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第一章
第一節
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夜の闇の中二人の姉弟がある屋敷の小さな林をかきわけ、馬小屋の奥の洞窟へ進む。洞窟の中を覗くと一つの扉があらわれた。扉には錠がかけられていて、姉が弟をせかすと、弟は鍵をポケットからだした。
〝キィィィ〟
扉があくとすぐ下が地下への階段になっていて、二人は中へ足を踏み入れた。
「お祈りしながら進めば大丈夫だよ」
「神父さまがひどいことをするわけがない、骸骨の悪魔だってきっと誰かの妄想だ」
「そうだね」
コツコツ、姉弟は二人で手を取り合いながらゆっくりあるく。
「怖がらないで、ジル」
「お姉ちゃん……」
「いったでしょ?怖がれば怖がるほど、悪魔は力をつける、先代の神父さんがいない今、私たちがその気持ちを学ばなければ」
「うん……神父さんは、僕らの恩人だ」
「そうだ、だから、恩返しをしないと……噂の真相を確かめるのよ」
コツ、コツ、コツ
「お姉ちゃん……」
「どうしたの?あら?」
姉が足元にしとしとと濡れるものを感じて、ふと気づいた。
「あなた、おもらししたの」
「だって」
「だってじゃない、はあ、いいのよ、正直にいえば、正直に……」
「そうじゃない……」
「何が?」
「違う、気になっていることがあるの、気になっていることが」
「もう、言い訳もダメ!!」
「違う、お姉ちゃん」
コツ、コツ、コツ、二人は足音をとめた。そこで気づいた。
「お姉ちゃん、足跡が一人分多いよ」
「イッ……」
姉が、油断していたところを度肝を抜かれたようで妙な声をあげる。二人が後ろを振り向くと、神父のキャソックをきた漆黒の闇から真っ白な骸骨が、覆いかぶさるように、二人に襲い掛かってきていた。
また別の場所で、薄暗闇の中、神父がぼろい教会の檀上に腰をおろし、行儀わるく足を組んで、あおむけになり頭のうしろで手を組んでタバコをくわえていた。男の顔はクマがひどく、少しニヒルな感じがするがギョロリとした強い力を持つ目と、首から延びる奇妙なトゲ状のタトゥーが刻まれていた。その身なりも、行動もすべてが神父とは見えないいでたちだった。
「あなたはどうして、教会を恨み切れないのです?矛盾している」
暗闇から、声がかけられる。
「さあ、たったひとつ確かなのは、それがわかりゃ、こんな仕事してないってことだな、お前たち〝聖印〟の仕事ほど、割り切れないのさ、エクソシストの仕事は」
神父は体をおこし、暗闇の方にふりむき、質問をかえした。
「それで、進捗はどうだ?」
すると、シスターの格好をしたものが暗闇からあらわれた。その片目には十字の眼帯があり、もう片方の目は、まるで無機質な機械のように表情がうかがえない。口元は布で隠されていて髪の毛は真っ白だった。
「ここに……」
すっと、シスターが資料をさしだすと、男はいった。
「ふむ……この地下施設にも枷にもあきたし、楽そうな仕事だ、いっちょやってやるかな」
といってたちあがり伸びをする。男の両手両足をみると、そこには少しばかり緩やかとはいえ、厳重な鉄枷がつけられていた。
「ふう、あなたという人は、ただあなたは己の罪を恥じて幸運にもチャンスを与えられている側なんですよ、そのことをおわすれなきように」
ふと、男は目を閉じる。そこには脳裏に焼き付いて消えないいくつもの記憶があっった。
〝キィィィ〟
扉があくとすぐ下が地下への階段になっていて、二人は中へ足を踏み入れた。
「お祈りしながら進めば大丈夫だよ」
「神父さまがひどいことをするわけがない、骸骨の悪魔だってきっと誰かの妄想だ」
「そうだね」
コツコツ、姉弟は二人で手を取り合いながらゆっくりあるく。
「怖がらないで、ジル」
「お姉ちゃん……」
「いったでしょ?怖がれば怖がるほど、悪魔は力をつける、先代の神父さんがいない今、私たちがその気持ちを学ばなければ」
「うん……神父さんは、僕らの恩人だ」
「そうだ、だから、恩返しをしないと……噂の真相を確かめるのよ」
コツ、コツ、コツ
「お姉ちゃん……」
「どうしたの?あら?」
姉が足元にしとしとと濡れるものを感じて、ふと気づいた。
「あなた、おもらししたの」
「だって」
「だってじゃない、はあ、いいのよ、正直にいえば、正直に……」
「そうじゃない……」
「何が?」
「違う、気になっていることがあるの、気になっていることが」
「もう、言い訳もダメ!!」
「違う、お姉ちゃん」
コツ、コツ、コツ、二人は足音をとめた。そこで気づいた。
「お姉ちゃん、足跡が一人分多いよ」
「イッ……」
姉が、油断していたところを度肝を抜かれたようで妙な声をあげる。二人が後ろを振り向くと、神父のキャソックをきた漆黒の闇から真っ白な骸骨が、覆いかぶさるように、二人に襲い掛かってきていた。
また別の場所で、薄暗闇の中、神父がぼろい教会の檀上に腰をおろし、行儀わるく足を組んで、あおむけになり頭のうしろで手を組んでタバコをくわえていた。男の顔はクマがひどく、少しニヒルな感じがするがギョロリとした強い力を持つ目と、首から延びる奇妙なトゲ状のタトゥーが刻まれていた。その身なりも、行動もすべてが神父とは見えないいでたちだった。
「あなたはどうして、教会を恨み切れないのです?矛盾している」
暗闇から、声がかけられる。
「さあ、たったひとつ確かなのは、それがわかりゃ、こんな仕事してないってことだな、お前たち〝聖印〟の仕事ほど、割り切れないのさ、エクソシストの仕事は」
神父は体をおこし、暗闇の方にふりむき、質問をかえした。
「それで、進捗はどうだ?」
すると、シスターの格好をしたものが暗闇からあらわれた。その片目には十字の眼帯があり、もう片方の目は、まるで無機質な機械のように表情がうかがえない。口元は布で隠されていて髪の毛は真っ白だった。
「ここに……」
すっと、シスターが資料をさしだすと、男はいった。
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といってたちあがり伸びをする。男の両手両足をみると、そこには少しばかり緩やかとはいえ、厳重な鉄枷がつけられていた。
「ふう、あなたという人は、ただあなたは己の罪を恥じて幸運にもチャンスを与えられている側なんですよ、そのことをおわすれなきように」
ふと、男は目を閉じる。そこには脳裏に焼き付いて消えないいくつもの記憶があっった。
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