ようこそ幼い嫁候補たち④

龍之介21時

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夢忘れ編

ホロミナティの4人

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【翌朝の冒険者ギルド】
いつも日銭を稼ぐ為に訪れている冒険者ギルドだが、今日は一段と賑やかな様子だ。その中でギルマスに噛み付いている3人の冒険者が居る

「おい!報酬少ねーんじゃねーの?」
「命懸けだったんだぞ!」
「これじゃ割に合わんすよ」

「正当な額だ。嫌なら他所に行け!」


一方、ギルド内に設置されているBARで気分良く飲んでいる20代後半の男2人と女1人のパーティが話している

「高難易度クエストだけあって良い報酬が入ったぜ!今夜は店の子達を抱きに行けるぜ❤︎」

「馬鹿 言ってないで装備や日用品(アイテム)に回すのよ!」

「俺はアミー水を買いに行くぜ♪」


今日も朝から冒険者ギルドはたくさんの冒険者たちで賑わっているようだ
「カランカラン♬」

「おっ!来たようだにぇ!」
「お師匠様お久っす!」
「約束通りの時間ですね」
「今回は…やっぱりHARDなんすか~?」

三姉妹とコハラコ、ヨシュアとエルデスがギルド内に入ると…今回の長期遠征に同行してくれる【秘密結社ホロミナティ】の4人が出迎えた


「うん。まぁ…今も戦争中のマナティートに援軍として向かうからね。まずこの前、姉さん達が魔物討伐に行っていた【カルデア森林帯】を突破しないといけないんだ。その次に【ルナティック大山脈】も突破する…そして辿り着いたマナティート地方でも戦闘になるだろうからね…今回は戦闘回数も多いだろうし、日数もかなり掛かると予想されるよ」

「( -᷄ω-᷅ )はぁ…ヤッパそうなんすね…アルバート家の皆さんは凄く頼りになるんですけど…その分一緒するクエストは超HARDなんすよね~…でも!その分、報酬もデカイから頑張っちゃうすっよ♪」

「そったら心配する事もねーべや!聞いてくださいお師匠様!少す前に昇進試験っちゅーモンを受けて、全員Bランク冒険者になったんよ!」

今回のクエストはかなり厳しいモノになると、カルーアに聞かされた面倒くさがり屋のサケマタは溜息(タメイキ)を付いたのだが…ノエールの報告によると【ホロミナティ】は全員Bランクに昇進したようだ

「元々Bランクだったサケマタも一応、昇進試験受けてみたんですけど…やっぱりAランクは別世界でしたよ( ̄▽ ̄;)あはは…」

「まぁAランクやSランクとなると、世界中でもその人数がグッと下がりますからね。そんなに気にする事でもないと思いますよ。ね?ミコ様?」

「…えっ!?うん…そうだにぇ…気にしないにぇ…」

【ホロミナティ】のBOSSであるミコに相槌(アイヅチ)を求めて話しを振ったコヨリィだったが…ミコからは普段の明るさが感じられない


「ミコさん。どうかしたんですの?」

「う、うん…今回は【マナティート地方】の援軍だよね?特に姫様の助けだって……何か…【マリニウム地方】に残してきたお姉ちゃんの事を思い出しちゃって…何だかミコばかり色々経験させてもらって申し訳ないと思うんだにぇ…」

どうやらミコは、マリニウムに残った双子の姉のボッチちゃん(今はミーコと名乗っている)が国の再興の為に骨身を削って頑張っているのに対し、自分は他所(よそ)の土地で楽しくギルド運営をしている事に引け目を感じているようだ

ミコの顔には陰りがあり元気なく俯(うつむ)いている。そんな彼女にヨシュアが声を掛けた

「ミコだったか?良いか…人には生まれ持ってどうしても捨てられない立場ってものが有るんだ。お前の姉もソレから逃げる訳には行かないから残ったんだろ?」

「ソレは…そうだにぇ…」

「だったら、せめてお前は姉の分も出来ることを精一杯楽しめよ!その知らせが聞こえてくるだけで、お前の姉もいくらか癒されるだろうよ」

ヨシュアのミコへの言葉は自分自身が置かれている立場を重ね合わせての発言だという事は、三姉妹たちはよく分かっていた

今回アリスに付いて行きたいヨシュアだが元魔王(ザッド)の息子である以上、魔族と敵対行動をすることになる者たちに手を貸すことは出来ないからだ

「さっすが、お師匠様は言うことがちげーなぁ!若いのに貫禄たっぷりなんすよ♪」

ショタ好きのノエールは、自分の剣技の師匠であるヨシュアの言葉に深い感銘を受けている

「大丈夫だよヨシュア!姉さんの面倒は、わたし達でちゃんと見るからさ♪」

「ε٩(๑>ω<)۶зもう!アリスがお姉さんなんだからねぇ!カルーアもサーシャも安心してくれて良いんだよォ!んもぉ!」

まるでカルーアがしっかりした姉で、アリスが心配な妹かの様に言われて不機嫌になるアリス
「(๑¯∇¯๑)ハハハ」
いつもの三姉妹の落語のようなオチが付くトークだが、周りの者たちは笑い気持ちが和(なご)んだようだ


「あれぇ?そう言えばエリエスちゃんはぁ…まだなのかなぁ?」

「アイツは何でも正確にこなす奴だから…間もなく来るんじゃねーのか」

こんな風に自分が弄(いじ)られたら、フォローの言葉を入れてくれるエリエスが居ないことに気が付いたアリス

ギルド内を見渡した彼女だが…今回のクエストにも同行してくれる約束をしていたエリエスが見当たらない

「やれやれ、ここに居ますわよ!」

「あっ!エリエスちゃんだぁ♪」
「ほらな。そういう奴なんだよ」

ヨシュアの言う通りエリエスは時間に対して正確で、既に冒険者ギルドの中に居た

「居たんならぁ、声を掛けてくれたら良いのにぃ…」

「申し訳ありませんわ。実はお爺様からサーシャさんに渡して欲しいと頼まれたこの【ガントレット】の再調整をするのに集中していましたので…はいサーシャちゃん。貴女の左手用にお爺様が作ってくれたのです。使ってもらえませんか?」

「(๑°ㅁ°๑)えっ!?ヘパイトスさんがサーシャの為に作ってくれたんですの?」
「良かったねサーシャママ!」

突然の贈り物に驚くサーシャと、ソレを喜ぶコハラコ。彼女の驚きも当然である。なぜなら【大陸一の名工】として、その名を馳せるヘパイトスへの武器防具の製作依頼は、仮にどんな大金を積んでも彼がヤル気になれなかったら絶対に引き受けてもらえないからだ

「この前、お祖母様が高熱を出してうなされていたのを回復してくれたお礼も兼ねている。とお爺様が言ってましたわ」

そんな凄い人がサーシャの為にサプライズでプレゼントしてくれたのだから、驚かないハズがないのだ

「サーシャさんは基本 回復術師ですけど、その有り余るパワーを活かさないのは勿体ないと、前からお爺様も言われてましてコツコツ作ってくれたのですよ♪」

「凄く嬉しいですの♬……そうですの!今度、美味しいケーキを作ってお礼に伺わせてもらいますの!」

「お爺様は…お祖母様もですけど、甘い物は大好きですのでキット喜んでもらえますよ!……ところで…どうしてヨシュア君が来ているのでしょうか?」

エリエスは「今回は外せない用事があって参加出来ない!」と言っていたヨシュアが居る事に疑問を持ったようだ



続く
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