「R-18」異世界で花の乙女になった少女 ~侯爵夫人への階段を昇る~

Mona

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キャスル侯爵領

嘆きの塔2~ルーチェside~

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 「マーロン、ルーチェ、お帰りなさい」
優しい声の主、レイチェルが二人を迎える。

「レイチェル、今、帰ったよ」
マーロンが迎えに出てきたレイチェル抱き締める。

「レイチェル、ただいま!」
「ルーチェ、お帰りなさい。リオンとゼイネも帰って来て居るのよ」

「本当!お土産有るかな?」
ゼイネは、仕事に出ると暫く帰って来ない。
「有るみたいよ。夕食もできているわ、食堂に行きましょう」
「うん」
ルーチェは、食堂に駆け足で向かう。


カタカタ、カタカタ、パターン。



「ゼイネ、リオンお帰りなさい」
「ルーチェ、久しぶりだな。少し大きくなったか」

「ええ、大きくなったよ」

ルーチェは、青年に抱きつく。

「ルーチェ、俺には」
「リオンもお帰りなさい」

「さあ、さあ。食事にしましょう」
背後から、追い付いたレイチェルの優しい声が掛かる。

使用人達も微笑む、日常の優しい風景。
そして、一家団欒の食事が始まる。



《カチャカチャ》

「このシチュー美味しい!レイチェルの味だ」
ゼイネが大きな声で感激する。

うん、美味しい。レイチェルはお料理が上手だもんね。

ルーチェはゼイネに負けじと、小さな口にほほ張る。



 私の名前はルーチェ。まるでこの家の子供みたいにしているけど、皆と親子では無いの。

居候かな?

本来私は、王都の没落した伯爵家の子供だったんだけど、紆余曲折の末に現在にいたっている。

レイチェルと、レイチェルの三人の夫達に育てもらっているよ。

まるで、本当の子供のように接してもらっている。

辛い別れ等、色々と経験したけど今は幸せだ。

情に厚いレイチェルに魔術師のマーロン。
キャッスル侯爵家の三男で有り、領軍の副将のリオン。

商人のゼイネは、行商に出ると暫く帰って来ないけど、お土産を沢山持って帰って来る。

私、私の仕事は・・・・うーん、リリィと遊ぶ事?

とりあえず、毎日が楽しいよ。

でも、今日の冒険はヤバかったかもしれない。

リリィには、私が嘆きの塔の実態を調べるなんて言ったけど、でも、マーロンとリオンに聞くのは駄目だと思うんだよね。

マーロンはキャッスル侯爵家の筆頭魔術師。
リオンは、領軍の副将。

2人共、侯爵家の中枢に近いからね。


私が、7才に思えない?
うん、うん、解るよ。でも此は又、今度ね。

ゼイネに聞く?何か、軽く流されそうな感じがする。

やっぱり最初の予定通りに、お喋りメイドに聞くしかない!
今日は、ゼイネが久しぶりに帰って来たから4人は燃えると思うんだよ。
新婚さんだしね♥

私はその位の事、解るよ。

何気にレイチェルのあの時の声は結構、通るんだ!

解るスーパー7才は、この辺で撤退仕様じゃないか。

ルーチェは、シチューの残りを手早くほほ張る。

「ご馳走さま」

あざとく、目を擦る。

「今日は沢山勉強したからもう寝るね」

苦笑いするマーロンを睨み付け、お休みのキスを皆と交わす。

「お土産は明日のお楽しみだ」
ゼイネもルーチェにキスをする。

「楽しみにしてるわ。お休みなさい」

「お休み」「お休み、良い夢を」

私は、空気をよめる7才児よ!

ルーチェは、お喋りな若いメイドと食堂を後にする。



 その日の晩、ルーチェはメイドから上手く聞き出した内容に頭を抱る事になるのだ。

「あっーどうしたら良いかな。リリィに何て言えばいいのよ」


布団に埋もれる7才児は、苦悩する。






 
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