743 / 953
愛別離苦
ヨエクの目的
しおりを挟む
「マルコイ様‥感謝いたします。イェルン様にお力をお貸しください。」
クィリーノさんが短剣を懐に収めながらそう言ってきた。
確かこの人は城の執事さんだったような気がする。
しかし執事なのに元Aランク冒険者ってのは凄いな。
動きもかなり速かった。
並の暗殺者なら撃退できるだろうな。
だが、ヨエクがイェルンさんを捕らえるために正面から来るのであれば、かなりの人数を連れてくるだろう。
そうなればクィリーノさんでも多勢に無勢になってただろうな。
しかしそれは俺にも言える事だ。
こっちは3人、外にいる仲間を入れても7人だ。
流石にこの人数で国を取り返すのも難しいとは思うが‥
いっそのこと‥
「イェルンさん。このままヨエクの所に行って、ヨエクぶっ飛ばす案はありですか?」
これなら大人数を相手にしなくても済むんだけど‥
「それは‥‥私としてもそれができるのであれば‥」
「なるほど!それじゃあちょっと行ってきますね!」
「あっ!ちょ、ちょっと待ってくださいマルコイさん!」
ん?
だいぶモヤモヤも溜まってるし、さっさとヨエクぶっ飛ばしてスッキリしたいのだが‥
「すみませんマルコイさん。私もそうしたいのは山々なんですが、王がいなければそうもいかないんです‥」
「そうなん‥ですか‥‥」
残念だ‥
まだもう少し我慢が必要なようだ‥
「一体なぜなんですか?」
「それは‥ヨエク将軍は私と同じ侯爵になります。私とヨエク将軍は将軍と宰相と、この国では役職としても同等になります。」
「それだったら、イェルンさんが反乱を起こしたヨエク討伐の意思を示せば問題ないじゃないですか?」
「そうですね。本来であれば‥ですが。ヨエク将軍は軍だけではなく、主要貴族まで取り込んでいました。私に気づかれる前にあそこまで取り込んでいるとは思いませんでした。おそらく短期間で動いたのでしょう。それこそここ数年で‥それに気づけなかったのは完全な私の落ち度です。私についてくれたのは親の代から交流のある数家のみ。それでも王がいればよかったのですが、王と私が離れている時を狙ってヨエク将軍が謀反起こしたのです。」
確か王様が言っていたな、数年前からヨエクが変わったと。
おそらくそこから準備していたんじゃないだろうか‥?
しかし気になる事がある‥
「気を悪くしたらすみません。なぜヨエクは王様やイェルンさんの命をすぐに奪わなかったのですか?ヨエクにとって、王様やイェルンさんはすぐでも排除したいのではないですか?」
俺だったらそうする。
最悪イェルンさんは今後トールルズを治めるためには、こじつけでもいいので討つ理由が必要になるかもしれない。
だが自分が王となるために前王を討つのは必須だろ。
そのためには王を討つための準備をして、必ず目的を果たせる状況で動くものじゃないか?
それなのにイェルンさんだけではなく、王様も討てずに探している状態だ。
まあヨエクがただの間抜けで、そうなっているってのも納得できる話ではあるが、それだけではなさそうな気がする。
「そうでしょうね。ですが、彼には私と王をすぐに討つ事はできないのです。彼の目的はおそらく『ネマニの槍』でしょう。」
「ネマニの槍?」
「ええ。私達トールルズの総力を上げて作成した魔道具です。プリカだけではなく、トールルズにいる魔道具士や錬金術士、その他作成に必要なスキルを持っている者を集めて作ったトールルズの国宝になります。」
ほ、ほほう!
なんぞなんぞ!
「そ、そんな凄い物を作ってたんですね!一体どんな魔道具なんですかっ!」
「え、えっとマルコイさん‥お、落ち着いてください‥」
おっといかんいかん。
魔道具と聞いてつい興奮してしまった。
しかしドワーフの国が総力を結集した作った魔道具とか、どれだけ凄いのを作ったというのだ!
それはヨエクじゃなくても欲しくなるのは仕方ないかもしれない!
あ、ヨエクにはやらないけどね。
-------------------------------------------
近況にも書いてますが、ブログ始めました。
遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!
https://ogicon3777.com
クィリーノさんが短剣を懐に収めながらそう言ってきた。
確かこの人は城の執事さんだったような気がする。
しかし執事なのに元Aランク冒険者ってのは凄いな。
動きもかなり速かった。
並の暗殺者なら撃退できるだろうな。
だが、ヨエクがイェルンさんを捕らえるために正面から来るのであれば、かなりの人数を連れてくるだろう。
そうなればクィリーノさんでも多勢に無勢になってただろうな。
しかしそれは俺にも言える事だ。
こっちは3人、外にいる仲間を入れても7人だ。
流石にこの人数で国を取り返すのも難しいとは思うが‥
いっそのこと‥
「イェルンさん。このままヨエクの所に行って、ヨエクぶっ飛ばす案はありですか?」
これなら大人数を相手にしなくても済むんだけど‥
「それは‥‥私としてもそれができるのであれば‥」
「なるほど!それじゃあちょっと行ってきますね!」
「あっ!ちょ、ちょっと待ってくださいマルコイさん!」
ん?
だいぶモヤモヤも溜まってるし、さっさとヨエクぶっ飛ばしてスッキリしたいのだが‥
「すみませんマルコイさん。私もそうしたいのは山々なんですが、王がいなければそうもいかないんです‥」
「そうなん‥ですか‥‥」
残念だ‥
まだもう少し我慢が必要なようだ‥
「一体なぜなんですか?」
「それは‥ヨエク将軍は私と同じ侯爵になります。私とヨエク将軍は将軍と宰相と、この国では役職としても同等になります。」
「それだったら、イェルンさんが反乱を起こしたヨエク討伐の意思を示せば問題ないじゃないですか?」
「そうですね。本来であれば‥ですが。ヨエク将軍は軍だけではなく、主要貴族まで取り込んでいました。私に気づかれる前にあそこまで取り込んでいるとは思いませんでした。おそらく短期間で動いたのでしょう。それこそここ数年で‥それに気づけなかったのは完全な私の落ち度です。私についてくれたのは親の代から交流のある数家のみ。それでも王がいればよかったのですが、王と私が離れている時を狙ってヨエク将軍が謀反起こしたのです。」
確か王様が言っていたな、数年前からヨエクが変わったと。
おそらくそこから準備していたんじゃないだろうか‥?
しかし気になる事がある‥
「気を悪くしたらすみません。なぜヨエクは王様やイェルンさんの命をすぐに奪わなかったのですか?ヨエクにとって、王様やイェルンさんはすぐでも排除したいのではないですか?」
俺だったらそうする。
最悪イェルンさんは今後トールルズを治めるためには、こじつけでもいいので討つ理由が必要になるかもしれない。
だが自分が王となるために前王を討つのは必須だろ。
そのためには王を討つための準備をして、必ず目的を果たせる状況で動くものじゃないか?
それなのにイェルンさんだけではなく、王様も討てずに探している状態だ。
まあヨエクがただの間抜けで、そうなっているってのも納得できる話ではあるが、それだけではなさそうな気がする。
「そうでしょうね。ですが、彼には私と王をすぐに討つ事はできないのです。彼の目的はおそらく『ネマニの槍』でしょう。」
「ネマニの槍?」
「ええ。私達トールルズの総力を上げて作成した魔道具です。プリカだけではなく、トールルズにいる魔道具士や錬金術士、その他作成に必要なスキルを持っている者を集めて作ったトールルズの国宝になります。」
ほ、ほほう!
なんぞなんぞ!
「そ、そんな凄い物を作ってたんですね!一体どんな魔道具なんですかっ!」
「え、えっとマルコイさん‥お、落ち着いてください‥」
おっといかんいかん。
魔道具と聞いてつい興奮してしまった。
しかしドワーフの国が総力を結集した作った魔道具とか、どれだけ凄いのを作ったというのだ!
それはヨエクじゃなくても欲しくなるのは仕方ないかもしれない!
あ、ヨエクにはやらないけどね。
-------------------------------------------
近況にも書いてますが、ブログ始めました。
遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!
https://ogicon3777.com
10
あなたにおすすめの小説
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~
うみ
ファンタジー
恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。
いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。
モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。
そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。
モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。
その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。
稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。
『箱を開けるモ』
「餌は待てと言ってるだろうに」
とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる