引き籠もりVTuber 配信者編

龍之介21時

文字の大きさ
46 / 62

先輩の家で料理配信

しおりを挟む
【マンション某部屋】
「コンコン………」

ロミータはある部屋の前まで来ると、無造作にドアをknockをした

「何で呼び鈴鳴らさなさいのぉ?」

ドアの横には呼び鈴が設置されていた。亜沙美の言うように、普通なら呼び鈴を押して部屋の中に居る人を呼ぶとこだろう。が…

「ガチャ…welcome my home♪さぁ入って」

オリビアに手招きされて中に入る2人



【オリビアの部屋】
「お邪魔させてもらいま~す」

「し、失礼します……うわぁ広くて素敵な部屋ですね!!」

中に入った亜沙美は部屋の広さと綺麗さに驚きの声をあげた

「寝室が八畳、リビングが十畳、あとキッチンが六畳でバスとトイレは別よ♪」

「都内でこんな広い部屋を借りてるなんて先輩は凄いですね」

「そう言えば、先輩とロミータちゃんはさっき、どうして呼び鈴で呼ばなかったんですかぁ?」

呼び鈴があるのにワザワザknockした理由が分からない亜沙美は、素直に2人に聞いていた


「コンプリのメンバーにはknockしてね、って言ってあるの。って事は呼び鈴を押して呼ばれた時は、そんなに親しい人が来た訳じゃないって分かるでしょ?」

「配信者は身バレ防止を考えなくちゃイケナイ!って前から教えているでしょ?knockされた場合は警戒せずにドアが開けられる訳よ」

「ほえぇ…なるほどねぇ。あ、そうだオリビア先輩。どうして私たちを泊めてくださるんですかぁ?」

亜沙美の家は田舎の一軒家だから別物として…数あるショート動画を見ている時に、都内で家賃8万だと結構狭めな部屋しか借りれない事を知っていた亜沙美。オリビアの部屋も都内だから、そんなに広くはないだろう。と考えていたので心底驚いていた

「コンサートプリンセスメンバー10人を、3-3-4で年末に都内で集結させる話が出ていたの。ロミーと亜沙美はセットにって決まっていたから、ここは私が泊めるってみんなに言い聞かせたのよ…ちなみにスノウがイーグルと火影を泊めているわ」

「そうなんですね。オリビア先輩有難うございます!」

今回、メンバー召集用に提供された3家で、1番広いのがオリビアのマンションだと知っていたロミータは素直に感謝した

「有難うございます。それにしても凄く綺麗な部屋ですねぇ♪流石オリビア先輩です♪」

和風テイストな内装と小物で調和され、小綺麗にまとまっている部屋を見た亜沙美は「これが綺麗な大人のお姉さんの部屋だ」と感動して目を輝かせていた

「貴女達を招待することが決まった1ヶ月前から少しずつ、配信の間に掃除していたの。いつもは、ここまで綺麗な訳じゃないの。ははは…」

「何だか気を遣わせちゃったみたいですみません(汗)」

カウントダウンライブまで、亜沙美とロミータを宿泊させてくれる事に立候補してくれたコンサートプリンセスの最古参オリビア・ショーツ(V名はショーツ・アメリカンである)

「良いのよ。竹取さんとは、ゆっくり話してみたいと楽しみにしてたの♪…それと、ロミー…貴女にはよく教え込まない事があるわね。ソレは最古参の私がしなくてはイケないの!」

亜沙美にはマリア様のように優しい笑顔を魅せたオリビアだが、ロミータにはマフィアの女幹部のような鋭い視線を送っていた

「あはは、すみません(汗)」

……………………………………………

「だいたいロミーは攻め過ぎなの!yellow warning(警告)まで出たらしいじゃないの!」

「で、でも、垢BANされるラインは守ってしてましたよ?その方が視聴者には受けますし」

オリビアが怒っているのは…ロミータがエッチぃ内容の配信をし過ぎだ!という事らしい(主に亜沙美に対してのこと)

「黙りなさいっ!私にはコンプリの最古参としての立場があるの!やるな、とは言わないけどもう少し自重しなさいっ!」

あそこまでエッチぃ内容の配信をしているのを知っていて、この事務所の最古参である自分が注意しなかったら、他のメンバーに示しが付かないのだろう


「あ、あのオリビア先輩。そろそろ配信の準備を始めませんか?」

「オーノー!後20分しかないじゃないの…お説教の続きは次の機会にね。じゃあ準備しましょうか?」

「料理配信はロミーの枠ってことで良いんですよね?」

「ええ良いわ。その後の、案件のゲーム実況は私の枠で、最後は亜沙美ちゃんの枠ね。17時から80分。18時30から80分。20時から80分…つまり、17時から21時20分までは配信漬けの1日だから、気合い入れて頑張りましょうね♪」

「頑張りましょうっ!」

「頑張りますぅ♪」

今夜はトリプルコラボを、それぞれの枠でイッキに3つ連続でするようだ

……………………………………………

【17時】
「皆さんこんばんわ。【コンサートプリンセス】の1期生ショーツ・アメリカンよ♪今夜もみんなに逢えて嬉しいニャン♪」

「Good evening, everyone.[concert princess ] 1st-grade shorts American ♪ I'm happy to see everyone again tonight nyan」

「今夜は予定通りロミーとアミの2人がゲストで来てくれているの。3人でそれぞれの母国の家庭的な料理を作る配信ニャン♪」

「Romie and Ami are coming as guests tonight as planned. It's a distribution where the three of us make home-style dishes from each country nyan♪」

✱「美味しそう♪」
✱「ショーツの手料理食いて~」
✱「nice choice!」
✱「エプロン姿良き」
✱「アミロミーも来てるのか」
✱「賑やかになりそ♪」

オリビアはいつも通りに、頭に猫耳を付けた姿のアバターで配信を始めた。彼女は日本語で話した後に、英語でも同じ内容を復唱している。人によっては「会話のテンポが悪いから苦手だ」と言うリスナーも居るようだが、彼女は自分の配信を楽しみにしている日本人のリスナーも、アメリカ人のリスナーも大切にしたいので敢えてそうしているようだ

(ちなみに以前までは「ホームステーションの」と言っていたのだが、VTuber部門が本体から独立したので「コンサートプリンセスの」と言うように変えたらしい)

「ど、どうも~。AA(ダブルエー)ブイチューバーの浅宮アミです…ショーツ先輩のリスナーの皆さん、こんばんは。お邪魔します…」

✱「こんばんは」
✱「こんアミーゴ」
✱「アミちゃんカワヨ」
✱「こんアミー」
✱「可愛いね~」

大先輩のオリビアのリスナーに自分が受け入れられるのか?心配していた亜沙美だったが、彼女のリスナーは快く迎えてくれた(恐らくアミーゴも居るのだろう)


「こんロミー。イングランド系ブイチューバーのロミー・イングランドよ。今夜はショーツ先輩のお部屋と配信にお邪魔させてもらうわね♬」

✱「こんロミー」
✱「いらっしゃいませ~」
✱「ロミーちゃんチワ」
✱「久しぶりのオフコラボだ」
✱「今日も期待してるよ」
✱「ロミーちゃんも作るの?」

「リスナーのみんなありがとう♬今日は、イングランドの美味しい家庭料理を作っちゃうわ!ところで、オリビア先輩は何を作るのですか?」

「質問ありがとうねロミー。私は実家でよく両親が作ってくれた【テキサスハンバーガー】と【コンソメスープ】を作るわ」

「テキサスハンバーガーって何ですかぁ?」

ハンバーガーはもちろん知っている亜沙美だが、テキサスと名のつく意味を聞いた

「一般的なハンバーガーよりも多めに香辛料を入れるのよ。それと、パティに微塵切りした野菜を多く入れてヘルシーなのよ」

「どんな味がするのかワクワクしちゃいます♪」

「ありがとう。楽しみにしててね。ところでロミーは何を作るの?」

「先輩がハンバーガーを作ると聞いていましたので…ロミーは【ヨークシャープディング】を作るわっ」

ロミータもオリビアと同じようにエプロンを付けながら、彼女の問いに答えた

「ヨークシャープディングってなぁに?」

「デザートよ。本当はサンデーロースト(ポテトがメインの料理)の付け合せにするのだけど、ショーツ先輩がハンバーガーを作るって聞いたから、野菜マシマシでオカズになるように作るわ」

「あら美味しそうね。ところでアミは何を作るの?」

「2人に比べたら簡単で申し訳ないなぁ、って思うんですけど鶏そぼろ丼を作ろうと思います…」

亜沙美は自分だけ簡単に作れるメニューで申し訳無さそうな顔をした。しかし、それには彼女なりの理由があった


「ロミーちゃん、何か手伝えることあるぅ?」

「じゃあ、この生地をコネてもらえる?」

「本当に2人は仲良いわね♪」

亜沙美は、自分の料理に簡単なモノを選ぶことで、ロミータやオリビアの手伝いをする気だったのだ

✱「3人仲良さそう」
✱「楽しんでるね」
✱「エプロン姿良き」
✱「良い匂いしてきそう」
✱「3姉妹みたい」
✱「楽しそう」

初めてのメンバーでの3人コラボだったが、初対面故のギクシャクした空気感は全く感じられなかった

それどころか、亜沙美が2人の調理を交互に手伝っている時の会話から、仲良さそうな雰囲気が配信に漂っていたので、見ているリスナーも優しい気持ちで視聴していた



続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

処理中です...