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憎奪戦争編
日の本の剣士
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【古代遺跡ダンジョン地下2F】
「聞いたぞ。お主ら制圧や殲滅ではなく、調査と訓練に来たらしいな。だが!ここまでにしておけ…ここより下は【この世の地獄】らしいからな。俺と試合し満足したなら、それで引き返すんだ!」
地下3Fへの階段を守るフロアマスターの男は、いかにも侍風の男だ。が、ギラギラした殺意とかはなく、優しさと礼儀正しさ。の様なものが感じられる
「じゃあエリエスちゃん。まずはアタシ達から相手してもらおうよ!」
「そ、そうですね…」
立ちはだかる男が、殺戮マシーンの類ではないことを知り緊張が少し緩んだアリスは、剣の訓練を始めるような気持ちで立ち向かう。そに対してエリエスは、男から何か異質な雰囲気を感じていた
「相手はしてやるがよ…2対1なんだ。がっかりさせるんじゃないぞ……行くぞっ!」
そう言うと男はイキナリ加速し、アリス目掛けて突進してきた!
「っちぇい!」
アリスは右のソードを一刀両断するつもりで振り下ろすが、更に上の速度で回避され一瞬で背後を取られ、襲ってくる剣戟を辛(から)くも左の小刀で受け止める。が…
「ドボオッ!」
鳩尾(ミゾオチ)に膝蹴りを入れられ、続け様に日本刀を振り下ろされる!
「バギィ!!」
なんとかギリギリのタイミングでソードでガードしたが、今度は胸板を蹴り飛ばされ集落の壁に激突させられた!
「あぎゃっ!」
「お姉さまっ!?」
僅か数秒での流れる様な攻撃に、手を出す暇も無かったエリエス
「ちっ!黒龍(ブラックドラゴン)達を潜(くぐり)り抜けて来たから少しは期待したがよ…この程度なら肩透かしだな……大怪我しないうちに帰んな!もっともっともっと強くなってから、再び来るが良い」
アリスも決して弱い剣士ではないのだが、侍風の男の強さがあまりに隙のない動きだった為、他者の剣を我流ミックスして戦っているアリスには、あまりにも分が悪い相手だった
「アリスお姉さまは決して弱い人ではありません。1度私と引き分けているのですから」
「なんだと!?まさか、お前さんもさっきのお嬢ちゃんと同等レベルでしか無い。なんて言わないよなぁ?それは勘弁だぜぇ」
侍風の男は今度は突進と共に、剣を薙ぎ払うように振って攻撃してきた!
「ガイィン!」
エリエスは握り手の近くの刃で侍風の男の剣を止め、剣戟のチカラの流れを下方へ押し込むと、そのままエクスカリバーを上へ流す形で男の喉元を狙った!
「くっ!?」
紙一重のところでエリエスのエクスカリバーから回避する事に成功した男は、イッキに後方へ飛びエリエスと距離を取った
「おいおい…どこが、さっきのお嬢ちゃんと互角だよ!明らかにお前さんの方が強えーじゃねえか」
流れる様な無駄のない動きをする男に対して、我流で直感的な動きをするアリスでは、かなり分が悪いのだが…王宮騎士団に勤めていた祖父のヘパイトスから、1流の剣術を叩き込まれて冷静沈着に戦うエリエス
更に彼女は基礎型超人類特有の細かいデータ分析があるので、侍の剣術の型を極めたような男には有利だった。つまり、明暗を分けたのは彼の剣術との相性だった
「アリスお姉さまが弱くない事を、私の剣で証明してみせます!」
「おもしれぇじゃねーか、その細い身体で証明してみせやがれ!」
エリエスが凄腕の剣士の割りに身体が細いのは、何も不健康とか筋力不足とかではない。超人類として遺伝子操作などを複雑に組み込まれているので、無駄な肉を極限まで削ぎ落とされている身体だからだ
凄まじい速さで切り結び会う侍風の男とエリエス。ほぼ互角の戦いが繰り広げられていた
【通路待機のカルーアたち】
「似ている…あの女の戦い方に…」
「んっ!?あの男の戦い方が誰に似てるって?」
侍風の男の動きに、エルドラド王国跡で襲ってきたミオランダの強さを思い出しているカルーア
「斬撃による衝撃波を放って来ない。っていう点を除いたら、あの男とミオランダって女の戦い方がソックリなんだよ」
侍風の男とミオランダに何か関係が有るのではないか?と疑うカルーア
【エリエスVS侍風の男】
「強いなアンタ…ところで質問だが…」
「はぁはぁ…何でしょうか?」
「ガッツリ全力を出しても構わねーか?」
「良いですよ…私も全力を出します!」
お互いの強さを認め合い互いに全力を出す!と宣言する2人。侍風の男に吹き飛ばされたアリスが起き上がり、羨望(せんぼう)の眼差しでエリエスを見つめていた
(アタシもエリエスちゃんみたいな、安心感のある強さが欲しい……そうじゃなきゃ…妹達を安心させてあげられないよぉ!)
進化型超人類として凄まじい速度で強くなるカルーアと、生まれ変わり天使族になった事で大陸中でもトップクラスの回復力を持ったサーシャ
先程ヨシュアから
「お前も十分に強くなっている。気にするな!」と、言われてはいたが…目の前で戦う2人を見ていると、自分の弱さを見せつけられている様な気がして、気付かぬうちに涙を流しているアリス
「いいなぁ…アタシももっと強くなりたいよぉ…はぁはぁ…みんなから頼られまくる強さが欲しいよぉ…」
アリスは乱された呼吸を整えながら、エリエスと侍風の男の戦いを見守っていた
「行きますっ!基礎型超人類エリエス【安全装置解除(システムバースト)】!」
エリエスは活動時間の制限を受けるが、短時間だけステイタスマックス状態で戦う為のリミッターを解除した。そしてイッキに侍風の男に襲いかかろうとしたのだが…
「何だと!?…待てっ!!」
「な、何ですか?」
エリエスの動きを手を挙げて抑制した侍風の男。彼は日本刀を鞘に納めると戦闘を止めた
「まさか…お前さんも基礎(ベース)型超人類なのか?」
「お前さんも…って事は貴方も超人類なのですか!?」
エリエスが基礎(ベース)型超人類と知り、動きを止めた侍風の男
「俺の後期型は全滅させられたと…風の噂に聞いていたが…そうか、生き残りが居たのか…」
そう言うと侍風の男は地下3Fに行く為の部屋の手前まで行き、2つあるレバーの片方を下におろした
「フヒュー…」
ミャンジャム達を遮っていた見えない壁の辺りで、静かな機械音がなった
「壁が消えました~」
2人1組み。と制限していた見えない壁は消え、分断されていたミャンジャム達はエリエス達の元へ駆け付けた
恐ろしい程……を軽く超える次元の強さを持ち合わせた侍は、エリエスと同じく基礎型超人類だった
古代遺跡ダンジョンの地下2階で再会した2人。この出会いはエリエスやアリスに何をもたらすのだろうか?
続く
「聞いたぞ。お主ら制圧や殲滅ではなく、調査と訓練に来たらしいな。だが!ここまでにしておけ…ここより下は【この世の地獄】らしいからな。俺と試合し満足したなら、それで引き返すんだ!」
地下3Fへの階段を守るフロアマスターの男は、いかにも侍風の男だ。が、ギラギラした殺意とかはなく、優しさと礼儀正しさ。の様なものが感じられる
「じゃあエリエスちゃん。まずはアタシ達から相手してもらおうよ!」
「そ、そうですね…」
立ちはだかる男が、殺戮マシーンの類ではないことを知り緊張が少し緩んだアリスは、剣の訓練を始めるような気持ちで立ち向かう。そに対してエリエスは、男から何か異質な雰囲気を感じていた
「相手はしてやるがよ…2対1なんだ。がっかりさせるんじゃないぞ……行くぞっ!」
そう言うと男はイキナリ加速し、アリス目掛けて突進してきた!
「っちぇい!」
アリスは右のソードを一刀両断するつもりで振り下ろすが、更に上の速度で回避され一瞬で背後を取られ、襲ってくる剣戟を辛(から)くも左の小刀で受け止める。が…
「ドボオッ!」
鳩尾(ミゾオチ)に膝蹴りを入れられ、続け様に日本刀を振り下ろされる!
「バギィ!!」
なんとかギリギリのタイミングでソードでガードしたが、今度は胸板を蹴り飛ばされ集落の壁に激突させられた!
「あぎゃっ!」
「お姉さまっ!?」
僅か数秒での流れる様な攻撃に、手を出す暇も無かったエリエス
「ちっ!黒龍(ブラックドラゴン)達を潜(くぐり)り抜けて来たから少しは期待したがよ…この程度なら肩透かしだな……大怪我しないうちに帰んな!もっともっともっと強くなってから、再び来るが良い」
アリスも決して弱い剣士ではないのだが、侍風の男の強さがあまりに隙のない動きだった為、他者の剣を我流ミックスして戦っているアリスには、あまりにも分が悪い相手だった
「アリスお姉さまは決して弱い人ではありません。1度私と引き分けているのですから」
「なんだと!?まさか、お前さんもさっきのお嬢ちゃんと同等レベルでしか無い。なんて言わないよなぁ?それは勘弁だぜぇ」
侍風の男は今度は突進と共に、剣を薙ぎ払うように振って攻撃してきた!
「ガイィン!」
エリエスは握り手の近くの刃で侍風の男の剣を止め、剣戟のチカラの流れを下方へ押し込むと、そのままエクスカリバーを上へ流す形で男の喉元を狙った!
「くっ!?」
紙一重のところでエリエスのエクスカリバーから回避する事に成功した男は、イッキに後方へ飛びエリエスと距離を取った
「おいおい…どこが、さっきのお嬢ちゃんと互角だよ!明らかにお前さんの方が強えーじゃねえか」
流れる様な無駄のない動きをする男に対して、我流で直感的な動きをするアリスでは、かなり分が悪いのだが…王宮騎士団に勤めていた祖父のヘパイトスから、1流の剣術を叩き込まれて冷静沈着に戦うエリエス
更に彼女は基礎型超人類特有の細かいデータ分析があるので、侍の剣術の型を極めたような男には有利だった。つまり、明暗を分けたのは彼の剣術との相性だった
「アリスお姉さまが弱くない事を、私の剣で証明してみせます!」
「おもしれぇじゃねーか、その細い身体で証明してみせやがれ!」
エリエスが凄腕の剣士の割りに身体が細いのは、何も不健康とか筋力不足とかではない。超人類として遺伝子操作などを複雑に組み込まれているので、無駄な肉を極限まで削ぎ落とされている身体だからだ
凄まじい速さで切り結び会う侍風の男とエリエス。ほぼ互角の戦いが繰り広げられていた
【通路待機のカルーアたち】
「似ている…あの女の戦い方に…」
「んっ!?あの男の戦い方が誰に似てるって?」
侍風の男の動きに、エルドラド王国跡で襲ってきたミオランダの強さを思い出しているカルーア
「斬撃による衝撃波を放って来ない。っていう点を除いたら、あの男とミオランダって女の戦い方がソックリなんだよ」
侍風の男とミオランダに何か関係が有るのではないか?と疑うカルーア
【エリエスVS侍風の男】
「強いなアンタ…ところで質問だが…」
「はぁはぁ…何でしょうか?」
「ガッツリ全力を出しても構わねーか?」
「良いですよ…私も全力を出します!」
お互いの強さを認め合い互いに全力を出す!と宣言する2人。侍風の男に吹き飛ばされたアリスが起き上がり、羨望(せんぼう)の眼差しでエリエスを見つめていた
(アタシもエリエスちゃんみたいな、安心感のある強さが欲しい……そうじゃなきゃ…妹達を安心させてあげられないよぉ!)
進化型超人類として凄まじい速度で強くなるカルーアと、生まれ変わり天使族になった事で大陸中でもトップクラスの回復力を持ったサーシャ
先程ヨシュアから
「お前も十分に強くなっている。気にするな!」と、言われてはいたが…目の前で戦う2人を見ていると、自分の弱さを見せつけられている様な気がして、気付かぬうちに涙を流しているアリス
「いいなぁ…アタシももっと強くなりたいよぉ…はぁはぁ…みんなから頼られまくる強さが欲しいよぉ…」
アリスは乱された呼吸を整えながら、エリエスと侍風の男の戦いを見守っていた
「行きますっ!基礎型超人類エリエス【安全装置解除(システムバースト)】!」
エリエスは活動時間の制限を受けるが、短時間だけステイタスマックス状態で戦う為のリミッターを解除した。そしてイッキに侍風の男に襲いかかろうとしたのだが…
「何だと!?…待てっ!!」
「な、何ですか?」
エリエスの動きを手を挙げて抑制した侍風の男。彼は日本刀を鞘に納めると戦闘を止めた
「まさか…お前さんも基礎(ベース)型超人類なのか?」
「お前さんも…って事は貴方も超人類なのですか!?」
エリエスが基礎(ベース)型超人類と知り、動きを止めた侍風の男
「俺の後期型は全滅させられたと…風の噂に聞いていたが…そうか、生き残りが居たのか…」
そう言うと侍風の男は地下3Fに行く為の部屋の手前まで行き、2つあるレバーの片方を下におろした
「フヒュー…」
ミャンジャム達を遮っていた見えない壁の辺りで、静かな機械音がなった
「壁が消えました~」
2人1組み。と制限していた見えない壁は消え、分断されていたミャンジャム達はエリエス達の元へ駆け付けた
恐ろしい程……を軽く超える次元の強さを持ち合わせた侍は、エリエスと同じく基礎型超人類だった
古代遺跡ダンジョンの地下2階で再会した2人。この出会いはエリエスやアリスに何をもたらすのだろうか?
続く
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