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憎奪戦争編
恨みの連鎖
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【マリニウム城 正門前】
聖騎士勇者隊と三姉妹+ヨシュアと城の騎士たち8名と、ランドルフとホーネット+ヴォィドルフ10体、古代兵器(パワードスーツ)を纏ったランバードとその部下3人が対峙している
「ランバード!覚悟は良いですか?クラウンの聖騎士ミャンジャムが国家転覆を企んだ罪により、貴方に裁きを下します!」
「調子に乗るなっ!返り討ちだっ!」
正門前では、この騒乱の最後の戦いになるであろう火蓋が切って落とされた。魔人ランドルフは本能的にヨシュアの潜在能力の高さを察知し、他には目もくれず彼に突進した
「ガキィィ!」
とんでもなく鋭い1撃をソードで防いだヨシュア。2撃目は素早く回避し間合いを取った
「強えなアンタ…最近、柄にもなく教育係ばっかりしてたからな、本気で戦えそうな相手に出会えて嬉しいなぁ!」
ヨシュアから滲み出る負のオーラの巨大さに驚くランドルフとは対照的に、久しぶりの血が沸き踊る相手に悦びを抑えられないヨシュア。一方ミャンジャムは…
「くっ!戦闘は素人のハズなのに……」
「くはははは!どうした聖騎士さんよ!さっきまでの威勢はハッタリかぁ?」
古代兵器【ベイオネット】とシンクロしているミャンジャムは、以前よりも1段上の動きを魅せているのだが…武装型古代兵器(パワードスーツ)の戦闘用サポートの高さが、素人のランバードの動きをミャンジャムと五分に戦えるまでに引き上げていた
【マリニウム城 正門】
「ヒイロ君。そこの扉から入れるぞ……うおっ!?」
ロベルトとヒイロが正門から場内に入ろうとした時、ぶつかる様に中から飛び出してきたラデュード。彼は布で包んだ大きな荷物を背に縛り走り去って行った
「大丈夫でしたか?」
「あぁ、問題はないが…あの男、何を背負っていたんだ?火事場泥棒という奴か?」
城から出てきたラデュードに不信感を抱いたロベルトだが、その時、城の外壁が大きく崩れ落ちてきた
「ボゴォッ!」
「大丈夫ですか?ロベルトさん!」
「大丈夫だ…しかし、ここまで崩壊が進んでいては人1人見つけるのも困難だな…急ごう」
崩れた城の1部は幸い、2人からやや離れた位置に落ちたので怪我などはしなかった。しかし、城の崩壊が気になったロベルトはラデュードを放置して城内に突入した
【衛生所】
「あ!エセックス様。これは手酷い傷を負われましたな治療を致します…少し時間をくだされ」
回復主任であるミーコの父親が、満身創痍で帰って来たエセックスの治療にあたっていた
「すまねぇな…魔力回復薬(ポーション)は無いか?無理やりに振り絞ってきたからな…」
回復主任は部下に命じて薬品庫から、残り僅かな魔力回復薬(ポーション)を取ってくるように命じた
「しかし、外は凄まじい轟音が鳴り響いていましたが、そんなに戦闘は激しいのですか?」
「それどころじゃねー、10歳くらいに見える少女がよ…山よりも遥か高い大きさで襲いかかってきてな…退治するのに死にかけたぜ…」
「なっ!?…山よりも高い少女ですと?」
(まさか!我が娘ボッチが【でぇたら化】してしまったと言うのか?さっきまで聞こえていた異常な騒音はボッチだったのか…)
ボッチちゃんの父親は、彼女が日本の妖怪【でぇたらぼっち】の運命を継いでいる事を知っている。その名を聞き驚いたが、同時に娘がどうなったのか気になって質問した
「そ、それで…その巨大な少女は、どうなりましたか?」
「俺の奥の手でブチコロシてやったぜ!…俺の槍を心臓にぶっ刺してやったからな…はぁはぁ…流石に死んだだろーぜ。何だか知らんが急に小さくなったからな…」
「そ、そうでしたか…………流石エセックス様ですな…おっと!ここの傷は酷い普通の薬品では間に合いませんな。上物の傷薬を使いましょう…」
「そうか…すまないな…うぐっ、はぁはぁ…」
回復主任は自分の娘、長女のボッチが【でぇたらぼっち化】した後に、目の前にいるエセックスに殺された事を知った。彼が薬品棚から取り出したのは傷薬などではなく…
「ゴクゴク…うぐおっ!?…グハッ!げほ、かはっ…貴様…ナニを使った?」
僅か10数秒でエセックスの顔は土気(ツチケ)色に染まり、吐血までして苦しみ出した
「ソレは…トロールキングをも即死させる猛毒です。流石の貴方様とはいえ、間もなく死に至るでしょうな…」
「ぐうぅ、何故だ?…」
「いくら馬鹿な男でも、最愛の娘を殺した男を目の前にしては正気ではいられないのですよ。私は娘に何もしてやれなかった最低な父親でし…ガハッ!?」
エセックスに超猛毒を盛った理由を明かす回復主任の背後から、エセックスの部下のレキシントンが彼の背中からナイフで心臓の位置を突き刺した
「貴様どういうつもりだ!?化け物を退治したエセックス様に毒を飲ませるなどと…恐怖で錯乱したというのか?」
「レキシントン…」
「しっかりしてくださいエセックス様!今すぐ毒抜きをします!」
「すまねぇ、俺はここまでだ。お前と新天地を開拓する夢は果たせなかったな…ランドルフと合流しろ。奴ならお前の面倒を見てくれ……」
「エセックス様?…イヤアアァァァァアアアァァァァ!!」
そこでエセックスは動かなくなった。回復主任も地に伏して痙攣している。おそらく助からないだろう。そしてレキシントンが立ち尽くしている場に、主任が薬を取りに行かせていた部下が戻ってくる足音が聞こえてきた
「エセックス様、今までお世話になりました。私は生きて貴方の武勇伝を後世に伝えます」
彼の言葉を胸に刻んだイントレピッドは翼をはためかせ、ランドルフを探し戦火の空へ飛び出した
【正門前の戦い】
「【雷光閃撃(ジャムルファルマ)】!…はぁはぁ…邪魔しないでよ!わたしはヒイロに会いたいだけなんだっ!」
カルーアは雷撃系の極大呪文を使った。ロックオンしたポイントに複数の落雷が集約し、そのエネルギーが対照を内部から吹き飛ばす呪文だ
「あーべしっ!!」
武装型古代兵器(パワードスーツ)を着ているランバードの部下が、膨らみ過ぎた風船のように破裂した!魔力抵抗値が非常に高い装備なのだが…雷撃系の極大呪文には耐えられなかったようだ
「うぉのれぃ!よくも我が配下をっ!…聖騎士はまだ分かるが、貴様らのような他所の女(ガキ)には関係ないだろうが、邪魔をするな!」
部下を殺され逆上するランバードだが…
「ふざけないでよっ!お前たちが醜い野望で争いなんか起こさなかったから、わたし達やみんなが幸せに過ごせるんだ!世界に不幸をバラ撒く元凶のお前たちが、好き勝手な事を言わないでよっ!」
度々大きな争いに巻き込まれているカルーアは、ほとほと人の醜さに嫌気がさしていたので人見知り気味な彼女ではあるが、人の目を気にすることなく戦場の中心で咆哮した!
続く
聖騎士勇者隊と三姉妹+ヨシュアと城の騎士たち8名と、ランドルフとホーネット+ヴォィドルフ10体、古代兵器(パワードスーツ)を纏ったランバードとその部下3人が対峙している
「ランバード!覚悟は良いですか?クラウンの聖騎士ミャンジャムが国家転覆を企んだ罪により、貴方に裁きを下します!」
「調子に乗るなっ!返り討ちだっ!」
正門前では、この騒乱の最後の戦いになるであろう火蓋が切って落とされた。魔人ランドルフは本能的にヨシュアの潜在能力の高さを察知し、他には目もくれず彼に突進した
「ガキィィ!」
とんでもなく鋭い1撃をソードで防いだヨシュア。2撃目は素早く回避し間合いを取った
「強えなアンタ…最近、柄にもなく教育係ばっかりしてたからな、本気で戦えそうな相手に出会えて嬉しいなぁ!」
ヨシュアから滲み出る負のオーラの巨大さに驚くランドルフとは対照的に、久しぶりの血が沸き踊る相手に悦びを抑えられないヨシュア。一方ミャンジャムは…
「くっ!戦闘は素人のハズなのに……」
「くはははは!どうした聖騎士さんよ!さっきまでの威勢はハッタリかぁ?」
古代兵器【ベイオネット】とシンクロしているミャンジャムは、以前よりも1段上の動きを魅せているのだが…武装型古代兵器(パワードスーツ)の戦闘用サポートの高さが、素人のランバードの動きをミャンジャムと五分に戦えるまでに引き上げていた
【マリニウム城 正門】
「ヒイロ君。そこの扉から入れるぞ……うおっ!?」
ロベルトとヒイロが正門から場内に入ろうとした時、ぶつかる様に中から飛び出してきたラデュード。彼は布で包んだ大きな荷物を背に縛り走り去って行った
「大丈夫でしたか?」
「あぁ、問題はないが…あの男、何を背負っていたんだ?火事場泥棒という奴か?」
城から出てきたラデュードに不信感を抱いたロベルトだが、その時、城の外壁が大きく崩れ落ちてきた
「ボゴォッ!」
「大丈夫ですか?ロベルトさん!」
「大丈夫だ…しかし、ここまで崩壊が進んでいては人1人見つけるのも困難だな…急ごう」
崩れた城の1部は幸い、2人からやや離れた位置に落ちたので怪我などはしなかった。しかし、城の崩壊が気になったロベルトはラデュードを放置して城内に突入した
【衛生所】
「あ!エセックス様。これは手酷い傷を負われましたな治療を致します…少し時間をくだされ」
回復主任であるミーコの父親が、満身創痍で帰って来たエセックスの治療にあたっていた
「すまねぇな…魔力回復薬(ポーション)は無いか?無理やりに振り絞ってきたからな…」
回復主任は部下に命じて薬品庫から、残り僅かな魔力回復薬(ポーション)を取ってくるように命じた
「しかし、外は凄まじい轟音が鳴り響いていましたが、そんなに戦闘は激しいのですか?」
「それどころじゃねー、10歳くらいに見える少女がよ…山よりも遥か高い大きさで襲いかかってきてな…退治するのに死にかけたぜ…」
「なっ!?…山よりも高い少女ですと?」
(まさか!我が娘ボッチが【でぇたら化】してしまったと言うのか?さっきまで聞こえていた異常な騒音はボッチだったのか…)
ボッチちゃんの父親は、彼女が日本の妖怪【でぇたらぼっち】の運命を継いでいる事を知っている。その名を聞き驚いたが、同時に娘がどうなったのか気になって質問した
「そ、それで…その巨大な少女は、どうなりましたか?」
「俺の奥の手でブチコロシてやったぜ!…俺の槍を心臓にぶっ刺してやったからな…はぁはぁ…流石に死んだだろーぜ。何だか知らんが急に小さくなったからな…」
「そ、そうでしたか…………流石エセックス様ですな…おっと!ここの傷は酷い普通の薬品では間に合いませんな。上物の傷薬を使いましょう…」
「そうか…すまないな…うぐっ、はぁはぁ…」
回復主任は自分の娘、長女のボッチが【でぇたらぼっち化】した後に、目の前にいるエセックスに殺された事を知った。彼が薬品棚から取り出したのは傷薬などではなく…
「ゴクゴク…うぐおっ!?…グハッ!げほ、かはっ…貴様…ナニを使った?」
僅か10数秒でエセックスの顔は土気(ツチケ)色に染まり、吐血までして苦しみ出した
「ソレは…トロールキングをも即死させる猛毒です。流石の貴方様とはいえ、間もなく死に至るでしょうな…」
「ぐうぅ、何故だ?…」
「いくら馬鹿な男でも、最愛の娘を殺した男を目の前にしては正気ではいられないのですよ。私は娘に何もしてやれなかった最低な父親でし…ガハッ!?」
エセックスに超猛毒を盛った理由を明かす回復主任の背後から、エセックスの部下のレキシントンが彼の背中からナイフで心臓の位置を突き刺した
「貴様どういうつもりだ!?化け物を退治したエセックス様に毒を飲ませるなどと…恐怖で錯乱したというのか?」
「レキシントン…」
「しっかりしてくださいエセックス様!今すぐ毒抜きをします!」
「すまねぇ、俺はここまでだ。お前と新天地を開拓する夢は果たせなかったな…ランドルフと合流しろ。奴ならお前の面倒を見てくれ……」
「エセックス様?…イヤアアァァァァアアアァァァァ!!」
そこでエセックスは動かなくなった。回復主任も地に伏して痙攣している。おそらく助からないだろう。そしてレキシントンが立ち尽くしている場に、主任が薬を取りに行かせていた部下が戻ってくる足音が聞こえてきた
「エセックス様、今までお世話になりました。私は生きて貴方の武勇伝を後世に伝えます」
彼の言葉を胸に刻んだイントレピッドは翼をはためかせ、ランドルフを探し戦火の空へ飛び出した
【正門前の戦い】
「【雷光閃撃(ジャムルファルマ)】!…はぁはぁ…邪魔しないでよ!わたしはヒイロに会いたいだけなんだっ!」
カルーアは雷撃系の極大呪文を使った。ロックオンしたポイントに複数の落雷が集約し、そのエネルギーが対照を内部から吹き飛ばす呪文だ
「あーべしっ!!」
武装型古代兵器(パワードスーツ)を着ているランバードの部下が、膨らみ過ぎた風船のように破裂した!魔力抵抗値が非常に高い装備なのだが…雷撃系の極大呪文には耐えられなかったようだ
「うぉのれぃ!よくも我が配下をっ!…聖騎士はまだ分かるが、貴様らのような他所の女(ガキ)には関係ないだろうが、邪魔をするな!」
部下を殺され逆上するランバードだが…
「ふざけないでよっ!お前たちが醜い野望で争いなんか起こさなかったから、わたし達やみんなが幸せに過ごせるんだ!世界に不幸をバラ撒く元凶のお前たちが、好き勝手な事を言わないでよっ!」
度々大きな争いに巻き込まれているカルーアは、ほとほと人の醜さに嫌気がさしていたので人見知り気味な彼女ではあるが、人の目を気にすることなく戦場の中心で咆哮した!
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