文字の大きさ
大
中
小
2 / 44
2.相性診断
僕は他の子と違って逃走の危険が無いから鍵もかけられておらず自由に出れる。
だから従業員用のトイレに駆け込んで鏡を見ながら髪を撫で付けたが、猫っ毛なのでなかなか直らなかった。
仕方ないので水をつけて誤魔化してから応接室へ向かった。
客はソファーに座っていた。
その向かい側の椅子を勧められたのでそこに座ると、すぐに飲み物が出された。
紅茶みたいだけど、僕にも出してもらえるの?嬉しい。
あ、でも猫舌だからすぐに飲めない。
「シロ。お前が同意するならこの方が買ってくださるそうだ」
シロっていうのは、仮の名前。
名前が無いと不便だから、とりあえず仮名として付けられたものだ。
髪とか尻尾の毛並みが白い事が名付け理由だと思われがちだが、入荷した時に46番という番号札が付いていたから、シロなんだ。
このショップでは俺以外の他の子も売れるまでは番号をもじったり、番号の語呂が悪いと見た目からあだ名が付けられている。
通常は客が欲しいと言ったらすぐお買い上げなのに、いつもと違う雰囲気に僕は目の前にいる店長を見つめて首を傾げた。
「お前は成人間近だし、裏方も手伝っていたから説明するよ」
幼い子は説明しても理解出来ないこともあるので相性が悪くなければ買い手にだけ説明するが、僕は理解出来る年齢なので
話してくれた。
店員が教えてくれたのはこうだ。
①このお客様はライオン種とウサギ種の遺伝子が入っている人間だということ。
②ライオン種やウサギ種などの特定種は性欲過多の傾向があるため、特定の条件が揃えば動物保護法で禁じられている性行為目的での購入が可能だということ。
③特定の条件は、「ペットが12歳以上である」「快適な飼育環境の継続が可能である」「定期的な健康診断を受診させる」「何らかの理由で性行為が行えなくなった場合やペット契約を解除する場合は、生涯困らない程の違約金を払う」、そして「ペット本人の同意」だ。
そこまで聞いて頭が痛くなってきた。
性行為目的の購入?僕を?
何で、僕?!
「心配するな。シロが嫌なら断ることが出来る。ただ、それを聞く前に相性を見せてもらう必要もある」
普通のペット購入はペット側が購入拒否をすることは出来ないが、性処理目的の購入の場合はペット側から拒否しても良いことになっている。
それに買い手と明らかに相性が悪ければ、獣人側からいくら志願してもダメなのだ。
「相性って……何をするんですか?」
「お客様の隣に座ってお話するだけだよ。玄道様、私は外に出ていましょうか?」
「いや、この子を警戒させたくないから居てくれ」
応接室は外のモニターで見ることが出来るから、店員は退室しようとしたが客はそう言って引き止めた。
「シロ、隣に座ってみなさい」
「はいっ、……失礼します」
店長もいるのだし、まだ契約していないのだから無理やりエッチな事をされることはないはずだ。
今は座っていて分かりにくいが、さっきゲージ越しに見たら背も高かったし、体格も良くて威圧感もある。
何を話して良いか分からなかったが、自分の運命を左右するのだ。聞かないわけにはいかない。
「あの……どうして僕を選んだんですか?」
「ライオンは猫科だから猫が良かった。あとは妊娠させる心配のないオスで、幼すぎない年齢だな」
ペットショップはここだけではないので、そんな条件の子は他にもいるだろう。
だから、なんで僕なのか分からない。
僕は特別綺麗じゃないと思うし、初対面であんなにダラけていたのだ。
「決め手は綺麗な瞳かな。目が合った時にこの子がいいなと思った」
褒められて顔が熱くなる。
「でも、オッドアイくらい他にもいたでしょう?僕よりも容姿も器量も良い子もいたんじゃないですか?」
「よく分かったな。この店に来る前に他のペットショップにも行ったけれど、相性が悪くてダメだった」
やっぱりね。他の猫の匂いがするもん。
客の手が僕の頬に触れる。
そしてそこから喉に下りてきて、顎下をコショコショと撫でられた。
「はにゃ~~ん、や、やめてくだしゃい」
「ふふ、可愛いな」
この人の手、めちゃくちゃ気持ち良い。もっと撫でて欲しい。
思わず喉がゴロゴロと鳴ってしまう。
これじゃあまるで媚びてるみたいじゃないか。
そう思って慌てて離れようとしたが、客は僕の腰を抱き寄せた。
え?え?え? 何?何?何?
僕はパニックになった。
「人間は女も男も抱けば俺に夢中になって、独占欲ばかり強くなってな。それが嫌だったんだけど、ある時友人がペットを勧めてくれたんだ」
「そ、そうなんですね」
でもそれが抱き寄せる理由にはならないよね?!
背中に腕が回されて、体が密着する。
「ソイツはね。犬型のペットを飼っていて、膝に乗せて私の前で自慢するんだ。可愛いんだって」
小型なのか幼いのかな?と思ったけれど成人らしい。
「友人も特殊種だから、性行為が認められていて好みのペットを連れ帰ってから夢中になったらしくてね。早々に調教したって話してくれたんだ」
「ちょ、調教っ?!」
驚いて尻尾の毛が膨らむ。
客はそんな僕を見て、はははっと声を上げて笑った。結構豪快に笑う人なんだ。
「違う違う。犬型はご主人様至上主義だから飼われるとマゾっぽくなる子が多いんだ。友人もサドっ気があったからうまくマッチングしたってこと」
調教なんてしないということと、従順でべったりよりは、気まぐれでしっかり意見がある子の方が好みだと言ってくれた。
「でも膝に乗せてるのは羨ましかったんだ。試しに少し乗ってみないか?」
そう言って客は僕を立ち上がらせ、膝に乗せた。
向かい合わせでお客様の足を跨いだ抱っこだ。
どうしよう。ドキドキしてきた。
もしかしたら僕もこの人に飼ってほしいと思ってるのかも。
「やっぱり瞳が綺麗だ。ウチの子にならないかい?」
鼓膜を震わせる低い声も心地好くて酔っ払ったみたいにフニャフニャになっていた。
だから客の顔が近付いてきても避ける事もせずに客を見つめていた。
チュッと唇のすぐ横にキスされてもポーッとしていた。
むしろ口にキスされなかったのが残念だとすら思っていた。
「シロがこんなになるなんて驚きですね」
店長の声に、僕は何してたんだっけ?とぼんやりとしていた。
だが、尻に硬くて熱い塊が押し当てられて、ブルルと身体を震えさせた。
「私も驚きだ。性欲抑制剤を飲んでいても勃起した。是非この子を買いたい」
僕で勃起したの?
お尻に当たっているこれって、この人の性器ってこと……?
こんな大きいのを突っ込まれて性処理させられるの?!
怖いのに興奮する。
「シロ、どうする?性処理ペットとして契約する?」
「ふにぁん……怖いよぉ。でもやだぁ。助けてぇ……」
性処理なんてしたことないから怖い。
それなのに、この人と離れたくないという本能があって客の首筋に鼻先を押し付けて匂いを嗅いでいた。
「怖いって言いながら、発情しているじゃないか。ウチに来たら可愛がってあげるよ」
客はそう言ってら僕の首回りを触り、喉仏を指先でグリグリとされる。
気持ち良くて目がトロンとする。
この人なら、優しくしてくれるのかな……?
もう僕には選択肢がなかった。
「け……契約、します。僕を買ってください」
「決まりですね。契約書を作って参ります。少々お時間がかかりますのでごゆっくり。あぁ、こちらも宜しければ。サービスです」
店長はそう言うと何かを棚から出して置いていくと部屋から出て行った。
部屋に二人きりになると、客は僕を抱き締めて、顔を寄せられた。
また口付けられるかと思ったけれど、今度は頬擦りするだけだった。
けれど頬擦りされるのが嬉しくて、僕もスリスリしていた。
後で知ったがマーキングだったらしい。
この人の匂いを嗅いでいると股間がムズムズしてきて、ズボンの中が苦しい。
だから僕も勃起してるんだと分かった。
だから従業員用のトイレに駆け込んで鏡を見ながら髪を撫で付けたが、猫っ毛なのでなかなか直らなかった。
仕方ないので水をつけて誤魔化してから応接室へ向かった。
客はソファーに座っていた。
その向かい側の椅子を勧められたのでそこに座ると、すぐに飲み物が出された。
紅茶みたいだけど、僕にも出してもらえるの?嬉しい。
あ、でも猫舌だからすぐに飲めない。
「シロ。お前が同意するならこの方が買ってくださるそうだ」
シロっていうのは、仮の名前。
名前が無いと不便だから、とりあえず仮名として付けられたものだ。
髪とか尻尾の毛並みが白い事が名付け理由だと思われがちだが、入荷した時に46番という番号札が付いていたから、シロなんだ。
このショップでは俺以外の他の子も売れるまでは番号をもじったり、番号の語呂が悪いと見た目からあだ名が付けられている。
通常は客が欲しいと言ったらすぐお買い上げなのに、いつもと違う雰囲気に僕は目の前にいる店長を見つめて首を傾げた。
「お前は成人間近だし、裏方も手伝っていたから説明するよ」
幼い子は説明しても理解出来ないこともあるので相性が悪くなければ買い手にだけ説明するが、僕は理解出来る年齢なので
話してくれた。
店員が教えてくれたのはこうだ。
①このお客様はライオン種とウサギ種の遺伝子が入っている人間だということ。
②ライオン種やウサギ種などの特定種は性欲過多の傾向があるため、特定の条件が揃えば動物保護法で禁じられている性行為目的での購入が可能だということ。
③特定の条件は、「ペットが12歳以上である」「快適な飼育環境の継続が可能である」「定期的な健康診断を受診させる」「何らかの理由で性行為が行えなくなった場合やペット契約を解除する場合は、生涯困らない程の違約金を払う」、そして「ペット本人の同意」だ。
そこまで聞いて頭が痛くなってきた。
性行為目的の購入?僕を?
何で、僕?!
「心配するな。シロが嫌なら断ることが出来る。ただ、それを聞く前に相性を見せてもらう必要もある」
普通のペット購入はペット側が購入拒否をすることは出来ないが、性処理目的の購入の場合はペット側から拒否しても良いことになっている。
それに買い手と明らかに相性が悪ければ、獣人側からいくら志願してもダメなのだ。
「相性って……何をするんですか?」
「お客様の隣に座ってお話するだけだよ。玄道様、私は外に出ていましょうか?」
「いや、この子を警戒させたくないから居てくれ」
応接室は外のモニターで見ることが出来るから、店員は退室しようとしたが客はそう言って引き止めた。
「シロ、隣に座ってみなさい」
「はいっ、……失礼します」
店長もいるのだし、まだ契約していないのだから無理やりエッチな事をされることはないはずだ。
今は座っていて分かりにくいが、さっきゲージ越しに見たら背も高かったし、体格も良くて威圧感もある。
何を話して良いか分からなかったが、自分の運命を左右するのだ。聞かないわけにはいかない。
「あの……どうして僕を選んだんですか?」
「ライオンは猫科だから猫が良かった。あとは妊娠させる心配のないオスで、幼すぎない年齢だな」
ペットショップはここだけではないので、そんな条件の子は他にもいるだろう。
だから、なんで僕なのか分からない。
僕は特別綺麗じゃないと思うし、初対面であんなにダラけていたのだ。
「決め手は綺麗な瞳かな。目が合った時にこの子がいいなと思った」
褒められて顔が熱くなる。
「でも、オッドアイくらい他にもいたでしょう?僕よりも容姿も器量も良い子もいたんじゃないですか?」
「よく分かったな。この店に来る前に他のペットショップにも行ったけれど、相性が悪くてダメだった」
やっぱりね。他の猫の匂いがするもん。
客の手が僕の頬に触れる。
そしてそこから喉に下りてきて、顎下をコショコショと撫でられた。
「はにゃ~~ん、や、やめてくだしゃい」
「ふふ、可愛いな」
この人の手、めちゃくちゃ気持ち良い。もっと撫でて欲しい。
思わず喉がゴロゴロと鳴ってしまう。
これじゃあまるで媚びてるみたいじゃないか。
そう思って慌てて離れようとしたが、客は僕の腰を抱き寄せた。
え?え?え? 何?何?何?
僕はパニックになった。
「人間は女も男も抱けば俺に夢中になって、独占欲ばかり強くなってな。それが嫌だったんだけど、ある時友人がペットを勧めてくれたんだ」
「そ、そうなんですね」
でもそれが抱き寄せる理由にはならないよね?!
背中に腕が回されて、体が密着する。
「ソイツはね。犬型のペットを飼っていて、膝に乗せて私の前で自慢するんだ。可愛いんだって」
小型なのか幼いのかな?と思ったけれど成人らしい。
「友人も特殊種だから、性行為が認められていて好みのペットを連れ帰ってから夢中になったらしくてね。早々に調教したって話してくれたんだ」
「ちょ、調教っ?!」
驚いて尻尾の毛が膨らむ。
客はそんな僕を見て、はははっと声を上げて笑った。結構豪快に笑う人なんだ。
「違う違う。犬型はご主人様至上主義だから飼われるとマゾっぽくなる子が多いんだ。友人もサドっ気があったからうまくマッチングしたってこと」
調教なんてしないということと、従順でべったりよりは、気まぐれでしっかり意見がある子の方が好みだと言ってくれた。
「でも膝に乗せてるのは羨ましかったんだ。試しに少し乗ってみないか?」
そう言って客は僕を立ち上がらせ、膝に乗せた。
向かい合わせでお客様の足を跨いだ抱っこだ。
どうしよう。ドキドキしてきた。
もしかしたら僕もこの人に飼ってほしいと思ってるのかも。
「やっぱり瞳が綺麗だ。ウチの子にならないかい?」
鼓膜を震わせる低い声も心地好くて酔っ払ったみたいにフニャフニャになっていた。
だから客の顔が近付いてきても避ける事もせずに客を見つめていた。
チュッと唇のすぐ横にキスされてもポーッとしていた。
むしろ口にキスされなかったのが残念だとすら思っていた。
「シロがこんなになるなんて驚きですね」
店長の声に、僕は何してたんだっけ?とぼんやりとしていた。
だが、尻に硬くて熱い塊が押し当てられて、ブルルと身体を震えさせた。
「私も驚きだ。性欲抑制剤を飲んでいても勃起した。是非この子を買いたい」
僕で勃起したの?
お尻に当たっているこれって、この人の性器ってこと……?
こんな大きいのを突っ込まれて性処理させられるの?!
怖いのに興奮する。
「シロ、どうする?性処理ペットとして契約する?」
「ふにぁん……怖いよぉ。でもやだぁ。助けてぇ……」
性処理なんてしたことないから怖い。
それなのに、この人と離れたくないという本能があって客の首筋に鼻先を押し付けて匂いを嗅いでいた。
「怖いって言いながら、発情しているじゃないか。ウチに来たら可愛がってあげるよ」
客はそう言ってら僕の首回りを触り、喉仏を指先でグリグリとされる。
気持ち良くて目がトロンとする。
この人なら、優しくしてくれるのかな……?
もう僕には選択肢がなかった。
「け……契約、します。僕を買ってください」
「決まりですね。契約書を作って参ります。少々お時間がかかりますのでごゆっくり。あぁ、こちらも宜しければ。サービスです」
店長はそう言うと何かを棚から出して置いていくと部屋から出て行った。
部屋に二人きりになると、客は僕を抱き締めて、顔を寄せられた。
また口付けられるかと思ったけれど、今度は頬擦りするだけだった。
けれど頬擦りされるのが嬉しくて、僕もスリスリしていた。
後で知ったがマーキングだったらしい。
この人の匂いを嗅いでいると股間がムズムズしてきて、ズボンの中が苦しい。
だから僕も勃起してるんだと分かった。
感想 1
あなたにおすすめの小説
【短編集】こども病院の日常
moaここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。