碧眼のマリオネット

ショー・ケン

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1章

異変

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 その朝からまた妙な事が起き始めた。朝起きると、周囲が騒がしい、何かとおもって体をおこすと、プラグはおどろいた。孤児院の寝室の地面に花がばらまかれていた。そして皆がプラグをみた。プラグのベッドのへりにいくつもの花瓶がおかれていた。

(??)

 自分はそんな事をした覚えはない。が、この状況はよくないように思えた。

「な、これ……は」

 エリサが近寄ってきて、プラグの手を取った。

「大丈夫よ、きっと大丈夫」

 その時

《コツ、コツ、コツ》

 足音が響いた。誰もがそのせわしないテンポの速い足音で連想する人間はたった一人、アイリーンである。

「何を騒いでおいでですか」

 アイリーンがドアにたって、下を見下ろし、状況を把握する。プラグは状況の悪さに苦笑いをした。

「皆さんで片付けておいてくださいね」

 スン、と踵を返していなくなるアイリーン、皆もあっけにとられた。



 その後、昼食になると、誰かが大声で叫んで、おびえるように顔を覆っている。昼食の中に芋虫が混入しているという。自分が目を離したすきに人影が通り、それがいれたのだという。

 マルグリッドは食べる前だった自分の食事をその子のと交換して食べた。誰もがマルグリッドに尊敬の目を向けているとアイリーンが叫んだ。

「皆さん早く食べなさい!!」



 そして聖歌の練習や祈りの時にも、だれかがひな壇からおされて突き落とされそうになったと騒いだが、マルグリッドは心配するものの、皆は段々奇妙な異変にもなれていった。



 クランは奇妙にも、誰もが戦慄するそんな状況でも一人、平然とわらっていた。というより、ニヤニヤしているという感じだった。明らかに異様だったが、誰もが、あるいはアイリーンがやけに無頓着だったためか、誰もそれに触れなかった。



 それどころか、彼は、歌も、得意だという踊りも、あるいはその容姿もずばぬけていたので、むしろ彼への疑いは晴れ、人気者になっていったのだった。



 その夜エリサがマルグリッドの所を訪ねる。本当はプラグもついてきてといわれたのだが、プラグはこっそり、マルグリッドの部屋の外で聞き耳を立てていた。

「なんだか、おかしいよ、あの子がきてから」

「どうしてそう思うの?」

「トラブル続きだし、彼は笑っているし、私の人形だっていたずら書きされていたの」

「?」

 マルグリッドがその手元を見ると、別のマルグリッド人形があった。

「いくつもあったのね」

「だって、皆も欲しがるから、本当はシスター・マルグリッドに作ったのが一番力をいれたんだけどね、秘密だよ!」

「ふふ」

 マルグリッドは、ベッドの脇のエリサの頭をそっとなでていった。

「“きっと、偏見をもったままでは、その人を本当に見る事はできない”私がいつも心がけていることよ、本当のその人が見えるまで、注意深くみてあげなさい」

 マルグリッドがそういうと、エリサは彼女の膝に頭をおろし、

「うん」

 と答えた。 
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