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イシス王国&ドルイド王国編
三姉妹VS魔装機兵
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【暴れ回る魔操機兵】
ヴァンパイア達との戦いはアドル達の勝利で終わるかと思われた時、吸血鬼オデュッセウス伯爵は魔法陣を描き魔操機兵を召喚した
「おやおや…いつぞやのお嬢さん達か…ヒイロの奴は居ないのか?…まぁ良いだろう、お前達の亡骸を届け、奴の絶望する顔を拝んでやるぜ!」
かつて温泉宿の帰り道で、襲いかかりヒイロに撃退された【ケヌマ・ロウヤ】が魔装機兵を操り三姉妹に立ち塞がった
「どういう事ですの?貴方はあの後、保安隊に捕まった筈ですの?」
「あんな窮屈(キュウクツ)な所、さっさと抜け出してやったぜ!その後、世界各地を転々としたある日【古代の遺産発掘される研究者求む】と言う書き込みを目にしてな、鍛冶など忘れて古代文明の解析に没頭したぜ
そして、この魔操機兵が稼働状態まで持ってこれた頃、オデュッセウスに拉致された。って訳だ」
「なら何故、ソレを使ってでも逃げなかったんだい?そのチカラがソレには有るだろう?」
「俺にとっては人間側だろうが、魔族側だろうが…そんなの関係ねぇんだよ!それに、コイツの構造を知った学者先生達はコイツを封印しようとしやがったんだ。有り得ねぇよなぁ!コイツの完成を目指すならどの道、魔族側の方が都合が良いんだよ」
「アナタ最低ね!そんな事までして、お兄ちゃんに復讐しようだなんてっ!カッコ悪いわよ」
アリスはプンスカしていた
周りの者達は彼等のやり取りを聞いていたが、ここを好機!と見たリリアは、オデュッセウスの背後から魔法攻撃した
「ぎょべぇぇっ!」
リリアの魔法はオデュッセウスの翼の片方を破壊した。片翼になった彼は飛んでいられなくなり地に落ちた
「ぐぬうぅ!貴方っ!レデイであれば、人の話は最後まで聞くのがマナーでしょうぉう!もう、許せませしぇん!」
「ナイスだよ、リリア!」
地上での戦いならアドルはオデュッセウスに引けを取らない。彼等はケヌマの話はソッチのけで戦い始めた
「お前らなぁ…人の話は最後まで聞けよな……まあ良い。とにかく貴様ら三姉妹は、俺の復讐の為にここでシネ!」
立ちはだかる魔装機兵に対して、狼(ハイラ)がかく乱してアリスが攻撃を始めていた
「十字斬!!」
アリスの渾身の一撃も魔操機兵の装甲には、かすり傷を付ける程度だった
「どうやら姉さんの攻撃では倒せそうにないね…サーシャ魔力回復薬を…」
「でも、今日カルーアお姉様は本来の総魔力で2日分くらいの魔力を既に使ってますの…これ以上は…お姉様が耐えられなくなりますの」
「ありがとうサーシャ…でもね、わたし達は生きて帰るんだよ。帰りを待ってくれている…ヒイロの元に帰らなきゃならないんだ!」
そのセリフには恥ずかしがり屋なカルーアが今まで、付き合い出しているのにヒイロの事を恥ずかしさのせいで、名前で呼べない彼女の気持ちを乗り越える決意が宿っていた
あるいは、再開した姉のアリスがアドルの事を呼び捨てにして話している事に、カルーアも感化されたのかもしれない
「分かりましたの、これで私の手持ち全部ですの。落ち着いたら支援してくださいなの」
カルーアの覚悟を聞き、サーシャも覚悟を決めた。ミスリル製のハンマーを握りしめ立ち上がる
「ふんぬっ!くらいやがれぇですの!」
サーシャは渾身のチカラで投げたハンマーに、たっぷり魔力を流し込んだ!ハンマーは本来の5倍程の大きさに膨れ上がってケヌマを襲う!
大きくなったハンマーが飛んでくるのを察知したケヌマは、寸胴体型の魔操機兵を素早く振り向かせ、飛んできたハンマーを両手でキャッチさせた!
「さすが魔操機兵だ、何ともないぜ!」
サーシャの渾身の一撃は止められてしまったが…
「世界を彩る7精霊よ、我が前に立ち塞がる敵を貫け!【七精守護霊(ハーロウィーン)】!」
カルーアは全ての魔力を総動員し、世界に存在する七つの精霊の魔法力をその身に集約させた!
ハンマーを受け止めている魔操機兵に、休む間もなく超極大魔法で追撃をかけたカルーア
「ぎょべぇばあぁぁっ!」
正面から超極大魔法を浴びる魔操機兵!その表面には対魔法コーティングが施されていたが、【七精守護霊(ハーロウィーン)】でボディの前面は焼き焦がされ、中の配線も何ヶ所か焼き切られた!
「くうっ…もう限界だ…」
僅か数時間で自分の魔力総量の約3倍を、ポーションで回復しては使い回復しては使った反動が、カルーアを襲った!激しい目眩と強烈な頭痛と吐き気に襲われていた。両膝を地に着けた彼女(カルーア)は、虚ろな目で魔操機兵を眺めた
「馬鹿なっ!幾重にも施した対魔法処理がぁ…なんなんだ、あの小娘は!?なんなんだ、あの魔法は!?」
ケヌマが緊急ボタンを押すと、天井のハッチとボディのカバーが外れた
「魔力切れか?気を失ったのか?…おい起きろ!起きて魔力を供給しろ!」
ボディのカバーが外れたその内側に、水槽の中に縛り付けにされているハイエルフが居た。ソレを見て驚愕するカルーア
「か、母さァァァん!」
「えっ?カルーアの…」
アリスとサーシャは驚いた。魔操機兵の胴体の中に固定され、動力源となっているエルフの美しい女性、ソレを「母さん」と呼ぶカルーア
「ええいっ!気絶しているのか?…高い薬だが仕方ない…コレをやるから目覚めろ!働け!」
ケヌマは操縦席の床にある、給油口みたいな蓋を取り、瓶に入った真っ赤な薬品を流し込んだ
するとハイエルフの女性が居る水槽の中に、ケヌマが流し込んだ真っ赤な薬品が入って来た
「グゲゴゴゴっ…」
その薬品が入って来ると、明らかに水槽の中のハイエルフは苦しみだした。しかし、弱々しいが魔操機兵が再び動き出した
「くそっ!やっぱりまだ、魔力伝達の効率が悪いのか?ハイエルフを動力源にしているのに、もう活動限界だとは…」
魔操機兵の動きが弱っているうちに、背後から攻撃しようとするアリス
横に居る狼(ハイラ)が魔操機兵と反対の方を見た。先程吹き飛ばして気絶させていた吸血姫(コハラコ)がゆっくり起き上がろうとしていた
魔操機兵は全体的に動きが鈍っていたが魔法の使い過ぎで、その場から全く動けないカルーア目掛けて突進する
「潰れろ小娘!」
魔操機兵がカルーア目掛け拳を振りかざす
「WRYYYYYY!」
アリスが【獣人化(ヴォイドルフ)】を使い肉体性能を強化して、魔操機兵の右腕を切り落とした
「ぬあっ!なんだと!?」
カルーアの超極大呪文に焼かれた魔装機兵のボディは著しく防御力が低下していたので、アリスの渾身の1激に耐えられなかった!
「トドメぇ!」
アリスは獣人化で強化した肉体で天井にいるケヌマに十字斬を放とうとした時、起き上がった吸血姫(コハラコ)が凄まじい速さでアリスに迫って来た
「お姉様…避けてっ!」
サーシャの叫びで吸血姫(コハラコ)に気が付いたアリスだったが、完全にタイミングを盗まれていた
「お前…殺す…」
彼女の硬質化した手刀がアリスの喉を目掛けて伸びてきた
続く
ヴァンパイア達との戦いはアドル達の勝利で終わるかと思われた時、吸血鬼オデュッセウス伯爵は魔法陣を描き魔操機兵を召喚した
「おやおや…いつぞやのお嬢さん達か…ヒイロの奴は居ないのか?…まぁ良いだろう、お前達の亡骸を届け、奴の絶望する顔を拝んでやるぜ!」
かつて温泉宿の帰り道で、襲いかかりヒイロに撃退された【ケヌマ・ロウヤ】が魔装機兵を操り三姉妹に立ち塞がった
「どういう事ですの?貴方はあの後、保安隊に捕まった筈ですの?」
「あんな窮屈(キュウクツ)な所、さっさと抜け出してやったぜ!その後、世界各地を転々としたある日【古代の遺産発掘される研究者求む】と言う書き込みを目にしてな、鍛冶など忘れて古代文明の解析に没頭したぜ
そして、この魔操機兵が稼働状態まで持ってこれた頃、オデュッセウスに拉致された。って訳だ」
「なら何故、ソレを使ってでも逃げなかったんだい?そのチカラがソレには有るだろう?」
「俺にとっては人間側だろうが、魔族側だろうが…そんなの関係ねぇんだよ!それに、コイツの構造を知った学者先生達はコイツを封印しようとしやがったんだ。有り得ねぇよなぁ!コイツの完成を目指すならどの道、魔族側の方が都合が良いんだよ」
「アナタ最低ね!そんな事までして、お兄ちゃんに復讐しようだなんてっ!カッコ悪いわよ」
アリスはプンスカしていた
周りの者達は彼等のやり取りを聞いていたが、ここを好機!と見たリリアは、オデュッセウスの背後から魔法攻撃した
「ぎょべぇぇっ!」
リリアの魔法はオデュッセウスの翼の片方を破壊した。片翼になった彼は飛んでいられなくなり地に落ちた
「ぐぬうぅ!貴方っ!レデイであれば、人の話は最後まで聞くのがマナーでしょうぉう!もう、許せませしぇん!」
「ナイスだよ、リリア!」
地上での戦いならアドルはオデュッセウスに引けを取らない。彼等はケヌマの話はソッチのけで戦い始めた
「お前らなぁ…人の話は最後まで聞けよな……まあ良い。とにかく貴様ら三姉妹は、俺の復讐の為にここでシネ!」
立ちはだかる魔装機兵に対して、狼(ハイラ)がかく乱してアリスが攻撃を始めていた
「十字斬!!」
アリスの渾身の一撃も魔操機兵の装甲には、かすり傷を付ける程度だった
「どうやら姉さんの攻撃では倒せそうにないね…サーシャ魔力回復薬を…」
「でも、今日カルーアお姉様は本来の総魔力で2日分くらいの魔力を既に使ってますの…これ以上は…お姉様が耐えられなくなりますの」
「ありがとうサーシャ…でもね、わたし達は生きて帰るんだよ。帰りを待ってくれている…ヒイロの元に帰らなきゃならないんだ!」
そのセリフには恥ずかしがり屋なカルーアが今まで、付き合い出しているのにヒイロの事を恥ずかしさのせいで、名前で呼べない彼女の気持ちを乗り越える決意が宿っていた
あるいは、再開した姉のアリスがアドルの事を呼び捨てにして話している事に、カルーアも感化されたのかもしれない
「分かりましたの、これで私の手持ち全部ですの。落ち着いたら支援してくださいなの」
カルーアの覚悟を聞き、サーシャも覚悟を決めた。ミスリル製のハンマーを握りしめ立ち上がる
「ふんぬっ!くらいやがれぇですの!」
サーシャは渾身のチカラで投げたハンマーに、たっぷり魔力を流し込んだ!ハンマーは本来の5倍程の大きさに膨れ上がってケヌマを襲う!
大きくなったハンマーが飛んでくるのを察知したケヌマは、寸胴体型の魔操機兵を素早く振り向かせ、飛んできたハンマーを両手でキャッチさせた!
「さすが魔操機兵だ、何ともないぜ!」
サーシャの渾身の一撃は止められてしまったが…
「世界を彩る7精霊よ、我が前に立ち塞がる敵を貫け!【七精守護霊(ハーロウィーン)】!」
カルーアは全ての魔力を総動員し、世界に存在する七つの精霊の魔法力をその身に集約させた!
ハンマーを受け止めている魔操機兵に、休む間もなく超極大魔法で追撃をかけたカルーア
「ぎょべぇばあぁぁっ!」
正面から超極大魔法を浴びる魔操機兵!その表面には対魔法コーティングが施されていたが、【七精守護霊(ハーロウィーン)】でボディの前面は焼き焦がされ、中の配線も何ヶ所か焼き切られた!
「くうっ…もう限界だ…」
僅か数時間で自分の魔力総量の約3倍を、ポーションで回復しては使い回復しては使った反動が、カルーアを襲った!激しい目眩と強烈な頭痛と吐き気に襲われていた。両膝を地に着けた彼女(カルーア)は、虚ろな目で魔操機兵を眺めた
「馬鹿なっ!幾重にも施した対魔法処理がぁ…なんなんだ、あの小娘は!?なんなんだ、あの魔法は!?」
ケヌマが緊急ボタンを押すと、天井のハッチとボディのカバーが外れた
「魔力切れか?気を失ったのか?…おい起きろ!起きて魔力を供給しろ!」
ボディのカバーが外れたその内側に、水槽の中に縛り付けにされているハイエルフが居た。ソレを見て驚愕するカルーア
「か、母さァァァん!」
「えっ?カルーアの…」
アリスとサーシャは驚いた。魔操機兵の胴体の中に固定され、動力源となっているエルフの美しい女性、ソレを「母さん」と呼ぶカルーア
「ええいっ!気絶しているのか?…高い薬だが仕方ない…コレをやるから目覚めろ!働け!」
ケヌマは操縦席の床にある、給油口みたいな蓋を取り、瓶に入った真っ赤な薬品を流し込んだ
するとハイエルフの女性が居る水槽の中に、ケヌマが流し込んだ真っ赤な薬品が入って来た
「グゲゴゴゴっ…」
その薬品が入って来ると、明らかに水槽の中のハイエルフは苦しみだした。しかし、弱々しいが魔操機兵が再び動き出した
「くそっ!やっぱりまだ、魔力伝達の効率が悪いのか?ハイエルフを動力源にしているのに、もう活動限界だとは…」
魔操機兵の動きが弱っているうちに、背後から攻撃しようとするアリス
横に居る狼(ハイラ)が魔操機兵と反対の方を見た。先程吹き飛ばして気絶させていた吸血姫(コハラコ)がゆっくり起き上がろうとしていた
魔操機兵は全体的に動きが鈍っていたが魔法の使い過ぎで、その場から全く動けないカルーア目掛けて突進する
「潰れろ小娘!」
魔操機兵がカルーア目掛け拳を振りかざす
「WRYYYYYY!」
アリスが【獣人化(ヴォイドルフ)】を使い肉体性能を強化して、魔操機兵の右腕を切り落とした
「ぬあっ!なんだと!?」
カルーアの超極大呪文に焼かれた魔装機兵のボディは著しく防御力が低下していたので、アリスの渾身の1激に耐えられなかった!
「トドメぇ!」
アリスは獣人化で強化した肉体で天井にいるケヌマに十字斬を放とうとした時、起き上がった吸血姫(コハラコ)が凄まじい速さでアリスに迫って来た
「お姉様…避けてっ!」
サーシャの叫びで吸血姫(コハラコ)に気が付いたアリスだったが、完全にタイミングを盗まれていた
「お前…殺す…」
彼女の硬質化した手刀がアリスの喉を目掛けて伸びてきた
続く
応援ありがとうございます!
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