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夢忘れ編
マナティートからの使者
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【野営地】
家で留守番しているハズのヒイロが、戦地であるこのマナティートに居ることに驚くカルーアとアリス
「どうしてヒイロまで来ちゃったのさ?」
ヒイロ・アルバートは鍛冶師だ。一応武器防具製作に関わっている以上、彼もそれなりの戦闘力は持っている…が、普段はBランクであり緋の目の能力(チカラ)を解放してもAランクである
しかも解放出来る時間は5分前後だ。冒険者としても十分ヤレるレベルではあるが…三姉妹たちが先ほど手玉に取られた【マーマル遊撃隊】などの精鋭と戦えば、生命の危険にさらされるだろう
そんな過酷な地に愛するヒイロが来たものだから、カルーアが心配するのも当然だ。本心を言えばサーシャが奪取されたこのタイミングに、彼の顔を見れたのは個人的には嬉しいのだが…
「実はさ~アテナ様から用心棒(ニモツモチ)で雇われちゃってさ。ついでに三姉妹の護衛もして欲しいって言われちゃってさ♪」
「聞いてもいないのに何で勝手に喋りだしてんのさ。キミは…」
ヒイロの参加が嬉しくもあり、不安でもあるカルーアがその理由を聞こうとしていたところに、リーリア姉妹の妹シャルルが口を挟んできた
「だーってさ、心配だったんだもーん♪」
「だもん。じゃないよ!どうせまたヒイロの前で良い格好したいだけなんだろう?」
「(๑¯∇¯๑)わはは♪カルーア、アンタってとんでもない早さで強くなっていったけどさ…頭の中は大して変わってないんだね。安心したよ…可愛いね♬」
「(// ^//)なっ!?何言ってんのさキミは…」
カルーアと同じくヒイロの事が好きなシャルルを、からかうつもりで話を振ったのに「可愛いね」と言われ赤面させられたカルーア
「ほっほっほ。照れてる顔は何とも愛くるしいのぉ♪」
「ε٩(๑>ω<)۶зもう!アテナ様まで!…もう良いからキミ達が揃って来た理由と、ヨシュアが居なくなった理由を話してよ!!」
アテナにまでからかわれたカルーアは、照れ隠しで「サッサと話してよ!」と催促を入れた
アテナはホロミナティの方を見た。ヘンダーソンが場を盛り上げて、リーリア姉妹の仲間であるガルダンが合いの手を入れている。すこぶる盛り上がっている様子を確認した
「リーリア姉妹とやらには初めての話になるがな。世界情勢に関わる重要な話じゃ、心して聞けぃ!」
「そんな大切な話を聞いても大丈夫かしら?」
「聞く覚悟はしてきたわ。エリスアって名乗った女性からも、タダならぬ気配を感じたし…話してくれて良いわよ」
姉のシェリーの方が緊張しているが、妹のシャルルは恋敵であるカルーアが古代人の遺産である進化形超人類である事を知っているので、今回のクエストに関わる事が責任の重い事だと理解しているようだ
「ヨシュアが闇の波動(チカラ)を使っているのは知っておるな…あヤツは先代魔王の息子じゃ」
「……えっ!?」
「……えぇ!?」
Aランク冒険者として数々の場数を乗り越えてきたリーリア姉妹とはいえ、共にクエストに望んだ事もある彼が、正当な魔王の後継者と知り驚きを隠せないようだ
「【マーマル遊撃隊】とか言う3人組に三姉妹の末っ子サーシャが拉致された。ワシの孫であり基礎型超人類のエリエスや、進化形超人類のカルーア、それに魔王の息子である彼が居たにも関わらずじゃ」
「そんな事があったのですか?…カルーア大丈夫なのか?今回のクエスト…このまま続けても平気なのか?」
カルーアの恋人であるヒイロからすれば、そんな面子(メンツ)が揃っている中でサーシャを拉致する程の手練の連中と、今後も自分の恋人たちが戦うのは心配でならない
「どのみち、もう後戻りは出来ないよ。何がなんでもサーシャは取り返さなくちゃイケないんだからさ」
「…と、今ではアルバート工房の主人の【幼い嫁候補】の立場のカルーアでさえも、それだけ責任を感じとる訳じゃ…なら、魔王の息子であるあヤツからすれば、もっと大きな責任を感じておるのじゃろうて…あんな覚悟を決めた漢の目を魅せられてしもうては、ワシもよぉ止められんかったわい」
「……そっかぁ…ヨシュアはそんなにもサーシャが拉致されちゃった事にぃ、責任を感じてくれてたんだねぇ…もぅ…カッコつけなんだからぁ!」
カルーアの覚悟の言葉から、魔王の息子であるヨシュアがそれ以上の責任を感じて、敵の隠れ家に向かった意味を知ったアリスとカルーア
「それとな…今アルバート家に居候(いそうろう)しておるオナゴは…ワシの知り合いでもある(まぁ嘘じゃがの)彼女からの依頼を受けてマナティートの姫の手助けに行くのが今回の目的になる訳じゃな」
「良いでしょうか?」
「何じゃ、言うてみい」
アテナの話に口を挟んだエルデス
「その女性…エリスアさんの言ってた話によれば~…アルバート家の誰かの未来が視えなくなる~。という事でしたが~…サーシャちゃんが~私の前で宝石の中に入れられた時なんですけど~近くに居る間は~彼女の存在を魔法で感知出来てたんですよ~」
「なるほどのぅ…じゃが、しかしが続くのじゃな?」
「はい~それから~数メートルも離れたら~彼女の入れられた宝石が視認できていても~存在を感知できませんでした~エリスアさんが言っていた~未来が見えなくなる。って言うことは~もしかしたら~」
「なるほど!未来が見えなくなる、イコール死亡する。とは限らないって事か!」
「なるほどね!その可能性は高そうだね!良かったね、姉さん。誰かが死ぬって決まった訳じゃなさそうだよ♪」
「うん、良かったぁ…でも、サーシャは助けたいよぉ。必ずね!ヨシュア…無事に帰ってきてよぉ、必ずだよぉ…」
エルデスの話を理解したヒイロ
その話から、誰かが死ぬとは限らない。と導いたカルーアの言葉に安心したアリスだが、ヨシュアの事は心配なようだ
「さて話は以上じゃな。エリエスや、後片付けをしておいてくれ」
「はい、分かりましたわ」
「アタシも手伝うねぇ」
祖母のアテナから片付けを頼まれたエリエスを、彼女と仲の良いアリスが手伝った
「コハラコも手伝うノ」
その様子を見たコハラコも、サーシャの不在の肩代わりをしようと考えたのか?まだまだ不得手な後片付けを手伝うようだ
【更なる合流者】
朝食とコーヒータイムが終わり、片付けも済んだところで出発の準備をしようとした頃…向こうから20騎ほどの馬が、アルバートファミリー目掛けて走ってきた
数分後、騎馬隊は三姉妹たちの10数メートル手前で一斉に歩みを止めた。鎧姿の30過ぎの男がいち早く馬から降りると、その後方に居る可愛らしい少女が馬から降りる手伝いをしていた
「我が名はゲイツ・マカパイン!マナティート王国の第2騎士団長を務めている。そして、コチラに居(お)られるのは…我が軍の天才軍師…」
「ホルン・グリンミストと申します…見たところ…マナティートの人間では無いようですが…何の御用でこの国に入ろうとしているのだ?」
「わたしと同じエルフか…」
部下から【天才軍師】と言われているホルンから、同じ種族であるということ以上の何かを感じているカルーア
騎士団長ゲイツに守られる様にして現れた、彼が言う天才軍師【ホルン・グリンミスト】は見た目からも森の守り人であるエルフを象徴するような長い耳と、緑色の髪の毛を生やした小さな少女だった
どうやらマナティート側から派遣された者たちの様だが…アルバートファミリーとどうのように関わってくるのだろうか?
続く
家で留守番しているハズのヒイロが、戦地であるこのマナティートに居ることに驚くカルーアとアリス
「どうしてヒイロまで来ちゃったのさ?」
ヒイロ・アルバートは鍛冶師だ。一応武器防具製作に関わっている以上、彼もそれなりの戦闘力は持っている…が、普段はBランクであり緋の目の能力(チカラ)を解放してもAランクである
しかも解放出来る時間は5分前後だ。冒険者としても十分ヤレるレベルではあるが…三姉妹たちが先ほど手玉に取られた【マーマル遊撃隊】などの精鋭と戦えば、生命の危険にさらされるだろう
そんな過酷な地に愛するヒイロが来たものだから、カルーアが心配するのも当然だ。本心を言えばサーシャが奪取されたこのタイミングに、彼の顔を見れたのは個人的には嬉しいのだが…
「実はさ~アテナ様から用心棒(ニモツモチ)で雇われちゃってさ。ついでに三姉妹の護衛もして欲しいって言われちゃってさ♪」
「聞いてもいないのに何で勝手に喋りだしてんのさ。キミは…」
ヒイロの参加が嬉しくもあり、不安でもあるカルーアがその理由を聞こうとしていたところに、リーリア姉妹の妹シャルルが口を挟んできた
「だーってさ、心配だったんだもーん♪」
「だもん。じゃないよ!どうせまたヒイロの前で良い格好したいだけなんだろう?」
「(๑¯∇¯๑)わはは♪カルーア、アンタってとんでもない早さで強くなっていったけどさ…頭の中は大して変わってないんだね。安心したよ…可愛いね♬」
「(// ^//)なっ!?何言ってんのさキミは…」
カルーアと同じくヒイロの事が好きなシャルルを、からかうつもりで話を振ったのに「可愛いね」と言われ赤面させられたカルーア
「ほっほっほ。照れてる顔は何とも愛くるしいのぉ♪」
「ε٩(๑>ω<)۶зもう!アテナ様まで!…もう良いからキミ達が揃って来た理由と、ヨシュアが居なくなった理由を話してよ!!」
アテナにまでからかわれたカルーアは、照れ隠しで「サッサと話してよ!」と催促を入れた
アテナはホロミナティの方を見た。ヘンダーソンが場を盛り上げて、リーリア姉妹の仲間であるガルダンが合いの手を入れている。すこぶる盛り上がっている様子を確認した
「リーリア姉妹とやらには初めての話になるがな。世界情勢に関わる重要な話じゃ、心して聞けぃ!」
「そんな大切な話を聞いても大丈夫かしら?」
「聞く覚悟はしてきたわ。エリスアって名乗った女性からも、タダならぬ気配を感じたし…話してくれて良いわよ」
姉のシェリーの方が緊張しているが、妹のシャルルは恋敵であるカルーアが古代人の遺産である進化形超人類である事を知っているので、今回のクエストに関わる事が責任の重い事だと理解しているようだ
「ヨシュアが闇の波動(チカラ)を使っているのは知っておるな…あヤツは先代魔王の息子じゃ」
「……えっ!?」
「……えぇ!?」
Aランク冒険者として数々の場数を乗り越えてきたリーリア姉妹とはいえ、共にクエストに望んだ事もある彼が、正当な魔王の後継者と知り驚きを隠せないようだ
「【マーマル遊撃隊】とか言う3人組に三姉妹の末っ子サーシャが拉致された。ワシの孫であり基礎型超人類のエリエスや、進化形超人類のカルーア、それに魔王の息子である彼が居たにも関わらずじゃ」
「そんな事があったのですか?…カルーア大丈夫なのか?今回のクエスト…このまま続けても平気なのか?」
カルーアの恋人であるヒイロからすれば、そんな面子(メンツ)が揃っている中でサーシャを拉致する程の手練の連中と、今後も自分の恋人たちが戦うのは心配でならない
「どのみち、もう後戻りは出来ないよ。何がなんでもサーシャは取り返さなくちゃイケないんだからさ」
「…と、今ではアルバート工房の主人の【幼い嫁候補】の立場のカルーアでさえも、それだけ責任を感じとる訳じゃ…なら、魔王の息子であるあヤツからすれば、もっと大きな責任を感じておるのじゃろうて…あんな覚悟を決めた漢の目を魅せられてしもうては、ワシもよぉ止められんかったわい」
「……そっかぁ…ヨシュアはそんなにもサーシャが拉致されちゃった事にぃ、責任を感じてくれてたんだねぇ…もぅ…カッコつけなんだからぁ!」
カルーアの覚悟の言葉から、魔王の息子であるヨシュアがそれ以上の責任を感じて、敵の隠れ家に向かった意味を知ったアリスとカルーア
「それとな…今アルバート家に居候(いそうろう)しておるオナゴは…ワシの知り合いでもある(まぁ嘘じゃがの)彼女からの依頼を受けてマナティートの姫の手助けに行くのが今回の目的になる訳じゃな」
「良いでしょうか?」
「何じゃ、言うてみい」
アテナの話に口を挟んだエルデス
「その女性…エリスアさんの言ってた話によれば~…アルバート家の誰かの未来が視えなくなる~。という事でしたが~…サーシャちゃんが~私の前で宝石の中に入れられた時なんですけど~近くに居る間は~彼女の存在を魔法で感知出来てたんですよ~」
「なるほどのぅ…じゃが、しかしが続くのじゃな?」
「はい~それから~数メートルも離れたら~彼女の入れられた宝石が視認できていても~存在を感知できませんでした~エリスアさんが言っていた~未来が見えなくなる。って言うことは~もしかしたら~」
「なるほど!未来が見えなくなる、イコール死亡する。とは限らないって事か!」
「なるほどね!その可能性は高そうだね!良かったね、姉さん。誰かが死ぬって決まった訳じゃなさそうだよ♪」
「うん、良かったぁ…でも、サーシャは助けたいよぉ。必ずね!ヨシュア…無事に帰ってきてよぉ、必ずだよぉ…」
エルデスの話を理解したヒイロ
その話から、誰かが死ぬとは限らない。と導いたカルーアの言葉に安心したアリスだが、ヨシュアの事は心配なようだ
「さて話は以上じゃな。エリエスや、後片付けをしておいてくれ」
「はい、分かりましたわ」
「アタシも手伝うねぇ」
祖母のアテナから片付けを頼まれたエリエスを、彼女と仲の良いアリスが手伝った
「コハラコも手伝うノ」
その様子を見たコハラコも、サーシャの不在の肩代わりをしようと考えたのか?まだまだ不得手な後片付けを手伝うようだ
【更なる合流者】
朝食とコーヒータイムが終わり、片付けも済んだところで出発の準備をしようとした頃…向こうから20騎ほどの馬が、アルバートファミリー目掛けて走ってきた
数分後、騎馬隊は三姉妹たちの10数メートル手前で一斉に歩みを止めた。鎧姿の30過ぎの男がいち早く馬から降りると、その後方に居る可愛らしい少女が馬から降りる手伝いをしていた
「我が名はゲイツ・マカパイン!マナティート王国の第2騎士団長を務めている。そして、コチラに居(お)られるのは…我が軍の天才軍師…」
「ホルン・グリンミストと申します…見たところ…マナティートの人間では無いようですが…何の御用でこの国に入ろうとしているのだ?」
「わたしと同じエルフか…」
部下から【天才軍師】と言われているホルンから、同じ種族であるということ以上の何かを感じているカルーア
騎士団長ゲイツに守られる様にして現れた、彼が言う天才軍師【ホルン・グリンミスト】は見た目からも森の守り人であるエルフを象徴するような長い耳と、緑色の髪の毛を生やした小さな少女だった
どうやらマナティート側から派遣された者たちの様だが…アルバートファミリーとどうのように関わってくるのだろうか?
続く
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