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友の情と愛の情
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【ショッピングモール】
「うんうん…そうなんだ。分かった、気を付けて帰ってね。うん、また明日ね…」
「なんだって?」
「ロミータちゃんと電話で落ち合えたから、2人で家に帰るってさ」
結局、梨香を見つけられなかった亜沙美は、太一と電話で合流し一緒に帰ることにした。梨香が何故あの場から急に逃げ出したのか?
その理由を太一は薄々と気付いているが…亜沙美は理解していないようだ
【竹取家】
流石に7月だけあって今日は温度が高かったし、梨香を追い掛けて走ったりして喉が渇いた亜沙美は、そのまま太一を家にあげ一緒に冷たい飲み物を飲んでいた
「ねぇ太一。ひとつ聞いても良いかな?」
「ん?何だよ?」
「今日さ…作った家のスペアキーを太一にあげたじゃん。梨香ちゃんさ、私が思うにソレを見たから走り出して行った。って気がするんだけど…なんでなのかなぁ?」
「お前なぁ……」
この亜沙美の言い方から、亜沙美は太一の事を異性としての対象として見ていない事を確信した太一
反対に梨香は、おそらく自分に多少なりとも異性としての認識を持ってくれているハズだと感じた出来事だった。でなければスペアキーを渡す間柄の2人を、からかうなり茶化すなりすれば良いからだ
今年に入って太一は、幼なじみの亜沙美が不登校になっている事を心配して、彼女の助けになれば!とアレコレ世話を焼いてきた。そうしているウチに亜沙美の可愛さを認識し、恋人同士になれたら良いな。と思うようになっていた
友の情が愛の情へと変わりかけている頃だった
梨香にしても優しい親戚の異性の男である太一を、友達以上恋人未満くらいへの心境の変化があったのだろう。でなければ、あんな行動にはならないハズだから。と太一なりの結論をだしたのだが…
「何か機嫌の悪い事でもあったのかな?…まぁ良いや、ラーメン食べない?インスタントで良かったら作るよ。たくさん歩いたしお腹空いたでしょ?」
「お、おう…」
そう言うと亜沙美は、太一の返事を聞いているのか?聞いていないのか?足はやにキッチンに向かいラーメンを作り始めた
「はい、どーぞ。食べよ♪」
亜沙美の好きな【水の要らないラーメン】をお鍋で温めたものに生卵を落とした即席ラーメンが、太一の前に差し出された
「ズルズル…ん!冷凍ラーメンもかなり美味いな…」
「でしょー!これ食べたらカップラーメンじゃ満足出来なくなるよね~♪最近はもうコレ一択なんだよ!味噌味とか最高なんだよ!」
梨香は自分に対して異性への感情を抱いてくれている。ような気がする太一。だが…自分と梨香の心を掻き乱している当の本人である亜沙美の態度からは、異性への感情などは一切感じられなかった。タダの友人なのだろう。昔から知っている分だけ仲の良いだけの友人
「ご馳走様。美味しかったよ」
「どういたしまして…私もご馳走様♪」
亜沙美は2人分の食器を下げ、取り敢えず水に浸して脂分の剥離をする。こうして少しの時間置いておくと、後で洗う時に楽に洗えるからだ
「それとさ太一、汗かいてない?」
「あぁそうだな。暑かったしな…」
「じゃあさ、今からサクッとシャワー浴びてきて良い?スグに出てくるからさ、太一はお菓子でも摘(つま)んでてよ」
「…………おい!お前なぁ、何考えてんだよ」
そう言うと太一は席から立ち上がり、椅子から立ち上がろうとしていた亜沙美に近寄り、彼女を見下ろしながら話し掛けた
「ちょ、ちょっと太一どうしたのさ?えっ!?私なにか怒らせるようなこと言ったかな?」
昔から男っぽい遊びが好きで、友達と男女分け隔てなく遊んできた亜沙美は…昨年の父親の事故死以来、人見知りと引き籠もりを発症させてしまい男女の恋愛関係というものに全く興味を示さなかった
そんな亜沙美には、今日の梨香の反応や異性の太一がいる前だけど「シャワー入ってくるから待ってて」と気軽に言ったことに対して怒っている太一の気持ちが、全く理解出来ていなかった
年頃の男の前で「シャワーに行く」と言えば…人によって強弱の差はあるだろうけど、多少なりエッチぃ展開になってしまうかも?と考えるものだろう。だが、亜沙美の表情からはそんな考えは一切感じられなかった
と言うことは…亜沙美から見たら太一は肉体関係の異性になる可能性がある相手としては、全く眼中に無い!と言われている様なものだから、太一からすれば当然面白くない話だった
「え?え?どうしたの太一?」
つまりは、亜沙美から見て太一は「友達以上恋人未満」な存在だという事だ。もちろん、この先それ以上に発展する可能性もあるし、亜沙美も密かにソレを願ってはいるのだが…現状では太一を異性と強く認識するには至ってないのだ
続く
「うんうん…そうなんだ。分かった、気を付けて帰ってね。うん、また明日ね…」
「なんだって?」
「ロミータちゃんと電話で落ち合えたから、2人で家に帰るってさ」
結局、梨香を見つけられなかった亜沙美は、太一と電話で合流し一緒に帰ることにした。梨香が何故あの場から急に逃げ出したのか?
その理由を太一は薄々と気付いているが…亜沙美は理解していないようだ
【竹取家】
流石に7月だけあって今日は温度が高かったし、梨香を追い掛けて走ったりして喉が渇いた亜沙美は、そのまま太一を家にあげ一緒に冷たい飲み物を飲んでいた
「ねぇ太一。ひとつ聞いても良いかな?」
「ん?何だよ?」
「今日さ…作った家のスペアキーを太一にあげたじゃん。梨香ちゃんさ、私が思うにソレを見たから走り出して行った。って気がするんだけど…なんでなのかなぁ?」
「お前なぁ……」
この亜沙美の言い方から、亜沙美は太一の事を異性としての対象として見ていない事を確信した太一
反対に梨香は、おそらく自分に多少なりとも異性としての認識を持ってくれているハズだと感じた出来事だった。でなければスペアキーを渡す間柄の2人を、からかうなり茶化すなりすれば良いからだ
今年に入って太一は、幼なじみの亜沙美が不登校になっている事を心配して、彼女の助けになれば!とアレコレ世話を焼いてきた。そうしているウチに亜沙美の可愛さを認識し、恋人同士になれたら良いな。と思うようになっていた
友の情が愛の情へと変わりかけている頃だった
梨香にしても優しい親戚の異性の男である太一を、友達以上恋人未満くらいへの心境の変化があったのだろう。でなければ、あんな行動にはならないハズだから。と太一なりの結論をだしたのだが…
「何か機嫌の悪い事でもあったのかな?…まぁ良いや、ラーメン食べない?インスタントで良かったら作るよ。たくさん歩いたしお腹空いたでしょ?」
「お、おう…」
そう言うと亜沙美は、太一の返事を聞いているのか?聞いていないのか?足はやにキッチンに向かいラーメンを作り始めた
「はい、どーぞ。食べよ♪」
亜沙美の好きな【水の要らないラーメン】をお鍋で温めたものに生卵を落とした即席ラーメンが、太一の前に差し出された
「ズルズル…ん!冷凍ラーメンもかなり美味いな…」
「でしょー!これ食べたらカップラーメンじゃ満足出来なくなるよね~♪最近はもうコレ一択なんだよ!味噌味とか最高なんだよ!」
梨香は自分に対して異性への感情を抱いてくれている。ような気がする太一。だが…自分と梨香の心を掻き乱している当の本人である亜沙美の態度からは、異性への感情などは一切感じられなかった。タダの友人なのだろう。昔から知っている分だけ仲の良いだけの友人
「ご馳走様。美味しかったよ」
「どういたしまして…私もご馳走様♪」
亜沙美は2人分の食器を下げ、取り敢えず水に浸して脂分の剥離をする。こうして少しの時間置いておくと、後で洗う時に楽に洗えるからだ
「それとさ太一、汗かいてない?」
「あぁそうだな。暑かったしな…」
「じゃあさ、今からサクッとシャワー浴びてきて良い?スグに出てくるからさ、太一はお菓子でも摘(つま)んでてよ」
「…………おい!お前なぁ、何考えてんだよ」
そう言うと太一は席から立ち上がり、椅子から立ち上がろうとしていた亜沙美に近寄り、彼女を見下ろしながら話し掛けた
「ちょ、ちょっと太一どうしたのさ?えっ!?私なにか怒らせるようなこと言ったかな?」
昔から男っぽい遊びが好きで、友達と男女分け隔てなく遊んできた亜沙美は…昨年の父親の事故死以来、人見知りと引き籠もりを発症させてしまい男女の恋愛関係というものに全く興味を示さなかった
そんな亜沙美には、今日の梨香の反応や異性の太一がいる前だけど「シャワー入ってくるから待ってて」と気軽に言ったことに対して怒っている太一の気持ちが、全く理解出来ていなかった
年頃の男の前で「シャワーに行く」と言えば…人によって強弱の差はあるだろうけど、多少なりエッチぃ展開になってしまうかも?と考えるものだろう。だが、亜沙美の表情からはそんな考えは一切感じられなかった
と言うことは…亜沙美から見たら太一は肉体関係の異性になる可能性がある相手としては、全く眼中に無い!と言われている様なものだから、太一からすれば当然面白くない話だった
「え?え?どうしたの太一?」
つまりは、亜沙美から見て太一は「友達以上恋人未満」な存在だという事だ。もちろん、この先それ以上に発展する可能性もあるし、亜沙美も密かにソレを願ってはいるのだが…現状では太一を異性と強く認識するには至ってないのだ
続く
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