のように開いて抜けにくくなるタイプだ。
ローションで濡らしていても引っ張らない限り抜け落ちることは無い。
「初めてで人犬にしたら筋を痛めるかもしれないから、今日は脚だけね」
人犬が何か分からなかったけれど、後日ネットで調べたら腕も脚同様に拘束されて肘と膝だけ地面につくようにされることで、専用の拘束具も販売されているらしい。
そんなことも知らない僕は比較的動きやすい拘束で済ませてもらえた。
「何処かに痛みや痺れが出た時には隠さずに言いなさい。それ以外は犬として鳴くことしか許さないよ」
分かりましたの返事の代わりに「ワン」と鳴く。
「いい子だ。口枷とマスクも後で付けてあげるけど、朝ごはんがまだだからいい子でおすわりしててね」
父さんは僕の頭を撫でてから、キッチンへ向かう。
程なくして父さんが皿を持って戻って来た。
深めの皿にはコーンフレークに牛乳がかけられている。
床にコトリと音を立てて置かれた。
床に置くだけでドックフードぽく思える。
僕のちょうど正面にある1人掛けのソファに座る父さんを目で追うと、父さんはゆったりと脚を組んで僕の様子を観察しているようだ。
僕は両手を床に着いて、お尻を上げて待つ。
「よし。食べていいよ」
それほど時間を開けず父さんは許可をしてくれたので土下座をするように頭を下げて、少しふやけ始めたコーンフレークを食べた。
絵面は悪いけど、味は普通。食べ辛いけど。
咀嚼している様子を見られてぞくぞくする。
最後は残った牛乳を啜った。こんな惨めさにも興奮する僕ってあさましい。
皿が空になると父さんはミックスフルーツの缶詰にヨーグルトをよそって持ってきてくれた。ちょっと物足りないと思ってたから嬉しい。
コーンフレークより食べやすいが、口の回りを汚さずに食べるのは難しく、食べ終わてから舌を伸ばして舐め取るしかなかった。
とはいえ、鼻の頭までは舌が届かず、変な顔になっていたと思う。
大人であれば食事で顔を汚すことなんて無いから恥ずかしい。
僕のそんな気持ちとは裏腹に、父さんは機嫌が良さそうだ。
「ふふっ、こんなに汚して。可愛いね」
僕の口の周りを拭ってくれる。
それからマスクをするとしばらく飲み物も飲めないため、冷たいお茶を大きめのグラスで飲まされた。
グローブをしていても両手で支えればグラスも持てたので、犬飲みじゃなくて普通にグラスから飲ませてもらった。
「ごちそうさまかい?」
「ワン」
「今から口枷とマスクを付けてあげるからね」
骨の形をした細めの口枷を噛まされて、ドッグフェイスのマスクを被せられた。
見た目を例えるならばマズルの短いドーベルマンっぽい。
マスクと言っても、額から頭部にかけてはベルトのようになっているので全部覆われているわけではない。
しかし顔の前面は犬の顔を模したマズル、頭のベルトにはピンと立った耳が付いており、目の部分も開いているので視野は確保されていた。
「ほら、出来上がりだ」
「おふっ」
ワンと言っているつもりだが口枷のせいでくぐもった鳴き方になる。
「いい子。部屋の中ならば好きに過ごして良いよ」
そう言われてもどうしたら良いか分からず父さんを見上げた。
「私もご飯を食べて、お昼の下拵えをしておきたいから。大人しくいい子にしているんだよ」
そう言って父さんはダイニングテーブルへ向かい、朝食を取り始めた。
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