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夢忘れ編
ヨシュアにモテ期到来?
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【冒険者ギルドの奥】
大勢の冒険者で今日も賑わいを見せる冒険者ギルドの中にアルバート家族の者も居るのだが…そこと同じテーブルに座る不機嫌なエリエスが居る
「今回は外せない用事があるから参加出来ない……とか言ってませんでしたか?それなのに、どうしてここに居るのですか?もしかして…私(わたくし)じゃアリスお姉様を任せるのは不安だ。などと思っているのですか?」
取り敢えず祖父のヘパイトスから頼まれていたサーシャへのガントレットを手渡したエリエスだが…その最中にも彼女の不機嫌さは顔に出ており、サーシャも少し戸惑いつつ受け取っていた
つまりエリエスは今回の長期遠征で、アリスとの仲をより深めようと張り切っていたのだ。しかもヨシュアというおじゃま虫が居ない状況下で
「そうじゃねーよ。お前の強さは知ってる!人間側で強さの基準にしてるランク付けで言ったらお前は…現在Sランクだが数年後にはSS(ダブルエス)ランクにも届くだろう。って思ってるぜ」
「じゃあ、どうして来てるのよ?」
「……大きな声じゃ言えないから、ちょっと耳を貸してくれ」
「はぁ?どういう事ですか?」
「あー、面倒くせえな。暴れるんじゃねーぞ!」
「(๑º口º๑;)な、何を!?」
素直に話を聞こうとしてくれないエリエスにシビレを切らしたヨシュアは、エリエスの頭部を両手で掴み自分の口元に彼女の耳を近付けさせた。まだまだ未成熟なヨシュアとエリエスでは身長的に20cm程ヨシュアの方が小さいので、膝を曲げたりしてくれないと内緒話が出来ないのだ
「俺が元魔王(ザッド)の息子だって知ってるだろ?人間側と魔族側が戦争してる国に…ましてや人間側の援軍で行くなんて出来ねーんだよ。だからよ、付いていくのは【マナティート地方】の入り口までだ。そこから先はお前やカルーア達に任せるから…頼んだぜ」
ヨシュアが、死んだことにしている元魔王(ザッド)の息子であることは…アルバートファミリーとかなり親しい1部の者しか知らない話だ。ソレが冒険者ギルドの中なので、他の誰かに聞かれないようにする為に取った手段だったのだが…
「(// ^//)いつまでも引っ付いてないで離してください!そ、その事は知っていますから…つまり、途中までは付いてくる。という事で宜しいんですのよね?」
「あぁ、そういうこった」
「その程度の話でしたら、ワザワザあんなに密着して話さなくとも分かります…馬鹿!」
「……そーかい?…ん!?何でお前、顔を赤くしているんだ?変な奴だな…」
ヨシュアはエリエスの実力を認めていると言っていたが…それはエリエスも同じで、ヨシュアの強さを認めつつ尊敬もしている
そんな彼に密着されたからなのか?それとも年頃の異性と密着したのが初めてだったからなのか?エリエスは顔を真っ赤にして恥ずかしがっている
しかし、まだまだ若過ぎるヨシュアには恋愛経験が浅すぎて、エリエスが恥ずかしがる理由が分からないようだ
「あらあら~エリエスさんがアリスお姉さま以外に対して顔を赤くしているなんて珍しいですの♪もしかして…」
エリエスの赤面をいち早く気が付いたサーシャは、すかさず彼女をからかう
「ち、違います!サーシャさんが思ってるような事は決してありませんから!」
「ねぇエリエスちゃん。もしかしてだけどぉ…ヨシュアの事を意識しちゃったり…しちゃったのぉ?ねぇ?」
流石に天然純粋なアリスもエリエスの変化に気が付いたらしく、エリエス&ヨシュアのカップリングの可能性を疑ってきた
「あ、有り得ませんから!アリスお姉さまは心配しないで良いんですよ。私(わたくし)はアリスお姉さまひと筋ですからね!」
初めてアリスに疑われたことで挙動不審になるエリエス。そんな彼女たちを見て【ホロミナティ】のひとりノエールが近付いてきた
「お師匠様…なんぞややこしい話になってんなや…そうね!ワタスならお師匠様ひと筋になれんべや。そうすれば、まぁるく収まる話じゃなかんね?」
「ちょ!?お前なに言ってんだよ?」
「むっ!?ヨシュアに擦り寄らないでよぉ!」
「あら~ヨシュア様ったらモテモテですね~♬」
「馬鹿野郎エルデス!からかってんじゃねーよ!」
ヨシュアから戦闘訓練を受けている【ホロミナティ】のメンバー。特にノエールは身のこなしから先頭の駆け引きや、武器の活用法に至るまで詳しい指導を彼から受けている。そんな濃い訓練の中で彼に惹かれていたのだろうか?その意外なアプローチに焦るヨシュアとアリス
「ねぇコヨリィ。ノエールのアレどう見ます?結構本気だったりするんですかね~?」
「んーどうかな~?小さな男の子が好きだ。と前に言ってましたからソッチの可能性も有り得ますし…もしかしたら両方かも知れませんね~」
同じ【ホロミナティ】のメンバー。ノエールのアプローチの真意を予想するメンバーたち
「お前らいつまでチチクリあってるにぇ!参加メンバーは揃ったんだから良い加減出発しないと日が暮れてしまうにぇ!」
「まぁまぁミコ姉さん、好きな人への想いが生存率を高くするのはよくある話ですし、少し多めに見てあげましょうよ?」
「………手短に終わらせるにぇ。今回は長期クエストになるんだからな」
予想外のことで井戸端会議に花が咲いてしまった感じになっていた彼らに、シビレを切らせた【ホロミナティ】のBOSSであるミコは出発を催促した
コヨリィの言い分も理解できるミコ。マリニウムで公務に励んでいる姉に、妹(ミコ)の訃報など報せる訳にはいかない!という想いを彼女が持っているからだ
「そうだよ姉さん。これから危ない長期遠征なんだ。三角関係が四角関係になりそうだから焦るのは分かるけど、そういう事は無事にクエストを終えてからにしようね?」
「うん、そうだねカルーア。ヨシュアもエリエスちゃんも出発しようよぉ!」
長女のアリスを大事にしているカルーアは、しばらくその様子を見守っていたが…ミコの催促もあり同じく出発を促(うなが)した。彼らが冒険者ギルドを出ようとした時、ギルドマスターから声を掛けられた
「今回のクエストを引き受けてくれるのは有り難いが…今回は誰がパーティのリーダーになるんだい?」
「えっ!あぁそうだね。今回はわたしがパーティのリーダーを務めるよ。良いかいみんな?」
これ以上長引かせるのは良くないと思ったカルーアが、自ら今回のパーティのリーダーを引き受けてくれた。参加者の全員も異論は無いようで納得した
「それならひとつ相談があるんだがね…」
「何だいギルマス言いづらそうにして?」
「今回のクエストはAランクが適切なランクだと判断するのだけど…カルーアちゃんやエリエスちゃん達のSランク雇用代金が高くてね…」
「あ~そういう事?良いよ。アルバートファミリーは全員Aランク代金で参加させてもらうね」
「それは有り難い!ギルド運営も厳しくてね…もちろん!その難易度の上を行くレベルの敵を討伐したら、それ相応の支払いはするからその辺はキッチリ申告してくれ」
「分かった。そうさせてもらうよ。さぁみんな出発しようか!」
予想外のドタバタが起きたが、今回はカルーアをリーダーに据えて【アルバートファミリー】の6人と【ホロミナティ】の4人。それにエリエスを加えた11人でマナティート地方に向けて出発した
続く
大勢の冒険者で今日も賑わいを見せる冒険者ギルドの中にアルバート家族の者も居るのだが…そこと同じテーブルに座る不機嫌なエリエスが居る
「今回は外せない用事があるから参加出来ない……とか言ってませんでしたか?それなのに、どうしてここに居るのですか?もしかして…私(わたくし)じゃアリスお姉様を任せるのは不安だ。などと思っているのですか?」
取り敢えず祖父のヘパイトスから頼まれていたサーシャへのガントレットを手渡したエリエスだが…その最中にも彼女の不機嫌さは顔に出ており、サーシャも少し戸惑いつつ受け取っていた
つまりエリエスは今回の長期遠征で、アリスとの仲をより深めようと張り切っていたのだ。しかもヨシュアというおじゃま虫が居ない状況下で
「そうじゃねーよ。お前の強さは知ってる!人間側で強さの基準にしてるランク付けで言ったらお前は…現在Sランクだが数年後にはSS(ダブルエス)ランクにも届くだろう。って思ってるぜ」
「じゃあ、どうして来てるのよ?」
「……大きな声じゃ言えないから、ちょっと耳を貸してくれ」
「はぁ?どういう事ですか?」
「あー、面倒くせえな。暴れるんじゃねーぞ!」
「(๑º口º๑;)な、何を!?」
素直に話を聞こうとしてくれないエリエスにシビレを切らしたヨシュアは、エリエスの頭部を両手で掴み自分の口元に彼女の耳を近付けさせた。まだまだ未成熟なヨシュアとエリエスでは身長的に20cm程ヨシュアの方が小さいので、膝を曲げたりしてくれないと内緒話が出来ないのだ
「俺が元魔王(ザッド)の息子だって知ってるだろ?人間側と魔族側が戦争してる国に…ましてや人間側の援軍で行くなんて出来ねーんだよ。だからよ、付いていくのは【マナティート地方】の入り口までだ。そこから先はお前やカルーア達に任せるから…頼んだぜ」
ヨシュアが、死んだことにしている元魔王(ザッド)の息子であることは…アルバートファミリーとかなり親しい1部の者しか知らない話だ。ソレが冒険者ギルドの中なので、他の誰かに聞かれないようにする為に取った手段だったのだが…
「(// ^//)いつまでも引っ付いてないで離してください!そ、その事は知っていますから…つまり、途中までは付いてくる。という事で宜しいんですのよね?」
「あぁ、そういうこった」
「その程度の話でしたら、ワザワザあんなに密着して話さなくとも分かります…馬鹿!」
「……そーかい?…ん!?何でお前、顔を赤くしているんだ?変な奴だな…」
ヨシュアはエリエスの実力を認めていると言っていたが…それはエリエスも同じで、ヨシュアの強さを認めつつ尊敬もしている
そんな彼に密着されたからなのか?それとも年頃の異性と密着したのが初めてだったからなのか?エリエスは顔を真っ赤にして恥ずかしがっている
しかし、まだまだ若過ぎるヨシュアには恋愛経験が浅すぎて、エリエスが恥ずかしがる理由が分からないようだ
「あらあら~エリエスさんがアリスお姉さま以外に対して顔を赤くしているなんて珍しいですの♪もしかして…」
エリエスの赤面をいち早く気が付いたサーシャは、すかさず彼女をからかう
「ち、違います!サーシャさんが思ってるような事は決してありませんから!」
「ねぇエリエスちゃん。もしかしてだけどぉ…ヨシュアの事を意識しちゃったり…しちゃったのぉ?ねぇ?」
流石に天然純粋なアリスもエリエスの変化に気が付いたらしく、エリエス&ヨシュアのカップリングの可能性を疑ってきた
「あ、有り得ませんから!アリスお姉さまは心配しないで良いんですよ。私(わたくし)はアリスお姉さまひと筋ですからね!」
初めてアリスに疑われたことで挙動不審になるエリエス。そんな彼女たちを見て【ホロミナティ】のひとりノエールが近付いてきた
「お師匠様…なんぞややこしい話になってんなや…そうね!ワタスならお師匠様ひと筋になれんべや。そうすれば、まぁるく収まる話じゃなかんね?」
「ちょ!?お前なに言ってんだよ?」
「むっ!?ヨシュアに擦り寄らないでよぉ!」
「あら~ヨシュア様ったらモテモテですね~♬」
「馬鹿野郎エルデス!からかってんじゃねーよ!」
ヨシュアから戦闘訓練を受けている【ホロミナティ】のメンバー。特にノエールは身のこなしから先頭の駆け引きや、武器の活用法に至るまで詳しい指導を彼から受けている。そんな濃い訓練の中で彼に惹かれていたのだろうか?その意外なアプローチに焦るヨシュアとアリス
「ねぇコヨリィ。ノエールのアレどう見ます?結構本気だったりするんですかね~?」
「んーどうかな~?小さな男の子が好きだ。と前に言ってましたからソッチの可能性も有り得ますし…もしかしたら両方かも知れませんね~」
同じ【ホロミナティ】のメンバー。ノエールのアプローチの真意を予想するメンバーたち
「お前らいつまでチチクリあってるにぇ!参加メンバーは揃ったんだから良い加減出発しないと日が暮れてしまうにぇ!」
「まぁまぁミコ姉さん、好きな人への想いが生存率を高くするのはよくある話ですし、少し多めに見てあげましょうよ?」
「………手短に終わらせるにぇ。今回は長期クエストになるんだからな」
予想外のことで井戸端会議に花が咲いてしまった感じになっていた彼らに、シビレを切らせた【ホロミナティ】のBOSSであるミコは出発を催促した
コヨリィの言い分も理解できるミコ。マリニウムで公務に励んでいる姉に、妹(ミコ)の訃報など報せる訳にはいかない!という想いを彼女が持っているからだ
「そうだよ姉さん。これから危ない長期遠征なんだ。三角関係が四角関係になりそうだから焦るのは分かるけど、そういう事は無事にクエストを終えてからにしようね?」
「うん、そうだねカルーア。ヨシュアもエリエスちゃんも出発しようよぉ!」
長女のアリスを大事にしているカルーアは、しばらくその様子を見守っていたが…ミコの催促もあり同じく出発を促(うなが)した。彼らが冒険者ギルドを出ようとした時、ギルドマスターから声を掛けられた
「今回のクエストを引き受けてくれるのは有り難いが…今回は誰がパーティのリーダーになるんだい?」
「えっ!あぁそうだね。今回はわたしがパーティのリーダーを務めるよ。良いかいみんな?」
これ以上長引かせるのは良くないと思ったカルーアが、自ら今回のパーティのリーダーを引き受けてくれた。参加者の全員も異論は無いようで納得した
「それならひとつ相談があるんだがね…」
「何だいギルマス言いづらそうにして?」
「今回のクエストはAランクが適切なランクだと判断するのだけど…カルーアちゃんやエリエスちゃん達のSランク雇用代金が高くてね…」
「あ~そういう事?良いよ。アルバートファミリーは全員Aランク代金で参加させてもらうね」
「それは有り難い!ギルド運営も厳しくてね…もちろん!その難易度の上を行くレベルの敵を討伐したら、それ相応の支払いはするからその辺はキッチリ申告してくれ」
「分かった。そうさせてもらうよ。さぁみんな出発しようか!」
予想外のドタバタが起きたが、今回はカルーアをリーダーに据えて【アルバートファミリー】の6人と【ホロミナティ】の4人。それにエリエスを加えた11人でマナティート地方に向けて出発した
続く
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